今日は大晦日

    ともかくもあなた任せのとしの暮     小林 一茶

 なんともハイカラな(これって言わないな、最近)な一句。
 先日今年の漢字が発表されていましたが
 「」とはちょっと安易すぎません?
 今年はやっぱり「」だと思うのですが。
 広島カープの「神ってる」活躍、
 それに「シン・ゴジラ」は「神・ゴジラ」でもいいのでは。

 昨日久しぶりに本棚の掃除をしました。
 昔読んだ本たちの顔を見ていると
 また読んでみたいなと思うことしきり。
 しかし、なかなか
 「昔の名前で出ています」(これも言わないな、最近)本までいきつきません。

 2016年に読んだ本は220冊
 年々読書量が減っているのです。
 その要因について考えました。
 ひとつは大衆文学の面白さにはまったこと。
 直木賞もそうですが
 このジャンルの小説はとにかく長い。
 司馬遼太郎さんの作品なんかは
 500ページ以上あるのですから、
 しかも上中下と続く。
 その点純文学の作品は
 短い。
 せいぜい200ページ前後。
 次にビジネス本の読書が減ったのも
 読書量減少の要因。
 このジャンルの本は割りと読みやすい。
 一日あれば十分読破できました。

 それよりも、何よりも
 加齢による読書量減退が一番大きいと
 密かに呆然としています。
 読書は体力勝負なのです。
 読書家はもしかして体育系かも。

 今年のマイ・ベスト1
 池井戸潤さんの『陸王』。

  

 読ませる力は
 さすがです。
 そういえば池井戸潤さんの小説って
 体育系かも。
 走ります、走ります

 次に特別賞ではないですが
 NHK大河ドラマ「真田丸」に誘発されて読んだ
 司馬遼太郎さんの
 『豊臣家の人々』『関ケ原』『城塞』も
 面白かった。
 今さらいうのも何ですが
 この三作品を読んでいたら
 「真田丸」はもっと面白かったかも。

 読書量が減った一方で
 今年観た映画の本数は117本
 ついに100本突破。
 映画館で観たのは10本程度ですが
 今年は「君の名は。」「シン・ゴジラ」「この世界の片隅に」といった作品を
 映画館で観たから
 よく出来ました、です。
 そして、なんといっても新海誠監督。
 「君の名は。 」を観てから
 新海誠作品をレンタルしてみんな観ました。
 一番良かったのは
 「秒速5センチメートル」。
 すっかり魅了されました。

  

 このブログを
 今年も一年間毎日読んでいただいて
 ありがとうございました。

 皆さん、よい新年をお迎えください。

 そして、来年も
 本のある豊かな生活でありますように。

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   もういくつねると お正月

 現代の子どもたちも
 こんな風に歌うのかな。
 ちなみにこの唱歌は
 ズバリ「お正月」というタイトルで
 作曲はあの滝廉太郎なんですね。
 しょうか(そうか、のダジャレ)

 あと2つも寝ればお正月ですが
 来年の準備は進んでいますか。
 そういえば、今年から
 新潮文庫の「自分の本。」、
 『マイブック』を買ったのですが
 一年経って
 こんなことになってしまいました。

  CIMG1707_convert_20161216155014.jpg

 私はこの『マイブック』を新聞記事のスクラップみたいに使ったので
 こういうことになってしまった訳です。
 では、どんな記事がスクラップされているかというと
 4月1日には

    第1回渡辺淳一文学賞 川上未映子さんが受賞

  そうでしたか。
 5月27日には
  
    フルマラソン完走者はこの10年間で3.4倍に増えました

 なんていう記事。
 一年分読む返すのも大変です。

 さて、来年はどんな使い方をしようかな。

  

 スクラップでいいのですが
 もう少し
 減量したいですよね。

 手帳は毎年の能率手帳
 購入しました。
 仕事を辞めてフリーになってからは
 カジュアル版にしています。
 来年はキャロット
 ニンジン色といった方がいいかな。

  

 これで準備万端。

   はやくこいこいお正月~

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プレゼント 書評こぼれ話

  総合誌「文藝春秋」に
  外交官の経験を持つ作家の佐藤優さんが
  「ベストセラーで読む日本の近現代史」という連載を
  行っている。
  実はその多くは未読であったり
  読んでいても随分以前に読んだものだったりで
  いつもこの機会に読もうと思ってはいるのだが
  なかなか実行に移せない。
  最新刊の新年号では
  新田次郎さんの『八甲田山 死の彷徨』が
  取り上げられていて
  この作品も読みそびれた一冊でもあったので
  やっと読むことができた。
  佐藤優さんは連載の中で

    組織の非情さを見事に描いた作品だ。

  だと書いています。

    国家に仕える軍人や官僚の思考を知るという点でも
    本書は有益だ。

  読まれていない人はぜひ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  記録文学の傑作                   

 『強力伝』で第34回直木賞を受賞した新田次郎氏の作品の中でも最も人気の高いもののひとつが、本作品だろう。
 新田氏は1980年2月に67歳で亡くなっているから、すでにその人なりを記憶している人も少なくなっているかもしれない。(ちなみに、奥さんの藤原ていさんは2016年11月98歳で長寿を全うされた)
 新田氏は気象庁に勤務し、富士山気象にも関わったことがある特異な作家である。
 明治35年に起こった雪中行軍の遭難事故は200名近い死者が出た歴史上有名な事故だが、今日までそれが記憶として残っているのは、新田氏のこの作品のおかげともいえる。

 青森5聯隊と弘前31聯隊はある日の「冬の八甲田山を歩いて見たいと思わないかな」という旅団長のちょっとした言葉から厳冬の八甲田山縦断に挑むことになる。
 この作品では多くの死者を出した青森5聯隊と一人の死者も出さずに縦断に成功した弘前31聯隊の行動過程を描くことで、組織がどのようにして失敗していくかを描いている。
 新田氏の文体はほとんど業務連絡のように事由だけを積み重ねていく。さらに氏の得意とする気象知識がそれを補足し、人をして「記録文学」とまで呼ばせることになる。

 もちろん新田氏はそういう表現方法をとることでまるで読者をもまた厳冬の八甲田山に迷い込ませたといえる。
 その一方で弘前31聯隊を案内して最後には過酷に放り出される農民たちの姿を描くことで地に生きる者たちへの優しい視線も忘れてはいない。

 「山というものは優しい姿をした山ほど恐ろしい」。
 山を愛した作家新田次郎氏ならではの言葉である。
  
(2016/12/29 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は久しぶりの
  東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズ
  文庫化36弾めの
  『サンマの丸かじり』。
  もちろん、
  装丁は和田誠さん。
  でも、この装画に使われている
  缶詰をもってあたふたしてるのは
  作品でいえば
  「「困るを楽しむ」ゼリー」の巻に出てきた漫画。
  それをまるで
  サンマ缶みたいに見せた
  これは和田誠マジックか。
  今回の解説は
  椎名誠さんが書いています。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  文庫解説の書評 - ショージさんとシーナさん                   

 東海林さだおさんの大人気シリーズの36弾の文庫本。
 初出誌の「週刊朝日」に連載されていたのが2012年から13年にかけて、単行本になったのが2013年秋。
 おお、それからなんとも長い時間が経ちました。
 「小倉トースト」はすっかり当たり前、回転寿司でラーメンが出てきても誰も驚かなくなりました。
 文庫になるまでに食文化も変わってしまうのです。

 今回の文庫解説は大御所シーナさん。
 シーナさんって馴れ馴れしく呼んではいけません。何しろ大御所。椎名誠さん。
 シーナさんとショージさんってカタカナにすると雰囲気が似ていることに今気がつきましたが、このお二人、大御所になってもいつまでもアマチュア的な感じが残っているところもよく似ています。
 だから、ついシーナさん。
 だから、思わずショージさん。

 今回の解説ではシーナさんが初めてショージさんと対談したビアホールでの情景から書かれているのですが、その場のなにげな いやりとりを読んでいると、これぞシーナさん、これぞショージさんっていうあたり、さすがにシーナさんは文章が的確。
 あくどくない。
 そこから、解説のタイトルである「学問の丸かじり」までもっていくのだから、ショージさんもうまいけど、シーナさんもさすが。

 シーナさんはショージさんの「丸かじり」シリーズを「哲学の範疇」といったり「自然科学」の分野といったり「動物行動学」でもあるともみている。
 いやいや、「民俗学」だ、「世相史」だと、言うわいうわ。
 だとしたら、ショージさんは現代の福沢諭吉かもしれない。
 そして、いつの日かお札の顔になるかもしれない。
 なんて、読者に思わせるのだから、シーナさんの文章も相当うまい。
  
(2016/12/28 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今年NHK大河ドラマ真田丸」を
  もし見なかったら
  司馬遼太郎さんの
  『関ケ原』もこの『城塞』も
  読まなかったかもしれません。
  というわけで
  今日はいよいよ『城塞(下)』で
  大坂城の落城までを
  読みます。
  まさに「真田丸」さまさまです。
  今日の書評にこの長編小説の最後の文章がいいと
  書きました。
  それは落城のあと
  多くの豊臣に関係する人たちが処刑されたのですが
  司馬遼太郎さんはそれを書くのは悲傷であるとして

    そのことに心を残しつつ、
    ひとまず筆を擱くほうがいまはよさそうに思える。

  で終わる文章のことです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「無限の可能性を夢想させる時代」を生きた人たち                   

 大坂の陣を描いた司馬遼太郎の長編小説は、文庫本にして上中下の三巻に分かれている。
 この下巻では夏の陣と呼ばれる家康勢と豊臣勢との最後の戦いから大坂城落城までが描かれている。
 「絶望的な戦いをしようとする五万」の豊臣側と「三十万の東軍とどちらが英雄的行動であるか」、司馬さんは当然それは豊臣側に「同情を寄せるにちがいない」と書いている。
 この小説では家康の謀略のひどさが目立つが、それ以上に豊臣秀頼や淀君の愚かさにも司馬さんの筆は容赦がない。

 その一方で豊臣側に味方した牢人たちには優しい。
 真田信繁といわれた幸村については、特にだ。
 彼の人物について「情のこまやかなうまれつきで、しかも性格にあまりひずみがなく、人あたりもよかった」と記している。
 そんな幸村をもっと生かせれば、あるいは時代はまた別の様相を見せたかもしれない。いや、司馬さんはそんな「もしも」を描いている訳ではない。

 ただ、信繁や後藤又兵衛といった豊臣側の諸将だけでなく、この長編小説の狂言まわし的に描かれている徳川側の謀者である小幡勘兵衛を仲立ちにして、この時代のことを「ひとびとに無限の可能性を夢想させる時代」であったと、司馬さんは書いた。
 信繁の心にもそういう灯が点っていたかもしれない。
 そういう夢想があればこそ、この時代は面白いといえる。
 そして、豊臣頼朝には残念ながら己にそんな「無限の可能性」があるとは思いもしなかったのではないだろうか。

 蛇足ながら、この長い物語の最後の文章はなんともいえず、いい。
 司馬さんの小説家としても巧さだ。
  
(2016/12/27 投稿)

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 いよいよ今年も押し迫ってきました。

    歳晩の水を見てゐる橋の上      加藤 耕子

 この俳句そのままに
 先日菜園のそばを流れる鴻沼川を橋の上からのぞいてみると
 なんとも美しい魚の群れ。

  20161221_092818_convert_20161225141514.jpg

 鯉なのか鮒なのか
 いずれにしてもたくさんの魚が
 寄り集まっていました。

 先週蒔いたホウレンソウ
 小さな芽を出していました。

  CIMG1774_convert_20161225141622.jpg

 今は収穫するものがないので
 こんな小さなものでも
 育っている姿を見るだけで
 うれしいものです。

 12月25日は
 スナップエンドウキヌサヤ
 支柱をたてかけました。

  CIMG1775_convert_20161225141701.jpg

 写真でいうと
 左手前の苗がキヌサヤ
 残りはスナップエンドウです。
 そのあとに
 寒さよけのネットをかけておきました。

  CIMG1777_convert_20161225141745.jpg

 その横は
 寒おこしという
 天地返しをして
 来年の畝づくりにそなえます。

 菜園は路地栽培になりますが
 家ではベランダで
 プランター栽培をしています。
 やっぱり菜園での栽培の方が
 野菜の成長は早い。
 それでも
 なんとか小カブが収穫できました。
 あんまりかわいいので
 こんなメーキャップをほどこしてみました。

  CIMG1773_convert_20161225141549.jpg

 どうです?
 かわいくないですか。

 今年も野菜たちには
 癒されっぱなしでした。
 愉しい時間を過ごせているのも
 菜園のおかげ。
 来年はどんな野菜たちと
 会えるでしょうか。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日はクリスマス

    あれを買ひこれを買ひクリスマスケーキ買ふ     三村 純也

  クリスマスは
  いい映画やいい物語やいい絵本がたくさんあって
  今日も
  こうして素敵な一冊を紹介できることに
  感謝しています。
  今日紹介するのは
  増田久雄さんの『サンタクロースに会いました』。
  増田久雄さんがアメリカの88歳の夫人から教えてもらった話を
  物語風にした本です。
  書評にも書きましたが
  奇跡が起こるので
  きちんと読んで下さい。
  この本は上野紀子さんの絵が
  見開きの半分にはいっています。
  この絵も素敵です。

  じゃあ、読もう。 

  

sai.wingpen  クリスマスの奇跡                   

 「サンタクロースがいるのか、いないのかー。」
 とっても素朴な、しかしどう答えていいか困ってしまう質問です。
 うれしいことに、そしてちょっぴり寂しくはありましたが、私の娘たちからはこの質問をうけたことがありませんでした。
 娘たちもなんとなく気になっているのだけれど、言葉にしてしまうのが怖かったのかもしれません。

 この本を読み終わってしまえば、この質問にはこの本の話をすればいいと思います。
 それほどびっくりするような、クリスマスの奇跡が描かれています。
 それは最後のとっておきとして、サンタクロースがいるのかいないのか悩んでしまった少女メリーは大好きなおばあちゃんのところに行って、聞いてしまうのです。
 この時のおばあちゃんの答えが素敵です。
 「毎年、サンタクロースのお手伝いをしているの」
 「サンタクロースは、自分の姿を、けっして見せないものなのよ」

 さすがおばあちゃん、うまいことを言う。
 世界にはたくさんのサンタクロースのお手伝いがいるのです。
 私もかつてはそうでした、いえいえ、まだまだお手伝いをしています。
 どうしてかって?
 だって、こんな素敵な本をみんなに教えてあげられるのですから。

 実はこの本の奇跡のことはここでは触れていません。
 ですから、この本を読むときは、奇跡を信じてきちんと読んで下さい。
 きっと、驚きます。
  
(2016/12/25 投稿)

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  今日はクリスマス・イブ

     子へ贈る本が箪笥に聖夜待つ       大島 民郎

  この俳句を紹介するのは
  初めてではありませんが
  何回読んでもいい句です。
  こんな光景を
  過ごしてきたからかもしれません。
  娘たちもすっかり大きくなって
  自分たちのサンタをまだ見つけだしていないのが
  残念ではありますが。
  今日は
  なかがわりえこさんとやまわきゆりこさんの
  『ぐりとぐらのおきゃくさま』を
  紹介します。
  きっと
  この絵本が「箪笥に聖夜待つ」、
  そんな家もあるにちがいありません。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  サンタクロースがいるかって?                   

 『ぐりとぐら』が初めて世に出たのは、1963年(昭和38年)です。
 この時は「たまご」というタイトルでした。
 もう50年以上前のことです。
 絵本『ぐりとぐら』が出版されたのが1967年1月で、その半年後にクリスマスバージョンであるこの絵本が登場します。
 戦争が終わって日本経済もどうやら成長期に入ってきた頃ですから、普通の家でもクリスマスが普及し始めていたのではないでしょうか。

 子どもたちにどんなプレゼントが喜ばれるのか。
 きっと当時のお父さんやお母さんは、この絵本を見つけて「これだ」って思ったのではないでしょうか。
 だって、子どもたちが大好きなぐりとぐらが出てきて、サンタクロースまで登場して、しかもおいしいカステラまで描かれているのですから。
 この絵本はシリーズの中でも本編に次いでたくさん読まれています。

 それにしてもどうして「ぐりとぐら」はこんなにも人気ものなんでしょうか。
 それはとってもシンプルだからではないかと思います。
 どんどん世界が複雑になっていく中で、この絵本の世界だけはとってもシンプル。
 それは文章だけでなく、絵もそうです。
 無駄な線も色もありません。
 それなのに、この絵本の中にある豊かなものはどうして生まれるのでしょう。
 それこそ、読者が持っている想像する力だと思います。

 サンタクロースがいるかって?
 それはこの世界にぐりとぐらがいるのかっていう問いと同じくらい、淋しい質問だと思います。
  
(2016/12/24 投稿)

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  今日は天皇誕生日
  お休みの人も多いと思います。
  そして、
  明日はクリスマスイブ
  あさってはクリスマス
  今年は土日にあたりましたから
  家でケーキ を食べる人も
  多いでしょうね。
  そこで
  今日から3日間は
  クリスマス期間として
  子ども向けの本を紹介します。
  まず最初の一冊は
  湯本香樹実さんの『おとうさんは、いま』。
  実はこの絵本、
  私は友人から読み聞かせの実演で
  読みました。
  文章が声になって生まれるって
  素敵ですよ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  おとうさん、残業しないで帰りましょう                   

 この絵本の作者湯本香樹実(かずみ)さんといえば、『夏の庭』や『岸辺の旅』といった作品で有名な小説家です。
 絵本好きな人なら酒井駒子さんとの絶妙なコンビで著した『くまとやまねこ』を思い出す人も多いと思います。
 そんな湯本さんが独特なタッチの絵を描くささめやゆきさんとのコンビで出したのが、この絵本です。
 このお二人でどんな絵本になったのでしょう。

 おとうさんが絵本を読んでくれる約束だった夜、おとうさんは仕事で遅くなると連絡が入ります。
 まゆちゃんは約束したのにと、不満げで、なかなか眠れません。
 暗くなった外をみつめながら、「おとうさんは、いま」何をしてるだろうと考えています。

 その頃、おとうさんはお仕事が終わって帰宅途中。
 ところが、川沿いの道でカッパのガタロウに襲われてしまいます。
 これって本当のこと?
 それとも、まゆちゃんの夢のなか?

 危機一髪でガタロウから逃げきったおとうさんは一目散に家に駆けています。
 扉を開けると、まゆちゃんはまだ起きて待っています。
 でも、まゆちゃんはどうしておとうさんが帰ってくるのがわかったのでしょう?
 もしかして、ガタロウに追いかけられたことも空を飛んで逃げたことも、みんなみんなまゆちゃんはわかっていたのでしょうか。

 湯本さんの豊かな世界にささめゆきさんの絵がどんぴしゃりと合っています。
 だから、おとうさんがガタロウに追いかけれても空を飛んでも、みんなみんな本当にあったことのように思えます。
  
(2016/12/23 投稿)

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  今年もいくつかの美術館に足を運びましたが
  今年はなんといっても
  貸切りの会場で
  ゴッホとかルノワールとかに
  再会できたのがよかった。
  いい絵を独占したいという
  金満家はいますが
  その気持ち、
  わからないでもない。
  想像してみて下さい。
  部屋の中に
  自分と例えばゴッホの絵だけなんて。
  今日は
  原田マハさんの『デトロイト美術館の奇跡』。
  そういえば
  現在開催中の「デトロイト美術館展」には
  まだ行けていません。
  1月21日までだ。
  行きたーい。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  <奇跡>のような一冊                   

 「1885年に創立して以来、自動車業界の有力者らの資金援助を通じて、世界屈指のコレクションを誇る美術館として成長したデトロイト美術館」。
 これは東京・上野で現在開催されている「デトロイト美術館」の公式ホームページに書かれている一文です。
 この美術館はゴッホなどの印象派絵画をアメリカの公共美術館として初めて購入した館としても知られています。
 ところが、2013年にデトロイト市自体が財政破綻に陥ってしまいます。
 そんな市にあるこの美術館には至宝の美術品が収められているのです。
 当然のようにその売却を求める声があがります。

 それほど遠い昔の話ではないのに、そのニュースを知りませんでした。
 原田マハさんが得意とする美術ジャンルの作品で、四つの作品で構成されています。
 実話に基づくフィクション、つまりは破綻したデトロイト市からどのようにこの美術館が守られたかという美談ですが、原田さんの筆は決してその美談を押し付けるものではありません。
 どころか、貧しい生活からわずかなお金を差し出すフレッドという男の、絵画に寄せる思いの方に心うたれます。
 彼が愛した一枚の絵。
 それが表紙の装丁にも使われている、セザンヌの「画家の夫人」という絵です。

 この絵が四つの章それぞれに登場します。
 その都度、原田さんはこの絵画の魅力をそれぞれの言葉で紡いでいて、セザンヌ絵画の奥深い世界を現出させてみせます。
 小さな作品ですが、抱きしめたくなるような一冊です。
  
(2016/12/22 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  いやあ、終わってしまいましたね。
  そう、「逃げるは恥だが役に立つ」、
  じゃなくて
  NHK大河ドラマ真田丸」。
  こんなに熱心にみた大河ドラマは
  初めてかも。
  というぐらい面白かった。
  長澤まさみさんが演じた「きり」という女性が
  よかったですね。
  本当は最終回で
  もう少し真田信繁とからんでもらいたかったですが
  その前の回で
  盛り上がったからいいですか。
  司馬遼太郎さんの『城塞(中)』には
  その「真田丸」がたくさん出てきます。
  「真田丸ロス」になっている人は
  ぜひ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  いよいよ「真田丸」登場!                   

 いわゆる大坂の陣は、慶長19年(1614年)の冬の陣と翌年慶長20年(1615年)の夏の陣のことである。
 慶長5年(1600年)の関ケ原の戦いのあと、徳川家康が豊臣家をどのように滅ぼしていったかを描く、司馬遼太郎の長編小説は文庫本で上中下の三巻で構成されている。
 上巻で冬の陣に至る家康の策謀、中巻は冬の陣、下巻は夏の陣が描かれている。

 その中巻は「真田父子」という章から始まる。
 2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」で脚光を浴びた真田昌幸と信繁(幸村)父子の話であるが、司馬は大坂城に入った信繁の心情をこう記している。
 「四十幾年を為すことなく過ごしてきて、あのときもし右大臣家のおまねきがなかったとすれば高野山麓で虫のごとく果てる運命にあった。によって、いまは自分は望外な幸福の中にある」。
 信繁の活躍に家康が領地を与えんと調略を企てる場面で、信繁はこう言って大坂城を去ることはなかった。
 まさに「義」の武将であったといえる。

 大坂の陣には真田信繁以外に後藤又兵衛や明石全登といった、のちに五人衆と呼ばれる武将が活躍するが、司馬のこの作品でもそれぞれが各章ごとにその逸話が描かれていく。
 そして、「真田丸」という章も出てくる。
 彼らの活躍で大坂勢は優勢であったが、いかんせん豊臣方には家康のような頭(かしら)がいなかった。
 和睦という陰謀で大坂城の堀が埋められていく。
 あとは滅びるしかない。

 「滅びの業火のなかで牢人どもがいかにめざましく戦うか」、下巻へと続く。
  
(2016/12/21 投稿)

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 先日の日曜日(12月18日)
 恒例となった
 「図書館と県民のつどい SAITAMA 2016」に
 今年も行ってきました。
 昨年は直木賞受賞前の荻原浩さんが講演者でしたが
 10回めの今回は
 直木賞作家でTVでもよく見かける
 石田衣良さんの記念講演です。

 今回の会場は
 埼玉の北本市
 うむ、北本ってどんなとこだ?
 こういう時は早速『データでみる県勢』で
 調べましょう。
 東京からみると、さいたま市を抜けて
 上尾、桶川、その次は北本になります。
 人口は68千人ですから
 少しこぶり。
 でも、会場の北本市文化センターはとってもきれいな施設です。
 うれしいのは
 ここに図書館が併設されていること。
 この図書館も気持ちいい。

 そんな会場で
 石田衣良さんの演題は
 
   それでもやっぱり小説は面白い!
   僕が好きなとっておきの本について語ろう

 です。

  20161218_094521_convert_20161218155443.jpg

 さあ、石田衣良さんの登場です。
 青いジャケットがよく似合います。
 石田衣良さんは背も高いし
 細身だし、
 TVで見るようにおしゃれです。
 さすが石田衣良さん。
 女性の聴衆が多いのも納得。

 今回の講演は
 石田衣良さんの担当編集者でもある
 講談社の今井さんが質問をするといった形式でしたが
 ほとんど石田衣良さんのお話で
 でしゃばらず
 それでいて話を導きだす
 いい感じで進行していました。

 石田衣良さんは
 1960年生まれですから
 そろそろ50代も後半。
 本名が石平(いしだいら)という苗字で
 そこから石田衣良になっています。
 作家を夢みたのは小学2年の時というから
 早熟なのか。
 きっかけはその頃通っていた
 江戸川区立松江図書館のおかげとか。
 図書館は直木賞作家まで生み出すのだ。

 そんな石田衣良さんが薦める長編小説は
 池波正太郎さんの人気シリーズだそうです。
 石田衣良さんの人気シリーズ『池袋ウエストゲートパーク』には
 池波正太郎さんの影響が大きいとか。
 短篇では
 山本周五郎さんの『その木戸をとおって』と『大炊介始末』がいいそうです。

 石田衣良さんといえば
 『娼年』とか『sex』といった官能小説も書いていますが
 講演の中でも
 「日本で足りないのはエロス」って
 話されていました。
 若い人たちの結婚願望が少なくなっているのは
 結婚とかエロス感が低下しているのだとか。

 このほかにも
 小説がうまくなるコツも披露。
 石田衣良さんいわく、
 書き始めたら終わりまでしっかり書くこと。
 それを人に読んでもらう。
 このサイクルを続けることが大事だそうです。

 話があまりに面白くて
 90分は
 あっという間。
 講演が終わったあとは
 県立や私立図書館の活動状況の展示や
 埼玉県の大学の図書館の様子などを見てまわりました。

 今年もいいイベントでした。

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 あさって21日は
 二十四節気のひとつ、冬至
 一年で一番昼の時間が短い日。
 この日を境にして
 それからは日がまた伸びていきますから
 中国では一陽来復ともいうそうです。

    行く水のゆくにまかせて冬至かな      鳳 朗

 この季節は空気が乾燥しているせいか
 遠くの景色もはっきり見えます。
 我が家のベランダから
 ほぼ毎日富士山の姿を見ることができるのも
 この季節。

  CIMG1763_convert_20161216155052.jpg

 なんとも贅沢。

 そんな季節の菜園だより。
 今シーズン最後のダイコンを収穫しました。

  CIMG1764_convert_20161216155126.jpg

 1収穫最後の12本めのダイコン
 きれいなお姿だったので
 ホッとしました。

 さて、そのあと
 これから春まで放っておくのもなんですし
 かといって
 これから栽培できる野菜も限られているし
 しかも
 夏野菜の植え付け時期までにきちんと育つかどうか
 それも怪しいのですが
 家庭菜園家は貪欲なのです。
 防寒資材をトリプル使用で
 ホウレンソウコマツナを育てることにしました。

 まずは畝づくりから。
 ホウレンソウを育てるので石灰をまぜました。
 そのあとに
 今回は穴あき黒マルチを使います。

  CIMG1767_convert_20161216155159.jpg

 これがまず一つめの防寒対策。

 ホウレンソウとかコマツナはいつもはスジ播きをしますが
 今回は点蒔きです。
 種蒔きが終われば
 その上に不織布をかけます。

  CIMG1769_convert_20161216155241.jpg

 これが次の防寒対策。

 そして最後の仕上げは
 防虫ネットの上から
 換気用の穴があいたビニールをかぶせて
 トンネル栽培

  CIMG1770_convert_20161216155314.jpg

 これでトリプル防寒の完成です。

 まるで
 風邪をひいては困る受験生みたいに
 バッチリと防寒対策をしました。
 その成果がどうなるか。
 春が待ち遠しいですね。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する
  L・ジャフェさんとL・サン=マルクさんの絵本
  『お金とじょうずにつきあう本』を見つけたきっかけは
  日本経済新聞の夕刊でした。
  日本経済新聞てお堅いイメージがありますが
  絵本の紹介もあるんですよ。
  ただ、今回の絵本は
  さすが日本経済新聞がとりあげそうな
  子ども向けの経済絵本なのです。
  私なんか子どもの時に
  こんな教育を受けなかったので
  今でも欲しいものには
  がまんできなくなったりします。
  さすがに
  街中でだだをこねたりはしませんが。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  お金って大事なこと                   

 この絵本を見つけた時、あらためて絵本の世界の大きさに感心しました。
 何しろこの絵本は子ども向けにお金についてのさまざまなことを教えてくれているのですから。
 この絵本はフランスにある教育出版社バイヤールが子どものための生活ガイド「一緒に生きる」というシリーズの一冊として刊行されたものです。
 お金というとなんだか俗的な感じがしますが、成長して大人になるととっても大切な経済感覚の基礎となるものです。
 そんな大切なことをやはりちゃんと教えるのとそうでないのとは違うと思います。
 もちろん、この世界はお金だけでできているわけではありません。
 食べ物だって大事だし、家族だって必要です。
 愛なんて目に見えないものの大切です。
 自分たちをとりまく世界の中に、お金があるというだけだし、だからお金の絵本があってもいいのではないでしょうか。

 この絵本では、「労働と賃金の関係」「物の値段と価値」「お金では買えないもの」といった内容がわかりやすく説明されています。
 説明というよりも考えるための灯りを点されたという感じでしょうか。
 考えるのは、この絵本を手にする子どもたちです。

 ただ出来うるならば、子どもたちのそばにおとなの人もいて欲しいと思います。
 会話をしながら読むのがいいですね。
 なぜなら、この世界はとっても広いから、お金持ちもいれば貧しい人たちもたくさんいるからです。
 そういうことをきちんと知るには、おとなの人の話は大変重要だからです。
 子どもたちとぜひ一緒にお金について考えてみて下さい。
  
(2016/12/18 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介するのは
  書評サイト「本が好き!」さんから献本頂いた
  『データでみる県勢』。
  編集・発行は矢野恒太記念会
  どちらかといえば
  社会の教科書の副読本みたいな感じがしますが
  どっこい
  こんなに面白い本はありません。
  忘年会の季節で
  幹事になっちゃって
  どうしたら宴会が盛り上がるのか心配している人は多いと思いますが
  この本一冊あれば
  盛り上がること間違いありません。
  例えば婚姻の数とか離婚の数なんていうのまで
  都道府県別に載っていたりします。
  となると、
  この本は一家に一冊どころか
  仕事場にも必携ですよね。

  じゃあ、読もう。 

  

sai.wingpen  そっけない数字ばかりの本だが、読めば読むほど面白い                   

 「まえがき」に本書が誕生した経緯が簡単に説明されている。
 それによると、この本が最初刊行されたのは1988年12月で、日本国勢図会の姉妹図書の位置づけだったらしい。
 当初は隔年刊行だったが、やはりこういうデータを必要とする人が多かったのだろう、今では年刊行となっている。

 どんな本であるかも「まえがき」に記されている。
 つまり「社会・経済全般にわたる統計表、図を用いて、各都道府県のすがたを明らかにするとともに、全国の市および町村の基礎的な統計」が掲載されているのだ。
 その数は47都道府県だけでなく。全国790市、東京23区、928町村というからすごい。
 それらが数字の羅列とか図表で示されているだけなのだが、(もちろん間あいだにミニコラムのような「解説」もついている。そこには、「初めて5割を超えたスマホの保有率」とか「急増するふるさと納税」といったホットな話題もある)、これがめっぽう面白い。

 例えば、何県が住みやすそうだとか、今住んでいるところはどうなのとかいったことはこの本をみればすぐわかる。
 やはり東北の各県は経済指標は厳しそうだし、住むところとしては富山県なんかなかなかよさそうだとか。
 野菜の収穫量で、スイカが一番採れているのは熊本とかくわいは広島だとか、数字だけなのにこんなに面白い。
 書店の数まで都道府県ごとに載っている。しかも、2000年2010年と2016年の比較までみれるのだからすごい。これはびっくりするぐらい減っている。

 そっけない数字ばかりの本だが、読めば読むほど面白い一冊だ。
  
(2016/12/17 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  永江誠司さんの『アドラー珠玉の教え』という
  本を紹介します。
  アドラーというのは
  ご存じアルフレッド・アドラーのことで
  今や「アドラー」というだけで
  わかってしまうぐらい有名人になってしまいましたね。
  この本には副題がついていて
  「自分の人生を最高に生きる77のヒント」となっています。
  「人生を最高に生き」られたら
  どんなにいいでしょう。
  人はいつの時代もそう思っていて
  だから本を読んできたのでしょうね。
  私もそうですね。
  書評では紹介できなかったですが
  こんな言葉も考えさせられました。

    仕事は、自分の生活を維持するだけのものとしてではなく、
    社会とつながり、社会に何らかの貢献をするものとして存在する。

  どうですか。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  自分の人生は自分が決める                   

 フロイトやユングという精神医学界の大御所がいながら、心理学者アルフレッド・アドラーの人気がとまらない。
 その理由はアドラーの教えが「自己啓発と自己変革」に効果がありそうに見える点にあるのではないだろうか。
 アドラーのいう「目的論」で考えれば、自分は変えられそうではないか。
 この本はそんなアドラーの77の言葉を「劣等感」「目的論」「自己決定性」「共同体感覚」「ライフスタイル」「ライフタスク」「勇気づけ」という7つのキーワードで取り上げていく。
 中には理解が難しい言葉もないわけではないが、発達心理学を専門にしている著者の永江誠司氏が丁寧に説明をしている。

 「人生が困難なのではない。あなたが人生を困難にしているのだ。いまの自分を変えることができれば、人生は困難なものではなく、きわめてシンプルなものになっていく」。
 これは「自己決定性」というキーワードの中で紹介されているアドラーの言葉だ。
 他のキーワードも大事だが、「自分の人生は自分が決める」ってとても重要なことかもしれない。
 そういう考えがあって、その他のキーワードを生かしていく。
 とってもシンプルだが、アドラーが登場するまでなかなか気がつかなかったのではないだろうか。

 ほかにも「あなたを主語にすることをやめて、私を主語にして伝えると、それだけで人を勇気づける効果が表れる」などは、気になる言葉がある。
 おそらくそういった言葉も読む人によって違うだろう。
 今、あなたが欲しているのは水なのか、ジュースなのか、コーラなのか。
 アドラーはさまざまな欲求に応えてくれる。
  
(2016/12/16 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  昔流通業に従事していたことがあります。
  スーパーが台頭していた頃です。
  その当時から、今のそうですが
  百貨店の氷河期みたいなことはいわれていて
  まるで流通業のシーラカンスと
  揶揄されていました。
  今はGMSと呼ばれた大手スーパーも
  その仲間に近いですが。
  もしかしたら
  出版業もシーラカンス状態かもしれません。
  そんな業界でも
  新しい芽が出て来る。
  そんな出版社をレポートしたのが
  永江朗さんの
  『小さな出版社のつくり方』。
  本に興味のある人だけでなく
  起業に興味のある人にも
  面白いかも。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  化石になるのか、出版社は                   

 出版業界の不況がいわれて久しい。
 カフェを併設した書店や泊まれる書店まで登場して賑わっているようにも見えるが、街の小さな本屋さんの姿がどんどん消えていく現状は寂しい。
 特に地方都市にそれは顕著だ。
 読書人口が減っていると決してそうではない。本というコンテンツを手にする方法が多様化しているからだ。
 ネット書店や新古書店の台頭、公共図書館の充実などが挙げられる。
 だから、本は売れない。
 そんな事情を永江朗氏はこの本の中でこう記している。
 「本は出版社と取次と書店の間で業界内地域通貨のようにぐるぐる回る。いちどはまると抜け出せない地獄の自転車操業だ」と。

 そんな出版業界だが、それでも参入しようとする勇気ある出版人たちがいる。
 この本はそんな「小さな出版社」がどのようにして生まれ、どんな姿勢で経営をしているかを永江氏がレポートした作品だ。
 有名かどうかでいえば、紹介されている11社とそもそもこの本を出版している猿江商會含め、知っていたのは「トランスビュー」1社というのは恥ずかしい。
 書店に行ってもどうしても大手の出版社が刊行している本が目につくのは発行部数の関係もあって仕方がないのだろうが、それでもこの12社はどっこい頑張っている。

 しかし、この本を読んで、ではひとつ出版社でも始めるかというわけにはいかないだろう。
 出版業界への参入障壁は高い。
 この本の12社の創業者のほとんどが元出版業に携わった人たちだ。
 まったく異業種から仕組みを変えるような人が入ってこないと、やはり厳しいのではないだろうか。
  
(2016/12/15 投稿)

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 ものごとの多くは
 雑誌になっています。
 養豚マニア、というか養豚経営者向けの
 「月刊ピッグジャーナル」という雑誌まであるぐらいですから
 菜園家向けの雑誌は
 当然いくつか出版されています。
 今日紹介する
 「野菜だより」(学研プラス・999円)は表紙タイトルのそばに
 ちゃんと
 「家庭菜園誌」と銘打っています。
 この雑誌は毎月ではなく
 偶数月の3日に発売されます。
 年6冊。
 これぐらいがちょうどいいかも。

  

 特に冬となれば
 栽培する野菜が減ってきますから
 多くの雑誌が新春号だと華やかになりますが
 この雑誌は極めて地味。
 特集が

    もっとよくなる畑の土

 なのですから。
 でもですよ、
 家庭菜園はのべつまくなく栽培しようとすることが多くて
 土が弱ってくることはままあるので
 畑の土がよくなるって
 結構あこがれ。
 私なんか
 野菜を育てているよりも
 畝をつくる方が楽しいなんて
 まあ子どものどろんこ遊びの延長みたいなもの。

 この雑誌には
 「狭い市民農園の120%活用術」という連載もあって
 ところがその「狭い市民農園」って
 16㎡のことで
 たかだか10㎡のわたしの菜園はじゃあなんと呼べばいいのかと
 つい愚痴りたくもなる。
 ただ市民農園は契約の関係上
 「2月の中旬には更地にする」こともあるとか。
 私が借りているのは
 民間の会社からなので
 市民農園よりは割高なんですが
 散歩がてらに行けたり
 道具や水まわりもしっかりできているので
 満足はしています。

 そんなこんなで
 2年近くなる菜園生活を
 専門雑誌を買ってしまうくらいに
 楽しんでいます。

 そうそう、
 新春号には別冊付録で
 「2017年 菜園カレンダー」がついていて
 野菜たちの写真を見ながら
 来年の春には何を植えようかと
 今から思案中。

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プレゼント 書評こぼれ話

  NHK大河ドラマ真田丸」が
  いよいよ今週日曜の18日に最終回を迎える。
  司馬遼太郎さんの膨大な作品群の中に
  まさにこの時代を描いた作品が
  いくつもあります。
  そのひとつ、
  『関ケ原』は先日読了しました。
  そして、もうひとつ
  『城塞』。
  これこそ、今放映されている
  大坂冬の陣から夏の陣の攻防を描いた
  長編小説です。
  多分、このままだと
  最終回までに読み終わることは難しいですが
  なんとしても
  年内中には読み終わりたいと
  思っています。
  まずは、今日は上巻の紹介です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  城はどのようにして崩れていくか、この巻はまだ始まり                   

 文庫本にして上中下の三分冊となるこの長編小説は1969年夏から71年秋にかけて「週刊新潮」に連載された。
 この時期司馬遼太郎は代表作の一つである『坂の上の雲』の連載もしていたから多忙であったが充実もしていた頃でもあった。
 連載が始まる前の予告で、司馬はこんなことを書いている。
 「私は大坂城のある地域にすんでいる。大坂政権の没落ということは、私にとってひとごとではない痛みを覚える」と。

 タイトルの「城塞」は、つまり、大坂城のことであり、この長編小説は大坂冬の陣と夏の陣の有名な攻防が描かれている。
 物語の始まりは関ケ原の戦いから五年、徳川家康63歳の時である。
 この時、大坂城の主豊臣秀頼はまだ「少年」に過ぎない。
 家康にとって自分の年齢は常に恐怖だったにちがいない。すでに政治の大勢は徳川側に移っていたが、秀頼が生きている。だから、家康は戦いを決断していく。

 この時代、大坂城には一万人の女たちが暮らしていたといわれる。
 その頂点にあったのが秀吉の側室淀君である。
 歴史に「もしも」はありえないが、それでももし淀君に政治のなんたるかがわかっていれば大坂城の行く末も秀頼のありようも違っていただろう。
 そんな複雑なやりとりを司馬は家康が放った諜者小幡勘兵衛を狂言まわしのようにして、上質の読み物に仕上げていく。

 「城というものは、固いものだ。正面からゆけばたたこうと突こうと崩れない。それよりも城の中身を腐らせ、水が出るばかりに饐えさせてから、ゆるりと攻めにとりかかるものだ」。
 司馬が家康に語らせた言葉のように、大坂城の崩壊が始まっていく。
  
(2016/12/13 投稿)

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 昨日の日曜(12月11日)、
 寒かったですが
 まさに冬晴れの一日になりました。
 真っ青な空に
 これは文旦でしょうか、
 黄色い実が映えています。

  CIMG1748_convert_20161211153050.jpg

    冬晴やできばえのよき雲ひとつ      岡田 史乃

 そんな午後、
 菜園で芋煮会が開催されました。
 使うのは
 畑の使用されていない区画で
 指導員の皆さんが育てたサトイモ

  CIMG1754_convert_20161211153203.jpg

 それとゴボウとかコンニャクとか、
 牛肉をいれて。

  CIMG1755_convert_20161211153237.jpg

 応援要員でボランティア参加したのですが
 お昼の12時の始まりに
 どどっと人が集まって
 しまった!
 できた芋煮の写真を撮るのを
 忘れてしまいました。
 やれやれ。

 参加されたなかに
 山形出身の人がおられて
 2つめの鍋は本場山形の味付けとなりました。
 これは絶品。
 参加された人たちは
 大満足だったのではないでしょうか。
 地元の味に感謝、感謝です。

 そのイベントのあとに
 キャベツの収穫もしました。
 1584gのりっぱなキャベツが採れました。

  CIMG1762_convert_20161211153307.jpg

 ダイコンも残り1本まで収穫しましたが
 抜いてみてびっくりの
 4股ダイコン。

  CIMG1750_convert_20161211153125.jpg

 恥ずかしい。
 ダイコン大根十耕といわれるように
 しっかり耕さないと
 こういう複数股のダイコンになってしまいます。
 反省。
 反省。

 最後に残った1本は
 果たしてどうでしょうか。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は昼から
  菜園で「イモ煮会」が行われます。
  今回もお手伝いで参加します。
  使うのは里芋ですね、やっぱり。
  詳しい話は
  明日書きますね。
  だから、今日の絵本は
  ひろかわさえこさんの『じゃがいもちゃん』。
  同じイモということで
  勘弁して下さい。
  それにしても
  ひろかわさえこさんの描かれる
  野菜はかわいいですよね。
  食べちゃうのがおしいくらい。
  野菜は見て楽しい。
  食べて楽しい。
  絵本になっても、また楽しい。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ひろかわさえこさんの描くやさいが大好き                   

 この「ちいさなやさいえほん」の表紙に描かれて「じゃがいもちゃん」の表情を見て、あ、この絵本作家はあの『やさいむらのなかまたち』を描いた人だとピンとくるかもしれません。
 そう、ひろかわさえこさんの絵本です。
 ひろかわさんの描く野菜たちのなんとかわいいことか。
 この「じゃがいもちゃん」だって、畑の土のなかにいっぱいいそうですものね。

 ひろかわさんは人気シリーズ『やさいむらのなかまたち』を出版するのに10年近くかかったそうです。
 その理由は野菜たちのすがたをネタのように描くことにためらったそうです。
 しかし、それでも出版を支持してくれる人がいて、ひろかわさんも「素直に野菜の個性をあったかく描いてあげればいいんだって」思えるようになって、出版にたどりついたということです。

 そうですよね、野菜たちはそれぞれの個性、見た目もそうですし味もそうです、が違うからいいんですよね。
 その個性をあったかく見つめたから、ジャガイモは「じゃがいもちゃん」になったのだと思います。

 こういう絵本を菜園で読んであげたらどんなにいいでしょう。
 子どもたちはどんな顔をして、本物のジャガイモと絵本の「じゃがいもちゃん」を比べるでしょうか。
 心があったかくなる、「ちいさなやさいえほん」です。
  
(2016/12/30 投稿)

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  お待たせしました!
  松田奈緒子さんの漫画
  『重版出来! 8』の登場です。
  この漫画を知ったのは
  この春放映されていたテレビドラマにはまったおかげで
  その時の脚本家が野木亜紀子さん。
  実は今再び
  野木亜紀子さんが脚本を書いたドラマにはまっています。
  そう、『逃げるは恥だが役に立つ』。
  TBSの火曜夜のドラマです。
  主人公の新垣結衣さんが素敵素敵。
  相手役の星野源さんもいい味出してる。
  星野源さんといえば
  NHK大河ドラマ「真田丸」では
  徳川秀忠を熱演しています。
  ああいう頼りない感じ、
  なかなかできません。
  野木亜紀子さんの脚本で
  「重版出来!」の続編も見たいなぁ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  エモいぞ、この巻                   

 「泣き言や文句だけ言って許されるのは子供だけだ。どんな状況でも知恵を出しあってやりぬくのが大人の仕事だろ」。
 さすがにお仕事マンガと言われるだけのことはある。このセリフに痺れてしまった。
 第8巻の「第四十六刷(話)」の中に出てくる。
 続くのはこんな言葉、
 「やれることを全部やって天命を待つ。それ以外ないだろう」

 この巻では主人公のマンガ編集者・黒沢心(こころ)が初めて担当した新人漫画家中田伯の
 初めての単行本刊行にいたるエピソードが中心となっている。
 先のセリフもその中で出てくる。
 黒沢だけでなく、若い営業マン小泉くんや書店員の熱い努力で、この巻のおしまいには涙がこぼれそうになってしまうこと間違いない。
 今年(2016年)の新語大賞の2位になった言葉でいえば、「このマンガ、いつも以上にエモいな」となる。
 (注)「エモい」とは接した人の心に強く訴えるかける様子を表わしているらしい。

 それだけでなく、一人暮らしを始める黒沢の日常生活を描いた「第四十三刷 ON・OFF!」なんかも楽しめるエピソードだ。
 色々見て回って黒沢が暮らし始めるのが谷中だというのもいいし、その理由が肉とネコだというのもいい。
 これだけ読んでも多分何のことかわからないでしょうから、ぜひ読んでみて下さい。

 次の9巻が出るのは来春らしいので、しばらくはこの巻を何度か読み返すしかない。
  
(2016/12/10 投稿)

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  今日は
  津野海太郎さんの『読書と日本人』という
  本を紹介します。
  津野海太郎さんは
  今年2月に読書アドバイザーの講義で
  話を聴いたことがあります。
  書評の中で
  津野海太郎さんが読書の未来について
  決して暗いことを語っていないと
  書きましたが、
  実際にはこう書いています。

    人びとは本の魅力をあらためて発見しなおし、
    そこから<紙の本>と<電子の本>をひくるめての
    新しい読書の習慣を再構築してゆくにちがいない。

  下線は私が引きました。
  つまりは
  従前とは違う読書の習慣をどう組み立てていくかです。
  これは
  いい本ですゾ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  読書人は少数民族か                   

 「本はひとりで黙って読む」、それが大抵の人の「読書」スタイルだと思う。
 では、そんな「読書」はいつから始まったのか確かなところはわからない。
 いわゆる「読書通史」なるものに挑戦したのが、元編集者の津野海太郎氏である。この新書の著者である。

 この本は大きく2つに分かれている。
 前半が「日本人の読書小史」、後半が「読書の黄金時代」。
 「あとがき」によれば著者は最初「二十世紀読書論」というテーマで書こうとしていたそうです。これは本書でいえば、後半部分。
 ところが、私たちに「読書通史」なるものがないということに気がついて、ならばとまとめたのが前半部分。
 歴史的にいえば、明治までが前半で、大正以降が後半となっている。
 どうして、大正で区切られているかというと、著者は3つの事象をあげている。
 一つは大衆総合誌「キング」の創刊。次に「円本ブーム」。そして、岩波文庫の創刊。
 これらの事象を契機にしてまさに「読書の黄金時代」が始まるわけです。

 もっとも「読書の黄金時代」は今ではすでにかなたに去った印象は拭えない。
 但し、そういった読書の危機は21世紀になって言われたのではなく、すでに昭和30年あたりから指摘されていたそうです。
 蝋燭の灯りでひっそりと読んでいた時代から、電車で漫画を読む大学生が登場し眉をひそめた時代を経て、今や電車の中ではスマホばかりが目につく時代。
 しかし、著者が語る読書の未来は決して暗くない。

 本が好きという人にとって、この新書に教えられることはたくさんある。
  
(2016/12/09 投稿)

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  昨日は第155回直木賞を受賞した
  荻原浩さんの『海の見える理髪店』を
  紹介しましたが、
  今日も直木賞作家の本を紹介します。
  葉室麟さんの『孤篷(こほう)のひと』。
  葉室麟さんの作品は
  直木賞を受賞した『蜩ノ記』以来
  ほとんどの作品を読んでいると思いますが
  その力量がどんどん増していることです。
  歴史小説であれ時代小説であれ
  読ませるという点では
  今や抜群の作家ではないでしょうか。
  この小説もうまい。
  長編として読むか
  短篇として味わうか。
  私は短編として読ませてもらいました。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  さらに高みへ                   

 まずタイトルについて書いておく。
 「孤篷(こほう)」というのは「一艘の苫舟」という意味の庵号である。
 その庵号をもらったのが、豊臣の世から徳川時代前期にかけて名声を誇った茶人であり建築家であった小堀遠州だ。
 つまり「孤篷のひと」とは、小堀遠州のことであり、この長編小説は遠州が生きた時代を描いている。

 この作品が素晴らしいのは遠州の69年の人生を描きながら、その一つひとつの章がまるで短編小説の如き完成度だということだ。
 さらにいえば、時々の遠州を描くことで時代に翻弄される人物も描かれて、まるで世界が複数の鏡のようにしてある。
 冒頭の「白炭」では遠州の師匠でもある千利休が、続く「肩衝」では関ケ原前の石田三成が描かれていくようにである。
 あるいは古田織部や細川忠興といった人物も描かれている。
 時代の厚みを持った歴史小説といえる。

 では、小堀遠州は狂言まわしかといえば、それはちがう。
 時代時代の中にあって、遠州は茶や作庭によって出会う人たちから教え、導かれ、自身の生きる道を模索している。
 利休や織部のようなアクの強さはこの物語では削ぎ落され、遠州は静かなまさに「孤篷のひと」と描かれている。
 遠州と人びととの出会いを、あるいは心のふれあいといっていいが、葉室麟はさりげなく「ひとは会うべきひとには、いつか巡り合えるものなのですね」と女人の言葉で語らせている。

 葉室麟はこの作品でさらに物語の奥深い高みにまでのぼりつめたような気がする。
  
(2016/12/08 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は二十四節気のひとつ
  大雪
  おおゆき、ではなく、だいせつと読みます。

    大雪や父子しづかに陶つくり     市川 一男

  先月は11月にして初積雪など
  びっくりしましたが
  ここ何日かは穏やかですね。
  冬らしくない。
  冬はこたつで読書三昧がいいけれど。
  今日は第155回直木賞を受賞した
  荻原浩さんの『海の見える理髪店』を
  紹介します。
  6つの短編が収められています。
  あまりに巧すぎて困ってしまいます。
  ほっこり系の物語が好きな人とか
  最近泣いていないという人には
  おすすめです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  巧すぎる名人芸                   

 第155回直木賞受賞作。(2016年)
 最近よく目にする言葉に「ほっこり」がある。別に若者言葉ではないが、どういう加減かよく言われている。
 直木賞を受賞した荻原浩の6つの短編も、この「ほっこり」という言葉が似合う作品だ。
 しかし、それ以上のものではない。
 この短編集がどうして直木賞に選ばれたのかわからない。
 悪い作品ではない。しかし、しょせん「ほっこり」でしかない。

 選考委員たちの選評を読んでも、この作品を推す強い感情が感じられないのは私だけであろうか。
 「オーソドックスな短編集」(北方謙三)、「ベテランらしいうまさや配慮」「地味で堅実な方法」(浅田次郎)、「丁寧に仕上げられた人情味溢れた物語」(東野圭吾)、と続く。
 そして、林真理子委員である。
 こうある。「すべてがいきとどいている」が、「いささかもの足りない」。
 「荻原さんなら、このレベルのものはいくらでも書けるだろう」。
 一番正直な感想といっていい。

 浅田次郎氏は「記憶に刻まれる」という点ですぐれていると評しているが、それはどうだろう。
 私はあまりに巧すぎて、「記憶に刻まれる」ことなく、するりと抜け落ちてしまうのではないかと思ってしまう。
 読書体験としては心地いい。
 読んでいて胸にぐぐっとくる。
 ところが、読み終わってページを閉じた段階から、この短編集の作品世界ではなく、今のなんともいえない世界がひろがっていく。

 そうはいっても一番好きな作品を選ぶとしたら、私は「遠くから来た手紙」だ。
  
(2016/12/07 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は関川夏央さんの
  『人間晩年図巻1990~94年』を紹介します。
  このあとの本、
  『人間晩年図巻1995~99年』の方は
  すでに紹介しているので
  興味のある方は「検索」で探してみて下さい。
  今日の書評のタイトルを
  「私はまだ30代だった」としましたが
  この1994年までが30代で
  今から思えば
  充実の青年期後期を生きていたことになります。
  この本の中でもっとも気にかかった人物といえば
  1992年9月に亡くなった漫画家寺田ヒロオさん。
  寺田ヒロオさんといえば
  トキワ荘で多くの新人漫画家に温かな支援をした
  優しい人。
  その晩年は切ないです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  私はまだ30代だった                   

 1990年代ともなればすでに20年近く過ぎた時代である。
 その時代前半の1990年から94年に亡くなった著名人の晩年を描いてみせた関川夏央氏は、本書の「あとがき」で「過去を点検しながら、おそらく短くはないであろう自分の「晩年」にそなえる」という動機があったと記している。
 同時にこの時代の死者の晩年を描くことは「意外な角度から「現代史」を記述」することになるとしている。
 そういわれてみれば、本書で紹介されている政治家、文化人、俳優、スポーツ選手たちの名前を列記するだけで、時代の貌が見えてこないか。

 例えば1990年に鬼籍にはいった有名人は横綱栃錦、成田三樹夫、池波正太郎、幸田綾など、1991年は江青(この名前で中国の政治家とわかる人も少ないかも)、中島葵(この人は日活ロマンポルノの活躍した女優)、あるいは相田みつをもこの年に亡くなっている。
 1992年は尾崎豊、長谷川町子、中上健次、寺田ヒロオ、太地喜和子、1993年にはオードリー・ヘップバーンやハナ肇、田中角栄、この本の最後1994年には安井かずみ、吉行淳之介、乙羽信子といった人たちが亡くなっている。

 本書の見事な点はそれぞれの晩年を描くだけでなく、その人と関係した周辺の人の死も描かれていることだ。
 横綱栃錦であれば若乃花の名前が浮かぶが、先代横綱若乃花は力士としては長寿で82歳まで生きたといった風に、その人だけで終わらない。
 人はひとりでは生きられない。
 どのように死んだとて、その人と関わりのあった人とのつながりは残る。
 そんなつながりが時代となっていくのだろう。
  
(2016/12/06 投稿)

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 師走になって
 なんとなく気持ちもせく感じがあります。
 冬ざれの街中でも
 菜園までの道を歩いていると
 それはそれなりに目をひく光景を
 見つけたりします。
 そんな写真を2枚。

  20161204_100338_convert_20161204104642.jpg

  20161204_102813_convert_20161204104723.jpg

    冬ざれや卵の中の薄あかり       秋山 卓三

 そんな中でも
 日差しの暖かだった12月2日
 冬野菜の収穫に菜園に行ってきました。
 この日収穫したのは
 ハクサイ2個、ダイコン2本、紅芯ダイコン1本。
 ごらんのような
 大収穫です。

  CIMG1743_convert_20161204104917.jpg

 ハクサイはこれでおしまい。
 今シーズンは4つの栽培でした。
 どれもしっかりとまいて
 いい感じにできました。
 ダイコンも順調に出来ています。
 今回は指導のあった倍、12本植えに挑戦しましたが
 なかなかいい出来じゃないかな。
 そういえば
 「大根引」は冬の季語
 小林一茶のこんな面白い俳句を見つけました。

    大根引き大根で道を教へけり     小林 一茶

 10月2日に稲刈り体験に行ったことは
 このブログでも書きましたが
 その時刈った新米がようやく届きました。

  CIMG1747_convert_20161204104947.jpg

 米袋の字は相田みつをさん
 ではなく、
 私です。

 冬は日の暮れるのも早い。

    少しづゝ用事が残り日短      下田 実花

 そんな時間に見つけた
 こんな富士。

  CIMG1741_convert_20161204104751.jpg

    短日やまぶたの裏に赤き富士     夏の雨

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日はブログの誕生日です。 

  おかげさまで
  今日で
  丸8年を迎えました
  ブログを始めたのが
  2008年の12月4日。
  今日から9年めの新しい一冊です。
  本を読むことにも
  好みの変化があって
  最近は時代・歴史小説が気にいっています。
  若い時には見向きもしなかったのに。
  絵本を毎週読みだしたのも
  このブログを始めてから。
  たくさんの絵本を読んできましたが
  今日紹介する
  中山千夏さんの『となりのイカン』で
  絵を担当している
  長谷川義史さんの絵本は
  一番読んでいるのではないでしょうか。
  自分の好みにあっているんでしょうね。
  これからも
  素敵な本を紹介できたら
  どんなにいいでしょう。
  いい本と出合えることを願って。

  これからも応援よろしくお願いします。 

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  伝える力                   

 言葉は多様だと感じたのは数少ない海外の地ではなく、青森県津軽地方に行った時のことだ。
 温泉場で地元の老人と一緒になったのだが、彼らが何を話しているのかさっぱりわからなかった時だ。
 日本という小さな島国にあってそうなのだから、広い世界となれば知らない言葉ばかりではないか。

 この絵本の「イカン」とは、「いけない、ダメ」ということ。
 関西弁にすれば「アカン」となる。
 東北弁では「マイネ」らしいが、それはこの絵本で初めて知った。
 「いかん、いかん」といつもお父さんに叱られてばかりの「イカン」はとうとう家を飛び出して、むかいに住む「アカン」はお母さんにいつも「アカン」と文句ばかり言われて、こちらも泣いて家を飛び出した。
 二人の友達の「マイネ」も一緒に家を出て、世界をめぐる旅に出る。

 途中でけんかをしている子どもがいれば「けんかはいかん あかん まいね」と仲裁にはいって、友達がどんどん増えていく。
 友達が増えるのと同じように世界中の「いけない、ダメ」が増えていく。
 「ナイン」「ノン」「ニェット」、あれやこれ。
 言葉がそれぞれ違うけれど、伝わっていくのが不思議なくらい。
 それは単に言葉だけではなく、表情であったり発音であったり、情報の手段がさまざまあるからだろう。
 それは絵本でも同じかもしれない。
 言葉だけではなく、絵も伝達の大切な要素。

 この絵本では長谷川義史さんが絵を担当。
 長谷川さんならではの伝える方法がこの絵本にもある。
 
(2016/12/04 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今年のNHK大河ドラマ真田丸」が
  まだ終わっていないのに
  来年の大河ドラマ「おんな城主直虎」の
  関連本を読むなんて
  ひどいではないかと
  思う人もいるかもしれませんが
  そのあたりがご勘弁頂くとして
  今日は
  梓澤要さんの『城主になった女直虎』を
  紹介します。
  来年の大河ドラマの主演は
  柴咲コウさん。
  脚本は朝の連続テレビ小説ごちそうさん」を書いた
  森下佳子さん。
  どんな女性ドラマになるか
  楽しみです。
  もっとも「真田丸」の最後も
  もっと楽しみです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  直虎ってどんなひと?                   

 本自体がブームを起こすということはないではないが、とてもまれだろう。
 反対にブームにのっかって本が出版されるということはよくある。
 最近でこそ視聴率がとれないと批判されることが多いNHK大河ドラマだが、それでもやはり全国で多くの人が見ていることは間違いなく、だとしたら出版業界もそれに便乗しないという手はない。
 特に2017年の大河ドラマ「おんな城主直虎」の場合、主人公となる井伊直虎のことはあまり知られていない。
 だとしたら、放送が始まるまでに予備知識をどうぞとばかりに書店に直虎関連の本が並ぶのも仕方がない。

 この本もそんな中の一冊。さすがに版元がNHK出版だけあって、「御用達」みたいな感じがする。
 で、井伊直虎であるが、この本ではその前の井伊家前史といえる時代から説明がされていく。
 このあたりをダルく感じる人も多いだろうし、次の「直虎前夜 暗黒の時代」から読むのもいいだろう。私としては、やはり前史からきちんと読んでいく方を勧めるが。
 何故なら、どうして「おんな城主」を置いてまでお家を守ろうとしたのかといえば、この前史があるゆえだろう。
 つまり家の歴史が直虎を生んだといっていい。

 直虎は桶狭間の戦いのあとの戦国時代に生きた女性だが、彼女のような生き方をもし淀君がしていたら、つまり豊臣秀頼成人まで淀君が城主であれば豊臣家もまた違っていただろう。
 もっとも淀君に直虎の覚悟があったかどうかわからないが。
 2017年は直虎に代表される、女性の活躍の年になるかもしれない。
  
(2016/12/03 投稿)

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 先日古地図がブームというお話を
 山本博文さんの『江戸散歩』という本を紹介した際に
 書きましたが、
 「旅行読売」12月号(旅行読売出版社・540円)では

   古地図に誘われて 東京・大阪さんぽ

 という特集が組まれていて
 まさに「古地図に誘われて」
 雑誌まで買っちゃったというわけです。

  

 この「旅行読売」という雑誌は
 雑誌名のとおり旅行雑誌で
 「オトナの旅の道しるべ」となっています。
 私、オトナですので
 ぴったり。
 さあ、歩いてみましょう。

 まずは、今回の特集のリード文から。

    古地図と現在の地図を見比べながら歩くと、
    新鮮な発見がある。
    遺構を巡り、想像を膨らませ、ワクワクしながら歴史をひも解く。
    そんな古地図の世界へ、出かけてみよう。

 行きます、行きます。
 あせる気持ちを抑えて
 まずは古地図の見方から。
 この「旅行読売」では「江戸切絵図」が使われていて
 その見方が丁寧に書かれていて
 勉強になります。

 今回はモデルコースとして
 六本木・赤坂を歩いたり、
 銀座・築地界隈や浅草、芝・愛宕を
 散歩するコースが紹介されています。
 大阪は
 天王寺や九条を歩きます。

 散歩のあとは温泉でも。
 今号のもう一つの特集は「トロトロ温泉」。
 1日4組限定の埼玉・ときがわ町の
 都幾川温泉などが紹介されています。

 こういう雑誌を読むと
 雑誌を歩くだけでなく
 ほんとうの散歩に行きたくなります。
 また駅からハイキングにでも
 行ってみようかな。

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