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;プレゼント 書評こぼれ話

  「丸谷才一全集」12巻は
  すでに全巻刊行されているのですが
  まだたった1巻しか読んでいません。
  怠慢、というのは
  こういうことをいう。
  そこに文春文庫で出たのが
  「エッセイ傑作選」の2巻もので
  今日紹介する『腹を抱える』が
  その1巻めにあたります。
  今日の書評で
  丸谷才一さんのエッセイに対する扱いについて
  随分うらめしいことを
  書きましたが、
  やっぱり文庫本2巻では
  どうしようもありません。
  ここは新潮社さんでも
  講談社さんでも
  ぜひ「丸谷才一エッセイ全集」を
  刊行してくれないでしょうか。
  こんなふうに
  思っている人、
  たくさんいると思うんですが。
  しかしながら
  いつ読んでも丸谷才一さんのエッセイは
  面白い。
  もし、全集が出ないのであれば
  単行本、文庫本で読んでいくしかないかも。

  じゃあ、読もう。

腹を抱へる 丸谷才一エッセイ傑作選1 (文春文庫)腹を抱へる 丸谷才一エッセイ傑作選1 (文春文庫)
(2015/01/05)
丸谷 才一

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sai.wingpen  うれしい気持ち三割、悲しい気持ち四割、残念な気持三割                   

 丸谷才一さんが平成24年10月に亡くなって、そうなれば丸谷さんぐらいの業績であればどんな個人全集が出るのかと心待ちにしていました。
 文藝春秋が全12巻の「丸谷才一全集」を刊行することになって、それはそれでうれしかったし、さすが文藝春秋は良く出来た出版社と喝采したのですが、目録を見て、愕然としました。
 丸谷さんの業績は小説、評論、書評、俳句と多岐に及んでいますが、中でも面白いのが薀蓄のあるユーモアエッセイ群。
 書籍名でいえば、『女性対男性』『男のポケット』『犬だって散歩する』『青い雨傘』、まだまだたくさんあって、書き切れない。
 それらが全集には収められていない。
 こうなれば、ほかの出版社の英断を待つしかないと思っていたのですが。
 それが文庫本で出るなんて。
 うれしい気持ち三割、悲しい気持ち四割、残念な気持三割、の心境です。

 文庫の最初に「丸谷才一全集」編集部からのおことわりのような短文がついています。
 それによると、丸谷さんの生前に全集刊行のついて相談し、「巻立ての都合で、ユーモアエッセイ、対談を収録することができませんが、これは文庫版で傑作選として刊行します」と約束をしたとのこと。
 ここで重要なのが、「巻立ての都合」。
 これは出版する側、ここであれば文藝春秋側の都合、ですよね。
 つまりは自分の都合で、丸谷さんの一大業績を文庫版に押し込めたということになります。
 読者はどこにいったのでしょう。
 経営学でいえば、「顧客目線」は重要なはず。それを「巻立て」という理由でばっさり切ったのは、如何なものか。
 そもそも丸谷さんの薀蓄エッセイは、「傑作選」2巻で収まるわけがない。

 ぼやいてばかりでは仕方がないから、少しは褒めますよ。
 文庫本でありながら、丸谷さんの中学3年生の時の文章「郷土ニュース」を入れたこと。これは、エラい。
 丸谷さんといえば和田誠さん、それくらいベストマッチの和田誠さんのイラストを各章の扉絵とカバー絵に持ってきたことが、次にエラい。
 でも、それくらい。
 本当はもっと褒めるところがあるかもしれないが、ほとんどは丸谷さんのエッセイの面白さ。
 せめて文庫版で各エッセイの再刊をこの機会にしてもらえたら。
 最後はお願いするしかない。
  
(2015/03/14 投稿)

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