今日は、まず初めに
 どーん、と

  CIMG0669_convert_20151128144604.jpg

 富士山 です。
 ようやくこの季節本来の寒さになってきた
 11月28日(土)の朝の
 富士山。
 すっかり雪化粧ですね。
 この日は最後の1本になった
 ダイコンの収穫に行ってきました。

 畑から顔、首というのかも
 のぞかせたダイコン
 いい塩梅に太っていたので
 期待をもって引き抜いたのですが、
 あれ?
 すぽっと土から出てきたのは
 寸足らずのダイコン
 太さは今までも最高26㎝ でしたが
 いやあ、私に似たのか
 短足ダイコンでした。
 ダイコンの前に並んでいるのは
 茎ブロッコリーたち。

  CIMG0677_convert_20151128145156.jpg

 これで、
 今年植え付けたダイコン6本全ての
 収穫が終わりました。
 ありがとう、ダイコンくん。

 ハクサイも採れ頃なので
 ひとつ収穫。
 こちらはりっぱにできました。

  CIMG0675_convert_20151128145037.jpg

 この日は家のベランデで
 種から育てていたウスイエンドウ
 育ってきたので
 畑に植え付けました。

  CIMG0670_convert_20151128144715.jpg

 畑にも蒔いたのですが
 結局芽を出したのが2、3本。
 日当たりを加減しながら
 苗ぐらいまで育てて植え替えるのが
 効率的かもしれませんね。

 ウスイエンドウの横には
 ナバナを植えていますが
 結構大きく育ってきました。

  CIMG0671_convert_20151128144753.jpg

 冬から春にかけて育てる野菜は
 タマネギでもそうですが
 じっくり育てていくことになりそうです。

 明日からはもう12月。
 次週12月6日(日)には
 あったかい鍋大会が開催されます。
 そういえば、明日は流行語大賞の発表ですが

    あったかいんだから

 は入賞するのかな。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日の絵本のタイトル
  『チンチンボンボさん』というのは
  「肩ぐるま」の富山の方言だそうです。
  作者の室井滋さんが富山の出身。
  絵を描いた長谷川義史さんは大阪の出身。
  大阪では「チンチンボンボ」なんて
  いいませんでした。
  肩ぐるまって
  ほとんどの子どもが経験しているのでは
  ないでしょうか。
  私も父にしてもらったと思いますが、
  私の記憶の肩ぐるまは
  自分の子どもたちにしてあげたこと。
  娘が二人いたので
  一人すると
  もう一人が私も、ということになって
  結局二人ともするはめになるんですよね。
  でも、肩ぐるまって
  親父の特権みたいな感じがします。
  それにしても、
  「チンチンボンボ」ってどこから
  来ているのでしょう。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ヘンなタイトル以上にヘンなお話                   

 この絵本のタイトルを見て、変なこと、想像した人いませんか。
 私は、少し、しました。
 でも、これはタイトルみたいな変なことではなく、もっと変わったお話です。
 まず、最初に書いておくと、タイトルの「チンチンボンボ」というのは、富山の方言で「肩ぐるま」のことだそうです。
 作者の女優室井滋(しげる)さんが富山県出身なので、このタイトルがついたのでしょう。
 表紙の見返しに「かたぐるまのこと なんていう」と各地の方言がでています。
 「くびあけ」「びびんちょ」「うまたんこ」「てんま」・・・そのどれがどの地域の方言なのかわからないくらいたくさんあります。
 そういえば、私の小さい頃は「かたうま、して」とせがんでいたような。大阪です。
 少し自信はありません。

 この絵本のお話は、富山に肩ぐるまの大好きな男がいて、いつもいつもお父さんに肩ぐるまをねだっているところから始まります。
 そのうちに、男の子のお尻から根っこがはえてきて、お父さんの肩にしっかり根を下ろしてしまいます。
 おそばを食べる時も、お風呂にはいる時も、男の子はお父さんの肩から降りないのでどんどん根っこは太くなっていきます。
 いつもお父さんの肩にのっていますから、高いところの用事もへっちゃらです。
 富山は雪国ですから、屋根の雪下ろしも平気です。
 でも、お父さんは困りますよね。

 いつも高いところが見ることができるので、男のクラスの背の低い女の子までが「チンチンボンボしてほしい」とねだり始めて、その女の子はお父さんをよじ登り、男の子の肩にまでのってしまいます。
 海のホタルイカの群れまで見えてしまいます。
 ところが、その女の子と同じことを考える子どもたちがいて、みんなどんどんお父さんをよじ登り、男の子をよじ登り、という具合に、子どもたちの「チンチンボンボ」はうんと伸びていくのです。

 最後にどうなってしまうかはお楽しみとして、ね、タイトルも変だけど、お話もヘンでしょ。
 そんなヘンはお話に長谷川義史さんの絵は、どうしてこんなに合っているのでしょう。
  
(2015/11/29 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  先日この「こぼれ話」で
  JPIC読書アドバイザーのことを書きましたが
  「JPIC」って何ですかという質問がありましたので
  書いておきます。
  出版文化産業振興財団、
  Japan Publishing Industry Foundation for Culture
  略なんです。
  こちらでは読書アドバイザー養成だけでなく
  本の読み聞かせの講習なども
  しています。
  読書アドバイザー養成講座では
  受講生全員が
  自分のオススメの一冊の「本のはなし」を
  します。
  持ち時間は基本3分。
  さすがに本好きの人が集まっていますから
  紹介される本はさまざまです。
  私はすでに発表を終えました。
  紹介したのは
  『山田洋次シナリオ集』。
  このブログでも紹介していない
  一冊です。
  すみません。
  お話がうまいと
  読んでみたいと思いますから
  不思議です。
  このブログで
  この本読んでみたいと思ってくれていたら
  いいのですが。
  今日は昨日のつづき。
  「本のことがわかる本」の最終巻です。
  『本が読者にとどくまで』。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  本よ、とどけ                   

 「本のことがわかる本」の最終巻では、本がどのようにできていってどのようにして読者のところまで届くのかが説明されています。
 そもそも本ができるはじめに「企画」があります。このシリーズでも「企画書」が作られ、その「企画概要」がシリーズ全巻の「はじめに」に引用されています。
 少し引用すると、「このシリーズでは、世界と日本の本の歴史や、本のかたちや構造、そして本が果たすさまざまな役割などを、3巻にわたってまとめていきます」となっています。
 それではと作り始めるのですが、タイトルや表紙をどうするか、どれだけの部数を発行するといった会議などを経て、印刷が始まります。
 出来上がってからもどんな宣伝をするのかといったことも大切です。
 この本ではおそらく子どもたちが知らないこともたくさん説明されています。この本をもとに子どもたちが本ができるまでを自分たちでやってみるのも面白い授業になると思います。

 本の流通にはは他の服とか食品とちがう大きな点があります。
 それは「取次」という卸売り業者の存在と「委託販売制度」です。
 特に「委託販売制度」は何かと問題が多い制度でもありますが、これによって書店側が過剰な在庫をもたなくてすむといったメリットもあります。
 しかし、それは同時に本屋さんに留まる本が極端に少なくなっているということでもあります。
 1週間前にはあったはず。そんなことが今や本屋さんでは日常茶飯事となっています。
 そうなると、もう二度とその本と巡り合えないということにもなります。
 だから、読みたい本を見つけたら買ってしまうということになります。

 出版界は今や構造不況業種といわれています。
 それは本屋さんの問題だけでなく、取次、出版社、果ては著者を含んだ深刻な問題です。
 確かに本を読まない人は増えていると思います。電車の中で漫画を読んでいてけしからんなんていっていた時代もあったのですが、その漫画すら今は読んでいる人はほとんどいません。
 みんな一生懸命スマホをみています。
 そんな人にも、このシリーズを読んでもらいたい。そして、もっと本に触れる機会が増えるようになればいいのですが。
  
(2015/11/28 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  11月25日に
  JR浦和駅に「蔦屋書店」がオープンしました。

  20151125_111538_convert_20151125201952.jpg

  新たにできた北口改札と直結した
  利便性の高い書店です。
  この「蔦屋書店」はあの代官山とか函館とかの
  テイストでできています。
  つまりは、「書籍・雑誌を通してライフスタイルを提案」、
  「本を扉にして上質な日常、夢見るような非日常の世界へご案内」という
  テイストです。
  さらには、スターバックコーヒーとのコラボで
  「コーヒーを飲みながら、購入前の書籍・雑誌も」読めるという
  なんともオシャレな書店です。
  浦和周辺には
  西口に浦和の老舗須原屋があって
  東口には全国チェーンの紀伊國屋があると
  書店をみれば
  なんとも贅沢な地域になります。
  さてさて、どこが生き残るのでしょう。
  今日紹介するのは、
  今日は昨日のつづき、の
  「本のことがわかる本」2巻めの
  『知っているようで知らない「本」』。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  本という広い世界                   

 世の中には知っているようで知らないことがたくさんあります。
 それは、本についても同じことで、「本のことがわかる本」3冊シリーズは本についての「知らない」ことを、たくさんの図版と平易な文章でまとめてくれています。
 例えば、1巻めにユネスコの本の定義が紹介されています(「表紙を除いて本文が49ページ以上の非定期刊行物」というもの)が、案外それも知られていません。なぜなら、現在はそれをはみ出す本がたくさん刊行されているからです。
 でも、知っていることで理解が深まることもたくさんあります。

 例えば、本屋さんで平積みという陳列方法があります。あれは水平に陳列しているからそう呼ばれているのではなく、表紙の平らになっている部分を「平(ひら)」というところから来ています。
 この2巻めには、本や雑誌の各部の名称を説明する記事や装丁、デザインやフォント、紙の種類といった本についての基本情報が説明されています。
 あわせて、本にまつわるおもしろい話、例えば「ムック」とか「コミック」といった本に関するカタカナ語や本の世界一あれこれなども収められています。
 ちなみに、児童書シリーズ最多販売数を誇るのは、『ハリー・ポッター』シリーズだそうです。

 まんがについても書かれています。「少年サンデー」や「少年マガジン」、あるいは「少女フレンド」「マーガレット」といった人気週刊誌も創刊号の図版つきで紹介されています。
 余談ですが、国立国会図書館にはこういったまんが雑誌も保管されていて、創刊号もちゃんと残されています。
 絵本が好きな人には絵本のことももらしていません。しかけ絵本というジャンルがありますが、その歴史も短い文章で的確に表現されています。

 本というのはとてつもなく広い世界をもっています。日常触れるのはそのわずかな世界ですが、多様な本があることを知ることは、さまざまな遊びができる場を持つことと同じだと思います。
 せっかく広い世界があるなら、思う存分そこで遊んでみたくなりませんか。
 本はまさにそんな世界です。
  
(2015/11/27 投稿)

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  今日は昨日のつづき。
  第23期JPIC読書アドバイザー養成講座では
  100人の受講生がいます。
  そのうち、男性が十数人で
  ほとんどが女性です。
  共通していることがあるとしたら
  皆さん本が好きだということでしょうか。
  でも、本が好きだということと
  本のことを知っていることは
  同じではありません。
  ですから、スクーリングでも
  雑誌編集のことであったり
  古書のことであったり
  本の製本であったり電子書籍のことであったりを
  学習しています。
  それにぴったりの本が出ました。
  今日から3日間、
  その本を紹介します。
  『本のことがわかる本』シリーズです。
  今日はその1冊め、
  『文字のはじまりと本の歴史』。
  JPIC読書アドバイザー養成講座でも
  「印刷の歴史と現在」とか
  「本のつくりや装丁について」といった
  講座を受講しています。
  こういう基礎的なところって
  とても大事なことだと思います。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  もっと本のことが知りたい                   

 本のことを初めて知ったのはいつだったろう。
 生まれた時からあったにちがいないが、生まれた時のことは覚えていない。小学校にはいって、教科書というものを手にした時が最初なのか、その前に幼稚園に行っていたのだからそこでは絵本はあったはずだが記憶はない。
 あるとしたら、本はずっとそばにあった(はず)という感じだけだ。
 そして、今はたくさんの本に囲まれている。本を手にしない日は、ない。

 けれど、本のことをどれだけ知っているだろう。
 「本のことがわかる本」という、このシリーズは子ども向けに書かれていて漢字にはルビもふってあるけれど、3冊ものということで内容はとても詳しい。
 その1では、タイトルのとおり、「文字のはじまり」から説明がされている。
 でも、そもそも本って何だ?
 1964年にユネスコで定義されていたことが、ここには記載されている。こういうことはあまり知らないだろう。そういうことが載っている本だということだ。
 「表紙を除いて本文が49ページ以上の非定期刊行物」がその定義だ。
 つまり、49ページ以下のものは本来は本ではないということになるが、そもそもこの本自体が31ページしかない。では、これは本ではないかというと、ユネスコの定義には例外もあるということらしい。

 そこで、「現代のおける「本」の条件」というものが説明されている。
 まずは、「コンテンツ(内容)があること」。次に、「表紙があって製本されていること」。それに「持ち運びができること」となる。
 製本といっても、「糸とじ」とか「無線とじ」とかいくつもの方法があって、この本にはそんなことも書かれている。多分大人だってあまり知らないことかもしれない。
 それが「本の条件」だとしたら、「電子書籍」は本にあてはまるのだろうか。「表紙があって製本されて」いないじゃないか。
 これは紙ができる以前の粘土板やパピルスに文字が書かれていた時代に近い形態かもしれない。
 本ではないが、情報を伝達しうる最新の技術として。

 本が好きだから、もっと本のことが知りたい。これは恋愛感情に似ている。
  
(2015/11/26 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今年の7月から
  第23期JPIC読書アドバイザー養成講座
  受講しています。
  全8回のスクーリングの内
  すでに6回まで終わりました。
  あと2回は
  年明けの2月。
  その養成講座の塾長?みたいなポジションにいるのが
  今日紹介する『本の世紀』で
  解題を書いている永江朗さん。
  永江朗さんは毎回なんらかの形で講義をしたり、
  各回の課題提出には
  全員の評価までしてもらっています。
  そもそも
  「JPIC読書アドバイザー」とは何かというと
  本と人を結びつける役割を担う人ということで
  受講生100人の中には
  図書館司書や書店員さん、出版社の人といった
  すでに本の仕事をされている方や
  本の読み聞かせをされている方など
  さまざまです。
  私は、さしずめ、このブログで
  本と人をつないでいることに
  なるのかしら。
  今日から4日間、
  本のことを書いた本を紹介していきます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  本のイノベーションを考える                   

 岩波書店は2013年に創業100年を迎えた。
 この本はその年の1月から8月まで長野県の地方紙「信濃毎日新聞」に連載された記事がもとになって出来ている。
 何故、「信濃毎日新聞」で岩波書店なのか。
 実は岩波書店の創業者岩波茂雄が長野県諏訪市の出身なのだ。信州の地は岩波だけでなく筑摩書房の創業者古田晁やみすず書房の小尾俊人といった出版人を輩出した、文化度の高いところだ。
 タイトルにあるように、この本はけっして岩波書店の社史ということではなく、「どんな時代のもとでどんな出版をし、それが時代にどんな影響をもたらしたかのか」という視点で描かれている。つまり、「出版の100年」を俯瞰している。
 そのことによって、現在の出版不況の姿が見えてくるし、電子書籍から続く明日の出版界を窺うことができるかもしれない、そんな作品なのだ。

 新聞に連載されていたこともあって、読みやすいのがいい。専門的な観点から出版界を論じるのもいいが、より多くの人に理解してもらうことが重要だ。
 それと岩波書店にかかる25回の連載記事のあとに、「コラム」として現在の出版事情がはさまっているのもいい。例えば、新刊の出版点数が何故増え続けるのかといったことや売れている新書の傾向といったものまである。
 ここを読めば、おおよそ現在の出版事情が把握できるのではないだろうか。

 そして、永江朗氏による、長編の「解題」がいい。
 「岩波書店とイノベーション」と題された「解題」で、岩波書店が今も隆々と生き残った点を永江氏はそこに「イノベーション」があったからだと指摘している。
 「イノベーション」とは「新機軸」とか「革新」とかに訳されるが、岩波書店の場合、それは何であったか。
 永江氏は、「岩波文庫」「岩波新書」「広辞苑」が「イノベーション」そのものであったという。
 文庫という形態は「岩波文庫」が最初ではないが、それを根付かせたのはまちがいなく「岩波文庫」だろう。
 永江氏は文庫や新書に掲げられているマニュフェスト(文庫や新書の巻末に掲載されている)を読み解くことで、時代時代の岩波書店の出版への姿勢を見ていく。

 新しい「イノベーション」が出版界に起こるかどうかが、新しい波になるのだろう。
  
(2015/11/25 投稿)

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 秋はいろいろな美術展が
 多く開催される季節ですが
 今年の目玉はなんといっても
 日本で初めて開催されるという
 「春画展」。
 20151120_121638_convert_20151122132609.jpg
キャッチコピーに

   世界が、先に驚いた。

 というぐらい、
 貴重な春画の数々の展覧会です。
 なんといっても
 18歳未満は入館禁止というぐらいですから
 これはぜひとも行かないと、ということで
 11月20日(金)に
 東京・文京区にある永青文庫に行ってきました。

 江戸川橋の駅から
 神田川沿いにそって
 椿山荘横、関口芭蕉庵を通って
 胸突坂をのぼったところが
 永青文庫
 ここは旧熊本藩主細川家の屋敷跡にある美術館で
 建物も奥ゆかしい佇まい。
 ここで「春画展」が開催されています。

  20151120_121557_convert_20151122132501.jpg

 パンフレットからの引用。

   本展は日本初の春画展として、
   海外は大英博物館およびデンマークから、
   また日本の美術館や個人コレクションから
   「春画の名品」を集め、・・・

 つまり、「春画」のオンパレードです。

 そもそも、「春画」とは何か。

   浮世絵春画は人間の性愛を描いた浮世絵の総称

 堅苦しい感じで書かれていますが、
 要は「行為に及んでいる」絵なんですね。
 昔の殿さまとかが閨房に持ち込んで楽しんでいたのでしょうね。
 閨房は寝室のことです。
 現代風にいえば、
 アダルト雑誌とかアダルトビデオ。
 「ちょっと、これを見てごらん」
 「いやだー、恥ずかしい」
 なんてみたいな会話があったのだと思いますが。

 そんな絵の展覧会なら
 こそこそと観にいくとか思うじゃないですか。
 それがどっこい、
 この「春画展」大盛況なんです。
 私が行ったのは
 平日にもかかわらず
 会場はものすごい人・人・人。
 しかも、
 女性が多いのには驚きました。
 へえー、女性も「春画」に興味があるのか
 つい、「春画」を見ている女性を見てしまいました。
 その姿、真剣そのもの。
 おいおい、これって「何をしている」絵なんですが
 そんなに真面目にご覧になって大丈夫? と
 つっこみたくなります。
 まさか男の人のサイズとか
 体位のこととかを
 観察しているのじゃないでしょうね。
 ちなみに
 「春画」に描かれている陽物は
 デフォルメされていますからね。

 やっぱり「春画」というのは
 ヘラヘラしながら観た方が
 感じがでると思うのですが
 どうでしょう。

 もちろん、展示されている浮世絵師は
 葛飾北斎だとか鈴木春信とか喜多川歌麿とか
 大家といわれる人もたくさんいて
 芸術作品としての価値も高いのですが。
 だけど、しげしげと見られても
 それはそれでどうかと。

 この展覧会、
 12月23日まで開催されています。
 「春画」を老若男女がどんな表情で観ているか
 それを見に行くのも
 面白いと思います。
 ちなみに入場料は1500円
 「今日は春画はすごかったなぁ」
 「うわー、ばかーン」
 なんてことになったら
 お安い値段だと思います。

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 今日は勤労感謝の日
 お休みの人も多いでしょうね。

   何もせぬことも勤労感謝の日     京極 杜藻

 畑しごとも「しごと」だから
 勤労なんでしょうか。
 勤労に感謝というより
 野菜に感謝しています。

 11月21日(土)に
 畑に行ってきました。
 季語というのは
 本当に季節の営みをよく表していて
 冬の季語の中に
 「大根洗ふ」とか「大根引」といった
 ダイコンの収穫を表現したものが
 たくさんあります。

   土が力ゆるめ大根抜けにけり     黛  執

 まさにこの俳句の通り
 ダイコンは抜けます。
 この日、5本めのダイコンを収穫。
 太さは25㎝  もありました。

 順調そうにみえるわたしの菜園ですが
 そうばかりではありません。
 タマネギバエが発生して
 その幼虫に畑の多くのタマネギ
 被害にあっています。
 わたしの菜園でも
 これまでにも何本も被害にあっています。
 ひどい時は植え替えた次の日には
 もうダメになっています。
 下の写真の左側が齧られてとれてしまったタマネギの苗、
 右が畑に飛んでいたタマネギバエ

  CIMG0666_convert_20151122132327.jpg  CIMG0667_convert_20151122132405.jpg

 小さいハエなのに、
 やることがひどい。
 菜園ではタマネギをあきらめるところも
 出ています。
 私は一つでもと思って
 続けるつもりですが
 さあて、どうなるやら。

 タマネギバエだけでなく
 アブラムシの被害も多い。
 収穫したダイコンですが
 その葉の裏にごらんのように
 びっしりとアブラムシがついています。

  CIMG0664_convert_20151122132152.jpg

 他の畑では
 収穫間近のハクサイにも被害が出ています。
 ナバナは順調に育っているように見えますが

  CIMG0660_convert_20151122132059.jpg

 実はこの葉の裏にも
 アブラムシがついていて
 畑に行くたびに
 そぎおとしています。

 野菜を育てるのも
 難しい。
 やっぱり勤労に感謝する日で
 いいんでしょうね、
 畑しごとも。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今年、
  8月17日にイラストレーターの
  柳原良平さんが亡くなった時、
  柳原良平さんの本を
  紹介したかったのですが
  その機会を得ることができませんでした。
  その変わりといってはなんですが
  たまたま読んでいた
  北康利さんの『佐治敬三と開高健 最強のふたり』を
  紹介した折、
  こぼれ話の中で
  書かせてもらいました。
  そして、今日
  柳原良平さんの本を
  紹介できます。
  『やさいだいすき』という絵本です。
  柳原良平さんは
  絵本も何冊か描いています。
  多くは船の絵本です。
  船であっても
  野菜であっても
  柳原良平さんらしい
  素朴な絵がいいですね。
  あらためて
  ご冥福をお祈りします。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  追悼・柳原良平さん - アンクルトリスだけじゃなく                   

 この小さな絵本の作者、柳原良平さんにことを話しましょう。
 柳原さんは今年(2015年)8月17日に亡くなりました。奇しくもその日は柳原さんの84歳の誕生日でもありました。
 柳原さんといえば、誰もが「アンクルトリス」を思い出します。
 子どもたちに「アンクルトリス」といってもわからないでしょうが、サントリーという洋酒メーカーのCMに登場した人気キャラクターです。その頃、サントリー宣伝部には開高健や山口瞳といった文章の達人がたくさんいました。彼らが作りだすコピーに柳原さんが描くイラストはとてもマッチしていました。
 洗練された細い線、大胆なディフォルメ。
 お酒を飲む人にとって、柳原さんの「アンクルトリス」ほどなじみのキャラクターはいませんでした。

 それだけではありません。
 柳原さんは船が大好きで、船のイラストや絵本もたくさん描いています。
 そこでも柳原さんの線は柳原さんのままです。
 そんな柳原さんのこの絵本を見つけて、うれしくなりました。
 これは、野菜の絵本です。
 単純素朴に野菜が描かれています。丸っこい、くるりとした目をしただいこんが赤一色の背景に一本だけ描かれています。そえられた文は「だいこん いっぽん」、それだけ。
 次のページには、二本のにんじん。そのうちの一本は、目をつむっています。そのまつげが長い。こんなところにも、柳原さんの絵の特長がでています。

 きゅうり、かぼちゃ、たまねぎ、トマト、じゃがいも、ねぎ、ごぼう、れんこん、なすび、とうもろこし、ピーmン、きゃべつ、いんげん、えんどう、そらまめ、ほうれんそう、とさまざまな色と形状をした野菜が描かれていますが、そのどれもが柳原さんの絵のタッチなんです。
 そして、たくさんのやさいが並んだお店にやってくる、男の子とお母さん。
 買い物するお母さんも料理をするお母さんも、どうしてか目をつむっています。
 柳原さんにとって、目をつむるというのはやさしさを表しているのかもしれません。

 今夜のおかずはなんでしょう。
 そこに「アンクルトリス」が帰ってきてウイスキーを飲む、なんてことは、さすがに絵本ですからありません。
 でも、柳原良平さんは、ここにいます。
  
(2015/11/22 投稿)

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  昨日につづいて
  やなせたかしさんの評伝を紹介します。
  今日は
  小手鞠るいさんの『優しいライオン』。
  この本の中には
  やなせたかしさんの「愛する歌」から
  たくさんの詩が紹介されています。
  私もその詩集のことは知っていましたし
  雑誌「詩とメルヘン」も見かけてことがあります。
  けれども、当時、高校生から大学生の頃でしょうか
  やなせたかしさんの書く詩は
  とても甘っちょろい作品に思えて
  その前を通り過ぎていました。
  けれど、小手鞠るいさんはちがった。
  「詩とメルヘン」に投稿し、採用されることで
  人生が変わっていきます。
  同じものが与えられても
  それを生かす人とそうでない人がいる。
  人生とは
  そういうものかもしれません。
  この本の中で書けなくなく小手鞠るいさんを励まして
  やなせたかしさんは
  こんなことを話しています。

    積み重ねていくことだよ。
    とにかく積み重ねていくこと。
    つづけていくことが大切だ。
    ・・・・・・・・・・・
    路肩でずっと咲きつづけることのできる人は
    なかなかいない。

  いい言葉です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  やなせたかしさん、ありがとう                   

 2013年10月に亡くなった、漫画家やなせたかしさんは「アンパンマン」の作者として有名だが、それ以外にもさまざまな顔を持っている。
 絵本『やさしいライオン』(1975年)も代表作のひとつだ。それと同名のタイトル(本作では「優しい」と漢字表記になっているが)がついたこの本の作者小説家の小手鞠るいさんも、もしかしたらやなせさんが生みだした作品のひとつかもしれないと思いたくなるほど、やなせさんと小手鞠さんの関係は深い。
 もしやなせさんがいなかったら、小説家小手鞠るいは誕生していなかったのではないか。

 やなせさんの偉業の中に、雑誌「詩とメルヘン」の編集長として顔がある。
 「詩とメルヘン」が創刊されたのは1973年4月。「無名の人の詩」を職業イラストレーターが描くイラストとともに掲載するという斬新な方針は多くの支持を集め、30年以上続くことになる。
 その多くをやなせさんが担った。
 その頃やなせさんには詩人という顔があった。詩集『愛する歌』が売れていた。甘い抒情詩とイラスト。1970年代という時代にあって、それは稀有な存在だった。
 しかし、やなせさんの詩に感銘を受けた若者も多かった。詩集『愛する歌』は版を重ねる。
 小手鞠さんもその一人だった。
 「詩とメルヘン」に投稿し、採用され、やがてやなせさんとの交流も生まれていく。

 ここから始まった小手鞠さんも名前が売れ出すまで紆余曲折があった。その端々で彼女を支え、勇気の花を咲かせてくれたのが、やなせさんだった。
 この本は小手鞠さんのやなせさんとの「思い出エッセイ」だ。
 やなせさんのたくさんの詩や「詩とメルヘン」に書き続けたやなせさんの「編集前記」とともに、その人生をたどっていく。
 『アンパンマン』だけでは見えない、やなせたかし像が浮かびあがってくる。
 こういう人に巡り合った小手鞠さんはなんと幸福だったろう。
 しかし、実は小手鞠さんだけでなく、やなせさんが亡くなった今も、私たちはやなせさんの優しさにふれることができる。
 なぜなら、やなせさんが遺してくれたたくさんの作品があるのだから。
  
(2015/11/21 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  漫画家のやなせたかしさんが亡くなったのが
  2013年10月13日。
  もう2年が経ちます。
  奇しくも、そのやなせたかしさんの評伝本が
  2冊刊行されました。
  一冊は児童書。
  もう一冊は思い出エッセイ。
  今日と明日で
  その2冊を紹介します。
  2冊の本とやなせたかしさんをつないでいるのは
  雑誌「詩とメルヘン」でした。
  一人はその雑誌の編集者。
  一人はその雑誌の投稿者として作家とデビューします。
  今日は、「詩とメルヘン」の編集者だった
  梯久美子さんの『勇気の花がひらくとき』を
  紹介します。
  これは児童書です。
  やなせたかしさんとなじみの深い出版社
  フレーベル館から出ています。
  やなせたかしさんは
  「アンパンマン」で有名ですが
  そこに込めたやなせたかしさんの思いが
  この本ではきちんと描かれています。
  子どもたちにも読んでもらいたい、一冊です。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  なんのために生まれて                   

 まんが家やなせたかしさんが亡くなったのは2013年10月13日。享年94歳。
 こんな話を聞いたことがあります。
 『アンパンマン』のあんこって、粒餡なのかこし餡なのか。答えは、粒餡というのが絵本・児童書の出版社フレーベル館ではいきわたっているそうです。理由は、やなせさんがこし餡が嫌いだったとか。
 でも、アンパンマンのあんこには粒粒が描かれていないから、こし餡ではないのかと思ってしまいますが。
 やなせさんがいなくなっては、永遠の謎かもしれません。

 アンパンマンのもととなる『あんぱんまん』がフレーベル館から出版されたのは1976年です。もう40年近く前のことです。元々ひらがな表記の名前でした。手も現在とちがってきちんと五本指で描かれています。やなせさんが57歳の時です。
 この本は、やなせさんの伝記です。
 児童向けに書かれていますから、漢字にはルビもふられています。アンパンマンが大好きな子供たちが少し長い文章も読めるようになれば、その作者のことを知るのに、とてもわかりやすく書かれています。
 何故なら、著者の梯久美子さんは一時期やなせさんが編集長をしていた雑誌「詩とメルヘン」の編集者として働いていたことがあるからです。
 きっと仕事中のやなせさんの姿をそばで見ていたと思いますから、たくさんのエピソードがあると思います。けれど、この本はやなせさんの側面を語る場ではないことを、梯さん自身がよくわかっていたのだと思います。
 読者である子どもたちにやなせさんが信じていたこと、願っていたことをどう伝えるのか。
 あるいは、アンパンマンというヒーローを生みだしたやなせたかしという人はどんな人であったのか、子どもたちが読みやすい内容と長さで、どう伝えていくかが梯さんの試みだったと思います。

 それにしても、アニメになったアンパンマンのテーマソングはなんと深いのでしょう。
 この本の中でもそれはきちんと述べられています。
 やなせたかしさんの願いは、ここには過不足なくうたわれています。だから、東日本大震災のあと、多くの人たちの心に届いたのではないでしょうか。
  
(2015/11/20 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  葉室麟さんの『草雲雀』を紹介します。
  「雲雀」は「ひばり」と読みます。
  「草雲雀」というのは、小さなコオロギのこと。
  秋の季語でもあります。
  歳時記にはこう記載されています。

    フィリリリリと、小さな鈴を細かく震わしたような澄んだ声

  関西では「朝鈴」というそうです。

    大いなる月こそ落つれ草ひばり   竹下 しづの女

  この俳句のような
  長編小説です。
  葉室麟さんは
  最近立て続けに新刊を出していて
  読者はきっとうれしい悲鳴ですね。
  この作品もまた
  いい作品に仕上げっています。
  草雲雀の音を聞きながら
  読むのもいいですよ。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  バディの友情                   

 ブレイク・スナイダーの脚本術を著した『SAVE THE CAT の法則』という本の中に、映画は10のジャンルに分けられると載っている。映画だけでなくエンタメ系の大衆小説も同様かもしれない。
 葉室麟が2014年7月から2015年4月まで「月刊ジェイ・ノベル」に連載した長編時代小説もこの分類にあてはめることができる。
 すなわち、この長編は二人が一つになっていく「バディとの友情」というジャンルにはいる。
 長編小説にはさまざまな登場人物が登場する。当然主人公がいるわけだし、その主人公を助ける脇役も登場する。その脇役次第で、物語がよくなったりすることは多分にあるし、葉室もこれまでもそういう脇役を数多く登場させてきた。
 しかし、この作品では「バディ」(相棒のこと)との友情がしっかり描かれている。

 主人公は媛野(ひめの)藩の三男坊で部屋住み暮らしの栗屋清吾。三十を前にして、剣術道場の師範代としての収入しかない。 そんな清吾は女中のみつと情を交わし、妻とする。しかし、家督を継いだ兄からは子をなしてはならぬときつく叱責される。
 清吾の道場仲間伊八郎もまた部屋住みの身分ながら、ある時ひょっこりと実父の存在がわかり、しかもその跡継ぎに迎えられることになる。しかも行く末は家老だという。
 しかし、伊八郎は自分に危害の迫っていることを感じ、清吾に用心棒を依頼する。自分が家老になった暁には、みつの子が持てるだけの身分を与えるという。
 清吾は伊八郎の要請を受けることになる。それが、二人の危機の始まりとなる。

 伊八郎の家老就任にまでに二人に襲いかかる難題の数々。それを伊八郎は頭でもって、清吾は剣術でもって解決していく。
 最初は浮かれた感じすらあった伊八郎が徐々にその志を明らかにしていく中で、清吾の人のよさが浮き彫りになっていく。
 それはどちらがいいとか悪いとかということではない。
 二人は「ダディ」なのだ。互いに助け合い、そうして思いを成就していく。
 葉室麟の作品の中では異色かもしれないが、読後感が心地いい、「バディの友情」物語だ。
  
(2015/11/19 投稿)

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  今日紹介するのは
  岡田尊司さんの『きょうだいコンプレックス』。
  岡田尊司さんといえば
  『愛着障害』を書かれた精神科医の先生。
  『愛着障害』はこのブログでも紹介していますので
  検索してみて下さい。
  この本にはさまざまな事例が出ていますが
  面白かったものをひとつ。
  それは村上春樹さんの事例。
  村上春樹さんは一人っ子なんですが
  「他者と深く親密なつながりを避けるだけでなく、
  責任を負うことや傷つくことを避ける傾向
」という
  「回避性」があるというもの。
  なんだか当たっていそう。
  まあこの本は八卦の本ではないので
  あくまでも心理学的な見地から。
  長男長女の人、
  末っ子の人、
  それぞれにコンプレックスはあると思いますが、
  どうです、一度、その謎を解いてみては。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  きょうだいは他人?                   

 三人兄弟の真ん中である。
 どんな性格かというと、本書によれば、「一番の地位を争うのではなく、一番の者に従属することで無用の摩擦を避け、分相応の分け前を堅実に確保しようとする」したたかさを持っているようだ。
 この本はそういった「生まれ順の心理」についても書かれているが、もちろんそれだけではない。「きょうだいは他人の始まり」と巷間言われているように、きょうだいゆえのコンプレックスを解明しようとした一冊である。
 私の場合も兄が優秀であったから、小学中学時代は先生にもよく比較されたものだ。今から思えば、子供を教育する立場であった先生もひどいことを言ったものだ。いくら励まそうという思いがあったにしろ、比べられることでめげる子供もいるだろうに。
 一人っ子ではないから、比べられること、あるいは愛情のかけ方がちがうことも出てくるだろう。

 本書の著者岡田尊司氏は、「「良い子」と「悪い子」を作っているのは、実は親」と説明している。「きょうだい間に差異や確執を生む要因として、生まれ順や年齢差にも増して重要な要因は、母親がその子の世話にどれほど没頭したか」だという。
 これは岡田氏の話題になった『愛着障害』とも関係してくるもので、いま「きょうだいコンプレックス」に悩んでいる人というより、まさにこれから育児を行うという人には知っておいて欲しい内容である。なぜなら、そのことがのちのちに問題を大きくさせるのであるから。

 私の場合であれば、優秀な兄と比べられてどうして生きようかと思ったかというと、兄が好きな世界には近づかなかったとなる。それはそれで正しかったのだろう。この本にはこう書かれている。
 「人間が活躍するためには、活躍の場というものが必要」だが、時に他のきょうだいがそのスペースを塞いでいることがある。スペースを空けてあげると、生き生きとするのだという。
 よく上の子が医学部に行ったから下の子もということがある。下の子にとって窮屈であることは間違いない。
 きょうだい間のさまざまな問題もそういう点を考慮していけば、避けられるのではないだろうか。
  
(2015/11/18 投稿)

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  今NHK朝の連続テレビ小説あさが来た」に
  完全にはまっています。
  今日はその「原案」となった
  古川智映子さんの
  『小説土佐堀川 広岡浅子の生涯』を
  紹介します。
  この小説も、ドラマも、
  俳優さんたちもいいのですが
  ドラマ主題歌もいいですね。
  AKB48が歌う「365日の紙飛行機」。
  秋元康さんが作詞です。
  その歌詞がまたいいんです。

    朝の空を見上げて 今日という一日が
      笑顔でいられるように そっとお願いした

  出だしからいいでしょ?
  実はテレビでは流れていないのですが
  中盤にこんな歌詞もあります。

    その距離を競うより
      どう飛んだのか どこを飛んだのか
      それが一番大切なんだ

  いやあ、完全に「びっくりぽん」です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  びっくりぽん                   

 NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」が好評だ。
 その冒頭、「原案」としてクレジットされているのが、この小説である。
 ドラマを観てこの小説を読むと、色々な点で違うので(だから「原案」となっているのだが)とまどうかもしれない。けれど、そういうことをわかった上で読むと、なかなか面白い。
 ドラマがこれからどう展開していくか、観るまでお楽しみという人は、ドラマが終わるまで辛抱するしかない。もっとも、今はモデルとなった広岡浅子さんの関連本がたくさん売られているから、彼女がどんな人かは結構知られている。

 それにしてもこれほどの立身出世の女性はここまであまり知られていなかったのはどうしてだろう。
 三井財閥に生まれ、大阪の両替屋に嫁いでからは傾きかけた家を守って石炭、銀行、それと日本女子大の創立に関わり、大同生命という大会社までも興した女性だというのに。
 そもそもこの小説は1988年に初版が刊行されている。今から27年前だ。そのあとラジオドラマ(!)や舞台化はされたそうだが、ここまでブームになることはなかった。
 それがここにきて、一気に大ブーム。
 さすがNHKの力はすごいということになるのだろうが、この原作をさぐりあてた人がえらい。
 これだけの人生を生きた女性だけあって、ドラマとして面白い。

 この小説では広岡浅子が嫁いだ加島屋(ドラマでは加野屋)の家のそばにあった土佐堀川をタイトルにしているが、ドラマでは浅子から「あさが来た」と、これも朝の連続テレビ小説向きになっている。
 そもそも作者の古川と広岡浅子の出会いは偶然である。女性の生き方に関心のあった古川が高群逸枝の『日本女性人名辞書』にあったわずか14行ばかりの記載に興味をもったことが始まりだという。
 潮文庫版の「あとがき」に古川自身が綴っている。

 広岡浅子の座右の銘が「九転十起」。よくいわれる「七転八起」よりも回数が多い。それだけ浅子の人生が起伏にとんだものだったということだ。
 古川もまた「九転十起」を味わっているかもしれないが、今はまさに「びっくりぽん」なのではないか。
  
(2015/11/17 投稿)

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 昨日(11月14日)、
 さいたま国際マラソンがありました。
 わが家の近くを走るというので
 見に行きました。
 と、来ました、来ました。

  20151115_091841_convert_20151115163826.jpg

 いやあ、速いですね。
 先頭集団はあっというまに
 目の前を駆け抜けました。
 そういえば、子供の頃
 裸足のアベベを見たことがあります。
 1964年の東京オリンピックで優勝したマラソンの王者。
 見たのは大阪ですが
 今でもアベベを見たという記憶だけは
 残っています。
 今回の大会では
 吉田香織選手が2位と健闘 
 リオデジャネイロオリンピックに行けたらいいですね。

 それにしてもこの頃
 週末になるたびに雨が多くて
 わたしの菜園に出向くのも
 天気予報とチェックしながらが
 多くなりました。
 そろそろ茎ブロッコリーの収穫もできそうな頃。
 11月13日(金)の天気のいい日に
 出かけました。

 その茎ブロッコリーの中をのぞいてみると
 ご覧の通り。

  CIMG0645_convert_20151113172019.jpg

 おいしそうに実っています。
 この日はダイコン も収穫。
 やはり最初に収穫した時よりも太くなっています。

  CIMG0656_convert_20151113172250.jpg

 ところが、
 タマネギの生育が今ひとつで
 すでに半数近くは
 植え替えしました。

  CIMG0648_convert_20151113172200.jpg

 植えるたびに雨が降るからなのか
 先行きが心配です。

 種を蒔いた
 スナップエンドウウスイエンドウ
 ようやく芽を出してくれました。
 どちらがどちらかわかりますか?

  CIMG0647_convert_20151113172338.jpg  CIMG0653_convert_20151113172419.jpg

 左がスナップエンドウ
 右がウスイエンドウ
 まあ、兄弟みたいなものですね。

 この日はコマツナの種を蒔きました。
 これも畑の計画外なのですが
 空けていても仕方がないので
 挑戦です。
 さてさて、うまく育ってくれるでしょうか。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する絵本は
  ルース・クラウスさん文、
  クロケット・ジョンソンさん絵の
  『にんじんのたね』。
  表紙をご覧になるとわかるように
  とってもかわいらしい絵本です。
  今年私の菜園では
  ニンジンは育てませんでしたが
  育てたいものです。
  来年の栽培予定にははいっているみたいですから
  この絵本の男の子のように
  りっぱなニンジンが育てば
  いいのですが。
  野菜の絵本もたくさんありますが
  これほどシンプルで
  しかもかわいい絵本はなかなかありません。
  菜園に飾りたくなるような
  そんな絵本です。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  どんな芽を出すの?                   

 野菜の植え付けには、種から育てる方法と苗を植えて育てる方法があります。
 芋類は親芋を植え付けます。
 例えば、だいこんは種から育てますし、キャベツは苗から始めます。エンドウは種からですが、季節によっては日当たりの加減もあって、小さなポットで苗の状態にして植えかえするようなこともあります。
 種の場合、気をつけないといけないのが鳥の攻撃です。土の中に埋めて見えないはずですが、どうしてもほじくりかえされるということがあります。ですから、防虫ネットをかけます。
 また種によっては発芽しない場合もあります。そのため、何粒かを同時に蒔いて、芽が出てきたあとに間引きをしたりします。
種から始めるのがいいか苗からがいいのか、それぞれの野菜の特性がありますから一概にはいえません。
 ただ、種の場合は土がぽっこり膨らんで、さてさてどんな芽がでてくるのかという楽しみはあります。
 この絵本も、そんな楽しみを描いた作品です。

 なんといっても、クロケット・ジョンソンさんの絵がいいです。特に背景が描かれているわけでもなく、線も色も素朴です。それでも、この絵本の持っている雰囲気がよく伝わってきます。
 男の子がにんじんの種を「ひとつぶ」土にまくところから始まります。この子、勇気があります。「ひとつぶ」だと発芽しない可能性もありますから。お母さんもお父さんもお兄さんも「芽はでないと思うよ」と言いましたが、男の子は毎日水をあげたり草をとったり、しっかり世話をしてあげます。
 でも、なかなか芽は出てきません。
 野菜によっては発芽に時間のかかるものもあります。
 男の子はそれでも待ち続けます。すると、どうでしょう。
 ある日、芽が出て、またたくまに男の背丈以上に育っていきました。
 そして、大きなにんじんが収穫できました。

 たったこれだけの話ですが、この男の子の根気のよさには脱帽です。
 どんなことも、いつか芽がでることがあります。そのことをこの子は教えてくれているのかもしれません。
 これだけ大きなにんじんを、男の子はどんな風に食べるのでしょうか。それを考えるのも楽しい、絵本です。
  
(2015/11/15 投稿)

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 NHK朝の連続テレビ小説「あさがきた」が
 おもしろい。
 本屋さんに行けば
 主人公あさのモデルとなった
 広岡浅子さんの関連本がズラリ。
 何しろこの人はとってもえらい。
 保険事業とか女子大創設とか、
 とにかくえらい。
 <50代からの旅と暮らし 発見マガジン
 「ノジュール」11月号の第二特集は

   九転十起! 希代の女性実業家
   広岡浅子を旅する

 なんです。

  CIMG0621_convert_20151107144309.jpg

 広岡浅子と関係が深い土地といえば
 なんといっても
 大阪
 大同生命をつくったのが広岡浅子ですが
 その本社ビルは
 広岡浅子が嫁いだ両替商跡に建っているそうです。
 広岡浅子の写真もあって
 「あさがきた」がもっとおもしろくなります。

 では、今月号の大特集の方に
 戻りましょう。

    こだわり、ひとり旅

 リード文にこうあります。

    50代以上の「ひとり旅」人口が増えているそうです。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・
    旅は、自分なりにテーマを決めて
    プランニングするといっそう充実します。

 そうなんですよね、それはわかっていますが
 かなり苦手。
 そこで今月号で苦手を克服・・・できるかな。

 モデルプランがいいですよね。
 例えば、「「坂の上の雲」の町と道後温泉」とか
 「直行バスで笠間&益子」とか。
 写真にそえられたコピーを紹介しておきます。

    “気になったら”行ってみる。
    予定変更だって自由なのだ・・・。

 映画ロケ地めぐりなんかもよさそう。

 特集では、
 「“ひとり旅”のお悩み相談
 「達人がすすめるひとり旅の宿」とかも
 載っています。

 小特集の「おトクな旅行術」と合わせて
 ひとり旅にでもでますか。
 でも、「あさがくる」を見ないといけないし。
 さて、さて。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介するのは
  勢古浩爾さんの『定年後7年目のリアル』。
  この本に先立って
  『定年後のリアル』という本が出ていて、
  これはその後の報告ということになるのですが
  先の本を読んだ読者からすれば、
  あれから5年経ってどうなの?って
  気持ちについなってしまうもの。
  うまいなぁ、これって。
  まさか「定年後10年目」とか「定年後15年目」なんて
  シリーズ化されていくのだろうかと
  冗談っぽく思っていたら、
  今度は『定年後に読みたい文庫100冊』っていう本が
  出たようです。
  そうきましたか。
  今日の書評はかなり辛口ですね。
  まあ私とすれば、
  本編とこの続編でいいかなっていう感じ。
  定年後に読みたい文庫なら
  新潮文庫の100冊もあれば
  十分だし。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  人それぞれのリアル                   

 著者の勢古浩爾さんが『定年後のリアル』というつれづれ文を書いたのは定年後2年。それから5年経って、つまりは定年後7年目、勢古さんの生活が変わったのか変わらなかったのかをこれまたつれづれに綴ったのが、本書。
 結論からいえば、何ひとつ変わっていない。「多少は考え、読み、観てきた」そうだが、「なにもない」生活を謳歌しているようだ。
 自分の好き嫌いだけを基準に生きているという。「勤めそれ自体がない。朝、起きなくてよく、満員電車に揉まれることもなく、先の見えない会社の行く先に悩むことはなくなった」そうだ。
 それは結構なことだ、というしかない。
 そういう「定年後」もあるだろう、自由に生きて楽しそう、でもなんだかしっくり来ないのだ。

 勢古さんのいう、「じつにささやかな」希望をあげてみよう。
 年二回の小旅行。時に都心に出て知人とランチの四方山話。元の会社の先輩との旧交。
 これが、「ささやか」なのだろうか。
 しかも、こう続く。「年に一、二回本が出ることもある」。
 勢古さん、何か勘違いしてませんか。本が年に一、二回もでて、それが「ささやか」ですか。
 雇用延長制度を活用して「定年後」も働いている人たちって、雇用形態は一年契約の有期雇用だし、つまりは切られてしまうことに汲々として、仕事は変わらないのに給料は半減、それでも働かないといけない人はたくさんいるのに、自分の希望は「ささやか」だからとほんわか生きているのはどうなのかしらん。
 それは他人の生き方だからそれで構わない。
 しかし、勢古さんのいう「リアル」って普通の人ならとってもあこがれるレベルじゃないですか。

 前作の『定年後のリアル』にしたって結構読まれたはずだから、雇用延長で仕方なく働いている人の年収ぐらいは、あるいはそれ以上か、収入はあったのではないでしょうか。
 「ささやかな」人生って、多分勢古さんのような生き方ではないような気がする。
 もっともそんなことの比較をしても仕方がないのだが。
 だって、「リアル」ってその人それぞれだけのものだから。
  
(2015/11/13 投稿)

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  今日は
  フロイトの『精神分析入門/夢判断』を
  紹介します。
  といっても、
  「まんがで読破」シリーズの一冊で
  まんがなんです。
  いつもの書評サイト「本が好き!」からの
  献本です。
  夢の話を書きますね。
  最近めちゃくちゃ夢を見るんです、私。
  しかもその夢がどんどん昔に戻るというか
  子供の頃の友だちとかが
  出てくるんです。
  今は没交渉の人なのに
  夢で出てくるんです。
  これってどういうことですか、
  フロイトさん。
  その答えがこの本に書かれているわけではありません。
  でも、とっても気になるのです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  まんがで悪いですか                   

 古今東西の名作をまんがで読ませるという「まんがで読破」シリーズの一冊。
 このシリーズはすでに150冊近く刊行されているから、読者も多いのだろう。
 名作をまんがなんかでとどこかの知識人のように言うつもりはない。まんがというのも日本が誇る表現手段だから、それで馴染みのない作品の「入門」になれば言うことはないではないか。
 まあ、芥川龍之介の「羅生門」ぐらいの短編なら直接原作を読んで欲しいと思うが。

 このシリーズにどのような作品があるかラインナップを見てみると、太宰治の『人間失格』、トルストイの『戦争と平和』、夏目漱石の『明暗』、メルヴィルの『白鯨』といった文芸書だけでなく、マルクスの『共産党宣言』(ずっと昔の学生時代に私は読めなかった)、ダーウィンの『種の起源』(これも読めなかった)、カントの『純粋理性批判』(これまた読めなかった)といった哲学書思想書関係の作品もたくさんはいっている。
 私にとっては「読めなかった」作品の屍が累々とあるという感じだ。
 40年前のこのシリーズがあったら、少しは話もできたのに。
 読めないのだったら、マンガでもいいから、どのようなことが書かれているかを知ることはいいことだ。
 それで興味を持ったら、原作を読めばいいのだから。

 そこで私が選んだ一冊は、フロイトのこの本、というかこのまんが。
 もちろん、この本のことは知ってる。この本も私の「読めなかった」屍作品の一つ。
 そういう話だったのかという気持ちで読んだ。でも、正直なところちょっと不安でもある。
 このまんがではフロイトが「精神分析」にたどりついた経緯みたいなものが描かれているが、原典もそうなのか、読んでいないのでわからない。
 アードラーとかユングとかも登場するのだが、原典もそうなのだろうか。
 こういうあたり、まんがだからということではなく、やはり原典を読むしかないのだろう。

 「まんがで読破」シリーズはこれを読めば足りると言っている訳ではない。
 あくまでもこれを足掛かりにして原典を読むことを薦めているのだろう。
 でも、やっぱり読めないだろうな。
  
(2015/11/12 投稿)

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  東日本大震災から4年8ヶ月。

  先日サラ・ガーランドさんの
  『エディのやさいばたけ』を紹介した際に
  再読だということを
  すっかり忘れていました。
  最初に読んだのが2011年8月。
  それから4年。
  人の記憶というものは
  なんともあやういものです。
  あの東日本大震災からも
  同じだけの月日が経っています。
  あの日のことを忘れまいと思いつつも
  実際には多くのことを忘れてしまっているのかも
  しれません。
  先日の絵本に
  そんなことを思い知らされました。
  今日は再録書評です。
  相川祐里奈さんの『避難弱者』。
  2013年10月に読みました。
  もし読んだことがないという人は
  ぜひ手にとってみて下さい。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  涙はまだかわいていない                   

  まずはじめに、きちんと書いておくと、本書はノンフィクション作品としてとてもよく書けていて、東日本大震災の際の福島原発事故によって厳しい避難を強いられたさまざまな老人ホームの姿を描いた内容という重いテーマであるにもかかわらず、読書の時を豊かにさせてくれる作品であった。
 おそらくそれは丁寧な取材と著者のゆるぎない思い、そして何よりもあの日とそれにつづく困難な時間を生きた人々の熱い気持ちから生まれたものだろう。
 ひとつの作品ができるまでの、それは美しいハーモニーだ。

 津波にのみこまれていく家々や車、そして人々。灯りの消えた道を歩く帰宅難民。原発周辺の現れた白い防護服に身をつつんだ人々。
 とてつもない被害。数えきれない悲しみ。
 あの日、2011年3月11日の東日本大震災とそれに続く福島原発事故。
 あの日から私たちは多くの悲しみや終わらない原発問題の多くのことを目にし、耳にしてきたはずだが、まだまだ気がついていないことはたくさんある。
 2012年3月に設置された「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」、いわゆる「国会事故調」に参加し、その組織が解散後、「福島原発事故はまだ終わっていない」とフリージャーナリストの道を歩き始めた著者は、「福島の人たちの想いを風化させず、教訓として広く伝えていきたい」と、老人ホームというほとんどおきざりになった「弱者」たちがどのようにあの日とそれにつづく避難生活を送ったかをまとめたのが、この作品である。

 高齢者とともに食事もままならぬ日々を過ごした看護者だけでなく、やはりそこから脱落していく人たちの苦悩もきちんと描かれていて、強い人だけではない、弱い人(というのも適切ではないが)の立場にも理解をしめしている。
 自身の妊娠で、あるいは家族のため、現場を去らなければならなかった人たちもどんなに悲しかっただろう。
 高齢者という「弱者」だけでなく、そのことにかかわる多くの人にこれだけの心的負担を強いたものの本当の姿を、私たちはまだまだ知らないといけない。
 涙はまだかわいていないのだから。
  
(2013/10/11 投稿)

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 冷たい雨になった
 先日の日曜日(11月8日)、
 雨の有楽町に行ってきました。
 「第10回FRK(これは不動産流通経営協会の略)住まいと暮らしのセミナー」の
 特別講演を聴くためです。
 このセミナー、今年の3月に行われた
 脚本家の中園ミホさんの講演会にも
 行きました。

   前回の講演記録はこちらから。

 今回は作家の林真理子さんの講演
 その前に腹ごしらえ。
 銀座で人気のラーメン屋ということで探した
 「朧月」というラーメン屋で
 つけ麺を食べました。

  20151108_123219_convert_20151108200800.jpg

 小さなお店ですが行列が絶えない名店。
 銀座の泰明小学校のそばにあります。

 お腹もいっぱいになったところで
 会場の朝日ホールへ。
 さすがに会場いっぱいの人です。
 みんな雨なのにえらいなぁ。
 第1部は「家を買う前に考えたい、既存住宅&リノベーション」。
 まあ、これは主催者がそういう団体ですから
 仕方ありません。
 で、第2部が林真理子さんの特別講演
 お題は「小説を書く時間」。
 林真理子さんの登場です。
 そうそう、今皆さんが想像した通りの
 林真理子さんです。

 まずは白蓮さんの話から。
 うーむ。小説でいえばいい書き出し。
 最初から身体が乗り出してしまいました。
 林真理子さんは柳原白蓮を描いた『白蓮れんれん』という
 作品を書いています。
 そう、NHKの朝の連続テレビ小説「花子とアン」で
 仲間由紀恵さんが演じた蓮子さんのモデル。
 おかげで本が売れたという話から
 作家というのは
 本が売れなくなって大変だという話へ。
 さらには友だちの大胆な生活から
 その友だちをモデルにして書いた
 『中島ハルコの恋愛相談室』、
 さらには新聞小説だった『マイストーリー 私の物語』から
 自身のお母さんの話へと、
 さらには次の新作の話。
 おいおい、「小説を書く時間」という講演のテーマは
 どうなっちゃったんだい。
 それでも話が面白いから
 あっという間の1時間。
 さすがエンタメ系直木賞作家。
 いやあ、貫録です。

 講演が終わっても
 まだ雨は降っていましたが
 気分はとってもすっきり。
 面白かった。

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 突然ですが、20151107_094513_convert_20151107144100.jpg
 唄います。

    枯葉散る夕暮れは
      来る日の寒さをものがたり
      ・・・・・・・・・・・・・・・
      恋人よ そばにいて
      こごえる私の そばにしてよ

 五輪真弓さんの名曲「恋人よ」。
 1980年発表された名曲です。
 なんで突然唄ったかというと
 まさにこの曲に唄われた季節になったということを
 いいたかったわけです。
 右の写真は近くの公園横の舗装道。
 ね、「枯葉散る」でしょ。

 来る日の寒さ、
 次の日が立冬という11月7日(土)の
 わたしの菜園は大収穫の一日に
 なりました。
 この日は先週植えたタマネギの苗が
 半数近くダメになって
 その植え替えだけのつもりで出かけたのですが
 他の野菜たちが思った以上に
 大きくなっていてくれたので
 収穫することにしました。

 まずはこの日収穫した野菜たちを
 ごらん下さい。

  CIMG0641_convert_20151107143646.jpg

 そうです、ついにミニハクサイを収穫しました!
 それに育てるのが結構難儀だった
 キャベツも。
 下の写真は
 キャベツを収穫しているわたしです。

  CIMG0624_convert_20151107143358.jpg

 このキャベツ、手にどっしりくる重さでした。
 帰って体重(というのかなぁ)を計ってみると
 800g 
 上出来です。
 でも、中がどうなっているのかわからない。
 そこで、パカーンと割ってみました。
 それが、これ。

  CIMG0642_convert_20151107143758.jpg

 なんとも美しい。
 続いて、ハクサイをパカーン。

  CIMG0644_convert_20151107182928.jpg

 野菜の力を見よ、っていう感じ。


 この日は他にダイコン春菊も収穫。
 収穫ハイになってしまって
 草と思って引っこ抜いたら
 なんと先週植えたスナップエンドウの芽では。
 あわてて植え戻しました。
 なかなか芽の出ないホウレンソウ
 ようやくひとつ。
 芽を出してくれました。
 写真手前のみなしごハッチの触覚みたいなのがそれ。

  CIMG0634_convert_20151107143539.jpg

 秋冬野菜は夏野菜と違って
 大きさ重さがいいですね。
 もういちど、唄います。

    野菜よ そばにいて
      こごえる私の そばにしてよ

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は立冬
  いよいよ冬も本番。

    跳箱の突き手一瞬冬が来る    友岡 子郷

  最近朝に畑に行くと
  露がいっぱい。
  そのうちにこれが霜柱になるかのと
  早くも心配しています。
  それでも
  露にしとっとなった野菜を見るのは
  夏の姿とちょっと違っていいものですよ。
  今日紹介する絵本は
  サラ・ガーランドさんの
  『エディのやさいばたけ』。
  どうしても絵本となると
  夏野菜が多くなるのは仕方がないですね。
  上へ上へと伸びる
  夏野菜は絵になりますから。
  その点、冬野菜は
  土の中とか
  成長しても膝ぐらいまで。
  もっとも
  夏でも冬でも
  楽しめるのが菜園です。
  実はこの絵本、
  2011年8月に一度
  紹介していました。
  再読なんですね。
  すっかり忘れていました。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  てんとう虫は大事に                   

 時々絵本を読んでいて思うことがあります。それは父親の不在です。
 子供が主人公の絵本に父親が描かれないお話が割りとあります。シングルマザーと子供。そのことに何か作り手の意図があるのでしょうか。父親不在があたりまえのように描かれるのは。
 この絵本でもそうです。
 「じぶんのはたけをつくりたい」と言い出す男の子エディと妹リリー。二人の子供のお母さんとおじいさんが登場するのですが、父親は出てきません。これはどうしてでしょう。
 このことはこの絵本の内容と直接関係しないのでしょうが、少し気になりました。

 さて本題。
 自分の畑をつくりたいと始めたエディですが、もちろん畑作りは初めてですから、種や培養土を買うところから始まります。そして、庭の土を耕して、種を植えていきます。
 まずまいたのは、えんどうまえ。その夜にエディがお母さんに読んでもらった絵本が『ジャックとまめの木』。なるほど、これはうまい手ですね。エディは自分がジャックになった気分です。
 ここからが大変。エディはもっともっと種をまきたくなったのですから。
 ひまわり、ナスタチウム、ブロッコリー、とうもろこし、それにかぼちゃだって。
 芽が出た苗は畑に植え替え。いつの間にか庭の畑はたくさんの野菜におおわれています。

 この絵本がいいのはここから。畑にあつまってくる鳥やら虫たちのことがきちんと説明されています。
 例えば「はっぱやはなのしるをすうあぶらむし」。てんとう虫や虻の幼虫の大好物、と描かれています。ということは、てんとう虫は野菜を育てるにはとっても役に立つ虫だということです。
 反対になめくじは畑を荒らす大敵。気になって仕方のないエディは夜になってお母さんと駆除します。
 懐中電灯の明かりでなめくじをとるエディとおかあさんの姿はなかなか他の絵本ではみられない絵かもしれません。
 こういうところをきちんと描くのは、野菜絵本の鉄則です。

 この絵本の巻末には「野菜の育て方」として何種類かの野菜の育て方と種まきの方法などが書かれていて、入門本として少し大きな子供にもいいかもしれません。
  
(2015/11/08 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介するのは
  官能小説です。
  私的にはR18に近いR15かな。
  石田衣良さんの短編集『MILK』。
  石田衣良さんの作品なら
  大丈夫。
  そんな声が聞こえてきそうですね。
  女性読者も多い石田衣良さんだから
  許されるのでしょうね。
  でも、本当にスゴイですよ。
  と、書いてきて思ったのですが
  案外石田衣良さんは
  男性に向けて書いたのではなく
  女性に向けて書いたのかも。
  石田衣良さんの本なら
  女性が読んでいても安心しちゃうじゃないですか。
  これって、
  やっぱり不公平ですよね、
  花房観音さん。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  石田衣良は魔術師だ                   

 石田衣良という作家は実に器用だ。
 『4TEEN フォーティーン』という作品で第129回直木賞を受賞後、さまざまな作品を書きこなしている。その容姿からTVのコメンテーターやクイズ番組でも見かけることがある。
 こういう人が官能小説を書いても、官能作家と呼ばれることはない。
 あくまでも石田衣良が書いた官能小説になるだけだ。
 それがどんなに刺激的な作品であってもだ。

 この本は10篇の短編官能小説集だ。
 石田衣良さんの作品集だから、青少年たちも読むだろうが、これはまちがいなく官能小説だ。だから、読んではいけないといっているのではない。
 ただ官能作家と呼ばれる一群の人たちが書いた本なら眉をひそめることはあっても石田衣良ならOKというのは少し不公平ではないか。
 まあ人徳といえばそれまでだろうが。

 表題作の「MILK」。少年時に少女の体臭に甘美なものを感じて成長した雄吾はそういう性癖を隠しながら成長し、三歳下の摩子と結婚する。結婚生活も3年になり、新鮮だった夫婦生活もいつの間にか薄れ、四ヶ月以上性交渉もない。(夫婦間のセックスレスの問題はこの短編集には他にもあって、短編集自体がセックスレス夫婦官能小説集のようでもある)
 ある日、妻の摩子が熱を出してしまう。会社の歓迎会を切り上げて家に帰った雄吾は何日間か風呂にはいっていない妻の体臭を嗅ぎ、欲情が高まって・・・。
 もちろん、「・・・」の部分は情愛の場面だが、どんなに刺激的に書いても、石田衣良の小説なのだ。

 石田衣良は器用だから、こういう官能小説もすんなり、ということはきっとないのだろうが、書いてしまえるところがある。それを表題作のように甘い「MILK」みたいなタイトルにしてしまうのだから、石田衣良の魔術と呼んでもいい。
 この「MILK」のほかに、「坂の途中」も「アローン・トゥゲザー」もセックスレスもの。
 その「アローン・トゥゲザー」にこんな一節がある。
 「女が誰かとつながるたびに、ちいさな海をつくってなにが悪い」。
 これを魔術と呼ばずしてどうする。
  
(2015/11/07 投稿)

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  昨日、村上春樹さんの
  『職業としての小説家』という本を
  紹介しましたが、
  小説家というのは
  フリーランスですよね。
  みんなわかっていますから
  フリー小説家とはいいません。
  村上春樹さんの本にも書かれていましたが
  何時に起きようが自由です。
  村上春樹さんはそのあたりかなりストイックですね。
  毎日原稿は10枚書くのだとか
  健康管理のためのランニングだとか。
  ああいう本を読むと
  フリーランスもいいなぁと
  思いますよね。
  そこで今日は
  川井龍介さんの『フリーランスで生きるということ』という本を
  紹介します。
  小説家にしてもフリーランサーにしても
  誰かに雇われるという働き方ではありません。
  だからといって
  仕事となると
  委託側注文側がいます。
  たった一人で何もかも、
  なんていうのは難しいでしょうね、やっぱり。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  傭兵がんばる                   

 「ちくまプリマー新書」は「プリマー(入門書)」という名前の通り、若い人たち向けに編まれている。
 その中の一冊として書かれたこの作品では、多様な働き方のひとつとしての「フリーランス」と採りあげている。
 著者は自身毎日新聞という組織で働いた経験を持つ、フリーライターの川井龍介氏。
 川井氏は若い人向けに丁寧に「フリーランス」という「働き方」を説明していく。
 例えば、その語源。「フリーランス」は英語表記すれば「free lance」となるが、「傭兵」という意味があるという。つまり特定の王に仕えるのではなく、戦いに応じて、自分の能力で生きていった兵士のことなのだそうだ。
 そもそも「フリー」には「自由」という意味があるから、「フリーランス」という「働き方」が自由きままで良さそうに感じるだろうが、もちろん良い面もたくさんあるが、川井氏は「仕事をする際に自由なスタイルで何でもできるということではなく、どうするかを決める権限が基本的に自分にある」ことだという。
 これは案外難しい選択である。

 定年になって組織を離れるということは「自由」になることではない。これからの生き方を自分が決めるということだ。目標地を決めるのも自分、レールを敷くのも自分。電車を動かすのも自分なのである。何もしないという選択もある。
 そういう選択も含めて、すべて自分で決めないといけない。
 「フリーランス」という「働き方」はそれと同じだ。

 この本で説明されている「フリーランス」は私たちが想像する範囲よりも広くとられている。どちらかといえば、「自営業」に含まれるものもある。
 組織に使われているか、そうではないか。この本では後者を「フリーランス」として説明している。
 だから、名乗るのは自由だという。会社だってそうだ。赤字であろうが不正なことをしていても、どこそこの会社で働いていると名乗るのであるから、「フリーランス」はこれからこういう「働き方」としますという宣言のようかもしれない。

 税金のこと健康保険のこと年金のこと、「フリーランス」ならではの事象があることもこの本では説明していく。
 若い読者だけでなく、会社を辞めて「自由」になりたいと思っている人にも、役立つ一冊だ。
  
(2015/11/06 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  読む前から
  この本は面白そうだとか
  難しそうだとか
  つい思ってしまうものですが
  今日紹介する
  村上春樹さんの『職業としての小説家』は
  手ごわそうと思って
  読み始めました。
  なんの、なんの。
  とっても読みやすい一冊でした。
  しかも、この本には
  書くことだけでなく
  読むことについても発言があって
  これなんかいいと思いませんか。

    本を読む習慣がいったん身についてしまうと
    それほどあっさりと読書を放棄することはできません。

  もう村上春樹さんのいうとおり。
  次は村上春樹さんの発言ではないですが
  ジェームズ・ジョイスという作家の言葉。

    イマジネーションとは記憶のことだ

  よく頭の引き出しみたいなことをいいますが
  想像するには空の引き出しでは役に立たないということ。
  この本まるまる、こんな刺激的な文章に
  あふれていて、
  今年のベストワンの候補です。
  もっとも今のところ、という注釈がつきますが。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  村上春樹さんがもっと好きになる                   

 村上春樹さんには確かに岩盤のように強固な支持層がいて、それらの人たちのことはハルキストとか村上主義者と呼ばれているそうですが、この本のように小説でなくてもかなりの部数を売り上げている。
 特にこの本の場合は「自伝的エッセイ」と銘打たれているから、村上主義者の人は確実に手にするだろうが、できれば村上さんのことが好きではないという読者にも読んでもらいたい一冊だ。
 それほどに、面白かったし、刺激的だった。

 まず何といっても、読みやすい。
 この本がどのようにして誕生したかは「あとがき」で村上さん自身が書いているが、講演原稿を書くようなつもりで書かれたという。「だいたい三十人から四十人くらいの人」が講演を聴いているイメージで書いたという。読んだ感想でいえば、むしろ村上さんと一対一のインタビューで話を聴いている感じがする。
 それって、すごく贅沢だと思いません?
 講演というのは声という音声の加減もあるが、大体において耳に心地いい。そんな文体で書かれているのであるから、読みやすいのももっともだ。

 この本はタイトルのとおり、「職業として」どのように就いたのかみたいな話もあるし、芥川賞をとれなかった村上さんの文学賞全般に対する話もある。今年のノーベル賞発表の際には、この本からそのあたりのくだりがかなり引用されていた。
 何よりもこの本は村上さんなりの作文術に満ち溢れているのが、いい。
 先ほどの「あとがき」にも「本書が小説家を志す人々のためのガイドブック」になりえているか、と村上さんが書いているように、何か書きたい、それは小説でなくともいいのだが、と思っている人には刺激的かつ有益な文章がつづく。
 村上さんが好きかどうかはともかくとして、参考にはなるだろうし、ふむふむこういう風にして村上作品は出来ているのだと感心したりする。
 ちょうど夜中に自分に替わって靴を作ってくれる小人を見つけた気分だ。
 例えばこんな文章。「どんな文章にだって必ず改良の余地はある」。

 この本を読んで小説家という「職業」が素晴らしいと思うかどうかは人それぞれだが、少なくとも村上春樹さんには合っていたのだと思う。
  
(2015/11/05 投稿)

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 サルトルの『嘔吐』って
 読んだことがあります?
 私はあります。
 自慢じゃなくて、惨めな思い出です。
 私が大学生の頃、
 1975年前後のことです。
 大学生ならサルトルぐらい読んでないとみたいな
 脅迫概念があって
 確か新潮社の全集のひとつだったと思いますが
 『嘔吐』を読みました。
 ところが、全然わからないのですね。
 いまだに「実存主義」そのものも
 わからない。
 あの時に、わからないではなくわかろうとする意欲が
 なかったことが
 今に至っているのです。

  

 今月のNHKEテレの「100分 de 名著」は
 そのサルトルなんです。
 「実存主義とは何か」。
 これだと思いましたね。
 これで積年の思いが晴らせるのではないか。
 でも、このテキストの目次を見ても
 難しそうです。
 第1回めの今日は、「実存は本質に先立つ」。
 もうこれだけでアレルギーが出そう。
 2回め以降は、
 「人間は自由の刑に処せられている」。
 「地獄とは他人のことだ
 「希望の中で生きよ」。

 講師はフランス文学者の
 海老坂武先生。
 こういう難しいテーマは
 自分一人ではなかなか理解まで進むのは
 容易ではありません。
 講義を聞くつもりで
 しっかりと理解できたらいいのですが。
 まさか難しすぎて
 嘔吐することはないとは思うのですが。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は文化の日

    カレーの香ただよふ雨の文化の日   大島 民郎

  先日の土曜日(10月31日)、
  「第56回 東京名物神田古本まつり」をのぞいてきました。
  神田神保町は世界でも有数の古書店街。
  しかも、カレーの名店が軒を連ねているのでも有名。
  大島民郎さんの句はそんな街を
  感じさせてくれます。
  大勢の人が古本を見て回っていて
  まだまだ読書人口はとつい思ってしまいますが
  やはり本を読む人は減少しているのでしょうね。
  今日紹介するのは
  宮本輝さんと吉本ばななさんの対談集
  『人生の道しるべ』ですが
  これを読むと
  やはり本を読むことは
  素敵なことだと
  再確認できます。
  カレーを食べながら
  ページを開いていく。
  そんな贅沢な時間は大切にしないと。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  生きる姿勢                   

 宮本輝。1947年生まれ。1977年に『泥の河』でデビュー。
 吉本ばなな。1964年生まれ。1987年に『キッチン』でデビュー。
 吉本さんがデビューをした時には宮本さんはすでに作家として10年の経歴を持つ中堅作家だったことになる。その後から現在に至るまで二人ともに旺盛な執筆活動を続けて、その人気は手堅いものがある。今や二人とも大御所といえる。
 それでも、人生の先輩として、作家の先輩として、宮本さんを尊敬する吉本さんの心持ちは美しい。若い人には時にそういうことを乱暴に扱う人も多いが、吉本さんはそうではない。もちろん、宮本さんにそういう資質なりがあるのだろうが。
 そんな二人の、これは対談集である。

 語られているのは、「作家の資質」や「生きること、書くこと」といった小説家としての事柄や「父として、母として」といった家族との関係、「人間の成長とは」や「「死」はいつも身近にある」といった人生そのものである。
 それぞれが独立しているというより、人生の中には家族もあるし、「死」もある。家族の「死」もあるし、病気もある。それらが作品として結晶していくこともある。
 7つの対談がまとめられているが、全体がひとつの対談である。
 宮本さん吉本さんそれぞれが互いを鏡にして、時に宮本さんの、時に吉本さんの思いが立居振舞が浮かび上がってくる。

 宮本さんにしろ吉本さんにしろ、その作品の中に「死」は濃厚である。
 吉本さんはそのことについて、こう発言している。
 「死ぬということを生活の中で当たり前に意識する、いや意識さえせずに、しかし当然に抱いている」。
 この言葉で、吉本さんの作品の意味がぐっとせばまるような気がする。
 また、作家から見ての読書ということについても興味深い発言がある。これは宮本さん。
 「自分の実人生と、自分が読んださまざまな小説が、あるとき歯車のようにガチャッとはまるときが必ず来ます。それが大人になるということかもしれない」。
 そのことに関して、「あとがき」の中で吉本さんは「みんなが本を読まなくなって、日々はやたらに忙しく早い回転ばかりを求められ、ゆっくりものを眺める時間もなく、短時間のひまつぶしには満ち溢れているこの時代の中で」「それは違うんだ」、と宮本さんは言っていると。

 やはり波長のあう人同士の対談はいいものだ。
  
(2015/11/03 投稿)

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 野菜を植えるには
 時期時期というものがあると
 最近ようやくわかるようになりました。
 これからはタマネギの植え付けの時期。
 ということで、
 10月30日(金)にタマネギの植え付けに
 菜園まで行ったのですが
 思った以上に
 やることがいっぱいの一日に
 なりました。

 この日は植え付けの講習からスタート。
 私の菜園では
 植え付け時には講習をしてもらえるので
 素人菜園家としては助かります。
 さっそくタマネギの苗の植え付けです。
 今回は穴あきマルチを使いました。
 下の左側の写真でわかるように
 タマネギの苗は結構スマート。
 ここからあのぷっくらとしたタマネギが育つまでには
 半年ばかりかかります。
 右側が植え付けたあと。

  CIMG0610_convert_20151030195900.jpg     CIMG0612_convert_20151030200049.jpg


 タマネギの横には
 ナバナを植えました。
 ナバナって何だろうと思っていましたが
 菜の花のことなんですね。
 菜園では2つの苗を植えるのですが
 わたしの菜園ではナバナをひとつにして
 ウスイエンドウを蒔きました。
 ウスイエンドウは私の生まれた大阪でよく栽培されている
 野菜です。
 これで作った豆ご飯は最高に美味しい。
 写真は左がナバナ
 右がウスイエンドウ

  CIMG0613_convert_20151030200220.jpg   CIMG0614_convert_20151030200453.jpg
 
 ここには防虫ネットをかけました。

 次は、スナップエンドウハクサイの横に
 種蒔き。
 さらには、
 育ってきた茎ブロッコリーの頂花蕾を
 摘心です。
 ここを摘ることでどんどん茎が育つそうです。

  CIMG0616_convert_20151030200613.jpg

 もちろん、
 これはちゃんと食しました。
 ところで、茎ブロッコリーのことを
 スティックセニョールともいうそうで、
 なんとなく浮気っぽい男みたいですよね。
 隣のキャベツに手を出すなよ。

 ここまでがこの日の予定だったのですが
 なんと、
 ダイコンが育っているではないですか。
 まわりの菜園も
 ポンポンと抜き始めたので
 我が家の菜園も1本収穫しました。
 下の写真が収穫したダイコン茎ブロッコリーの花蕾。

  CIMG0620_convert_20151030200729.jpg

 ちょっと細く見えますが
 周囲を計測すると
 17㎝ありました。
 思わぬ収穫に
 大満足の秋の一日でした。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日から11月
  来週には立冬です。
  こういう季節にぴったりの秋の季語
  「暮の秋」。
  秋がまさに終わろうとしている感じが
  こめられています。

    次の間に人のぬくみや暮の秋     山上 樹実雄

  この句ではぬくみとひらがな表記されていますが
  漢字で書けば、「温み」でしょうか。
  本にも、絵本にも、温みを感じます。
  せっかく読書週間の中の日曜日なので
  今日は本の絵本を紹介します。
  トニ・モリスン&スレイド・モリスンの『ほんをひらいて』。
  読書週間にぴったりでしょ。
  こういう絵本を読むと
  本を読むのはいいなぁと
  つくづく思います。
  読書週間の日曜日、
  図書館に行くのもいいですよ。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  いつだって、読書日和                   

 読書週間の歴史が古い。
 もともとは1924年に制定された「図書週間」にさかのぼる。当時は11月の中旬だったそうだ。現在のような形になったのは戦後まもない1947年。文化の日をはさんだ10月27日から11月9日までの2週間となったのは戦後の2回目からだそうだ。
 「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という趣旨のもとつくられたこの週間も、今年(2015年)で69回を数える。今年の標語は「いつだって、読書日和」。
 雨がふれば室内で、晴れた日には公園のベンチで、そういつだってどこでだって本は読める。
 電気がなければ、月の明かりでさえ読めてしまう。本というのは実に便利なものだ。
 それに本さえあればどこにだって行ける。過去であろうと未来であろうと。秘境であっても大都会でも。
 そんな本に見向きもしないなんて信じられない。
 そんな人たちに、この絵本を読んでもらいたい。

 ちいさな女の子ルイーズは黄色いレンンコートを来て、今日もおでかけ。
 さてさて、どこに行くのだろう。
 ルイーズは道のそこかしこでいろんな世界を体験している。道端でハーモニカを吹いている青年。大きな犬。古ぼけたおばけ屋敷のような家。薄暗いごみ捨て場。
 とうとう雨まで降りだして、それでもルイーズはどこに行くのだろう。
 彼女が着いたのは図書館。
 ちいさなルイーズの前にずらりと本が並んでいる。

 「ほんは、たんけんしたり、かんがえたり、ゆめをみたりするのをてつだってくれるんだ」。
 ルイーズは本の世界を、自由に(そう、本を読めばいつだって自由だ!)とびまわっていく。
 こわかったことも暗い気持ちもいつの間にか忘れてしまっている。
 「ほんをひらけば、いろいろなせかいがみえてくる。ほんをひらけば、しらなかったこともわかってくる」
 まるで読書週間の標語みたいだが、本当にそうなのだから仕方がない。

 本を読まなくなった人たち、本を読めない人たち、がこの絵本を読んで、本の世界を楽しんでもらいたい。
 最初のページの献辞に、作者のトニ・モリスンはこう書いている。「あらゆる場所の図書館員のみなさんへ」と。
 これはきっと、図書館員さんへのエールだろう。
  
(2015/11/01 投稿)

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