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プレゼント 書評こぼれ話

  1970年といえば
  もう45年も前になりますが
  この年大阪で
  万国博覧会が開催されました。
  私も家族で行ったことを
  覚えていますが
  アメリカ館とかの人気パビリオンは
  長蛇の列で
  あまり人気のなかったパビリオンを
  まわったように思います。
  その会場に
  すっくというか
  でーんというか
  立っていたのが
  岡本太郎が作った
  太陽の塔
  これは今でも千里が丘の公園に
  残っています。
  今日紹介する
  「ちくま評伝シリーズ<ポルトレ>」の
  『岡本太郎』。
  岡本太郎といえば
  漫画家の岡本一平と作家の岡本かの子の息子というのは
  知っていましたが
  この本で
  一平とかの子夫婦の破天荒な生き方に
  驚きました。
  この夫婦に子供だから
  岡本太郎のような
  型破りの芸術家が
  誕生したのでしょうか。

  じゃあ、読もう。

ちくま評伝シリーズ〈ポルトレ〉岡本太郎: 「芸術は爆発だ」。天才を育んだ家族の物語 (ちくま評伝シリーズ“ポルトレ”)ちくま評伝シリーズ〈ポルトレ〉岡本太郎: 「芸術は爆発だ」。天才を育んだ家族の物語 (ちくま評伝シリーズ“ポルトレ”)
(2014/12/24)
筑摩書房編集部

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sai.wingpen  この親にしてこの子あり                   

 「人類の進歩と調和」をテーマに大阪で万国博覧会が開かれたのは1970年だ。
 もう半世紀近く前になる。
 ちくま評伝シリーズ<ポルトレ>の読者である中高生が生まれる、ずっと前だ。もしかしたら、彼らの父母もまだ生まれていないかもしれない。
 その前年の1969年7月にアメリカのアポロ11号が月面着陸をして持ち帰った「月の石」も展示されていた。
 そんな万博のシンボルとなったのが、「太陽の塔」である。
 博覧会終了後も取り壊されずに大阪千里の丘に今も立っている。
 今見ても時代を感じさせないモニュメントだ。いつも新しい。
 そんな「太陽の塔」を作ったのが、岡本太郎である。
 1911年に生まれて1996年に亡くなった芸術家だ。
 今の中高生には知らない人も多いと思う。そんな人物を評伝で紹介するところに、この<ポルトレ>シリーズも面白さがある。

 岡本太郎は、漫画家岡本一平を父に作家岡本かの子を母に生まれた天才である。
 おそらく普通の人では理解できないような生き方をした人だと思う。
 特に岡本かの子という強烈な人格を持った母親に溺愛されたのであるから、太郎自身尋常ではいられなかったに違いない。
 この評伝では父親である一平や母親であるかの子のことも描かれている。
 岡本太郎は母親から離れようとしたに違いない。青春期のパリへの留学もその現れだったと思われる。
 しかし、離れようとするほどに、母親の力から抜け出せなくなっていったのではないか。
 「太陽の塔」もそんな太郎の、母親への思いが表現されている。

 男の子はいつの頃からか母親と決別する。
 太郎の場合もそうだが、離れられないとなると、一心に母への愛を表現しようとした。
 そこに岡本太郎の特異性があるような気がする。
 天才だから凡人である私たちには理解できないと思うのではなく、私たちの潜んだ欲望を具現化したから天才になりえたのだ。
 中高生だけではなく、岡本太郎を知らない大人たちにも読んでもらいたい評伝だ。
 これを読むと、一平やかの子のことももっと知りたくなる。

 この巻では巻末エッセイを作家のよしもとばななが書いている。
 これもまた、いい。
  
(2015/03/05 投稿)

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