年をとると
 年々月日の経つのが早く感じるといいますが
 おそらく11月も終わりともなれば
 誰だって
 今年ももう終わりか、なんて
 思うのではないでしょうか。

 街にクリスマスのイルミネーションが灯った
 11月28日の夜

  20161128_171152_convert_20161129165656.jpg

 「これからの家族を考える」という
 公開シンポジウムがあったので
 行ってきました。
 今回のテーマは「しがらみときずな」。
 そして、なんといっても
 基調講演で脚本家の山田太一さんが
 話すというのですから
 いそいそと出かけました。
 会場は日本橋の三井ホール
 こちらは
 日本橋三越の玄関に飾られたクリスマスツリー。

  20161128_201012_convert_20161129165742.jpg

 これは
 花王芸術・科学財団が主催のシンポジウムで
 これまでにも様々な企画を開催しているようです。
 まず初めに
 東京大学名誉教授の原島博さんの「問題提起」として
 「なぜ今、家族なのか?」というのがありました。
 その中で
 原島教授は「家族は自由に選べない」、だから
 「しがらみ」にもなるのだが、その一方で
 「きずな」を求めていると話してしました。

 さて、次は山田太一さんの登壇。
 演目は「宿命としての家族」。
 山田太一さんは1934年生まれですから、もう82歳になられます。
 それでも最近東日本大震災を体験した人たちの姿を描いた
 「五年目のひとり」というドラマを書いたりと
 まだお元気です。
 それになんといっても「岸辺のアルバム」という
 家族をテーマにした秀作を作っています。
 冒頭、
 山田太一さんは家族とは「選べないことが前提にある」と
 話し始めました。
 つまり、これが演目でもある「宿命」。
 その上で、自己を確立していかなければならないと
 続けられた。
 このことは講演最後で「死ぬときは一人」と話されたことと
 リンクしているように感じました。
 そして、時代時代に家族像も個人の考えも変化していて
 当然変化はマイナスの要素を克服されるためになされるのだが
 だからといって
 簡単に解決するものではない。
 山田太一さんのいわんとすることは
 その時代時代に家族の問題は変化しているということでもあるように
 感じました。

 40分の講演では
 なかなか山田太一さんのドラマ作りというところまではいかなくて
 その点では残念でした。
 また講演のあとにNHKのアナウンサー須磨佳津江さんがはいって
 山田太一さん、原島博さんとの三人による
 パネルトークでも
 消化不良のように感じました。
 それだけ
 家族の問題は難しいのでしょう。

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プレゼント 書評こぼれ話

  あさのあつこさんの本は
  あまり読んできませんでした。
  あさのあつこさんのファンはたくさんいて
  大変肩身が狭いのですが。
  過去の記事を調べると
  『あさのあつこのマンガ大好き!』という本を
  読んだぐらい。
  そうか、あさのあつこさんはマンガが大好きで
  だから、
  今日紹介する『天を灼く』の表紙装画も
  マンガチックなものになっているのでしょうか。
  でも、
  これがいいんです。
  私なんか
  この作品を読むきっかけの半分以上は
  この装丁だったのですから。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  少年よ、前を向け                   

 本を読むきっかけはさまざまあるが、書店で見かけて吸い寄せられるようにして読むということもある。
 これまであさのあつこさんの、人気作となった『バッテリー』さえ読んでいないのに、彼女の時代小説を読もうと思ったのは、まさにこの表紙の装画(スカイエマさん)に描かれた少年の笠の下に隠された力強い眼光と、帯に書かれた「止まぬ雨はない。明けぬ夜もない」という惹句に惹かれたからだ。

 主人公は元服にも至っていない14歳の少年伊吹藤士郎。
 事件は藤士郎の父が突然城内で拘束され処罰を受けるところから始まる。
 藩内の豪商との結託という罪状に藤士郎は納得しない。
 切腹を命じられた父に逢うために雨の中を山深く牢屋へと向かう藤士郎。
 父と会えたものの真実は見えてこない。
 ただその場にいた柘植左京が父の死後も藤士郎一家を何かと助けてくれる。
 彼は一体何者なのか。

 14歳の藤士郎にはわからないことばかりだ。
 彼は自分の周りに起こっていることだけでなく、自分というもの、自分が進むべき道すらわからない。
 時代小説とはいえ、14歳の少年を主人公にしたということはあさのさんが読んでもらいたい読者は中学生あたりだろうか。
 現代の中学生に藤士郎のような苦境は理解することは容易ではないが、友情のありようだとか家族とのかかわり、あるいは正義のことなど、この物語から考えることはいくつもある。

 物語は一応決着を見たようでもあるが、藤士郎の進むべき道はまだ終わっていない。
 それをどう終わらすのかは、読者次第だろう。
  
(2016/11/29 投稿)

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 先日東京では11月としては54年ぶりとなる初雪で
 びっくりしましたが
 次の日の朝
 菜園に行くと
 びっしりと長い霜柱が出来ていました。

  20161125_085253_convert_20161127100318.jpg

    霜柱伸び霜柱押し倒す     右城 暮石

 こういう光景も
 なかなか目にすることがないですよね。
 これも菜園ならではの楽しみのひとつ。

 雪予報が出ていた前日(11月23日)、
 この冬初めてのダイコンの収穫をおこないました。
 今回菜園で育てていたのは
 オフクロという種類のダイコン
 これは真ん中あたりがぷっくらと膨らんでいる品種です。
 手ごたえ十分。
 気合をいれて、エイー。
 土から獲れたばかりのダイコン紅芯ダイコン

  20161123_102738_convert_20161127100056.jpg

 そして、
 こちらは水洗いをしておめかしをしたダイコンたち。

  20161123_104850_convert_20161127100140.jpg

 ハクサイもいいのが収穫できました。
 この日収穫したダイコン
 31㎝
 りっぱ。

    大根抜く摑みどころはみな同じ    能村 登四郎

    腰おとし土の息聞く大根引      夏の雨

 ダイコンはよく二股とか三股に分かれることがあります。
 これは「また根」というそうです。
 土の中に石とかがあって
 それが邪魔をしてしまうといいます。
 これは他の畑で獲れたダイコン
 あまりに素敵な曲線美だったので
 写真を撮らせてもらいました。

  20161123_150453_convert_20161127100220.jpg

 そして、
 11月26日には
 ロメインレタスも収穫しました。

  CIMG1737_convert_20161127100415.jpg

 これは初めての栽培で
 最初はなかなか育たなくて苦労しましたが
 大きくなってくれました。
 野菜の高騰が続く時期だけに
 ありがたい。
 ありがたい。

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  昨日紹介した
  『イラストレーター安西水丸』の中で
  安西水丸さんが描いた絵本も紹介されていて
  そのうちの一冊が
  今日紹介する
  『ピッキーとポッキー』です。
  文を書いたのは
  嵐山光三郎さん。
  二人で絵本を作るほどですから
  仲よかったんでしょうね。
  まさにこの絵本に出てくる
  ピッキーとポッキーのように。
  ただ書評にも書きましたが
  安西水丸さんの絵のタッチとしては
  まだ初期。
  若い安西水丸さんに出合うつもりで
  開いて下さい。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  水丸さんがお嬢さんのために描いた絵本                   

 この絵本の文を書いた「あらしやま こうざぶろう」さんは作家の嵐山光三郎さんで、絵を描いた「あんざい みずまる」さんはイラストレーターの安西水丸さんのこと。
 この絵本が誕生した時のことを、嵐山さんは『イラストレーター安西水丸』という本の中でこんな風に書いています。
 「1976年、水丸の娘と嵐山の息子に手書き絵本『』を作った。うさぎのきょうだいの話であった。水丸が手書きの原稿を持って福音館書店に持ちこむと、その場で刊行がきまった」。
 この時水丸さんは34歳。
 嵐山さんはこの文章のあとで「水丸はおだやかな性格でありながら、きちんとプレゼンテーションする能力があった」と感心している。

 そんな風にして誕生した絵本ですが、人気があったのかその後何冊かのシリーズになっています。
 ただ水丸さんの絵のタッチは少しちがうような感じがしますので、絵本だけ読むと水丸さんの作品だとなかなかわかりづらいと思います。

 「うさぎのきょうだいの話」と嵐山さんは書いていますが、ピッキーの方がズボンをはいてポッキーはスカートをはいていますから男女の「きょうだい」です。
 二匹のほかにもう一匹重要な役割の動物が出てきます。
 それが「もぐらのふうちゃん」。
 ただ水丸さんの描く「もぐら」はもぐらに見えないのです。
 そもそももぐらっていうのはあまり見かけませんが、水丸さんは図鑑か何かを読んだのかしら。

 そんな絵本ですが、きっと二人のお子さんは喜んだに違いありません。
 だって、愛情たっぷりな絵本ですもの。
  
(2016/11/27投稿)

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  今日は
  イラストレーター安西水丸さんの
  それこそズバリ
  『イラストレーター安西水丸』という本を
  紹介します。
  安西水丸さんのことは
  このブログでもずいぶん書いていると思います。
  好きだから仕方がないのですが。
  でもこの本を読んでいると
  まだまだ安西水丸さんのことはよく知らないことが多いと
  しょんぼりしてしまいます。
  ところで
  安西水丸さんのイラストの特長ともいえる
  画面を横切る一本の線。
  安西水丸さんは「ホリゾン=水平線」と
  呼んでいたそうです。
  かっこいいな。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  椿咲之介って誰だ?                   

 イラストレーターの安西水丸さんが亡くなったのは2014年3月19日。
 すでにたくさんの時間が過ぎたが、亡くなってからも著作の本が出たり、水丸さんの装丁の本が出たりと、確かにいないのだけれど、今でもずっといるような不思議な感じがしている。
 水丸さんの活躍は多岐にわたっているので、その全体像を知ろうとしてもなかなか難しい。
 作家のように没後全集となって作品が並ぶこともないだろうし、だとしたらこの本なんかがあれば一番いいのかもしれない。

 この本は、大きく4つの章に分かれている。
 「ぼくの仕事」(ここでは小説や装丁、あるいは漫画や絵本、その他諸々が紹介されている)、「ぼくと3人の作家」では水丸さんを語るに外せない嵐山光三郎さん村上春樹さんそして和田誠さんとの仕事がクローズアップされている。
 続いては「ぼくの来た道」と題されて水丸さんの生涯を駆け足で、最後は「ぼくのイラストレーション」で、ここで水丸さんの世界を堪能して下さい。

 安西水丸というのはペンネームなのだが、どうしてその名前が誕生したかといったこともかつて水丸さんがどこかに綴った小さな文章も収められていたり、真実の友嵐山光三郎さんが出会いから別れまでとってもいい文章を書いている。
 その中でもこのペンネームの話が書かれていて、もしかしたら椿咲之介なんていうイラストレーターが誕生していたかもしれないと笑ってしまう。
 水丸さんの仕事ってどうしていつまでも心に残るのだろうか。
 その答えを見つけるまで、この本を開き続ける。
  
(2016/11/26 投稿)

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  昨日(11月24日)
  東京では11月としては54年ぶりの初雪、
  積雪にいたっては
  観測史上初だったとか。
  埼玉でも
  朝から結構降りましたよ。

  CIMG1730_convert_20161125075906.jpg

  写真で見ると
  もう雪国ですね。
  こんな日は暖かい部屋で読書なんかと
  強引に話を本の方へもっていきます。
  おそらく人よりは
  少しばかりたくさん本を読んでいると思っているが
  本当はちっともそうではないのではないか。
  最近とみにそう思います。
  だから読みそびれた本を今年は何冊も手にしましたが
  それでも追いつけるはずもありません。
  今日紹介する
  川本三郎さんの『物語の向こうに時代が見える』は
  書評本ですが
  この中で紹介されている20数冊の作品で
  私が読んだのは半数にも
  満ちません。
  これって
  どういうことなのでしょう。
  こうして読まずに
  終わってしまうのでしょうか。
  ああ、もっと本が読みたいなぁ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  包み込むほどのあたたかさ                   

 川本三郎さんの文章とは映画評論を通じて出会った。
 映画に夢中になっていた頃であるから、かれこれ40年以上前のことだ。
 だから、私にとっての川本三郎さんは映画評論家であるのだが、書評家としても数多くの著作を残しているから、その方面でも川本三郎さんというだけで手がのびてしまう。
 この本もそんな一冊だ。

 雑誌に掲載された書評、文庫本の解説などさまざまな初出だが、川本さんの口あたりのいい文体は同じだ。
 紹介されている本は20冊以上。ひとつの文章に複数の本の紹介がされている松本清張作品を扱った文章などもある。(ちなみに映画化されている作品が多い松本清張だから、そうなると自然と川本さんのボルテージもあがるのが面白い)
 タイトルのように時代を見据えた作品群と町と人との姿を描いた作品群、それと家族と老いを見つめた作品群にわかれているが、私は二つ目の作品群が面白かった。

 章タイトルでいえば「「街」と「町」に射す光と影」で、先ほどの松本清張作品はこの章で紹介されている。
 その他の作品でいえば、佐藤泰志の『海炭市叙景』や桜木紫乃の『ホテルローヤル』ほかの作品、川本さんが愛する野呂邦暢の作品と、廃れつつある町への川本さんの視点はやさしい。
 おそらくそういう視点は川本さんらしさだといっていい。
 40年以上前から映画に見つめる視線もそうであった。
 誰もから放っておかれる弱いものへ、川本さんはずっと暖かだったといえる。
 それは映画だけでなく、物語もまた同じだ。
  
(2016/11/25 投稿)

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  今日は
  窪美澄さんの『すみなれたからだで』という
  短編集を紹介します。
  司馬遼太郎さんの『関ケ原』のような
  長編小説も面白いですが
  私は短編が好きです。
  書評の中で
  表題作の「すみなれたからだで」を
  紹介しましたが、
  ほかには「父を山に棄てに行く
  「インフルエンザの左岸から
  「猫降る曇天」、「バルタルサイン
  「銀紙色のアンタレス」「朧月夜のスーヴェニア
  「猫と春」が
  収録されています。
  「猫と春」なんかも好きな作品だなぁ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  現代の名短篇です、これは                   

 窪美澄が『ミクマリ』で第8回女による女のためのR-18文学大賞を受賞したのは2009年。
 今(2016年)からわずか7年前のことだ。
 そのあと、窪は女性官能小説家に特化することはなく、官能小説も書ける女性作家となって話題作を次々と発表し、実力ある中堅作家になりつつある。
 この短編集には2011年から最近までの8つの作品が収められているが。その透明感は彼女の名前を読者に植え付けた『ふがいない僕は空を見た』から変わっていない。
 いつまでも新鮮だ。

 2015年に発表された「銀紙色のアンタレス」はまるで新人作家が書いたように初々しく出来上がっている。
 初々しさゆえのぎこちなささえ、この作家は消せずにいるが、こういう生の青春小説はまるで新海誠監督のアニメの世界のようでもある。
 こういう才能は稀有といっていい。

 そして、なんといっても表題作でもある「すみなれたからだで」だ。
 40歳をいくつか越えて、中学2年の一人娘の瑞々しい肉体に嫉妬すら覚えるようになった主人公の主婦。
 夫と出会って17年、結婚して15年、何不自由ない生活ながら「けれど、満たされていない」と感じている。
 その理由はセックスの回数が減ったこと。
 娘はボーイフレンドとのデートにウキウキしているのに、自分はどうだと落ち込む彼女。
 そんな彼女に浮気でもなく、夫とのささやかなセックスの機会が訪れる。
 どこにでもある心の浮き沈み。
 幸せとは何かを肩肘張って描くのではなく、そこにあるがまま表現した技に感心する。
 現代の名短篇に数えていいのではないかしら。
  
(2016/11/24 投稿)

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  昨日鎌倉散歩の記事を
  書きましたが
  今日紹介する山本博文さんの
  『江戸散歩』という本にも
  少し関係した話が載っています。
  江戸と鎌倉?
  そう江戸と鎌倉なんです。
  場所は鎌倉の建長寺
  ここに将軍秀忠の正室お江の霊廟が残っています。
  お江といえば
  何年か前にNHKの大河ドラマにもなった女性で
  淀君の妹にあたります。
  やはりそういうことを知って
  建物を見ると
  また違った感慨がわきます。
  今日は勤労感謝の日でお休みの人も多いかと思います。
  鎌倉に行かれたら
  そんなことを思い出しながら
  歩いてみるのもいいですよ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  地図はタイムマシン                   

 最近古地図がブームのようだ。
 書店に行くと古地図で観光するといったような雑誌や本が多く目につく。
 特に江戸、つまりは東京が面白い。
 古地図と現在の地図を重ねると、有名なあの場所はもともとこんなところだったのかと驚くことも多い。
 例えば東京ミッドタウン。ここはもと長州藩毛利家の藩邸があったところといった具合だ。
 そんなところが東京にはたくさんあることが、この本を読むとわかる。

 本書の著者山本博文氏は東京大学史料編纂所教授で、数年前に中経文庫で『東京今昔江戸散歩』という本を上梓している。
 本書はその本の改訂版だということだが、「決定版」と表記があることだから、より面白さが増しているのだろう。

 最初に紹介されているのは現代でいうところの千代田区と中央区。
 もちろんここには現代の皇居、江戸でいえば江戸城があったところ。
 皇居といえば二重橋周辺を思い出す人も多いが、天守台から皇居東御苑近辺を数年前に訪れた時にはさすが徳川様と驚きと感心をしたものだ。
 その時、この本があればさらに面白さがちがっただろうと今さら悔しい。

 さらに足を延ばして港区にはいれば、ここには将軍様の庭であった浜離宮や将軍家の菩提寺であった増上寺と続く。
 上野公園のある下谷あたりも寛永寺を中心に面白い一画といえる。
 当時の中心から少しはずれるが新宿や中野、王子飛鳥山なども説明があって、そのあたりが江戸の頃の町だったのだろう。

 地図一枚あれば、どの時代にもいけることを思えば、地図というのは小さなタイムマシンのようなものだ。
  
(2016/11/23 投稿)

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 先日(11月18日)
 高校時代の友人らと
 秋の鎌倉散策に行ってきました。
 紅葉というのは秋の季語ですが
 都会ではようやく色づいてきた
 そんな感じでしょうか。

  20161118_113532_convert_20161119165458.jpg

 冬の季語では
 冬紅葉となります。

    寺清浄朝日清浄冬紅葉     高田 風人子

 漢字ばかりの珍しい俳句ですが
 なんとなく京都や鎌倉の雰囲気を感じさせてくれる句ですね。

 散策コースは
 北鎌倉から円覚寺建長寺を経て
 鶴岡八幡宮へと向かいます。
 こちらは円覚寺の総門に続く石段。

  20161118_110053_convert_20161119165403.jpg

 紅葉がきれいです。
 そして、
 こちらが建長寺の三門。

  20161118_115926_convert_20161119165551.jpg

 この日は平日でしたが
 鎌倉散策を楽しんでいる人も
 大勢いました。
 天気もよかったので
 気分も最高ですよね。

 ランチを小町通りで済ませて
 次の目的地は銭洗弁天
 ガイドマップをみていると
 小町通りのはずれに
 川喜多映画記念館という名前があります。
 鎌倉には
 何度も来ていますが
 ここは初めて。

  20161118_144826_convert_20161119165631.jpg

 それもそのはず
 平成22年4月開館ですから
 割りと新しいスポットです。

 ここは川喜多長政さんとかしこさんご夫婦の旧宅跡ですが
 川喜多さんご夫妻については
 少し説明がいるかと思います。
 「東宝東和」という映画の配給会社があります。
 川喜多ご夫妻はこの「東宝東和」の生みの親なのです。
 私が映画に夢中になっていた1970年半ば
 ヨーロッパ映画をたくさん楽しめたのも
 「東宝東和」があったから。
 1972年に「ビバ! チャップリン」と銘打って
 チャップリンの名作の数々を配給したのも
 「東宝東和」。
 私たちの世代がチャップリン映画を知っているのは
 まさに川喜多ご夫妻のおかげでもあるわけです。

 そんな川喜多映画記念館では
 今ちょうど「世界のクロサワとミフネ」展を
 開催中でした。

  20161119_163422_convert_20161119165958.jpg

 黒澤明監督と三船敏郎といえば
 奇跡のコンビであったわけで
 もし三船敏郎がいなければ
 黒澤明の名作は生まれなかったかもしれません。
 当時のポスターや台本などの展示、
 あるいは映画の上映会など
 ここにいると一日楽しめそう。
 この展覧会は来年1月15日まで開催していますので
 鎌倉にお出かけの際は
 ちょこっと足をのばすのもいいですよ。

 私たちは川喜多映画記念館のあと
 銭洗弁天
 お財布の中身が増えることを願って
 この日の散策をおしまい。
 大満足の鎌倉散策でした。

    座禅くむ真似事したり冬紅葉      夏の雨

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 偶然とは恐ろしいもので
 昨日(11月20日)
 菜園の帰りに公園のそばの落ち葉舞う道を
 パチリと撮ったら
 まるでマネの印象画のような写真ができました。
 不思議ですよね。

  CIMG1728_convert_20161120180326.jpg

    冬の日の三時になりぬ早や悲し     高浜 虚子

    風景を絵画に見せし冬の朝       夏の前

 昨日、ひろかわさえこさんの
 『やさいむらのなかまたち 冬』という絵本を紹介して
 ハクサイのことを少し書きましたが
 先週約束したとおり
 この冬最初のハクサイを収穫しました。

  CIMG1727_convert_20161120180253.jpg

 このハクサイの祖先の祖先が
 中国やロシアから来たのだと思うと
 思わず、おーよしよしと
 肩を抱きかかえてあげたくなります。
 この日収穫したハクサイ
 1861g
 おーよしよし。

 わたしの菜園では
 今2種類のレタスを育てています。
 まず、こちらがロメインレタス

  CIMG1725_convert_20161120180023.jpg

 そして、こちらがクールガイという名前のレタス。

  CIMG1726_convert_20161120180219.jpg

 どちらかといえば
 大泉洋さんみたいなレタスです。

 そして、いよいよダイコン
 恥ずかし気に白いお姿を見せ始めました。

  CIMG1723_convert_20161120175950.jpg

 来週には収穫できるかな。
 はて
 さて。

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プレゼント 書評こぼれ話

  夏とちがって
  冬は菜園に行っても
  あまり作業がありません。
  まず第一に水やりはほとんどしません。
  雑草の伸びもあまりないので
  草とりも少ないです。
  収穫といっても
  オクラやキュウリのように
  毎日採れません。
  ああ、さびしい。
  とはいえ、野菜たちに
  「ダイコンくん、地中でがんばっているかい」
  「ハクサイくん、しっかりまいているかい」とか
  声をかけたいので
  菜園にはちょこちょこ出かけていますが。
  今日は
  ひろかわさえこさんの
  『やさいむらのなかまたち 冬』。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  この冬は野菜は高騰してますが                   

 ひろかわさえこさんの「やさいむらのなかまたち」の冬編です。
 なんといっても、書き出しがいい。
 「こころのちずをひろげると、ふるさとちほうのかたすみに「やさいむら」がのっています」。
 そんな「やさいむら」に帰ってきたのは、はずかしがりやの「にんじん」さん。
 出迎えてくれるのは、水もしたたるいい男の「はくさい」くんに「かぶ」さん。
 いつもぼーっとしている「ごぼう」くん。
 「ぶろっこりー」さんに「かりふらわー」さんはいとこ同士とか。
 もちろん、「だいこん」くんははずせません。
 泣き虫「ながねぎ」さんもいますし、「れんこん」くんもいます。
 いつもながら、ひろかわさんの絵がかわいい。
 こんなにかわいい野菜なら、なかなか食べられません。

 かわいさだけでないのが、この絵本のいいところ。
 野菜の知識も満載なのが、うれしい。
 例えば、白菜。
 昔からある野菜だとばかり思っていましたが、実は日本に伝わったのは明治時代だそうです。日清戦争や日露戦争で中国に行った兵隊さんが持ち帰ったところから広がったそう。
 知らなかった。
 それに白菜の大部分は水分なんだそうで、風邪予防にもなるそう。
 知らなかった。
 そんな野菜ミニ知識がいっぱい載っています。

 冬野菜は夏野菜とちがって、上には伸びない種類が多いので、派手さはないのですが、冬の生活に合わせて、私たちと共存共栄していることが、このかわいい絵本からもわかります。
  
(2016/11/20 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  長い物語も
  この下巻で最後。
  司馬遼太郎さんの『関ケ原』、
  全三巻のおわりです。
  いやあ、面白かった。
  こういうのを
  読んでこなかったことを
  悔いますね。
  それでもこうして読み終わったのですから
  よかった、よかった。
  これもNHK大河ドラマ真田丸」のおかげです。
  もっとも
  「真田丸」では関ケ原の戦いが
  佐助の報告だけで終わってしまうという
  驚きの展開でしたが。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  いよいよ決戦、そして三成は                   

 司馬遼太郎が描く関ケ原の戦いも、ついにこの下巻で戦闘が始まる。
 時に慶長5年(1600年)9月15日。東西合わせて10万の兵が美濃関ケ原で天下をかけての一戦が始まる。
 小説であるから文字だけによる表現ではあるが、まるで映像を見ているかの如く、司馬の文章は小気味よい。
 形勢が動くたびに西の将石田三成、東の将徳川家康の感情が動くさまを見事に描いている。

 ひと昔前、徳川家康は経営者に人気の武将の一人だった。
 調略により秀吉恩顧の大名を次々と自陣の味方につける様など現代の経営に通じるところがあるのだろうが、三成の「義」がどうして評価されないのか切なくなる。
 もちろん人間の営みが「義」や「規則」だけで出来上がっているわけではないだろう。
 だから多くの大名から三成が嫌われるのもわからない訳ではない。
 しかし、天下分け目の戦いに自身の憎だけで東軍についた福島正則などの大名には一体どんな未来が見えていたのであろう。
 もっとも未来が見える人間だけが時代を動かすのではないだろう。
 未来も見えない有象無象の衆こそが時代を作っていくのであろうか。

 敗残の将となって自領に逃げた三成をお咎めの罰を覚悟しながらかくまう農民与次郎。
 彼を配することで司馬は三成の「義」を否定しない。
 与次郎が生きる世界こそが司馬が願ったものかもしれない。
 天下を狙っていたもう一人の武将黒田如水を最後に登場させることで、三成の戦った意味が明らかになって、長い物語は完結する。
  
(2016/11/19 投稿)

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  今日はちょっと珍しい本を
  紹介します。
  『感情類語辞典』。
  A・アッカーマンB・パグリッシという
  二人の外国人によって書かれた本です。
  たぶん、作家や漫画家、映画作家といった
  創作の分野を目指す人には
  手元に置いておきたい一冊かもしれません。
  NHKの朝の連続テレビ小説べっぴんさん」を
  見ていますが、
  どうもいまひとつはまりこめません。
  脚本なのか
  演出なのか
  俳優なのか
  長期間続くドラマゆえに
  いい作品を見たいですよね。
  これって
  感情がうまく表現されていないのでは。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  もしかして、悲しんでいるかも                   

 映画やドラマを見たり、あるいは小説を読んで、心を動かされるときは、目前にひろがっている創作の世界の登場人物たちも、感情が見事に動いている時であろう。
 シナリオだけでなく、演技をする生身の俳優たちも、言葉をどう肉体として表現するか、あるいは小説であれば言葉が生み出す世界を読者である私たちがどう頭の中で動かしていくか、それが大切である。

 この本は「辞典」となっている。
 「感情」をどんな風に類型し、「辞典」としてまとめているのかは、実際この本を手にしてもらうのが一番だが、試しに開くとこんな感じだ。
 例えば、「悲しみ」をひいてみよう。
 まず、「外的なシグナル」として、「泣く」とか「肩をおとす」とか「重い足取り」といった表現が記されている。
 続いて「内的な感覚」。ここでは「胸が痛む」や「視界がぼやける」といったものが列記されている。
 さらには「隠れた感情を表わすサイン」として、「背を向ける」や「唇を噛む」などがある。「震える笑顔」なんていうのもある。
 あまり類型化するのも問題だから、使う時には気を付けなければならない。

 創作者をめざす人には面白い「辞典」だが、案外恋人の心理を知りたい人にも有効かもしれない。
 交際相手のちょっとした動作がどんな「感情」を表現しようとしているか。
 あなたは気になりませんか。
  
(2016/11/18 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日『脳を活性化する自分史年表』という
  本を紹介しましたが
  その時々のニュースや事項を
  年表のような形式で
  うまくまとめたものがなかなかありません。
  そういえば、
  あの本はどうだろうと思い出したのが
  下川耿史さんの
  『昭和・平成家庭史年表』。
  そこで今日は再録書評ですが
  思い出したので
  紹介します。
  この本の書評を書いたのが2002年ですから
  それからも14年。
  いやはや。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  昭和30年代のコロッケ                   

 昭和30年代のコロッケの調べ物で手にしたのがこの本。
 年ごとに<衣・食・住><家計・健康・教育><文化・レジャー><社会・交通・一般>に区分されたことがらが並んでいる。
 これがめっぽう面白い。
 調べものをうっちゃって、すっかりはまってしまった。
 豊富な図版(特にごく普通の写真、たとえばみなさんの家にあるアルバムの中の一枚のような、がいい。僕自身でいえば昭和37年の項で取り上げられていた<シェー>の写真がお気に入りだ。僕のアルバムにも、赤塚不ニ夫の「おそ松くん」に登場したイヤミ氏のギャグと同じポーズをした僕の写真がある)や流行語、それにはやり唄と至れり尽せりである。

 まずは自分が生まれた年のページを開く。
 きっとこの本を手にした人のうち97%ぐらいの人がそうするのではないだろうか。
 そして、思わず女房や子供を呼び寄せるに違いない。これは54%ぐらいの人がそうする。独身の人や女房と離婚したりした人がいるからだ。
 「おい、見てみろよ。俺の生まれた年はこんなことがあったんだぞ」と、いいことも悪いこともいっしょくたにして自慢する。
 次に、「お前、○○年だったよな」とまるで余りよく覚えていないふりをして、女房の生まれた年のページを開く。
 いいことは無視して悪いことだけを読み出す。「お前、こんな年に生まれたんだ」。言葉の裏に、かわいそうにみたいな同情が混ざるのは何故だろう。

 この本を手にした人が陥る、こういった行為は心理学的に解明されているのだろうか。
 そんなことを思っていたら、調べようとしていたことがなんであったかすっかり忘れていることに気がついた。昭和30年代のコロッケで、僕は何を知ろうとしていたのだろう。
  
(2002/08/31 投稿)

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  昨日佐久間文子さんの
  『「文藝」戦後文学史』という本を
  紹介しましたが
  ああいう本を読んでいると
  自分が生まれてからも
  多くの本を読んできたものだと
  思います。
  それ以上に読んでこれなかった本も
  たくさんあることを痛感しますが。
  自分の人生に
  どんな事件が重なっていくのか
  そんな一冊を
  今日は紹介します。
  『脳を活性化する自分史年表』。
  きっと最終の著者は
  あなた自身になるのでしょうね。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  思い出が消える前に                   

 最近高齢者の運転する事故が多い。
 犠牲になるのがお孫さんのような世代ともなると、暗澹たる気分になる。
 買い物難民、病院難民にならないためにも高齢になっても自動車を手放せないというお年寄りも多いに違いない。
 できるなら、いつまでも若くありたい。

 「ボケ」という呼び方の是非はあるだろうが、この本に付けられた「推薦のことば」に早期認知症研究所の医者が、「自分史年表はボケ防止の最高作業」と書いている。
 前頭前野を活用して、創作とか回想をするのがいいらしい。
 もっとも自分の「ボケ防止」にこの本を購入したのではない。
 「自分史」を書こうと思ったわけでもない。
 ただ、還暦を過ぎ、自分の来し方を振り返る時に、あの時代に何があったのか、どんな歌が流行り、どんな本が読まれたのか一覧でわかるものはないかと、探していて、この本を見つけた。

 「昭和版」とあるが、大正14年(1925年)から平成27年(2015年)までの出来事が左のページに書かれている。
 右ページは空欄になっているので、その年年に自分に何があったか記入できるようになっている。
 私でいえば、昭和30年のページを開いて、右ページの空欄に「誕生」と大書すればいい。
 最後の平成27年の右ページには「還暦」と記すことになる。
 その間のページを埋めていくのは大変だが、忘れないうちに書いておかないと、そのうちに記憶が消えてしまうのだろうか。
 ボールペンだって消せる時代だもの。
  
(2016/11/16 投稿)

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  今年の「東京国際ブックフェア」で
  一番元気だったのは
  河出書房新社のブースだったように思います。
  何しろ創業130年ですから
  気合の入り方が違います。
  そのあと、
  千代田図書館では
  周年イベントも実施されていたり。
  今日紹介するこの本、
  佐久間文子さんの
  『「文藝」戦後文学史』も
  おそらくその周年記念に合わせた企画でしょうが
  いい本です。
  戦後文学を語るには
  今後はずせないのではないでしょうか。
  私なんか
  まるで自分の青春を追体験している
  気分になりました。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  いかに「文藝」にお世話になったかがわかる                   

 河出書房新社は1886年に河出静一郎によって設立された出版社である。
 つまり2016年は創業130周年にあたる。
 河出書房に改名したのが1933年で、現在の社名でわかるとおり、その後何度か倒産の憂き目に合いながらも「新社」として今に至っている。
 その河出書房新社が発行している文芸誌が「文藝」。
 文芸誌といえば新潮社の「新潮」、文藝春秋の「文学界」、講談社の「群像」とそうそうたる名前が連なる。
 その中にあって「文藝」も、戦後の日本文学の屋台骨を支えた一誌で、この本は特に戦後から現代に至る「文藝」が生み出した作家や作品、あるいは文学事情を丁寧に記した一冊になっている。

 「文藝」のもともとは1933年でこの時には改造社が創刊している。戦中の諸事情で、河出にその出版が継承されたのが1944年、その後なんどか休刊はあったものの現在も季刊誌として継続している。
 「文藝」といえば「文藝賞」という新人賞が有名である。
 1962年に創立された文学賞で、その第一回受賞作が高橋和巳の『悲の器』。
 まさに学生運動にはいりつつある時代にあって高橋和巳は学生たちの悲しみを一身に背負っていく。
 個人的な感想であるが、私にとって印象深いのは1976年の「文藝賞」受賞作、外岡英俊の『北帰行』だ。この年、村上龍が芥川賞を受賞し、若い力が台頭し始めた頃でもあった。

 著者の佐久間文子は元朝日新聞記者だが、おそらく多様な文献をたどりつつ「文藝」という主題を逸脱することなく、戦後の文学史をうまく俯瞰している。
  
(2016/11/15 投稿)

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 先週は関東地方も急に冷え込んで
 12月上旬の温度だったそうです。
 寒くなると
 食べたくなるのが
 焼き芋。
 11月12日の土曜日、
 私の菜園で焼き芋イベントがありました。
 焼き芋というのは冬の季語

    焼芋が冷めゆく人と話す間も      岩田 由美

 ちなみにさつまいもは秋の季語
 このあたりが俳句の面白さですね。

 菜園の一角で
 指導員さんたちが育てたサツマイモ
 まずは蒸かして

  CIMG1710_convert_20161113165815.jpg

 それからアルミ箔に包んで炭火にかければ
 きれいな焦げ目もついて
 ほっかほっかの焼き芋の出来上がり。

  CIMG1714_convert_20161113165900.jpg

 この日の参加者は
 100人弱。
 一人に一個の焼き芋とお味噌汁。
 それに
 サツマイモのツルでリース作りと
 皆さん、とっても楽しんでいました。

  CIMG1716_convert_20161113165938.jpg

 次の日曜日、
 今度はダイコンの収穫にまたまた菜園へ。
 この日収穫したのは
 紅芯ダイコン
 横にあるのは茎ブロッコリー

  CIMG1721_convert_20161113170047.jpg

 さて、この紅芯ダイコンですが
 中はどんな風になっていると思います?
 なかなか見る機会はないかもしれませんね。
 ジャーン!!
 これがその中身。

  CIMG1722_convert_20161113170124.jpg

 確かに芯が紅いです。

 こちらはスナップエンドウハクサイの2ショット。

  CIMG1719_convert_20161113170014.jpg

 ハクサイは来週にでも収穫できるかも。

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  先週に続いて
  今週も長谷川義史さんの絵本です。
  『おとうさん ぼくね・・・』。
  好きだな、長谷川義史さん。
  長谷川義史さんは
  1961年に大阪府にある藤井寺というところで
  生まれました。
  だから、根っからの大阪人。
  きっと吉本新喜劇なんか
  いっぱい見たんでしょうね。
  長谷川義史と吉本新喜劇の関係なんていう
  論文が書けるかも。
  それはないか。
  この作品は少し趣きがちがいますが
  いい作品です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「・・・」に続くのは・・・                   

 長谷川義史さんといえばアクの強い絵を描く絵本作家です。
 大阪弁でいえば「コテコテ」となるでしょうか。
 でも、そんな絵が私は大好きです。
 生きているっていう感じが強くします。
 泣いている子どもも泣きやんだりする。ケンカしていた子どもも仲直りする。
 そんな強い絵が大好きです。

 でも、この絵本は長谷川義史さんらしくない絵で出来ています。
 もともと大阪の放送局の企画で南極に行ったアナウンサーと長谷川さんの文通から生まれた作品ということで、幼稚園を卒園し、春には小学1年生になる男の子のお父さんが仕事の関係で地球の裏側に行ってしまうという設定になっていて、そのために長谷川さんは子どもが描いた絵の雰囲気を出そうとしています。
 文もそうで、絵と同じようにクレヨンで描いているように描いています。

 遠く離れたところに行ってしまったお父さんを思う気持ちは大海に浮かんだお父さんの船が波に揺られている場面によく描かれいます。
 文はこうです。
 「ふねがゆれるの おとうさん、ぼくのこころもゆれてるよ。」
 家族を残して単身赴任をされているお父さんなら思わずグッとくるところです。

 男の子の気持ちを反映させたのか、長谷川さんは男の子の卒園式は雨だったと描きます。
 だから、小学校の入学が映えてくるような気がします。
 だって、タイトルの「おとうさん ぼくね・・・」に続く言葉は、ここでは書けませんが、まさにそういう場面だからこそですもの。
  
(2016/11/13 投稿)

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  NHK大河ドラマ真田丸」も
  佳境にはいってきました。
  先週は真田丸が登場しましたが
  いつものオープニングの場面を
  最後に持ってくるなど
  演出も冴えていました。
  その「真田丸」でも
  きっと印象に残った犬伏の別れ
  今日紹介する
  司馬遼太郎さんの『関ケ原 中』にも
  登場してきます。
  もちろん大きな歴史の
  ひとつのエピソードですが
  ドラマを見ていたので
  うれしかったですね。
  下巻を早く読もっ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  いざ、幸村登場!                   

 天下分け目の戦い「関ケ原」を描いた司馬遼太郎の長編小説は文庫本にしてそれぞれが500ページ以上ある上中下の三冊に分かれている。
 中巻では佐和山の城に押し込まれた石田三成が会津の上杉景勝と図って敵方の将徳川家康を大坂から誘い出す過程が描かれている。
 会津征伐の途中の地、野洲小山の軍議で豊臣の恩顧の臣たちをたちどころに私兵にしてしまうところまでがこの巻である。

 この長い歴史小説は石田三成と徳川家康は主人公であることはいうまでもない。
 しかし、急変告げるこの時代にあって様々な人たちが面白いほどの役割を描いて、時代の点景になっていく。
 この巻はその最たるものかもしれない。
 例えば、細川伽羅奢(ガラシャ)。
 たくさんの作品に描かれてきたキリシタン夫人だが、彼女は家康が会津に出立したあと、大坂で繰り広げられた人質策を拒否して死を選び取っている。
 あるいは長曾我部一族。
 西軍につくか東軍につくかの混迷に家康に送れなかった密使によって西軍につく決断をしたもののその後過酷な運命が待っていた。
 司馬は「関ケ原は土佐の場合、三百年つづいたといえるだろう」と書いている。

 そして、真田一族である。
 この中巻の終り近くで「六文銭」と章立てされて、有名な犬伏の別れが描かれている。
 司馬は兄信幸を「農夫のように現実的な発想法の人物」で、西軍についた父昌幸と弟幸村を「商人のような夢想と野心に満ちた投機的性格」としている。
 これこそ、家康と秀吉の違いそのものである。

 関ケ原の戦いの結果はわかっているが、下巻が楽しみだ。
  
(2016/11/12 投稿)

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  実はもう
  山崎ナオコーラさんは芥川賞から
  見放されてしまったと
  思っていたのですが
  第155回芥川賞候補となった
  『美しい距離』が
  思った以上に評価が高く
  もしかして
  まだまだ狙えるのではないかと
  思ってしまいました。
  書評にも書きましたが
  この作品の書き出しはいいですね。
  こういう文体は好きです。
  こういう作品を
  これからも書けるかどうか
  山崎ナオコーラさん
  がんばってください。
  ここまできたら
  芥川賞とっちゃいましょう。

  じゃあ、読もう

  

sai.wingpen  山崎ナオコーラさんに芥川賞をあげたい                   

 第155回芥川賞候補作となった作品で受賞には至らなかったものの作品の評価は高かった。
 選考委員の宮本輝氏がこれまでの山崎作品の候補作の中では「最も優れている」と書いて、それは「静謐さの持続力」であると続けている。
 作品を読むとこれが山崎ナオコーラの作品であるのかと少し背筋が伸びた。この作家はこんなにうまい人だったのかという感じである。
 今回の作品が末期ガンで死の瞬間が近い妻を持った男の話というせいもあるだろう。
 常になく声のトーンを落とした作品になっている。

 しかし、宮本氏が書いているようにこれまでにもこういった作品はあったように感じる読者も多いだろうし、堀江敏幸委員のように「どこかサンプリングに似た危うさ」を感じない訳でもない。
 ただ島田雅彦委員が「ファンタジー仕立てで夫婦愛を謳い上げれば、芥川賞などに頼らなくても、ベストセラーが狙えるはず」は作品の本質を見誤る意見だと思う。
 山崎さんが欲しいのはベストセラーではなく芥川賞だと思うが、それゆえにそのための作品作りとなっていたらそれもまた違うだろう。

 作品を生み出すにあたって終末ケアの現状や介護休暇の実態を調べたのだろうが、詩的な文体の書き出しや死に向き合っている妻のサンドイッチ屋の描き方などうまいのに、そのあたりが残念ながら説明的になっている。
 妻の母と主人公の夫の気持ちの微妙なずれが面白かったが。
 ただこういう作品を書いたのだから、山崎ナオコーラさんの芥川賞への道はまだまだ続くのだろう。
  
(2016/11/11 投稿)

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  先月22日に亡くなった俳優の平幹二朗さんは
  シェークスピア俳優としても有名でしたが
  一躍その名を有名にしたのは
  1963年のTV時代劇「三匹の侍」でした。
  一匹めが丹波哲郎さん、
  二匹めが平幹二朗さん、
  そして、三匹めが長門勇さん。
  この作品を撮ったのが
  今日紹介する本の主役五社英雄監督。
  ということで
  今日は春日太一さんの
  『鬼才五社英雄の生涯』を
  紹介します。
  残念ながら
  私は五社英雄作品をほとんど観ていなくて
  この本を読んだので
  今度夏目雅子さん主演の
  「鬼龍院花子の生涯」を観てみようと思っています。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  映画は賭けだよ                   

 五社英雄という名前を知っている人も少なくなったのではないか。
 亡くなったのが1992年だから、すでに20年以上前になる。
 五社が撮った作品でいえば有名な「鬼龍院花子の生涯」は1982年の作品だし、さらに遡って五社の名前を一躍有名にしたTV時代劇「三匹の侍」にいたっては1963年だから半世紀以前のことである。
 そういう映画監督の生涯を一つの作品としてまとめるには書き手の並々ならない思いがあるにちがいない。
 作品となるまでの経緯はこの本の「おわりに」で著者自身が自ら綴っているから参考にして欲しいが、五社英雄への愛だけでなく著者が映画というものに関わってきた積年の思いもまた、この本の原動力になったといえるだろう。

 さて五社英雄であるが、私の印象でいえば生涯テレビの世界から来た巨匠と言われ続けた監督という感じがする。
 それほどに五社の撮った「三匹の侍」の印象が強かったということだろう。
 残念ながら当時の撮影事情から「三匹の侍」の原本は見られないらしいが、テレビという媒体が急速に広がっていく過程において、この時代劇が果たしたものも大きい。

 本編が労作であるゆえに本の構成として残念なのが、やはり五社英雄の作品一覧のようなものが付いていればよかった。
 きっとこの本を読み終わった読者は五社英雄の作品を観たくなるに違いない。
 だとしたら、主演俳優や主要なスタッフ名は列記してもらいたかった。
 「映画は賭けだよ。らくにいこうぜ」と言った五社英雄には似合わない小さな繰り言かもしれないが。
  
(2016/11/10 投稿)

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  1年間で出版される点数は
  およそ8万点といわれますが
  そうすれと
  私の子どもの頃よりは
  確実に4百万点も作品は増えているわけで、
  今の人たちも
  そんな数から読むのであるから
  大変なことです。
  川端康成とか三島由紀夫といった
  かつての文豪の作品を読むのも
  これでは難しいに違いません。
  だからといって
  いきなり
  今日紹介する花房観音さんの
  『花びらめくり』を読むのではなく
  下地となった作品は
  読んでもらいたいものです。
  もっとも
  この作品を読んでから
  読むのもまたいいものですが。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  活字のエロスを楽しむ                   

 日本文学の名作にリスペクトを払いつつ、悩ましい官能の世界を描いた短編に仕上げた官能小説家花房観音の文庫オリジナル短編集。
 作品の下地となった名作は、芥川龍之介「藪の中」、川端康成「片腕」。谷崎潤一郎「卍」、夏目漱石「それから」、三島由紀夫「仮面の告白」の5作品である。
 川端や谷崎はもともと耽美的な嗜好があるから官能作品にしやすいが、漱石の「それから」ともなればどのような香料を振りかければそうなるのか、作品にあたってもらいたい。
 ヒントといえば、百合の香り。確かに漱石の作品でも百合の花はうまく使われていたはずだ。
 そういうところをうまくすくいとった花房観音はこの本の「あとがき」で少女時代の読書体験を綴りながら、「文学と呼ばれる小説は、私にとってはエロ本みたいなものであった」と告白している。

 そういえばと思い出してみれば、谷崎の「痴人の愛」とか三島の「潮騒」にもどきどきしながら読んだ記憶がない訳ではない。
 少年少女時代の読書には他人には聞かせられない秘めやかな罪の匂いのようなものがあるのも事実だ。
 花房観音のこれらの短編を読みながら、幼い頃の読書体験を思い出していたのも妙な話ではあるが。

 花房観音は「あとがき」の最後に「妄想を搔き立てる活字のエロの楽しみ」という言葉を記しているが、官能小説を単に「いやらしい」という一言で蔑視するのは活字の楽しみの幅を狭めているといえる。
 花房観音の作品は読めなければ、せめて谷崎潤一郎を読むのもいいのではないかしらん。
  
(2016/11/09 投稿)

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 立冬になって
 俳句の世界では冬の部に入りましたが
 紅葉、黄葉は秋の季語
 でも、都内ではこれからが紅葉、黄葉の見頃です。

  20161107_111330_convert_20161107133935.jpg

    黄葉してポプラはやはり愉しき木      辻田 克己

 先週11月1日に
 上野の東京都美術館で開催されている
 「ゴッホとゴーギャン展」の貸切鑑賞に行ってきました。

  CIMG1706_convert_20161107134053.jpg

 有名な美術展は大層混んでいるもので
 特に日本人はゴッホゴーギャンも好きですから
 この展覧会も人気が高いようですから
 貸切りの空間で
 じっくり絵画を鑑賞できること程
 贅沢なことはありません。

 ゴッホゴーギャン
 この二人の絵が大好きという人は多いと思いますし、
 これだけ有名な二人ですから
 その人生の略歴も知っている人が大勢いると思います。
 この二人は
 1888年に南仏アルルで共同生活を送っています。
 その期間、
 約2カ月。
 その2カ月を長いとみるか短いと思うか
 結構微妙な時間だと思います。

    ゴーギャンと私は、体中の熱が消えるほど感情を高ぶらせ、
    話し込んだものだ。


 これはゴッホの手紙の一節ですが、
 ともに天才ですから
 スパークするような時間だったのではないでしょうか。

 この展覧会では
 二人の初期から晩年に至る作品の中から
 約50点の油彩画が展示されています。
 中でも目玉の展示が
 ゴッホが描いた「ゴーギャンの椅子」です。
 これと対になる「ゴッホの椅子」もあるのですが
 それは今回展示されていません。
 それでも
 それぞれの椅子を再現して
 出口近くに飾られていますから
 お見逃しなく。

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 この展覧会、
 12月18日まで開催されています。
 芸術の秋を
 愉しむのもいいですよ。

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 今日は立冬

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    音たてて立冬の道掃かれけり     岸田 稚魚

 暦の上では今日から冬で
 今日は各地で冷え込むようです。
 11月3日に
 大阪に帰省して
 その時に見た富士山はうっすらと雪をかぶっていました。

  20161103_094907_convert_20161106182356.jpg

 富士山には雪がよく似合います。

 昨日(11月6日)帰ってきて
 久しぶりに菜園に行ったのですが
 心配なのが
 イチゴの畝。

  CIMG1702_convert_20161106182448.jpg

 写真でわかるように
 一角が崩れていますよね。
 もしかしたら
 これはモグラ のいたずらではないかと
 疑っているんです。
 子供の頃に
 本物のモグラを見たことがありますが
 今回は果たしてどうでしょうか。
 気になるところです。

 先日蒔いた
 スナップエンドウは芽をのぞかせました。

  CIMG1703_convert_20161106182541.jpg

 でも、まだまだこれからです。

 ハクサイはしっかり立っていますが
 ダイコンの発育はいまひとつ。
 収穫までにはまだ日数が足りませんが
 成長の片鱗があまり見られません。

 今週の土曜日は
 菜園でおイモのイベントがあります。
 天気になるといいのですが。

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プレゼント 書評こぼれ話

  久しぶりに
  大阪の生まれた家に帰って
  両親の墓参りをしてきました。
  家の墓所には
  両親だけでなく
  その父母、
  私からすれば祖父母も眠っていますし
  そのまたご先祖もいます。
  今日紹介する
  長谷川義史さんの
  『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』のような
  おじいちゃんまではさすがに
  いません。
  列をくんだとしても
  私のところまでは
  せいぜい3、4人じゃないかな。
  もちろん、うんと前は
  どんな人だったのか
  気にならないわけではありませんが。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  あなたならいくつまで数えられますか                   

 本をたくさん読むには、几帳面な人よりどちらかといえば大雑把な性格の人の方がいいのではないかしらん。
 几帳面な人が雑誌なんか読むと隅から隅まで読まないと気がすまないとしたら、ちょっとばかり気が遠くなる。
 新聞がいい例で、毎朝届く新聞全紙面を読んでいたら続けざまに夕刊紙を読むことになってしまう。
 大雑把な性格であれば、全部読むなどということに縛られることなく、自分が気になった記事や文章をさっさと読んでおしまいではないだろうか。

 長谷川義史さんのこの絵本もそうだ。
 几帳面な人にとっては恐怖の一冊だろう。
 ようちえんに通う5歳の男の子が主人公のこの絵本、男の子が自分のおじいちゃんのそのまたおじんちゃんの、という具合にどんどん祖先をたどっていくお話。
 おじいちゃんのおとうさんのことを「ひいおじいちゃん」というが、この絵本にはたくさんの「ひい」が出てくる。
 ページいっぱい「ひい」なんてページもあるくらい。
 もし、几帳面な人がこの絵本を読んだら、「ひいひいひいひい…」とずっと続いて、おそらく今自分がどのあたりの「ひい」を読んでいるのかわからなくなってしまうにちがいない。
 そして、最後には「ヒィー」っていって倒れてしまうのじゃないかな。

 その点、大雑把な人ならページいっぱい書かれた「ひい」の全体をさっと目にしておしまいじゃないかな。
 自分の性格がよくわからない人はこの絵本を読んでみるといい。
 いくつまで「ひい」を数えられるか。
  
(2016/11/06 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  NHK大河ドラマ真田丸」が
  いよいよ終盤である。
  三谷幸喜さんの脚本がいいから
  見ていて気持ちがいい。
  先日もあの関ケ原の戦いを
  わずか数十秒で描いたと評判であった。
  司馬遼太郎さんなどは
  文庫本三冊の大作で描いたのに。
  そこで『関ケ原 上巻』。
  できたら年内中に『関ケ原』を読み終え
  大河ドラマの熱がさめないうちに
  『城塞』まで読みたいのですが。
  間に合うか、
  「真田丸」終了までに。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  狐と狸                   

 戦国の天下人といえば、やはり織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の3人であろう。
 この3人の中で誰が一番好きかと問われればそれぞれ好みの問題もあろう。
 ただ不思議なのは秀吉である。晩年の朝鮮出兵などどう考えても暴挙愚挙としか思えないが、それでも今でも人気が高いのはどうしてだろう。
 そんな三人と比べれば、石田三成などは小さい小さい。
 もしかしたら家康に勝ったかもしれないほどの武士ながらどうも人気が出ないのは三成の魅力のなさだろうか。
 しかし、現代のビジネスマンとしてはどうだろう。
 案外優秀な人物だったかもしれない。
 いや、それにしてもこの性格だから、なかなか人はついていかないような気もする。

 そんな三成が生涯をかけた大いくさ、「関ケ原の戦い」。
 おそらく日本史の授業でも欠かすことのできない東西を二分しての戦いであるが、当然そこに至るまでには多くの人々の思惑が交錯している。
 司馬遼太郎が描く「関ケ原」は文庫本にして三分冊になっている長編。
 まずその最初となる「上巻」では秀吉の死から次第に力を見せつけていく家康とそれに歯噛みしていく三成の姿を描いている。
 加藤清正たちに追われて敵将家康の館に逃げ込む三成など、家康三成双方の思惑が面白い。
 まさに狐と狸の化かしあいです。
 家康三成だけでなく脇をしめる清正や家康の謀将本田正信、あるいは三成側の島左近など一人ひとりの描写が細かい。
 もちろんこれはSFではないので戦の結果は動かしようもないが、歴史はなんと面白いのだろう。
 それも司馬遼太郎の作家としての出来の良さともいえるが。
  
(2016/11/05 投稿)

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  歌人河野裕子さんが
  雑誌「歌壇」の企画で
  2000年2月から2001年1月まで
  毎日1首詠んだのが
  歌集「日付のある歌」です。
  11月4日にはこんな歌が。

    江戸柿は実も葉もおほきくゆつたりと時を急がず霜月に入る

  家族歌と思われがちな河野裕子さんですが
  こういう叙事詩的な歌もいいですね。
  今日は
  河野裕子さんが生前刊行した歌集から選歌された歌集
  『あなた 河野裕子歌集』を紹介します。
  秋の夜長、
  河野裕子さんの短歌の世界に
  親しむのもいいですよ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  あなたに触れたきに                   

 短歌にしろ俳句にしろ短詩型の文芸は創作志向が強い文芸だと思う。
 作歌している人は多いが、読むとなるとなかなか読者層は広がっていかないのではないか。
 短歌の世界でいえば俵万智の功績は大きいが、河野裕子も短歌好きだけでなく広く読まれている歌人であることは間違いない。
 河野裕子が64歳で亡くなった2010年(平成22年)の8月であった。
 それでも今でもこうして河野裕子の歌集が出るのであるから、その人気の程がわかる。
 しかもこの歌集は河野裕子が生涯に出版した15集からその集ごとに河野の家族、夫の永田和宏、長男の淳、長女の紅が選歌した1567首が収められているのだから、河野裕子の歌が好きな人には最適な一冊であろう。

 河野裕子ですらその歌集を手にすることはまれであるから、こういう形であれ、その片鱗だけでも読めることは幸せといえる。
 しかも、書影であったりそれぞれの集に収められた「あとがき」なども読める。
 こういう出版ができるのも、河野裕子の力であろう。

 その河野裕子が短歌創作をどのように考えていたかが、歌に残っている。
 最後の歌集となった『蝉声』に収められた、この一首。
 「冬枯れの日向道歩み思ふなり歌は文語で八割を締む」。
 人生の終りにしてなお作歌の心得を新人のようにして詠む、その初々しさに胸を打たれる。
 もちろんこれだけの歌が並んでいるから、読者一人ひとりが自分の好きな河野裕子を見つければいい。
 私はこの一首。癌の再発がわかった時読まれた歌。
 「何といふ顔してわれを見るものか私はここよ吊り橋ぢやない」。
  
(2016/11/04 投稿)

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  今日紹介する
  藤子不二雄A(正しくは丸の中にA)の
  『まんが道』を読んでみようかと思ったのは
  岡崎武志さんの『ここが私の東京』を
  読んでからだ。
  その中の一篇に
  この作品が取り上げられていた。
  全14巻の作品だから
  1巻ずつ紹介しようかとも考えたが
  一気にした方がいいかと思って
  今回は全14巻の紹介ということにします。
  漫画だから、というのは偏見で
  漫画だからこそ、というのが正しい。
  どうしてかというと
  子どもの頃に教わった多くは
  漫画からだったように思います。
  全14巻の漫画を読むのは大変でしょうが、
  できれば若い人たちには
  ぜひ読んでもらいたいと思います。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  学校図書館に置いて欲しい全14巻                   

 昭和30年代40年代に子どもだった人にとっては石ノ森章太郎は絶対石森章太郎だし、藤子不二雄はFでもAでもなく、たった一人の漫画家なはずだ。
 藤子不二雄が藤本弘(代表作は「ドラえもん」)と安孫子素雄(代表作は「怪物くん」)という二人の共同ペンネームだということは「オバケのQ太郎」時代から有名だった。
 ただどういう分担で二人が創作活動を分けているのかは子どもながら不思議だった。
 二人が名前を分けたにはそれなりの理由があったのだろうが、やはり作風の違いが一番だったのではないだろうか。
 極端な言い方をすれば、藤本はいつまでも少年漫画にこだわり、安孫子は青年漫画を志向したともいえる。
 そんな安孫子だから、二人の「まんが道」が描けたのだし、その作品の完成度が非常に高くなったのであろう。
 もっというなら、藤子不二雄でなければこの『まんが道』はできなかったと思う。

 中公文庫コミック版として全14巻となる漫画を最近の漫画出版で図るとけっして大長編にはならない。
 しかし、14巻すべてを読み終わるとまるで教養小説を読了したような気分になる。
 なお、書誌的にいうと14巻めはなるほどそれまでの続きのような描かれ方がされているが、13巻で「まんが道」正編が終わっているような気がする。
 13巻の最後のページに「なろう!なろう!あすなろう!明日は檜になろう!」という井上靖の『あすなろ物語』の一節が記されているのでもわかる。

 この漫画は戦後富山の高岡から漫画の神様手塚治虫にあこがれて漫画家を目指そうと上京してくる二人の若者の姿を描いているが、青春ドラマという要素だけでなく戦後の漫画黎明期の若い漫画家たちの姿や漫画の出版事情もうかがえる。
 織物が縦糸と横糸でできあがるように、この漫画もより重厚により華やかに織りあがった作品といえる。
  
(2016/11/03 投稿)

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 小学校から始まって
 中学、高校、
 それに大学まで行かせてもらった。
 しかも間に予備校なんていうところにも通った。
 それだけ勉強すれば十分なのに
 おとなになってからも
 そういう機会を見つけては受講している。
 けれど、クイズ的な知識ぐらいは身についても
 その本質ともなれば
 何ひとつ学んでこなかったかもしれない。

 例えば、道元
 名前は知っている。
 確か鎌倉時代のお坊さん。
 道元が記した本は、
 えーと、
 『正法眼蔵』。
 これくらいは、と思っても
 この読み方、私はずっと「しょうほうがんぞう」だとばかりに思っていたが
 正しくは「しょうぼうげんぞう」。
 まいったなぁ。

 今月のNHKEテレの「100分 de 名著」は
 その『正法眼蔵』を勉強します。

  

 記したのは
 曹洞宗の開祖道元
 福井の永平寺を開いて、えらーいお坊さん。
 『正法眼蔵』の「正法」というのは正しい教えのこと、
 つまりは釈迦の本当の教え。
 それを読み解くには「智慧」が必要で
 それを「眼」と表現しています。
 つまりは、
 「釈迦の正法を正しく読み取る智慧を、弟子たちや後世のわれわれに教えよう」としたのが
 この『正法眼蔵』ということ。
 あ、これはテキストに書いてありました。

 今回の講師は
 仏教思想家のひろさちやさん。
 第1回めは7日の月曜の
 「「身心脱落」とは何か?」から。
 2回め以降は
 「迷いと悟りは一体である
 「全宇宙が仏性である
 「すべての行為が修行である」と
 続きます。

 悟りは開かれるかな。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日から11月。
  そして、今は読書週間の真っ最中。
  先週10月28日から
  本の街神田神保町
  「神田古本まつり」が開催されました。

  20161029_102546_convert_20161030134602.jpg

  今年でなんと57回めです。
  翌日の土曜日には
  本の街の本まつり「神保町ブックフェスティバル」が
  二日間にわたり開催されました。

  20161029_102655_convert_20161030134642.jpg

  このフェスタでは出版社のワゴンがびっしりと並んで
  なんと市価の半額は当たり前ぐらいの
  お値打ち価格で販売されています。
  私は10月29日の土曜に出かけたのですが
  あっというまにワゴンのまわりは人・人・人。
  せっかくだったので
  近代映画社さんのワゴンで
  今日紹介する『チラシ大全集』のパート1を
  半額でゲット。
  でも、帰る道すがら
  もっと買っとけばよかったと
  悔やむことしきりでした。
  とほほ。
  なお、「神田古本まつり」は
  11月6日までです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  大人になっても映画は面白い                   

 フランソワ・トリュフォー監督の「大人は判ってくれない」(1959年)に主人公の少年が映画のポスターを盗む印象的なシーンがあった。
 映画が好きな人なら、この男の子の心情がよくわかるはず。
 昔の映画はポスターだけでなくチラシとかパンフレットとかは宝物のような感覚があった。
 というのも、今の時代のようにロードショーで観て数カ月もすればDVDが販売やレンタルされるということがなく、観た映画を追体験するにはチラシとかパンフレットが欠かせなかったからだ。

 もうひとつ、映画の世界を追いかける方法として映画雑誌の存在が大きい。
 それも「キネマ旬報」のような専門誌ではなく、女優や男優のグラビアや情報がたくさん載っている映画雑誌に夢中になったものだ。
 その筆頭にあったのが近代映画社の「スクリーン」だったのではないか。
 この本はその「スクリーン」の別冊のようにして編まれたもので、ページを開くと、あこがれの映画チラシがあふれている。

 この「パート1」は1945年から1969年までの洋画チラシが編年体で掲載されている。
 当然読者の年齢にもよるだろうが、私にとっては映画に夢中になる一歩前の時代。
 それでも、チラシを見ているだけでワクワクしてくるのは、あの頃の心情に近い。
 いまではクラッシックと呼ばれる作品群であるが、封切り当時は新鮮そのものだったに違いない。
 冒頭で紹介した「大人は判ってくれない」もちゃんと載っている。ただし、日本での封切りの1960年の映画として。
  
(2016/11/01 投稿)

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