05/11/2017 俳句のルール(井上 泰至 編):書評「「かわいそうなほど小さい器の詩」を学ぶ人のために」

先週5日に立夏を迎え
そばに置いている歳時記を
夏の部に変えました。
立夏といえば
西東三鬼の有名な俳句があります。
おそるべき君等の乳房夏来る 西東 三鬼
とても印象的な俳句です。
次の句はよく似ていますが
さすが女性俳人、やわらかい一句です。
いち早く少女等に夏来りけり 今井 千鶴子
私も詠んでみたいところですが
なんだか品格をそこねそうなので
遠慮しておきます。
今日は
井上泰至さん編の『俳句のルール』。
じゃあ、読もう。

テレビ「プレバト!!」で辛口俳句の先生夏井いつきの人気は高い。
あの番組を見た人たちは異口同音に「面白い」というが、俳人仲間ではどうなのだろうか。
気になったのは、俳句のルールをやさしく説明したこの本の中に「テレビ番組などでも俳句のセンセーがタレントの作った句について批評し」と記述があって、あえて「センセー」と書いた書き手の意図が理解できなかったりする。
あの番組から俳句人口が増えるのはいいことだと思うのだが。
そういうちょっとしたことはあっても、この本だって負けてはいない。
俳句をやってみようという人には入門書的にちょうどいい内容である。
ルールは10。
おなじみ「季語」から始まって、「定型・字余り」「省略・連想」「切字・切れ」あたりが俳句特有のルールだろうか。
「句会」「文語と口語」「滑稽・ユーモア」「写生と月並」「無季・自由律」と続いて、最後が「国際俳句」となる。
最後の「国際俳句」がルールかどうかはともかく、全方位的に網羅されている。
しかもこの本では「高校の教科書に載っている作品」が中心になっていて、どうもそのあたりは高校の国語の先生あたりをターゲットにしているのかとも思えるが、一般の、それも夏井いつきの番組を見て俳句をやってみようかと思っている人にはぴったりの本だろう。
ルール毎に執筆者はちがう。
編纂に携わった井上泰至は「季語」も担当。
その中の「俳句は和歌よりいっそう短い、かわいそうなほど小さい器の詩」という文章に、感銘を受けた。
(2017/05/11 投稿)

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