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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  昨年(2014年)亡くなった
  渡辺淳一さんの『愛の言葉』を
  紹介します。
  渡辺淳一さんといえば
  男女の官能を描いた多くの作品で
  人気を博しましたが
  これは渡辺淳一さんの普通のエッセイ集です。
  タイトルに惑わされてはいけません。
  渡辺淳一さんは
  人気作家である一方で
  貶す人もたくさんいます。
  直木賞の選考委員もしていましたが
  その評価などは
  結構貶されていましたから。
  私は好きですね。
  以前、
  渡辺作品にはまった時期があって
  今でも時間があれば
  読み返したいと
  思っているくらい。
  いつか渡辺作品をきちんと
  紹介したいですね。

  じゃあ、読もう。

愛の言葉 (文春文庫)愛の言葉 (文春文庫)
(2014/12/04)
渡辺 淳一

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sai.wingpen  渡辺淳一という無邪気                   

 渡辺淳一に「愛の言葉」、さぞかし甘く過激な言葉がつまっているだろうと思いきや、直木賞受賞の時から亡くなるまでの間に書かれたエッセイの数々で、「愛の言葉」というにはほど遠い。
 男女小説の大家だった渡辺が語った言葉すべてが「愛の言葉」ということでは、もちろんない。

 渡辺淳一は昭和45年(1970年)に『光と影』で第63回直木賞を受賞している。
 この時の「受賞の言葉」がこの本の巻頭に掲載されている。
 その中で「私のペースで、幅のある新しい作品にとり組んでいきたい」と書いた渡辺はその後、2014年4月に亡くなるまでの間、医療の世界や評伝だけでなく、自身が「男女小説」と呼んだ恋愛小説に至るまで確かに「幅のある」さまざまなジャンルの物語を紡ぎだしてきた。
 ベストセラーになった『失楽園』や『ひとひらの雪』の影響もあって晩年はほとんど「男女小説」を書く作家のように思われていたのではないだろうか。

 この本の中の1999年に書かれた「官能小説と情痴小説」が、そんな渡辺らしい「愛の言葉」のように思える。
 渡辺は「官能小説」を視覚などの「五官を総合的に刺激して性的な感興をもよおさせる小説」と定義している。一方、「情痴小説」は「主人公が、男女の性愛、エロスの世界の豊かさを信奉し、それにのめりこんでいる」ことが第一の条件だと書いている。
 では「ポルノ」とはどう違うのか。その点について渡辺は「ただ読者を刺激したくて書いたものと、人間の性とか男と女、その愛の本然的なものを探り、掘り下げたいという視点からエロスの世界を描く」のとは全く違うとしている。
 渡辺は自身の作品が「官能小説」と呼ばれても嫌ではないという。
 何故なら、「文字で多くの人々の官能を揺さぶるなんて、そう容易にできることではない」と、少し自信をのぞかせている。
 『失楽園』などを読むと、過激な情愛の場面は「官能小説」というしかない。
 あの作品が新聞の連載小説であったことが驚きである。
 実は、このエッセイでは、それに続いて、「自分のなかにある好色性をまず肯定していこう」と書いているが、このあたりの渡辺の無邪気さが面白い。
  
(2015/01/14 投稿)

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