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プレゼント 書評こぼれ話

  今日から11月
  来週には立冬を迎えます。
  俳句の世界には
  「暮の秋」や「行く秋」、
  「秋惜しむ」「冬隣」といった
  きれいな季語があります。

    秋惜しみをれば遥かに町の音     楠本 憲吉

  今日は楠部三吉郎さんの『「ドラえもん」への感謝状』という
  本を紹介します。
  アニメが好きな人は多いと思いますが
  そのアニメがどこの制作会社で
  作られているかは
  知らない人も多いと思います。
  アニメ『ドラえもん』を制作しているのは
  シンエイ動画という会社です。
  楠部三吉郎さんはその会社で代表をしていたという人。
  『ドラえもん』がここまで人気者になったのも
  楠部三吉郎さんの努力があったからこそ。
  そのあたりのことが
  この本に書かれています。
  アニメが好きな人、
  『ドラえもん』が好きな人、
  必読の一冊です。

  じゃあ、読もう。

「ドラえもん」への感謝状「ドラえもん」への感謝状
(2014/09/01)
楠部 三吉郎

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sai.wingpen  格好いい男                   

 『ドラえもん』はいうまでもなく漫画家藤子・F・不二雄さんの代表作である。
 同時にアニメ『ドラえもん』を見て育った人たちも多いのではないかと思う。
 テレビ朝日系のアニメ『ドラえもん』が始まったのは(わざわざテレビ朝日系とことわったのは、この本にも書かれているがそれ以前に日本テレビ系で放映されていたから)1979年4月2日で、2014年には35周年を迎えた長寿アニメである。
 雑誌とテレビという媒体を比べた場合、やはりテレビの方が圧倒的な力を持っている。だから、ドラえもんが動く姿やドラえもんの声といったことはテレビアニメから刷り込まれていっただろう。
 その現象は長谷川町子さんの『サザエさん』にもいえる。

 この本はテレビアニメ『ドラえもん』の制作会社であるシンエイ動画の代表取締役を経て現在名誉会長である楠部三吉郎氏の半生を綴ったものだが、そういう組織上の肩書よりもアニメ『ドラえもん』を生み出した人といった方がわかりやすい楠部氏の、破天荒な生きざまと『ドラえもん』誕生秘話が語られた一冊という方が、この本には似合っている。
 ここにはMBAで習うようなビジネスモデルはない。
 一昔前の、剛毅で義理に熱く涙もろい浪花節のような営業の世界があるだけだ。お酒があって女がいて、啖呵があって、怒声がある。
 一見『ドラえもん』の優等生ぶりとは程遠いようではあるが、『ドラえもん』がこれほどに愛されるのはかつて私たちが日常ふれていた世界がそこにあるからで、そこには野原があり土管がありやはり浪花節のような情にもろい世界があるからだと考えれば、楠部氏のビジネスのありようも『ドラえもん』の世界に合い通じるものがあるような気がする。

 アニメ『ドラえもん』を見て育った子どもたちも今では40歳になって仕事人としては中堅どころだろう。
 『ドラえもん』の自由奔放さをどこかに追いやって。MBAの行儀のいい仕事をしているのかもしれない。
 しかし、アニメ『ドラえもん』を生み出した人物は今も変わらず奔放である。
 そんな楠部氏を称して「格好いい男」と作家の大沢在昌氏が「あとがき」にかわる巻末の寄稿文で書いている。
  
(2014/11/01 投稿)

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