FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  昨日
  小川洋子さんと平松洋子さんの
  対談集『洋子さんの本棚』を
  紹介しましたが
  今日は
  木皿泉さんの対談集
  『二度寝で番茶』を
  紹介します。
  木皿泉さんというのは脚本家ですが
  実はお二人の共同ペンネームなんですね。
  だから、
  そのお二人が対談をしていると
  いう訳です。
  私が木皿泉さんという脚本家を
  知ったのは
  昨年放映された
  NHKBSプレミアムの「昨夜のカレー、明日のパン」からですから
  最近のことです。
  この本は2010年の刊行ですから
  もうそのあたりから
  木皿泉さんは人気脚本家だったのでしょうね。
  この本は次女が面白いよと
  薦めてくれたのがきっかけ。
  次女に木皿泉さんのことを
  教えたのは私ですが。
  持ちつ持たれつ、
  ですね。

  じゃあ、読もう。

二度寝で番茶二度寝で番茶
(2010/09/28)
木皿 泉

商品詳細を見る

sai.wingpen  ふたりでひとり                   

 木皿泉は脚本家である。しかも、二人の共同ペンネームだ。
 ちょうど漫画家の藤子不二雄みたいなもの。藤子たちの場合は親友どうしであったが、木皿の場合は夫婦である。
 共同で書くといっても、藤子たちのようにそれぞれが作風の違う作品を発表することもあれば、木皿たちのようにキャラクター作りは共同、執筆は一人といったこともある。
 いずれにしても、互いへの信頼がなければ難しい。

 そんな二人が世の中のどうでもいい話を、好き勝手に語ったのが、この本。
 夫である方が「大福」、妻である方が「かっぱ」と付いているが、もちろん、正式名称ではない。
 二人で一人の木皿泉なのだから、一方が「木皿」、片一方が「泉」でもいいのだが、姓の方がいいとか名前がいいとか、もめることになる。
 二人は仲がいいから、もめることはしない。だから、「大福」であり「かっぱ」でいいのだ。

 そもそも木皿にとって、名前は意味を持つのだろうか。
 木皿の最初の小説である『昨夜のカレー、明日のパン』(この作品はのちにNHKBSプレミアムで木皿自身の脚本でドラマ化された)の主人公は同居する男性のことを「ギフ」と呼んでいる。
 岐阜という名前かと思ったら、主人公の亡くなった夫の父親だから「義父」なのだ。彼には「連太郎」という正しい名前があるが、主人公には「ギフ」であり続ける。
 名前には意味がないが、そこから木皿が描きたかった主人公とこの男性と彼につながる亡くなった夫との関係が浮かびあがってくる。
 木皿の作品の魅力はそういうところにあるような気がする。

 そんな二人がどんな話をしているかといえば、実にとりとめない。
 しかし、考えてみればこの世などはいつも人生訓や処世術でできているはずもない。とりとめなさが私たちの日常だともいえる。
 恋愛にしてもそうだ。自身は大恋愛だと思っても、世の中にはそういうものは溢れている。そのことに気がつかないだけだ。
 木皿の作品はそういうとりとめなさをすくい取っている。

 木皿泉という脚本家に興味のある人や木皿が書いたドラマに興味のある人には、面白い一冊である。
  
(2015/03/04 投稿)

  芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス