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 ついこの間まで
 暑い暑いを思っていたら
 ここにきてすっかり秋、
 というよりも冬が近くまで来たような寒さです。

   押入の奥にさす日や冬隣      草間 時彦

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 もっとも10月も今日でおしまいで
 11月にはいれば
 すぐに立冬ですものね。

 菜園は
 すべての畝に秋冬野菜を植えつけて
 あとは収穫までの長い時間を
 ゆっくりと過ごすだけです。
 大根にはぴったりの温度ですが
 紅芯ダイコンがやっと
 赤い首をのぞかせ始めました。

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 ロメインレタス
 種からの栽培で
 なかなかうまく芽が出なかったのですが
 なんとか出た芽は
 ようやく大きくなってきました。

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 ロメインレタス
 最近スーパーなんかで見かけますが
 私はまだ食べたことがないので
 収穫が楽しみ。

 ナバナも順調に育っています。

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 10月30日に
 菜園に行ったのですが
 寒かったせいか
 あまり人は出ていませんでした。
 それでもいた人とおしゃべりしながら
 楽しい菜園生活を満喫しています。

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日
  ウルトラマンの誕生に関わった
  脚本家金城哲夫のシナリオ本を
  紹介しましたが
  もちろん金城哲夫だけが
  ウルトラマンを作ったわけではありません。
  映画は総合芸術だとよく言われますが
  監督、脚本家、照明、大道具。小道具、衣装
  それに怪獣ものであれば
  特撮監督もいます。
  あ、役者さんは忘れてはいけません。
  監督や脚本家がどんなにうまく描こうとしても
  三流の役者であれば
  それをうまく演じることもできないわけです。
  そういうたくさんの人たちの力が集まって
  映画やドラマが出来ています。
  今日はそんな人たちを描いた絵本、
  いいづかさだおさんの『ウルトラマンをつくったひとたち』。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  昭和という時代が作ったヒーロー                   

 「ウルトラマン」が始まったのは1966年7月。今年(2016年)が生誕50年になる。
 先日もNHKBSで「ウルトラQ」から「ウルトラマンレオ」までの名作を紹介する番組が放映されるなど、今でも人気が高い。
 小学生から中学生の頃に「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」に出会ったことは何らかの影響をその後の人生に与えているやもしれない。
 でも、あんな巨大な怪獣をどんなふうに作っていたのだろう。
 子どもたちの興味は怪獣の情報だけでなく、そういう制作現場にまで広がるのだろう。

 この本は絵本の形態にはなっているが、作者は実際に怪獣映画の製作現場に関わって、あのウルトラマンの「スペシウム光線」を作っていた人だ。
 なんと初代「ゴジラ」(1954年)では美術助手として参加していたというから年季がはいっている。
 この絵本を読むと、映画が総合芸術と呼ばれるのがよくわかる。
 実にたくさんの人がさまざまな現場に関わっている。
 特撮というのは普通の映画にはいない特撮監督とかがいる。「ウルトラマン」の生みの親円谷英二もその特撮技術で名を馳せた映画人だ。

 「ウルトラマン」シリーズの魅力は特撮技術だけでなく、金城哲夫や佐々木守といった気鋭の脚本家や実相寺昭雄といった個性のある監督もはずせない。
 もちろん、この絵本の作者いいづかさだお(飯塚定雄)もそんな一人だろう。
 「ウルトラマン」はまさに昭和という時代が作ったヒーローだったにちがいない。
  
(2016/10/30 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今年(2016年)は「ウルトラマン」が誕生して
  50年ということで
  あのNHKでも大々的に「ウルトラマン」の特番を
  組んでいたりしていました。
  今日はその「ウルトラマン」の誕生に欠かせない
  脚本家金城哲夫
  シナリオを集めた本を紹介します。
  『ウルトラQ+ウルトラマン 金城哲夫シナリオコレクション』です。
  この本には金城哲夫
  「ウルトラマン」のシナリオも収められていますが
  「ウルトラマン」のあの有名な
  「シュワーッ」は「ショワーッ!」として
  描かれています。
  但し、「ウルトラマン」のセリフとしては
  書かれていません。
  私的には「ウルトラQ」の脚本の方が
  よかったかな。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ショワーッ!                   

 金城哲夫。沖縄県出身。1976年37歳という若さで夭逝した脚本家である。
 彼の死後も彼の名前が燦然と輝いているのは、彼が永遠のヒーローウルトラマンの誕生に大きく貢献したからである。
 ウルトラマンは1966年(昭和41年)颯爽とTVのブラウン管に登場したヒーローである。その時金城はまだ20代の青年だった。彼のような若い力がウルトラマンを生み出したといえる。

 この本では金城が「ウルトラQ」と「ウルトラマン」の作品に書いたシナリオが収められている。
 時代順でいえば、「ウルトラQ」(この番組は「ウルトラ」シリーズの原点といえるもので昭和41年正月より放映が始まった)の第二話となった「五郎とゴロー」(これは巨大化した猿と人間の青年の友情物語で、金城の思いがよく出ている作品である)や人気怪獣ガラモンが登場した「ガラダマ」、その続編「ガラモンの逆数」と並んでいる。
 「ウルトラQ」に続く「ウルトラマン」ではいつもウルトラマンに救けられてばかりで自分の存在理由に悩む科学特捜隊のイデ隊員の姿を描いた「小さな英雄」やウルトラマンの最終回となった「さらばウルトラマン」までが収録されている。

 全部で15篇のシナリオであるが、いずれも30分番組であったから、シナリオ一つひとつは簡単に読めてしまう。
 特に「ウルトラマン」のシナリオを読むと、ウルトラマンの登場と活躍は終盤ほんのわずかな時間だということがよくわかる。
 それなのにあんなに夢中にさせてしまうのだから、ウルトラマンは偉大だった。
  
(2016/10/29 投稿)

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  読書週間が始まったので
  今日も本についての本を
  再録書評で紹介します。
  岩波ジュニア新書の一冊、
  『カラー版 本ができるまで』です。
  この書評を書いたのが
  2003年ですから
  なんと13年前の文章なんですね。
  この頃、きっと本をたくさん買っていたんでしょうね。
  最近は図書館で借りることが多くなったので
  この書評にあるような
  「本の匂い」の至福感は少なくなりました。
  年を重ねるのは
  いいことばかりが増えることでは
  ありません。

  いざ、読書。

  

sai.wingpen  本の匂い                   

 私には少し変な癖がある。
 本好きな人なら誰もがしていることかもしれないが、私の変わった癖というのは買ったばかりの本の匂いを嗅ぐことなのだ。本屋さんでお金を払って手にした新刊を、家に帰るのも待ちきれずに、開いたページに鼻を近づけ、すぅーつと匂いを嗅いでみる。紙の匂いなのかインクの匂いなのか、今まで封印されていたものがにわかに立ち上がってくるようで、その新しい本が初めて自分のものになったと思える時でもある。
 もしかしたら、その時が本を読むという行為の、もっとも至福の瞬間かもしれない。

 ルネッサンスの三大発明といえば「火薬」「羅針盤」そして「活版印刷」というのは、若い頃に習った。
 そして、「活版印刷」の発明がグーテンベルクというのは有名だが、活字を使った印刷はすでにあったというから発明というより技術革新だったといえる。
 グーテンベルクの功績は、活字に用いた金属の開発、木製印刷機の開発、そして油性インキの製造だという。
 これらにより情報が多くの人に広がるようになったのだから、「活版印刷」は当時の情報革命であったといえる。
 これらは私の知識ではなく、若い人向きに書かれたこの新書本から教えられたことだ。

 そして、この本はグーテンベルクの発明以後の、多くの人による改良の歴史と現代の印刷技術を東京都文京区にある印刷博物館の探訪と印刷工場の現場見学という手法でやさしく説明している。
 ジュニア新書であるけれど、本好きの人なら読んでおきたい一冊である。
 私たちがなにげなく手にする本が、多くの人の努力と工夫からできていることを知ることで、もっと本が身近になるのではないだろうか。

 本の匂い。
 それは紙の匂いでもあり、インクの匂いでもある。
 そして、その本に関わった多くの人の汗のにおいでもあるし、私たちを明日につなげてくれる希望の匂いでもある。私の本の匂いを嗅ぐ癖は治りそうもない。
  
(2003/07/06 投稿)

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  今日から
  読書週間が始まります。

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  今年の標語は

    いざ、読書。

  素っ気なくて
  拍子抜けしますねよ。
  読書人口が減っているといわれているのですから
  せっかくの読書週間ぐらい
  もっと気合をいれてほしいな。
  今日紹介するのは
  もう何度めかになる再録書評です。
  『本の知識』。
  こういう時だからこそ
  本に関心のない人も手にすれば
  もしかして
  本に興味を持てたりするかも。
  そうなれば、いいな。

  いざ、読書。

  

sai.wingpen  いざ、読書。                   

  人を好きになると、その人の出自とか性格とか知りたくなるのと同じように、本のことについてもっと知りたくなって手にしたのが、日本エディタースクールという編集や校正などを教えている学校が編集した、この本です。
 「本の大きさ」や「本の各部分の名称」といった基本的なことから、「本ができるまでの」の製作工程、出版界の概況とその流通と販売まで、わずか六〇ページばかりの書籍ながら、ほぼ本のことが理解できるようになっています。
 これだけわかれば、うまく付き合っていけるでしょう。

 ところで、本とはそもそもどういうものをいうのでしょうか。
 この本では五つの要件があると説明されています。
 まず、「内容のあること」。確かに。
 次に「持ち運びが容易にできること」。なるほど。
 三つめが「紙葉がとじられていること」。つまり、頁はばらばらになっていないこと、カードばかり集まっても本とは呼びません。
 四つめは「中身とそれを保護するもの(表紙)があること」。これは案外重要かもしれません。
 最後の要件は「ある程度の分量があること」です。ですから、リーフレットやパンフレットは本とはみなされないとあります。
 この五つの要件は、本というものを考えるにあたっては大事なことです。

 最近携帯電話や電子ブックでも小説などが読める時代です。
 では、それらを本と呼ぶのかというと、やはりそれは本ではないと言っていいのだと思います。なぜなら、それらは第三の要件や第四の要件を満たしていないからです。だから、私は現時点においてはまだそれらに浮気するつもりはありません。
 ただし、この五つの要件を満たす本は空間を占有する欠点も持っています。
 個人の家にしろ図書館にしろ、このまま膨張を続ける本を置いておく場所が足りません。おそらく、すべての書き物がデジタル化すれば、そういう問題は解決されます。
 このあたりが悩ましい問題です。
 好きだけど家にはおけないんだよ、と別離を告げざるをえない状況は避けたいものです。

 この本には「本ができるまで」の細かい工程も書かれています。
 本はそういう点では著者だけのものではなく、限りなく共同作業による産物だとわかります。
 もちろん書き手である著者が読み手を満足させるものを書くことは大事ですが、商品として売れるものに仕上げるためには編集者も装丁者も印刷業者もおろそかにできない、重要な人たちです。さらにいえば、それを流通させ販売する人たちもいます。

 私はそんな本たちに幸せになってもらいたい。
 どうしてって?
 本が好き、だからです。
  
(2009/07/16 投稿)

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  今日は
  岡崎武志さんの『上京する文學』を
  紹介します。
  この本は先に紹介した
  『ここが私の東京』に先立つ
  上京文学小論です。
  この本の「あとがき」で
  紹介できなかった文学者の名前を
  岡崎武志さんは書いていますが
  そのなかの多くを
  『ここが私の東京』で
  描いています。
  2冊セットで読むといいですね。
  岡崎武志さんは
  私の読書アドバイザーの受講の際の
  講師の一人でもあったのですが
  お元気なんでしょうね、きっと。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  この本は「読書のすすめ」でもあります                   

 私たちの世代で東京人といえば、泉麻人さんとか坪内祐三さんとかを思い出すが、彼らの青春期の文章を読むと、やはり上品でおしゃれなで、「上京者」とは一味も二味も違うと感じる。
 その点、本書の著者である岡崎武志さんは純粋なる「上京者」として同じ「上京者」の私をどこか安心させてくれる。
 例えば、「上京者が東京になじむとは、とりあえず交通機関を苦もなく乗りこなせるようになること」なんていう感覚は東京人には理解されにくい。
 いうなればDNAのような感覚だ。

 本書はそんな「上京者」を描いた「文學」を紹介していく。
 斎藤茂吉、石川啄木、川端康成、林芙美子、太宰治、井上ひさし、寺山修司といったふうに目次に並んだ文学者の名前も見ると、この人も「上京者」かとうれしくなる。
 中で、夏目漱石の名前があるが、漱石自身は東京生まれであるから「上京者」ではない。ここでは漱石の書いた『三四郎』を読み解いている。

 最後には村上春樹が取り上げられている。村上春樹は神戸の出身だから「上京者」であるが、むしろ著者の岡崎さんがある時新宿の書店で村上春樹を見かけて、「東京にいれば、村上春樹にだって逢えるのだと、その時思った」と記す、その気持ちそのものが「上京者」のそれである。
 「上京者」にとって東京はファンタジーの世界そのものなのだ。

 岡崎さんは自分の書く本はいつも「読書のすすめ」になることを目ざしていると書いている。
 そういう志が「上京者」的である。
  
(2016/10/26 投稿)

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  今日は久しぶりに
  小宮一慶さんの本を紹介します。
  『そろそろ何かしなくちゃ。』。
  副題が「ポジティブに生きる100の言葉」とあるとおり
  古今東西の有名人の皆さんの
  これはという名言を
  小宮一慶さんならではの弁で
  紹介しています。
  最近小宮一慶さんの本を読んでいないのは
  小宮一慶さんの出版のベースが
  緩やかになったこともあります。
  目標だった100冊を超えて
  少しペースダウンされたのでしょうか。
  もちろん、私はまだまだ
  小宮一慶さんの本は
  読み続けます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  名言をつかみとれ                   

 名言はググッとくるけれど、あっという間に通り過ぎてしまう。
 そういうことでいえば、「チャンス」に似ている。
 新聞や雑誌、本で知った名言はまだしも、映画やドラマだと余程のことがないと頭に残らない。過ぎ去ったものは仕方がない。
 あとは、この本のように名言を集めたものを読むことでそんな名言と出会うことを期待するしかない。

 経営コンサルタントの小宮一慶氏がこの本で取り上げた名言は100。
 小宮氏の大好きな松下幸之助や稲森和夫といった経営者だけでなく、五郎丸歩やイチローといったアスリート、高橋みなみや有吉弘行といった芸能人、さらにはドラえもんや「男はつらいよ」の車寅次郎といったアニメや映画の主人公からのものまではいっている。
 よくよく思い出してみると、自分が教わった恩師とか自分が読んだ本にもきっとたくさんの名言があったにちがいない。
 もっと身近であれば父や母から言われた言葉で、重い名言があったはず。
 すでにその多くは自分の前を通り過ぎている。

 小宮氏は成功する考え方は共通しているという。
 すなわち、「前向き、利他心、反省」。
 この本を読んで、もう一つ加えたいと思ったのは、「行動」。
 「前向き」に似ているが、さらに一歩動く力といえばいいでしょうか。
 この本で紹介された名言が名言として残っているとすれば、それが口に出されたということです。
 いいと思っても言葉として発せなければ、名言にもならない。
 名言とは、まさに「行動」が生み出した言葉です。
  
(2016/10/25 投稿)

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 今年は長雨とか台風とかで
 野菜の値段も高騰しているようですね。
 それでも確実に秋はやって来ていて
 土曜日に行った駅からハイキングでは
 柿とか蜜柑が色づき始めているのを
 堪能しました。

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    里古りて柿の木持たぬ家もなし      松尾 芭蕉

 芭蕉の俳句にあるように
 昔は柿の木はどこでも見かけたのでしょうね。

 菜園も
 10月23日の日曜に
 スナップエンドウ絹サヤの種を蒔いて
 秋冬野菜の植え付けはすべて終わりました。
 これから順番に冬から春にかけて
 収穫していきます。

 まずは葉物野菜。
 この日は小カブを収穫。
 小カブを収穫するのは初めてですね。
 植わっているときはなかなかいい感じでしたが

  CIMG1695_convert_20161023135716.jpg

 抜いてみると
 残念なことに
 何個かは割れていました。

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 雨が多かったせいかもしれません。
 そうなると心配なのは
 ダイコン
 収穫まではあと一か月ですが
 果たして大丈夫でしょうか。
 ちなみに
 この日収穫した葉物野菜はこちら。

  CIMG1696_convert_20161023135750.jpg

 茎ブロッコリー
 頂花蕾が大きくなったので
 摘心しました。
 写真のちょうど真ん中あたりにみえるのが
 頂花蕾です。

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 イチゴですが
 ニンニクコンパニオンプランツとして適しているらしく
 苗と苗の間に植えました。

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 コンパニオンプランツというのは
 共栄作物といって
 互いにいい効果をもたらせるといわれている
 作物です。
 イチゴもそうですが
 ニンニクの収穫も楽しみです。

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 駅からハイキングって知ってますか。
 JR東日本が2000年から実施しているハイキングイベントで
 年間700以上のコースが設定されているそうです。
 ずっと気になっていて
 参加したかったのですが
 昨日(10月22日)念願かなって
 やっと初参加してきました。
 参加といってもそんな大仰なものではありません。
 決められた駅に決められた時間内に行って
 申し込みをして
 ハイキングコースを記した地図をもらえば
 もうスタート。
 とっても簡単。

 私が参加したのは
 宇都宮線蓮田駅スタートの

   秋の田園、バラとコスモスを楽しむ

 です。
 歩行距離は約10㎞
 所要時間は4時間が目安。
 実際私は途中で寄り道をしたり
 昼食をとったりしましたが
 4時間まではかかりませんでした。
 このコースは下の順に回ります。

  CIMG1690_convert_20161022182819.jpg

 この日はあまり天気はよくなかったのですが
 参加者は何回も参加されているのでしょう、
 地図を手にするや
 すたこら歩き出しました。
 私は地図を見ても皆目わからないので
 他の参加者のあとについて歩きます。
 でも、途中にはこんな目印も。

  CIMG1653_convert_20161022182913.jpg

 それでもやっぱり誰か視界の中にいると
 安心はします。

 このコースは
 甘酒のおもてなしもはいっています。
 清龍酒造さん。

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 ここは創業慶応元年という
 由緒正しい酒蔵さん。
 甘酒だけでなく
 日本酒の試飲までしちゃいました。

 清龍酒造さんをあとにして
 見沼代用水に沿って歩きます。
 ここは長い距離があります。
 途中親切な地元のおじさんに
 家の庭にある瓦で出来た
 珍しい灯篭を見せてもらったりしました。

  CIMG1665_convert_20161022183028.jpg

 そこを行くと
 駒崎コスモス畑に到着。

  CIMG1669_convert_20161022183118.jpg

 ちょうどコスモスまつりもしていて
 いやあ、いい時に来たものです。

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    コスモスやジャズにスイング顔ゆらら    夏の雨

 新米のおにぎりまでもらっちゃったりして。

 最後は伊奈町のバラ園

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 今が秋バラのシーズンで
 ここでも「バラまつり」をしていました。

  CIMG1685_convert_20161022183331.jpg

 9時55分スタートで
 13時30分ゴール。
 参加した人はカード(次回からはこれを使います)と
 缶バッジをもらいました。

  CIMG1691_convert_20161022183403.jpg

 このハイキング、
 ゴールでは確認がありませんから
 途中でリタイヤも大丈夫そう。
 時間も16時までに戻って下さいと
 ゆるやか。
 さてさて、次はどこを歩こうか、
 はまりそうな予感がします。

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プレゼント 書評こぼれ話

  いせひでこさんの絵を知って
  随分の時が経ちました。
  漢字で書くと
  伊勢英子
  絵を知ってから
  ノンフィクション作家の柳田邦男さんの奥さんだということも
  知りました。
  いせひでこさんは
  若い頃右目の網膜剥離を患い、
  今はほとんど見えないそうです。
  それでもこんなにも
  美しい世界を描き続けているのですから
  頭がさがります。
  今日はいせひでこさんの
  『こぶしのなかの宇宙』という画集を
  紹介します。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「生きるために生まれた」ものたちへ                   

 この本はどんなジャンルになるのでしょうか。
 やはり画集というのが一番合っているような気がします。
 『ルリユールおじさん』や『まつり』など多くの絵本を上梓している画家で絵本作家のいせひでこさんのデッサンやタブロー、原画、そしてポエムのような詩片が少し収められている贅沢な一冊です。

 多分贅沢なという感じは沢山のことが詰まっているだけではないと思います。
 沢山ではないのだけれど、それを取り囲む場所であったり時間であったりがとてもゆったりしている状態も、ものすごく贅沢ではないでしょうか。
 いせさんのこの画集はそんな贅沢に満ちています。

 贅沢ということでいえば、この画集の中でいせさんがたくさん描きとめている赤ちゃんの姿を見ていると、赤ちゃんこそ贅沢な時間を生きているような気がします。
 何故なら、彼らの未来のなんと無限なことでしょう。
 いまだ歩くこともできない彼らですが、確かな命の強さをいせさんは見事に描いてくれています。
 誰にでも等しくあるそんな贅沢な時間。
 それを生かすのは、父や母ではなく、「小さきものたち」あなた自身なのだと、いせさんは言っているのではないでしょうか。

 いせさんはそれを「生きるために生まれた」と言葉にしています。
 いせさんの「えんぴつの先には小さないのちが見える」から、絵本として、つなげていく多くの人がいるのだと思います。
  
(2016/10/22 投稿)

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  今日は昨日の続き。
  中公文庫オリジナル
  『教科書名短編』の「少年時代」と
  サブタイトルのついた一冊を
  紹介します。
  今回の文庫本では
  中学校の教科書から作品を選択しているのですが
  中学生の頃に
  どんな作品を国語の授業で習ったのか
  まったく思い出せないのです。
  これって普通のことなのか
  加齢によるものなのか
  どちらでしょうね。
  でも、それから半世紀近く経って
  やっぱりこれらの作品は
  いいものが多い。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  忘れてしまった、中学校の教科書を                   

 中学生の頃に習った国語の教科書にどんな文学作品が掲載されていたか、とんと記憶がない。それって結構覚えているものかしらん。
 中公文庫オリジナルとなるこの本には1946年から2012年まで発行された中学校の国語教科書から、少年時代を主題とした短編12篇が収められている。

 「少年時代」というのはどういうことか。
 男性作家が多いせいか、自分の小さき頃を描くとなればどうしても「少年時代」となるのだろうが、近年女性作家が隆盛なのだから「少女時代」の名短編ももっとあるだろうに。
 文庫本に収録する際に選からもれたものだろうか。

 ちなみにこの文庫で取り上げられている作家は、ヘッセ、永井龍男、井上靖、長谷川四郎、安岡章太郎、吉行淳之介、竹西寛子、山川方夫、三浦哲郎、柏原兵三、阿部昭、魯迅と、純文学系の作家たちがずらり並んでいる。
 純文学の作家ほど子供時代を描きたくなるものかしら。
 異彩はヘルマン・ヘッセである。
 異彩というよりも、彼の『少年の日の思い出』という短編が中学の教科書に載ったのが戦後間もない1947年で、ヘッセの作品に漂う、幼年時代や少年時代あるいは青年期の甘酸っぱい感慨がその後に登場してくる日本の作家たちに多くの影響をもたらせたような気さえする。
 日本の作家たちの描く「少年時代」はヘッセの世界に近い。

 この中から1篇をあげるとすれば、魯迅の『故郷』だろうか。
 その最後の一節、「もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」は、まるで高村光太郎の「道程」みたいだ。
  
(2016/10/21 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  文庫本には時々
  文庫オリジナルというものが出ることがある。
  単行本でなく
  文庫本でいきなり出版される。
  中にはもったいないような
  素晴らしい文庫本などもあって
  うれしくなる。
  今日と明日の二日間紹介する
  中公文庫オリジナル
  『教科書名短編』もそんな素敵な
  企画本となっている。
  今日はまず「人間の情景」とサブタイトルのついた方を
  紹介しましょう。
  こちらは歴史小説を集めています。
  あなたはこのうちの何篇かを
  勉強した記憶がありますか。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  覚えていますか、中学校の教科書を                   

 中学生の頃に習った国語の教科書にどんな文学作品が掲載されていたか、とんと記憶がない。  それって結構覚えているものかしらん。
 中公文庫オリジナルとなるこの本には1946年から2012年まで発行された中学校の国語教科書から、歴史・時代小説を中心とした短編12篇が収められている。

 なるほど、そういえば森鴎外の『最後の一句』や『高瀬舟』は教科書に載っていそうな作品で、試験問題になりそうな、例えば『高瀬舟』であれば「安楽死」という重いテーマを扱った作品だから生徒に「あなたならどうしますか」みたいな質問は与えやすいだろう。
 それに、森鴎外は有名な明治の文豪ではあるが自主的な読書となるとなかなか手を出しにくい作家だし、それでも一度は読んでおきたい作家だとすれば、教科書に載るということは良いことではある。
 それを覚えているかどうかはともかくとして。

 ちなみにこの文庫で取り上げられている作家は、司馬遼太郎、森鴎外、山本周五郎、菊池寛、武田泰淳、遠藤周作、吉村昭、梅崎春生、野坂昭如で、司馬と森、山本の三人はそれぞれ2篇ずつ収録されている。
 中から一篇だけを勧めるとすれば、野坂昭如の『凧になったお母さん』だろうか。
 この短編は野坂の『戦争童話集』に収められているが、先の戦争の空襲の悲惨さをなんともいえない野坂の文体が胸をうつ。
戦争の残酷さ悲惨さを忘れないためにも、中学生にも十分読める作品である。
 こういう作品はぜひ教科書に残してもらいたい。
  
(2016/10/20 投稿)

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  今日紹介するのは
  2015年7月に日本経済新聞に連載された
  浅丘ルリ子さんの「私の履歴書」の
  単行本、『私は女優』。
  一目をひく表紙の写真は
  女性を撮っては一品の
  秋山庄太郎さんが撮った浅丘ルリ子さん。
  きれいですよね。
  浅丘ルリ子さんの小さい頃の写真も
  この本に収められていますが
  美少女とはこういう子をいうんだろうなと
  感じいりました。
  実は浅丘ルリ子さんのお父様がイケメンなんです。
  お父様の写真も
  この本に収めれていますので
  ぜひご覧ください。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  見事な女優魂                   

 浅丘ルリ子は美人である。
 おそらくほとんどの人は異論がないのではないかしらん。
 特に少女時代の彼女のかわいらしさといったら。
 そんな浅丘が銀幕にデビューしたのは中学3年生、1955年である。つまり、女優として浅丘は還暦60年を迎えたことになる。
 日本経済新聞の人気コラム「私の履歴書」にその芸歴や交友関係を赤裸々に綴ったのは2015年7月。きっとその一か月を浅丘のファンだけでなく、浅丘が活躍した映画とともに成長した人たちは懐かしい時間を過ごせたのではないだろうか。
 この本はその「私の履歴書」に加筆、さらには映画監督山田洋次や俳優の高橋英樹、近藤正臣との対談、そして浅丘のファンにとっては垂涎の「出演作品」一覧が収録されている。

 新聞連載時でも話題となったが、浅丘は小林旭と結婚寸前までいったことがある。
 残念ながら、成就というところまではいかなかったがその後浅丘は石原裕次郎や映画監督蔵原惟繕への思いを素直に綴っている。
 当然多くの人に読まれることを想定し、関係者もまた多くいるだろうが、浅丘はこれらのことを綴ることで、女優であることを全うしたような感じがする。
 恋愛もせずに、女優にはなれない。
 浅丘にとっては、人を愛することも演じることへの肥やしだったのだろう。

 昭和の時代を華やかに彩ったスターたち。
 ここには浅丘ルリ子という大輪とともに石原裕次郎、小林旭だけでなく勝新太郎、高倉健、渥美清といった昭和のスターたちの横顔が美しく描かれている。
 芸能史、風俗史としても貴重な一冊である。
  
(2016/10/19 投稿)

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 河出書房新社について
 ちょっと書きます。
 どうしてかというと
 今年(2016年)創業130年ということで
 千代田図書館での企画展など
 さまざま頑張っているので。
 新社というぐらいですから
 歴史をたどると
 昭和32年(1957年)に一度倒産してるんですね。
 そのあとも会社更生法を申請したりしています。
 もっとも創業時は成美堂書店と名乗っていて
 河出書房に名前を変えたのは47年めあたり。

 河出書房新社といえば
 「文藝」という有名な文芸誌を持っています。
 ここから誕生した文学賞が「文藝賞」。
 その第1回受賞作は
 高橋和巳の『悲の器』。
 昭和37年のことです。
 高橋和巳という作家は
 私が大学生の頃はバイブル的な作家でしたね。
 大長編小説で、
 しかも難解。
 けれど、とても懐かしい作家のひとりです。

 そうそう今回河出書房新社の話から始めたかというと
 今日紹介するのが
 「文藝別冊 KAWADE夢ムック」から出たばかりの
 「茨木のり子 没後10年「言の葉」のちから」を
 紹介しようと思ったからです。



 何しろ全ページ
 私の大好きな詩人茨木のり子さんで埋め尽くされていますから
 これはもうお宝。
 茨木のり子さんの代表詩選だけでなく
 未刊行の「川崎洋論」や「工藤直子論」といった文章、
 あるいは金子光晴さんや木下順二さんとの対談といったものまで
 収められています。
 もちろん、この雑誌のために
 谷川俊太郎さんや紺野美沙子さん、
 あるいはおいの宮崎治さんが
 インタビューやエッセイを寄せています。
 茨木のり子ファンには欠かせない一冊です。

 「文藝別冊」は
 この本のように一人の作家に焦点をあてて
 編まれています。
 こういうのも河出書房新社の力です。

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 春は花、
 秋は草木みたいなイメージがありますが
 探してみると
 秋にも花はたくさん咲いています。
 これはサルビア
 手前が青いサルビアで奥が赤いサルビア。

  CIMG1628_convert_20161015173233.jpg

 そして、秋の代表的な花、コスモス

    コスモスのまだ触れ合はぬ花の数      石田 勝彦


  CIMG1624_convert_20161015173156.jpg

 どちらも先日の体育の日に
 大宮花の丘農林公苑で撮影しました。

 いよいよ秋本番になってきて
 10月13日には
 ナスピーマンを伐採しました。
 今年の夏はピーマンが豊作で
 大小とりまぜて184個 の大収穫。
 昨年が59個ですから
 実に3倍。
 ナス69個
 秋ナスにも挑戦しましたが
 こちらはもうひとつでした。

 これで夏野菜はすべておしまい。
 秋冬野菜ですが
 ハクサイがご覧のように順調です。

  CIMG1636_convert_20161015173745.jpg

 キャベツも少し巻いてきました。

  CIMG1638_convert_20161015173934.jpg

 そして、
 うれしいことに葉物野菜が収穫できました。

  CIMG1644_convert_20161015174006.jpg

 チヂミナという野菜です。
 味はコマツナに似ています。
 葉物野菜の収穫は
 久しぶりです。

 そして、いよいよ10月15日には
 イチゴの苗を植えつけました。
 イチゴの苗にはいくつかの特長があります。
 そのひとつが
 ランナーと呼ばれる部位。
 簡単にいえば
 ヘソの緒みたいなもの。
 下の写真は菜園の指導員の人が自分の農園から持ってきてくれたイチゴで
 ランナーでつながっているのがわかるかと思います。

  CIMG1647_convert_20161015174045.jpg

 苗でいえば
 右下にちょこっと出ているのがランナーです。

  CIMG1649_convert_20161015174117.jpg

 もうひとつの特長は
 苗の中心部にクラウンと呼ばれる部位があって
 これ生長点なので
 土で覆わないこと。
 今回は6株植えました。

  CIMG1650_convert_20161015174151.jpg


 イチゴの収穫は
 来年の4月から5月。
 長いおつきあいになります。

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プレゼント 書評こぼれ話

  土曜の夜、不定期ですが
  NHKの「ブラタモリ」を楽しく見ています。
  よくある旅番組ではなく
  その街がどのような成り立ちでできたとか
  その証拠となる風景とかを
  タモリさんがブラブラ訪ねていく番組。
  昨日は「富士の樹海」でしたね。
  見た人も多いでしょうが
  来週はそのパート2がありますから
  見逃した人もぜひ。
  というわけで、
  今日紹介するのは
  富士山の絵本。
  大山行男さんの『おーい、ふじさん!』。
  富士山の素敵な写真が満載の
  絵本です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ふじさんに感謝                   

 富士山を見て、嫌な気分になる人はいないだろう。
 多くの人は富士山を見たら、思わずニッコリするのではないか。
 私など今でも新幹線に乗れば、富士山を見ようと横浜を過ぎればソワソワしている。万一、見損なえば、一日損した気分になる。
 朝起きて、ベランダから富士山が見えると、なんといい景色だろうとつい柏手をうつ。
 ちなみに私は埼玉に住んでいるが、富士山はそこからでも見える。
 そういう気分をもたらせてくれるのが、富士山だ。

 この絵本は写真絵本で、写真家の大山行男さんが撮ったさまざまな富士山で出来あがっている。
 童謡のように、「頭を雲の上に出し」ている富士山もあれば、おなじみ赤富士ももちろんある。
 くらげの大群のような雲と富士山。
 かみなりと富士山。
 月と富士山。
 そう見ていくと、富士山は富士山単独でも美しいが、何かと組み合わさるとまったく別の世界を浮かびあがらせていることに気づく。
 それは富士山が単独でどうとか、富士山と合奏するものがどうとかではなく、共存している世界が私たちに全く新しい世界を見せてくれるということだ。

 さらにいえば、そんな世界を見ている私たちがいる。
 この絵本でいえば、まさに大山さんのカメラがそんな存在で、例えば富士山と月、そして大山さんのカメラが一体となって、世界を生み出しているといっていい。
 そして、私たち読者はこの絵本を読むことで、さらに広がった世界を共有するのだ。
 そんな世界が生まれるのも、富士山があってこそのような気がする。
  
(2016/10/16 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する
  関川夏央さんは好きな書き手だ。
  昭和は書かせたら、うまい。
  そんな関川夏央さんが
  同時代人たちの晩年を描いたのが
  この『人間晩年図巻』である。
  紹介するのは
  1995年から1999年の巻。
  ひとつ前に
  1990年から1994年の巻があるが
  これはまた今度紹介します。
  それに
  そもそも
  山田風太郎の『人間臨終図巻』もあって
  こちらも未読。
  やっぱり読んでいない本はたくさんあります。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  晩節ほど大事なものはない                   

 山田風太郎に『人間臨終図巻』なる奇書がある。
 古今東西様々な人の最後の様子を記したもので、奇書ではあるがいまだに人気が高い。
 そのあとを継いだということでもないが、同じような視点で山田亡きあとの時代に逝った人びとの姿を描いたのが本書である。

 この本では1995年から99年に逝った人たちの業績と晩年が描かれている。
 金子信雄、テレサ・テンなど(1995年)、横山やすし、司馬遼太郎、金丸信、渥美清など(1996年)、藤沢周平、勝新太郎、伊丹十三、三船敏郎など(1997年)、ポル・ポト、村山実、木下恵介など(1998年)、江藤淳など(1999年)が、本書に収録されている。
 今年(2016年)は1996年に亡くなった人にとっては没後20年の節目にあたって、司馬遼太郎や渥美清といったかなりの著名人は今でもそれなりに耳目を集めているが、やはり20年ともなれば、記憶に残ることもまれになる。
 ましては当時生まれた人、そのあとに生まれた人にとっては、名前を聞いただけという人も多いだろう。

 関川夏央も本書の「あとがき」に「時の流れは、水の流れよりも静かにはげしい。立ちすくむうちに私たちは老いる」と、記している。

 没後20年といえば、金丸信という政治家も今年そうである。
 どういう政治家だったかその業績はほとんど忘れられているが、金丸信だけあって「金」にまつわる政治家という記憶だけがある。
 その文章の最後に関川はこう綴った。
 「晩節ほど大事なものはない」。何故なら「晩年の悪評は人の記憶から消せないから」だと。
  
(2016/10/15 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日紹介した
  東京・千代田区の
  区立千代田図書館のキャッチフレーズは

    あなたのセカンドオフィスに。もうひとつの書斎に。

  平日は夜の10時まで開館しています。
  こういう図書館が徒歩圏内にあれば
  確かに「もうひとつの書斎」。
  問題は何を勉強するか。
  勉強方法はその次なんですが
  今日は鬼頭政人さんの
  『結局、ひとりで勉強する人が合格する』を
  紹介します。
  この本を読んで
  勉強したくなりましたよ。
  真剣に。
  真面目に。
  この本は
  いつもの書評サイト「本が好き!」から
  献本頂きました。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  しっかり「勉強」して下さい                   

 学生と呼ばれた時代、ご多分にもれず勉強が好きではなかったが、それから幾星霜が過ぎて、人間一生勉強だなんて考えているのだから世話はない。
 学生ではないので入試とか学内試験を受ける心配はないが、だから、一体何を勉強するのか、勉強という行為の周りをぐるぐる回っているようなものだ。
 この本もタイトルに「合格」という文字がはいっているし、著者も資格試験の対策をオンラインで提供することをなりわいにしているようだから、そういう試験対策本のようにも思えるが、これが結構「勉強」の本質をついていて、かなり頷いてしまった。

 例えば、「勉強の本質は自学自習」というのも確か。
 学校に行くとか課外授業やセミナーを受講したとしても、実際には1割も記憶に残らない。
 あるのはなんだか「勉強」した気分だけ。
 このことは若い人たちの勉強態度というよりもシニアの「勉強」好きの人にとって耳の痛いところだろう。
 著者は勉強で成果を出すためえには「効率性」と「継続性」が重要だと書いているが、記憶に1割しか残らない講義を聞くというのは「効率性」からすれば良くないのは自明。
 だから、「自学自習」が大切なのだと著者はいう。

 それと「継続性」は大人の勉強の場合、勉強する目的が曖昧だとつい続けていくだけの意思が薄弱となってしまう。
 そのためには「監視」「競争」「危機感」「承認」が必要だと著者はいう。
 ただ「勉強」している気分だけでは、人生もったいない。
  
(2016/10/14 投稿)

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 今月27日から読書週間が始まります。
 今年(2016年)の標語は

    いざ、読書。

 まんまですよね。
 こちらがそのポスター。

  20161011_110131_convert_20161012094136.jpg

 読書週間というのは
 11月3日の文化の日を中心にした2週間というふうに決まっています。
 始まったのが
 戦後間もない昭和22年(1947年)。
 とっても歴史があります。
 今、東京・千代田区にある
 区立千代田図書館
 「読書週間70回のあゆみ ポスター展」が開催されていて
 その展示を見に九段下まで行ってきました。

  20161011_105820_convert_20161012094044.jpg  

 千代田図書館について少し説明しますね。
 この図書館、
 九段下にある千代田区役所の建物の9階と10階にあります。
 なんといっても
 この図書館には.図書館コンシェルジュがいて
 本のことだけでなく千代田の街のことなども
 教えてくれるそうです。
 10階にある食堂からの景色は
 まるで新海誠さんのアニメの世界のよう。

  20161011_115132_convert_20161012094308.jpg

 それでは読書週間のポスターの方に戻りましょ。
 まず、これが第1回めのポスター。

  20161011_133858_convert_20161012094236.jpg

 それでこちらが私が生まれた1955年(昭和30年)の時のもの。

  20161011_121405_convert_20161012094207.jpg

 この時の標語が
 「読書は人をつくる」。
 なるほど、作られました。
 色々なデザインのポスターが並んでいますが
 思わず足をとめたのが。これ。

  20161011_105833_convert_20161012094109.jpg

 わかりますか? 
 そう、これは「暮しの手帖」編集長だった
 花森安治さんのデザインです。
 1951年とあります。
 ちょうど雑誌社の社名を「暮しの手帖社」と改名した頃です。
 こういう展示は
 ぜひたくさんの図書館でも企画して欲しいですよね。

 実はこの日千代田図書館を訪問したのは
 他にも理由があって
 一つは「河出書房新社の130年を物語る書物たち展」があったこと。

  20161011_105236_convert_20161012094014.jpg

 それともうひとつが
 「電子書籍を活用しよう!」というセミナー。
 今図書館でも電子書籍の貸出しサービスが始まっていて
 どういう感じなのか知りたくて参加しました。
 残念ながら
 私は千代田区で住んでもいないし働いてもいないので
 電子書籍を借りれるというわけでもないそうです。
 さいたま市立の図書館でも
 電子書籍の貸出しサービスが始まっていますので
 今度使ってみようかな。

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プレゼント 書評こぼれ話

  秋は
  テレビドラマも新しいシリーズが始まる季節。
  この秋はなんといっても
  明日(10月13日)から始まる
  テレビ朝日の「ドクターX ~外科医・大門未知子~」が
  本命ではないだろうか。

    私、失敗しないので。

  こういう決め台詞を持っているのは
  強い。
  どうしてこういう話から始めたかというと
  今日紹介する
  松田奈緒子さんの『重版出来!』の第7巻めは
  まさにドラマの「ヒキ」のような
  作品だからなんです。
  第8巻も急がないと。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「ヒキ」でひかせる                   

 漫画週刊誌「バイブス」の新人編集者黒沢心の活躍を描く「お仕事漫画」の7巻め。
 この巻では「バイブス」の連載をつかんだ新人漫画家中田伯の言動がますます過激になっていく。そして、遂に彼のところに別れた父の消息がわかるらしい連絡がはいる・・・なのに、どうしてここで続きなの?! と言いたくなる。
 早く8巻が読みたい。
 これが「ヒキ」なのだろう。

 漫画はまず雑誌に連載され、それが何作かたまれば漫画単行本として出版される。
 この『重版出来!』でいえば、6話分ほどが集められて単行本になっている。
 つまり、そういう時期に作品の中で「ヒキ」をつくるというのだ。
 その話がこの巻の「花に嵐!」に描かれている。
 そして、先ほどの中田伯の父親のことがわかるかも、でこの巻は終わる。
 うまい「ヒキ」だ。

 その「ヒキ」が重視されるようになったのは海外ドラマの影響だと、この漫画では説明されている。
 「強烈なヒキで次回が気にあって、視聴者は中毒のように観つづけてしまう」とネームがはいっているが、確かに最近のドラマなんかでもそういう傾向は強い。
 どうなる、どうなる、はまるで心臓の鼓動だ。
 それがいいかどうかはあるにしても、今、描くとすればそうならざるを得ないような気がする。
 時代は変わったのである。

 8巻が楽しみだ。
  
(2016/10/12 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  総合雑誌「文藝春秋」で
  佐藤優さんが「ベストセラーで読む日本の近現代史」という
  連載をしている。
  今月の10月号で取り上げているのが
  今日紹介する
  角田光代さんの直木賞受賞作
  『対岸の彼女』で
  佐藤優さんはこの作品を
  「友情の深層に迫るすがすがしい傑作」と記している。
  私からすると
  この本も読みそびれた本の一冊で
  やっと読めた気分です。
  そして、
  やっとでも読んでよかったと
  思っています。
  そんな一冊です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  角田さんの光                   

 第132回直木賞受賞作。(2004年)
 今や女性作家としての人気もその重厚な作品造りも抜きん出ている感のある角田光代がこの作品で直木賞を受賞した際、「角田さんの嗅覚」と題して選評を書いた林真理子選考委員は「少女の頃からどこかに属していないと、女たちは非常に生きにくいという現実を踏まえながらもこの小説には救いがある」と絶賛した。
 同様の評価もほかにもあって、積極的な評価ではなかったものの田辺聖子委員の「読者も生きる力を与えられ、読後感は爽やかだった」というのは、なるほど、確かに長い作品の最後の最後で前に進もうとする勇気を与えられた作品だと思う。

 物語は35歳で専業主婦の小夜子が育児や家事だけでなく生きる糧のようなものを求めて働き始めようとして出会う、同年の葵とのシンクロしていく感情を、小夜子を中心とした「現在」と高校生の葵を中心とした「過去」を、相互に描くことで、女性たちの心理に踏み込んでいく。
 男性の目からすれば十分に理解できていないかもしれないが、女性の側からすればこの小説はどれほど琴線に触れたことだろうと思える。

 小夜子は子供を育てながら、何故自分たちは年齢を重ねるのかと自問するが、最後一旦葵から離れながらもまた葵と向かい合うことを決めた小夜子は、その問いにこう答えを出す。
 「出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ」。
 まさに角田光代の光がここにはある。
 その光はこのあともすっと伸びて、今に続いている。
  
(2016/10/11 投稿)

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 野菜の値段があがってますね。
 長雨と台風の影響が大きい。
 それに阿蘇山の噴火ですからね。
 火山灰をかぶった野菜の姿を見るのはつらい。
 菜園での作業も
 どうしても天候とにらめっこしながらになってしまいます。

  CIMG1613_convert_20161009124634.jpg

 この写真は10月6日に撮ったもの。
 そういえば、今日は体育の日
 もともと10月10日が祝日だったのは
 昭和39年の東京オリンピックの開催日にちなんだもの。
 あの日もこういう晴天でした。
 こういう天気が続けばいいのですが。

    秋の雲立志伝みな家を捨つ     上田 五千石

 そんな日に
 オクラを伐採しました。
 最後は手を伸ばしても届かないくらいに
 大きくなったオクラ
 ひと夏で111本の収穫でした。
 ありがとう、オクラさん。
 そのあとにはいよいよイチゴの栽培ですが
 まずは施肥をして畝つくり。

  CIMG1611_convert_20161009124356.jpg

 右側に見えるのがナバナです。

 そして、ダイコンとかコマツナの間引きも行いました。
 間引き前はこんな状態でした。

  CIMG1614_convert_20161009124523.jpg

 害虫対策でアルミの油受け紙を張り付けたことは
 以前書いたと思いますが
 なんとなく虫に喰われるのが少ないような
 気がします。
 マルチ穴にダイコンなら間引きして1本にしましたので
 これからの成長が楽しみです。

 そうそう畑の片隅に芽を出した
 ど根性トマトですが
 ちゃんと実をつけました。

  CIMG1612_convert_20161009124438.jpg

 今年育てたミニトマトはアイコという品種でしたが
 これはアイコではありません。
 もしかしたら
 去年育てたトマトかもしれませんが
 そんなことってあるのかな。
 お味の方はトマトの味はしましたが
 そんなにおいしくはありませんでした。

 わたしの菜園も
 いよいよ秋らしく
 なってきました。

  CIMG1617_convert_20161009124602.jpg


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プレゼント 書評こぼれ話

  今月のNHKEテレの「100分 de 名著」は
  今年2月の再放送となる
  アドラーの『人生の意味の心理学』。
  講師はもちろん岸見一郎先生。

   

  私がアドラーを知ったのも
  この番組からですが
  今月もちゃんも番組は見ようと思っています。
  どうしたら
  自分のとらわれている世界から飛び出せるか。
  今日紹介する
  田島征三さんの『とべバッタ』という絵本からも
  多くの学びがあります。
  自分が前へと飛べないのも
  自分自身がじゃまをしている。
  だったら、バッタのようにとばないと。

  じゃあ、読もう。


  

sai.wingpen  とべジブン                   

 この世界は人間だけで出来ているわけではない。
 動物もいれば昆虫もいる。魚もいるし鳥もいる。花も咲くし草だってはえている。
 そうちょうど、この絵本の作者田島征三の描く絵がたくさんの色にあふれているように。
 もし、たった一色の世界だったらどんなにつまらないだろう。
 だったら、この世界のたくさんのことを知るといい。
 この絵本のバッタのように、毎日何かにびくびくすることをやめて、新しい世界に飛び出すことに決める。

 田島の絵はとても力強い。
 だから、小さなバッタが蛇やカマキリや鳥やカエルと戦ってどんどん空の高みに昇っていくのを見ていると、痛快だ。
 それに、こんなことを考えてしまう。
 バッタだってとんだんだ。自分もとべるんじゃないか。
 きっとこの絵本で、そんな勇気をもらった人はたくさんいるにちがいない。

 それにバッタは自分に羽根があることに気づく。
 それをパタパタと動かすと、空を飛べる。トンボもチョウもバッタの飛び方を馬鹿にして笑うが、バッタは自分の新しい力を自分で見つけたのだから、すごいものだ。
 誰しもが持っているだろう、自分だけの力。このバッタのようにそれに気がつくかどうか、それは自分の問題だ。
 誰も教えてくれない。
 そして、その力がどんなに弱々しくはあっても、その力を信じること。
 実はこの絵本のバッタだって、最後にはとっても素晴らしいことが待っているのだ。

 とってもたくさんのことを考えさせてくれる絵本だ。
  
(2016/10/09 投稿)

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  今日紹介する
  森健さんの『小倉昌男 祈りと経営』は
  第22回小学館ノンフィクション大賞
  受賞した力作です。
  森健さんは
  『つなみの子どもたち』という作品も書いている
  気鋭のノンフィクション作家です。
  それにしても
  ここで明らかにされていくことは
  残酷です。
  小倉昌男という名経営者だったがゆえに
  墓石を掘り起こすようなことまで
  背負いこまなければならないのかと
  考えさせられました。
  家庭の問題だからこそ
  もっとデリケートに扱われていいのでは
  ないでしょうか。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  家庭の不幸は諸悪の本                   

 「家庭の幸福は諸悪の本(もと)」と言ったのは太宰治だが、家庭にはそもそも幸福ばかりがあるのではない。
 どんな家庭であっても色々な問題がある。それが家庭という極めて個人的な単位がゆえに表面に出ないだけだ。
 「お金や仕事、怪我や介護といった表面的に明らかなものもあれば、感情的な仲違いや性格の不一致、そして外部にはわかりにくい精神障害の問題もある」。
 公的な立場があればその立場で毀誉褒貶もあろうが、いったん家庭の中に入ればそれは踏み込んではいけない世界となる。
 この本は一人の経営者の入り込んではならなかったはずの家庭の姿をえぐりとった衝撃の一冊である。

 小倉昌男。いうまでもなく宅急便の生みの親であり、ヤマト運輸の元社長である。近代の名経営者の一人でもある。
 亡くなったのは2005年6月。覚えている人もあろうが、小倉は日本国内でなくアメリカの地で亡くなっている。
 おぼろげな記憶であるが、私もなんだか変だなと感じたものだ。
 小倉昌男のような人であれば大々的に送られてもよさそうなものだ。
 ノンフィクション作家の森健もそこに小さな違和感を持った。そして、その理由を訪ねる旅に出る。
 本書はその報告書だ。

 結論からいえば、名経営者と称賛された小倉昌男にも人には言えない家庭の事情があった。もちろん、その事情を知っている人たちはいたが、そのことを広言することはなかった。
 家庭とは重い鎧を被っているようなもの。
 そのことを明らかにすることは、果たして私たちに許されているのだろうか。
 つらく、重い、ノンフィクションである。
  
(2016/10/08 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  NHKの朝の連続テレビ小説の95作目となる
  「べっぴんさん」が
  今週から始まりました。
  「べっぴんさん」は
  子供服メーカーの先駆け「ファミリア」の創業者坂野惇子さんが
  モデルとなっているようですが
  第1回めの放映であったように
  戦後の復興をどう乗り切っていくのかという点も
  見どころのひとつです。
  今日紹介するのは
  『人びとの戦後経済秘史』。
  東京新聞・中日新聞経済部編です。
  案外朝ドラで描かれている
  女性たちの姿が
  一番しっくりくる
  戦後の庶民の姿かもしれませんね。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  誰もが持っている経済的な記憶                   

 本書は「戦後の日本経済を巡る、人々の「記憶遺産」である」と、「はじめに」の冒頭に記されている。
 公式であれあるいは非公式であれ、敗戦後の私たちの生活は日本経済の様々な事情の中で描かれているのだが、実際にはそれぞれの生活の場面で実感されるものである。
 それは最近のNHKの朝の連続テレビ小説がしばしば戦争と終戦後の生活を描いてきたことと深く関係しているように思う。
 本書でいう「記憶遺産」こそ、案外NHKの朝の連続テレビ小説が描いてきたものに近い。

 本書では「国家総動員経済の真相」に始まり、石炭産業の衰退、高度経済成長時代の頃、そいてオイルショックから少子化の時代と「記憶遺産」が描かれている。
 当然読者それぞれに経済と関わる「記憶遺産」があるだろう。
 端的な例でいえば、学校を出て就職を迫られた時の経済事情はどうであったか。おそらく、そのこと一点を思い出しても、人それぞれ違うだろう。

 昭和30年生まれの私にとっては、小学5年生の頃に九州の炭鉱から多くの転校生がやってきた記憶がある。
 つまり昭和40年前後には多くの炭鉱が廃鉱になっていたのだろう。
 小学生の私にそんな経済事情は理解できなかったが、転校生が多くいたという「記憶」はある。そういったことの一つひとつが、その人ならではの経済事情だ。

 高度経済成長は私たちに色々な恩恵をもたらしたが、「高度成長は一種の「過激成長」。現代が生んだ「国壊しの神話だった」といった学者もいたことを、本書から知った。
  
(2016/10/07 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  作家佐藤泰志が亡くなったのは
  1990年10月10日のこと。
  41歳での自殺であった。
  何度も芥川賞の候補になりながら
  受賞に至らなかった佐藤泰志
  その死から20年以上経って
  芥川賞作家よりも注目を集める作家になろうとは
  夢にも思わなかったかもしれない。
  今日紹介する岡崎武志さんの
  『ここが私の東京』には
  佐藤泰志の小さな評伝も載っている。
  1970年に上京した佐藤泰志
  西武新宿線「新井薬師」を最寄りの駅にしていたという。
  もしかしたら、私はどこかで佐藤泰志とすれちがっていたかもしれない。
  今生きていたとして
  まだ67歳。
  生きていたら
  どんな風景が広がっていただろう。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  東京はなんて眩いのだろう                   

  本書の著者である書評家岡崎武志氏が東京に出てきたのは1990年。
 1957年生まれであるから、すでに30歳を過ぎていた。けっして早い「上京」ではない。
 そのあたりのことは本書の中の「これが私の東京物語」に詳しく記述されている。
 岡崎氏は「上京する理由の何分の一かは、永島慎二描く『フーテン』」に描かれた新宿のシーンだと告白しているが、岡崎氏より十年以上前に「上京」した私も、永島慎二の漫画の影響はあったように思う。
 地方の人間にとって、東京は実に時代的であり蠱惑であった。

 それは私や岡崎だけではない。
 本書の中で描かれる佐藤泰志や開高健、あるいは出久根達郎や庄野潤三、司修、友部正人にとっても同じであったかもしれない。
 いや、八王子で生まれた荒井由実(ユーミン)にとっても、東京の灯りはまばゆく輝いていたに違いない。
 きっと東京という都市の持つ、永遠の青春性というものだともいえる。

 ところで、佐藤泰志である。
 岡崎氏は自身も書いているように佐藤が現在のようにブームになる以前から佐藤の作品をしばしば発言してきた。もしかしたら、岡崎氏がいなければ今のような大きなブームになっていなかったかもしれない。
 その点では、本書に収められている「佐藤泰志 報われぬ東京」は佐藤泰志小論としても読めるし、青春と東京の残酷性すらうかがえるエッセイといえる。
 そういえば、永島慎二の一連の漫画に描かれた東京も、残酷であった。
  
(2016/10/06 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  10月にはいって
  来春会社に入る学生たちの
  内定式が行われている。
  毎年就職活動の期間が変更されて
  学生たちも大変ですが
  ここ何年かは内定率も高く
  学生たちはめぐまれている
  世代といえます。
  就職氷河期に卒業せざるをえなかった人たちは
  就職してからも
  結構厳しい生活を強いられています。
  運命とは不思議なものです。
  今日は
  お仕事漫画として人気の高い
  松田奈緒子さんの『重版出来!』の第6巻
  来年から働く皆さん、
  ぜひこの漫画の主人公黒沢心のように
  頑張って下さい。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  色んな仕事があります                   

 漫画週刊誌「バイブス」の新人編集者黒沢心の活躍を描く「お仕事漫画」の6巻め。
 この巻でも主人公の黒沢が発掘した新人漫画家中田伯の言動に目が離せないのだが、いつものようにそれはそれとして、この巻では小さな町の本屋さんの姿を描いた「北の書店から!」や校閲の仕事に命をかける人たちの姿を活写した「きみを見守りたい!」と「きみを守りたい!」が秀逸である。

 「北の書店から!」は北海道網走で大正7年から営業している老舗書店「フジヤ書店」さんへの取材で生まれた作品である。
 この作品を読むと、昭和30年代頃の町の本屋さんの姿を思い出すことができて懐かしい。その一方で、そういう町の本屋さんがどんどんなくなっている現実に殺伐としたものを感じる。
 電子書籍、通販サイト、新古書店、本をめぐるさまざまな事柄が小さな町の本屋さんには負担になっているのだろうが、こうして漫画でも応援してくれる人たちがいるのだ。
 町の本屋さんでこの本を手にした読者もたくさんいるだろう。

 もう一つ校閲という世界を描いた2つの作品にもモデルとなった校閲専門会社がある。
 そもそも校閲とは「文書や原稿などの誤りや不備な点を調べ、検討し、訂正したり校正したりすること」だそうだが、漫画の世界やポスターの世界でも校閲をされる人がいるそうだ。
 この巻の2つの作品ではそんな校閲の厳しいながらも美しい日本語を愛する人たちが描かれている。
 出版の世界ってなんとも奥が広い。
 そんなことをこの漫画から教えてもらっている。
  
(2016/10/05 投稿)

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 ホームセンターが近くにあるので
 しばしば園芸ショップをのぞいて
 季節の野菜や花を確認します。
 最近はイチゴの苗が並びだしました。
 私の菜園も
 大根、白菜、キャベツと
 秋から冬にかけての野菜栽培に変わってきましたが
 いよいよイチゴの栽培も始まります。
 それに合わせて
 NHKテキスト「やさいの時間」10月号(NHK出版・669円)も

   ジャムだけじゃない!
   イチゴ とれた分の何倍も楽しむ!

 の特集です。

  

 まずリード文を紹介しましょう。

    菜園家にとって、ひとつのあこがれでもあるイチゴ栽培。
    露地で育てるにはコツも必要ですが、
    実がなったときのうれしさは、格別です。

 お、なんだかわくわくしてきました。
 ただイチゴは収穫までとても時間がかかります。
 秋に植えて
 収穫するのは来年の春。
 がまん、がまんの栽培になります。

 私の家はもともと畑とか田もやっていて
 子どもの頃、50年以上前ですね、
 イチゴ栽培もしていました。
 畑一面にイチゴが実っていたことは覚えていないのに
 何故か暗い家の中で
 父がイチゴをいれる木箱を作っていた記憶の欠片があるのですが
 あれは本当にあった暮しなのか、いまではおぼろげです。

 菜園で実際に苗を植えた時は
 またブログで紹介しましょう。

 今月号の「やさいの時間」は
 そのほかにも
 ソラマメの栽培も紹介されています。
 私の菜園でも
 当初ソラマメを栽培する予定だったのですが
 アブラムシの被害が大きいとのことで
 栽培は断念。
 かわりに去年うまく育たなかった
 スナップエンドウに再挑戦です。

 天高く、
 そんな空の下で野菜づくりを楽しみたいものです。

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 久しぶりに秋晴れになった昨日(10月2日)
 稲刈り体験に行ってきました。
 古来から
 天高く馬肥ゆる秋ともいわれるくらいです。

    天高しさびしき人は手を挙げよ     鳴戸 奈菜

 まさに絶好の稲刈日和。

    世の中は稲刈る頃か草の庵      松尾 芭蕉

 出掛けたのは
 さいたま市にある浅子ファームという農園。
 ごらんの通り、
 刈られるのを今かいまかと
 稲穂は見事に実っています。

  CIMG1573_convert_20161002160742.jpg

 私の家は昔田んぼをやっていたので
 稲刈りの経験はありますが
 何しろ半世紀も前のこと。
 鎌を持つのも久しぶりですが
 稲の幹を何束か手に握って
 鎌を差し込めば
 うんうん、この感触の心地よいこと。
 まさに、ざくざくと
 刈られていきます。

  CIMG1586_convert_20161002160824.jpg

 この日は子どもたちもあわせて
 30人ほどの参加でしたが
 結構手際よく刈られていきました。

  CIMG1587_convert_20161002160901.jpg

 秋の稲刈りといえば
 下の写真のような光景をよく見かけると思います。

  CIMG1595_convert_20161002161100.jpg

 これは稲架(はざ)といいます。
 こうしてしばらく乾燥させます。
 新米はこうして収穫されます。

 稲刈りのあとは
 羽釜でご飯を炊きました。

  CIMG1603_convert_20161002161224.jpg

 残念ながら
 新米というわけにはいきませんでしたが
 子どもたちもこういう風に
 ご飯を炊く光景は見ることがないので
 興味深々。

  CIMG1608_convert_20161002161255.jpg

 菜園でもそうですが
 お米もこうやってできるということを知ることは
 いい食育になりますよね。

 この田んぼ、
 何故か白やぎさんもいて

  CIMG1569_convert_20161002160656.jpg

 秋の一日を満喫してきました。

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プレゼント 書評こぼれ話

  才能がある人というのは
  多彩なところで
  芽を出すのだから
  うらやましい。
  室井滋という人のそんな一人。
  女優として数々の賞を受賞、
  さらには「ファインディング・ドリー」の吹き替えも担当、
  さらにはエッセイ、
  そして絵本まで。
  この『しげちゃんとじりつさん』も
  室井滋さんの絵本。
  しかも、うまい。
  読ませる。
  すごいです。
  絵は長谷川義史さん。
  室井滋さんとのコンビも最高です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  おばあちゃん子がうらやましい                   

 子どもの頃の思い出は甘酸っぱいものだが、同時に少々恐ろしい。
 女優の室井滋さんの絵本『しげちゃん』の続編にあたるこの作品では、夏休みに入るしげちゃんの恐怖体験がおかしく描かれています。

 夏休み目前のしげちゃんには心配なことが3つありました。
 ひとつは身体検査。どうしてかというとしげちゃんは体にお守りふたつもぶらさげているから。
 次は先生の家庭訪問。先生はお母さんにどんな小言をいうのだろう。
 最後は成績表。
 なんとしげちゃんはそこに「自立を!」なんて書かれてしまう。

 しげちゃんは正真正銘のおばあちゃん子。
 「自立」なんて書かれてしまったので、今夜から一人で寝ることになったが、暗い天井には薄気味悪いたくさんの目がこちらを見ているような。
 あれが「じりつさん」?
 そんなことはないのですが、自立の意味もわからないしげちゃんにはそういう怖いものに思えたのでしょう。
 あまりに怖くて、やっぱりおばあちゃんの布団に逆戻り。

 しげちゃんはおばあちゃんもしげちゃんが布団に戻ってくるのを楽しみにしていると思っていたのですが、本当はおばあちゃんもしげちゃんが「自立」しないと考えていました。
 そこで知恵を働かせて、しげちゃんを遠ざけようとします。
 最後は、しげちゃんだけでなく読んでいる方もびっくりするような恐怖体験が待っています。すぐに大笑いしてしまうような体験ではありますが。

 それにしてもおばあちゃん子だったしげちゃんがうらやましくなります。
 この作品も長谷川義史さんの絵が生き生きとしています。
  
(2016/10/02 投稿)

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