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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介するのは
  長谷川集平さんの『れおくんのへんなかお』。
  長谷川集平さんは1955年生まれですから
  私と同い年生まれ。
  学年は一つ下。
  だから、同じ匂いを感じます。
  この作品の中に
  赤塚不二夫さんの「シェー」が
  描かれていますが
  このパフォーマンスを
  わかるのは
  私たちの世代あたりでしょうか。
  今週は今年の歌会始の入選歌を
  いくつか紹介してきましたが
  こんな歌も
  選ばれています。

    雉さんのあたりで遠のく母の声いつも渡れぬ鬼のすむ島

  たぶん「桃太郎」の絵本なんかを
  お母さんに読んでもらっているのでしょう。
  でも、雉(きじ)が登場するあたりで
  いつも眠ってしまう。
  お母さんに絵本を読んでもらえる
  幸福。
  なんともあったかい光景です。
  絵本はそんな温かさも
  つれてきます。

  じゃあ、読もう。

れおくんのへんなかおれおくんのへんなかお
(2012/04/03)
長谷川 集平

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sai.wingpen  喧嘩するほど仲がいい                   

 小学生の頃に大変仲の悪い女の子がいました。
 何かあれば言い合いをしていて、それがどんな内容であったかは全く記憶にないのですが、担任の先生に言われた一言だけはよく覚えています。
 「男と女は喧嘩するほど仲がいいものだ」。
 そのあとその女の子と仲良くなった記憶もないのですが、なんだかその言葉があたっていないともいえなかったような気恥しい思いだけが残っています。
 仲がいいというには、ついちょっかいを出してしまいがちのような気がします。

 長谷川集平さんのこの絵本は、そんな小学生の姿を描いています。
 学校の帰り道、ぼくを待っていたれおくんは「シェー」のポーズ、これは昭和30年代に生まれた子どもならみんなしたと思いますが赤塚不二夫さんの漫画「おそ松くん」に登場するイヤミの決めポーズです、をしたり、顔面七変化をしたりで、ぼくを笑わせます。
 でも、ほかの友だちに聞いても、れおくんにへんなところはありません。
 どうして、ぼくにだけ、れいくんはへんな顔をするのでしょう。

 ある日、ぼくのお母さんがしている太極拳の見た帰り、勇気をだしてぼくはれおくんに訊いてみました。
 「なんでぼくにだけへんなかおするの?」
 れおくんは答えます。
 「ともだちにしかみせられないかおがあるんだよ」って。
 この場面を描く長谷川さんの絵が素敵です。
 この時二人は見晴台の上に立っているのですが、風が吹いていて、二人の髪はなびいています。
 まっすぐ遠くを見つめるれおくんの目は大きく開かれ、澄んでいます。
 れおくんを見つめるぼくの顔も真剣です。
 風、それはこれから二人が向かうであろう人生という風かもしれません、を絵本が見事に伝えてくれます。

 「ともだちにしかみせられないかお」。
 それは愛する人にしか見せられない顔のことです。
 いつもまじめに上品ぶっているのは疲れます。
 本当の私、本当の私の顔を見せた時、人はどれだけ安らげることか。
 長谷川さんのパステル基調のこの絵本に、そんなことを教えられました。
  
(2015/01/25 投稿)

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