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 日本経済新聞の俳壇・歌壇は
 毎週土曜の朝刊の掲載で
 先日の29日の俳壇で
 黒田杏子さん選のトップを飾ったのが
 こんな句でした。

    茄子その他庭の作物花つけて     加藤 賢(枚方)

 この句に
 黒田杏子さんはこんな選評を
 寄せていました。

    たのしい日々。心ゆたかに暮す人の庭畑。
    庭の作物花つけて。
    茄子の花は見れば見るほど美しい。
    野菜の花を賞でつつ句作にいそしむ。
    またとない人生。


 こんな素敵な選評をもらったら
 加藤賢さんも
 うれしかったでしょうね。

 昨日の日曜日(7月30日)、
 朝から降っていた雨がやんだので
 畑にでかけました。

  CIMG2135_convert_20170730131545.jpg

 雨に濡れていましたが
 私の畑のナス
 たくさんの実をつけていました。

  CIMG2126_convert_20170730131212.jpg

 野菜の花はここでも
 たくさん紹介してきましたが
 これはパプリカの白い花。

  CIMG2130_convert_20170730131410.jpg

 小さな花に
 大きな実がつきます。
 そして、
 これは少し赤く色づいてきた
 パプリカです。

  CIMG2128_convert_20170730131338.jpg

 畑では
 バジルも育てていて
 時々ちぎっては
 頂いています。

  CIMG2132_convert_20170730131444.jpg

 せっかくの雨あがりでしたので
 私の畑ではないですが
 サトイモを育てているオタクの
 涼しげな一枚を
 パシャリ

  CIMG2133_convert_20170730131513.jpg

 先日収穫したミニトマト
 こちら。

  CIMG2124_convert_20170730131135.jpg

 もうすぐ200個近い
 収穫数になります。

 そして、
 今週末の土曜日は
 畑の納涼祭。
 スイカ割りなんかもあって
 楽しい一日になりそうです。
 それも、また
 またとない人生

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  先週に続いて
  今日も「怪談えほん」からの
  紹介です。
  『おんなのしろいあし』。
  書いたのは岩井志麻子さん。
  絵は寺門孝之さん。
  岩井志麻子さんは
  『ぼっけい、きょうてえ』で日本ホラー小説大賞
  受賞したくらいですから
  怪談噺はお手のもの。
  それに官能話も得意ですから
  この絵本は
  大人が読んでも十分楽しめます。
  暑い夏、
  女の白い足でチョコチョコされたら
  もっと暑くなる・・・かも?

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  幽霊は女性詞?                   

 フランス語には男性詞女性詞があると聞いたことがあります。だとしたら、幽霊はさしずめ女性詞でしょうね。ちがうかしら。
 幽霊って青白く細面の美人が似合う。髪なんか長く垂らして、細い手首から手のひらをそっと差し出して、「うらましや~」でないといけない。
 これが男性だと、大きな体で筋肉隆々太い声で「うらめしいぞ」なんて言われても、それはそれで怖いけれど、怖さの質が違う。
 怪談噺では断然女性だ。

 そもそも幽霊にが足がないというのがお決まりであるが、岩井志麻子さんが書いた「怪談えほん」は、女の白い足が怖さの源なので、そう言われてみれば、少年と呼ばれる年頃の男の子にとっては「女の白い足」はどきどきの対象であるに違いない。
 つまり、岩井志麻子さんが書いた「怪談」話は、官能に満ちたお話になっている。
 そういう話を絵本にしてもいいのかと思ってしまうが、岩井志麻子さんの作品群を見ていくと、彼女にそういう「怪談」を書かそうという意図が編集の東雅夫さんにはあったのかもしれない。

 そして、岩井志麻子さんが描いた官能を見事に絵にしたのが寺門孝之さん。
 ラスト近く、ベッドで眠る少年の身体に「女の白い足」がチョコチョコといたずらしている図なんて、官能×官能みたいになっている。
 でも、そんな風に読んでしまうのは、少年をとっくに過ぎてしまったからで、本当の少年ならただ怖い絵本と思うだけのような気もするが、どうだろうか。
  
(2017/07/30 投稿)

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  『ウルトラQ画報』『ウルトラセブン画報』とくれば
  あとはもう『ウルトラマン画報』しか
  ないではありませんか。
  ね。
  そこで今日は
  『ウルトラマン画報』を紹介しちゃいます。
  「ウルトラマン」の放映が始まったのは昭和41年ですから
  私が小学6年生の頃。
  クラスの中に
  確かに怪獣博士のような少年が
  一人か二人はいたものです。
  怪獣のフィギアなんかも
  たくさん持っていたような気がしますが
  あの頃フィギアなんて
  言わなかったなぁ。
  模型? 人形?
  いずれにしろ
  うらやましかったことだけは
  確か。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  少年たちはウルトラマンを夢見た                   

 「ウルトラマン」がテレビ放映されたのは1966年(昭和41年)7月から翌年4月までである。「ウルトラQ」の後番組として作られ、その後の現代へと続く一大コンテンツを築きあげたのは周知のとおりである。
 その人気を支えたのは少年たちである。
 その少年たちの興味をあおったのが週刊や月刊の漫画雑誌であった。
 この本は講談社が発行した「少年マガジン」と「ぼくら」のオリジナル復刻本として、ウルトラマンとその怪獣たちがどのように表現されていったかをまとめた一冊である。

 興味深く読んだのは、「特撮のひみつ」と題して撮影現場やスーツアクターのインタビュー記事がある一方で、怪獣の体内構造を図解していることだ。
こ の当時少年たちは「ウルトラマン」が大人たちによって作られたヒーローであると理解しつつ、それに逆行するようにウルトラマンの身長が40メートルだとかレッドキングの体重は2万トンだといった知識をさもそれが現実に存在するかのように吸収したものだ。
 少年たちにとってどちらが真実だったのだろう。

 中でも面白かったのは1967年(昭和42年)の「ぼくら」4月号に別冊ふろくとして付けられた「怪獣大百科事典」だ。
 当時これを持っている少年はクラスの人気者だったに違いない。
 決して誰もが月刊誌を買ってもらえたわけではないから。

 当時の「少年マガジン」の表紙を見ると、石森章太郎の「サイボーグ009」が連載されていたことがわかる。「あしたのジョー」はまだである。
 そんな時代に「ウルトラマン」は輝いていた。
  
(2017/07/29 投稿)

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  「ウルトラセブン」の放送が始まって
  今年で50年だそうだ。
  それを記念して
  「モロボシ・ダンの名をかりて」展は
  大阪と横浜の高島屋で
  開催されます。
  横浜高島屋
  8月16日から28日までで
  ちょうど夏休みのおわりかけ。
  子どもサービスというより
  お父さんにぴったりの企画かも。
  そこで今日は
  円谷プロダクション監修、
  講談社編の
  『ウルトラセブン画報』を紹介します。
  展覧会に行かれるなら
  その事前勉強で
  読んでみるのもいいですよ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  アンヌ隊員が大人の女性に見えた頃                   

 「ウルトラセブン」の放映が始まったのは1967年(昭和42年)10月で、2017年は放送開始50年にあたる。
 今でこそ「ウルトラマン」の仲間のように思われているが、もともとは「ウルトラマン」とは一線を画していたようだ。
 「ウルトラセブン」というのも、ウルトラ警備隊の7番目の隊員という位置づけからつけられたそうで、放映に至るまでの紆余曲折は、この本の巻末の「解題」に詳しい。

 まずは「週刊少年マガジン」「ぼくら」に掲載された「ウルトラセブン」関連の記事や口絵を楽しもう。
 なんといっても、それぞれの雑誌の表紙がなつかしい。
 冒頭の「週刊少年マガジン」は1967年9月10日号で、「ウルトラセブン」の放映はまだ始まっていない。だが、大々的に「ウルトラセブン」が表紙を飾っているのだから、少年たちの期待は大いに膨らんだことだろう。
 この当時、すでに「巨人の星」の連載は始まっている。赤塚不二夫の「天才バカボン」や水木しげるの「墓場の鬼太郎」(ゲゲゲではない)もあって、マガジンの人気は高かっただろう。

 一方、「ぼくら」は月刊誌で、この当時は「タイガー・マスク」が目をひく程度で、漫画雑誌は月刊から週刊誌への移行期である。
 もっとも月刊誌の付録は楽しみではあったが。
 この本でも「ウルトラセブン」関連の付録が楽しめる。
 中にかるたの読み札がある。その「り」は「りんごのようなほっぺがかわいいアンヌ隊員」だが、アンヌ隊員が好きで「ウルトラセブン」に夢中になった少年も多かったのではないだろうか。
  
(2017/07/28 投稿)

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  今話題の呉座勇一さんの『応仁の乱』。
  今日はそちらではなく、
  石ノ森章太郎の「マンガ 日本の歴史」の22巻め、
  「王法・仏法の破滅―応仁の乱」を紹介します。
  実はこの「マンガ 日本の歴史」シリーズは
  かつて全巻読んだことがあります、多分。
  とてもよく出来たマンガで
  この当時石ノ森章太郎
  萬画ということを
  提唱していました。
  マンガという表現手段は
  あらゆる事象を表現できる万画というのが
  石ノ森章太郎の主張でした。
  こうして歴史書であっても
  マンガで表現できるという
  熱い思いがあったのでしょう。
  今は誰もがそう思っているのではないでしょうか。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  マンガから始めても悪くない                   

 今年(2017年)の上半期の出版界のニュースといえば、中公新書の『応仁の乱』(呉座勇一 著)の大ヒットもそのひとつ。
 そもそも中公新書は数多い新書レーベルの中でもいたって真面目で昔ながらの知的入門書の色彩が濃い新書で、しかも取り上げられているのが日本史の中でも極めて地味な応仁の乱。
 乱が始まったのは1467年ということで、今年550年めということもあるのか、この新書が売れに売れている。
 しかも、出版元の中央公論新社には石ノ森章太郎が描いた大作「マンガ 日本の歴史」シリーズもあって、その22巻めが「王法・ 仏法の破滅―応仁の乱」で、ならばということで本屋さんの店頭に2冊が同時に並ぶことになった。
 ならばと手にとったのが、石ノ森章太郎のマンガの方で、これがなかなか読み応えがあった。

 そもそもこの「マンガ 日本の歴史」は石ノ森章太郎が四年がかりで取り組んだ一大プロジェクトで、全48巻にも及んでいる。
 この22巻めが発行されたのが1991年だから、今から思えばマンガ文化の質を高めた、実に上質な出版物に出来上がった。
 だから、歴史をこのシリーズから学び始めたとしても決しておかしくない。
 いや、むしろいきなり中公新書より、ここから始めた方がいいかも。

 さて、応仁の乱である。
 室町時代後期の、京都を舞台にした11年に及ぶ内乱で、中学・高校の歴史で勉強したはずだが、日野富子という名前ぐらいは覚えている程度。
 今回その舞台背景をマンガで読んでも、どうもピンとこないのは、ヒーローがいないからではないか。
 みんながみんな欲の塊で、しかも愚かに見えてしまうのは、マンガだからか、それともそういう歴史だったか。
  
(2017/07/27 投稿)

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 先日第157回芥川賞直木賞が発表された。
 正直、一体この賞はどうなってるのと
 言いたくなる受賞作でした。
 芥川賞は受賞作がデビュー作だという
 沼田真佑(しんすけ)さんの『影裏』。
 全くの新人が受賞するということは
 今までにもなかった訳ではありませんが
 選考会ではかなり荒れたとか聞くと
 来月発売の「文藝春秋」の芥川賞選評
 楽しみになってきます。

 どうなってるのと
 言いたくなるのは
 直木賞の方。
 今回の受賞は佐藤正午さんの『月の満ち欠け』。

  

 ノミネートの時から
 どうして佐藤正午さんが
 直木賞のノミネートされてるのって感じでした。
 だって、佐藤正午さんは
 デビューして34年めの
 古豪ですよ。
 それがどうして、今
 直木賞なんですか。
 今直木賞の選考委員の方々よりも
 作家として長い経歴をもって
 しかも決して寡作ではない。

 ちなみに佐藤正午さんのデビューは
 すばる文学賞を受賞した『永遠の1/2』。
 1983年のこと。
 この作品は時任三郎さん主演で
 映画化もされています。
 なんだか懐かしい。
 それから34年。
 で、直木賞なんて
 やっぱりちょっとおかしい。

 直木賞って
 なんでもかんでも
 いい作品にはあげちゃうのって
 いいたくなる。
 第17回直木賞受賞が決定した山本周五郎
 こんな言葉をのこして
 辞退したそうだ。

    この賞の目的はなにも知りませんけれども、
    もつと新しい人、新しい作品に当てられるのがよいのではないか、
    さういふ気持がします。


 今回佐藤正午さんは
 「作家の人生はいろいろなコースがある 。
 僕はこの年になって、直木賞にばったり出会ったという感じ
」と
 受賞後話したそうですが
 まさにばったりですよね。

 でも、岩波書店の本で
 一般の町の本屋さんは
 直木賞受賞作といっても
 店頭に並べることもできないんじゃないのかな。

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  日野原重明さんの訃報に
  日本中が悲しみに視線を落としました。
  105歳という年齢を聞けば
  その死は納得がいくのですが
  日野原重明さんの場合だけは
  それでも惜しまれてならない。
  そんな感じです。
  私は日野原重明という人を
  よく知りませんでした。
  訃報に接して
  日野原重明さんが
  日本経済新聞の「私の履歴書」を書いていて
  その連載を主とした
  本があることを知りました。
  それが、この『人生、これからが本番』。
  日野原重明さんという人を
  たどるには
  いい本だと思います。

  ご冥福をお祈りします。
  
  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  追悼・日野原重明さん - あなたが教えてくれたこと                   

 先日(2017年7月18日)、医師で聖路加国際病院名誉院長だった日野原重明さんが亡くなった。105歳であった。
 確か瀬戸内寂聴さんだったと思うが、故人を偲んでのコメントで「この人は死なないと思っていた」というようなことを話していたが、そう感じていた人は多かったのではないだろうか。
 『人生、これからが本番』というタイトルがついたこの本を上梓した時(2006年)、すでに日野原さんは94歳だったのだから驚く。
 普通の人だったら終わっていてもいい年齢ながら、日野原さんは「これから」だという。
 そういう日野原さんに勇気をもらった人は多い。

 日野原重明という人はどんな人物だったのか。
 実は日野原さんは1990年に日本経済新聞の人気コラム「私の履歴書」に執筆をしている。
 その時、日野原さんは79歳。
 ここまでの半生で、日野原さんの人生を大きく変えた「よど号ハイジャック事件」(1970年に起こった事件で、この時日野原さんはこの飛行機に乗り合わせていた)はあったものの、その後日野原さんが人命救護で活躍された1995年の地下鉄サリン事件はもう少しあとだ。
 さらに2001年には『生きかた上手』という本がベストセラーになって、ここで「日野原ブーム」が起こる。そして2005年に文化勲章受章。

 そんな日野原さんの人生を見ていくと、人生には幾度となく「本番」と呼ぶべきイベントが訪れるのがよくわかる。
 それは日野原さんだからではなく、誰にも等しく訪れるものだ。
 人はいつか死を迎えるが、命の火が消えるまで、「本番」がやってくるかもしれない。
 日野原重明さんはそういうことを教えてくれた人だった。
  
(2017/07/25 投稿)

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 ど、どん
 ど、どん
 どん、どーん
 なんだ、これは!?

  CIMG2115_convert_20170722202214.jpg

 ついに
 埼玉にゴジラ出現か!?
 なんて、期待を持たせても
 きっとわかる人にはわかってしまうくらい
 特長的な夏野菜、
 ゴーヤ
 ベランダ菜園で
 見事に収穫できました。

  CIMG2113_convert_20170722202140.jpg


 猛暑が続いています。
 菜園に行くとしたら
 一番いいのが朝の8時前でしょうか。
 7月22日(土曜日)に
 朝の9時前に行って
 昼近くまで草とりとかしているだけで
 クラクラしそう。

  CIMG2117_convert_20170722202247.jpg

 写真のまんなかで
 成長しているのが
 ナス
 その左側はピーマン
 まだまだ小さい。

 こちらはモロヘイヤ

  CIMG2119_convert_20170722202322.jpg

 隣にあるのが
 パプリカ

 夏野菜は
 ぐんぐん大きくなりますから
 いいタイミングで
 どんどん収穫することが
 大事。
 この日の収穫はこちら。

  CIMG2123_convert_20170722202425.jpg

 ミニトマト
 たくさん獲れてきました。
 今年はイエローアイコという
 黄色いトマト。
 世の中には
 常識外のいろんな野菜があるものです。

 この日
 ミニカボチャをとうとう断念して
 伐採しました。
 根元にアリの巣が出来て
 思った通り
 根がはれなかったようです。
 アリは強いのです。

   蟻殺すしんかんと青き天の下     加藤 楸邨

 来年、
 もう一度挑戦しようっと。

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  今日は
  二十四節気のひとつ、大暑
  一年で最も暑さが厳しい頃。

    兎も片耳垂るる大暑かな      芥川 龍之介

  昔から暑さをしのぐために
  色々な工夫がされてきました。
  打ち水とか縁台、
  うちわとか風鈴。
  そして、怪談話。
  肝試しなんてものもありました。
  そこで今日は怪談えほんを
  紹介しましょう。
  加門七海さん文、
  軽部武宏さん絵の
  『ちょうつがいきいきい』。
  怖いですよ。

  じゃあ、読もう。 

  

sai.wingpen  怖くなる音がある                   

 夏になると全国のあちこちで「おばけ屋敷」がオープンする。
 どうしてあんな怖いものをわざわざお金を払ってまで見に行くのか、臆病な私には理解できない風物詩だ。
 いや「おばけ屋敷」だけではない。
 怪談話にホラー映画、身も凍るような仕掛けにこの世は満ちている。
 そして、「怪談えほん」だ。
 絵本くらい、明るく夢のあるものがいいのに、どうして「怪談」なのだよと思いつつ、暑い夏くらいはせめて絵本でも身も凍りたくなるものかな。

 この絵本も怖い。
 ここでは聴覚は怖さを生み出している。
 ちょうつがいの「きいきい」いう音である。
 恐怖というのは五感に訴えてくるから始末が悪い。
 この絵本の主人公の少年はちょうつがいの「きいきい」いう音から見たこともないおばけを見つけてしまう。
 聴覚から視覚へと恐怖が移っていく。
 その点では物語よりは絵本の方が恐怖感を生み出しやすいかもしれない。

 「おばけ屋敷」などはこのあと触感などの移るケースが多いが、絵本だとそこまではいかない。
 むしろ視覚が煽る。
 この絵本でも恐怖の源泉は「きいきい」鳴るところにあるが、よく見ると、描かれている家も部屋も街もみんな怪しさに満ちている。
 どころか、まわりの人がすでに異界のものたちだ。
 となれば、この絵本の絵を描いた軽部武宏さんの技量を評価すべきだろう。
 暗い部屋で、ぺたぺたと赤い絵の具を塗っている。
 そう思えば、それだけで怖くなる。
  
(2017/07/23 投稿)

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  昨日
  新谷学さんの『「週刊文春」編集長の仕事術』を紹介して
  リーダーの在り方に触れましたが
  今日もリーダーのための
  『3000年の英知に学ぶリーダーの教科書』という本を
  紹介します。
  著者は鈴木博毅さん。
  鈴木博毅さんにはいつも上梓のつど
  献本頂くのですが
  これもその一冊。
  鈴木博毅さん、いつもありがとうございます。
  この本の中で紹介されている一冊で
  アウレリウスの『自省録』は
  岩波文庫創刊90年記念の「図書」で
  この本を「私の三冊」に選んだ人が
  たくさんいます。
  純粋古典ですが
  挑戦しますか。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  リーダー必読の名著がズラリ                   

 最近数多くのビジネス本を執筆しているコンサルタントの鈴木博毅氏が古今東西の書物からリーダーに必携の書を選んで紹介した本書の冒頭にこう記されている。
 「リーダーは困難の中で輝きを発する」と。
 これには説明がいる。そうでないとどこかの国の総理大臣のように自身の困難で輝かれても困るから。ここでいう「困難」とはリーダーが導く集団が危機や問題に直面する時で、真のリーダーはそういう時こそ真価を発揮するものだと、鈴木氏はいう。
 今リーダーである人、いずれリーダーになりたいと願っている人、さまざまだろうが、リーダーはおのずとなる訳ではない。
 『出世の極意』を書いたマーク・ウエバーのように、自身がリーダーになるために動くことが大事である。
 この本にはもちろんマーク・ウエバーの『出世の極意』が紹介されている。

 この本には30冊の古今東西の名著が紹介されている。
 ホメロスの『イリアス』に始まって、チャーチルの『第二次世界大戦』、アウレリウスの『自省録』、カーネギーの自伝であったり、さまざまなリーダーを論じた城山三郎の『少しだけ、無理をして生きる』なんていうのもある。
 『孫子』や『商子』といった中国の古典があれば、稲盛和夫や永守重信といった日本の経営者の著作もある。
 実に幅広い。
 ラインナップをみて思うのは、この本で紹介されているのは、やはり名著ばかりということだ。

 名著はどのような時代であって読む価値を持っている。
 そして、それがどのような価値であるかを、この本はうまく紹介している。
  
(2017/07/22 投稿)

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  今日は
  ビジネス本の紹介です。
  仕事をやめても
  ビジネス本というのは
  結構自分のモチベーションを高めてくれるものです。
  「週刊文春」編集著新谷学さんの
  『「週刊文春」編集長の仕事術』。
  モチベーションを高めるということについていえば
  いくつか書き留めておきたい文章が
  あります。

    大切なのは、思いつきをそのままにしておかないということ

  あるいは

    「どうすればいいかな」などとウジウジ考えるより
    「やる」ことだ。

  仕事を退いたんだったら
  しゃかりきにやることないのではと
  思うかもしれませんが
  まだまだですよ、人生は。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  スクープ記事だけではありません                   

 週刊誌の新聞広告なり吊り広告を見るのは楽しい。
 広告だけで仲間内の話が盛り上がったりするくらい面白い。
 特に「文春砲」とまで言われる「週刊文春」と「週刊新潮」。
 発売日によって両誌の広告が並ぶと、「文春」頑張ってるな、「新潮」やるなと、つい比べてしまう。
 「週刊文春」の場合、右側の大見出しを「右トップ」、左側を「左トップ」と呼んで、右は政治などの硬めの記事、左は芸能などの軟らかめの記事だという。
 それがわかるだけで、あの広告も見る楽しさが倍増する。

 これだけで「週刊文春」の編集長が書いた本を読んだ価値がありそうだが、滅相もない。
 この本はタイトルに「仕事術」とあるとおり、仕事に向かうモチーベーションとか組織のあり方、何よりもリーダー論として優れた一冊になっている。
 だから、単に「週刊文春」のスクープ記事がどのように生まれているのかといった下世話な本ではなく、純粋に良質なビジネス本として読むことをオススメする。

 なかにこんな一文がある。
 「自分に異論を言う人に冷たく当たるのは絶対にダメだ」。
 まさか今の政治リーダーの言論を見越して書かれていた訳ではないだろうが、まさにここに書かれているそのことが国民にそっぽを向かれることになっている。
 リーダーとしての権力が停滞するとどうしてもそうなる。
 もちろん、これは政治だけの話ではない。大企業の不祥事の多くも同じような構造で起きているように思う。

 就活中の人たちにも読んでもらいたい一冊であることを書き加えておく。
  
(2017/07/21 投稿)

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  今日は昨日のつづき。
  昨日
  NHKEテレの番組が書籍化された
  『ヨーコさんの”言葉”』を紹介しましたが
  その中にあった
  「段々畑を上がっていった家にお嫁にいった」というエッセイが
  収録されているのが
  今日紹介する
  『私はそうは思わない』。
  書いたのは
  もちろん佐野洋子さん。
  このエッセイ集には
  そのほかにも番組になった文章がいくつか
  収められています。
  もしあの番組から
  佐野洋子さんのエッセイを読んでみようかという人には
  このエッセイ集などはいいかも。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「情」のある文章                   

 佐野洋子さんといえば絵本『100万回生きたねこ』で有名な絵本作家である。
 それだけではなく、著述家としても多くの作品を残している。
 佐野さんは2010年に72歳で亡くなったが、その後も佐野さんの人気は衰えない。
 この文庫本は佐野さんのエッセイ集でもともとは1987年5月に刊行されたもので、まだまだ佐野さんも元気そのものである。
 元気さが文章に勢いを与えている。

 文庫本では群ようこさんが「解説」を書いている。
 その最後、群さんはこう記した。「佐野さんの文章には情がある」と。
 佐野さんの多くの著作の中から、この一冊を選んだのも、思えば佐野さんの文章の「情」に惹かれたのかもしれない。
 それが、「段々畑を上がっていった家にお嫁にいった」という文章に代表される。
 これは佐野さんの伯母さんの話で、同じ話の別バージョンがこの本には別のものも載っているから、佐野さんもこの伯母さんと伯父さんの夫婦の話に感銘したのだろう。

 畑仕事の嫌いな伯父に変わって畑仕事と家事と育児を黙々とこなした伯母。
 晩年彼女は脳軟化症になって子供のようになる。
 それを伯父が一生懸命面倒を見た。それでも伯父は伯母に感謝していると言ったという。
 そんな伯父に、佐野さんはゆさぶられたとある。
 佐野さんの文章を読むとどこかドライで、とんでもないところから球が飛び出すような感じがあるが、本当はこのささやかな文章にあるように、心がゆさぶられる「情」が濃い人なのだ。
 だから、佐野さんの文章は今でも多くのファンがいるのではないだろうか。
  
(2017/07/20 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  すでに
  NHKEテレで放送されている「ヨーコさんの”言葉”」の
  書籍化された既刊3冊のうち
  2冊は紹介しましたが
  今日はその最初の巻である
  『ヨーコさんの”言葉”』を紹介します。
  全50話ある番組には
  私がいいなと思うものがいくつかありますが
  この巻でも
  「段々畑を上がっていった家にお嫁にいった」など
  好きな話があります。
  2017年も半分を過ぎましたが
  上半期読んだ本で
  この『ヨーコさんの”言葉”』シリーズは
  私の中のベスト本です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  5分間の至福                   

 絵本作家の佐野洋子さんはたくさんのエッセイも書いた。
 そのエッセイは佐野さん独自の視点から書かれているものが多く、愛読者も多い。
 それを紙芝居風の、5分の番組に仕上げてしまおうと考えついた人がいるのだから、さすがNHKは人材が豊富だ。
 文章が佐野洋子さん、絵が北村裕花さん、語りが上村典子さん。
 番組として全50話となっている。

 それが本になった。
 すでに3冊が出ているが、これはその最初の巻。
 番組の第一話である「才能ってものね」をはじめ、愛犬が柴犬にダックスの血がまざっていておかしな短足犬になっている姿を描いた「あ、これはダックスがお父さんだ」、人間の孤独をじっと見つめる「こんぐらがったまま、墓の中まで」、そして夫婦の愛の深さを静かに描いた「段々畑を上がっていった家にお嫁にいった」など、9篇が収められている。
 もとのエッセイ集でいえば、『ふつうがえらい』や『私はそうは思わない』など。

 番組とちがうのは上村典子さんの語りがないところ。
 だから、そこは読みながら読者自身が埋めなければならない。
 番組をよく見ている読者ならきっと心の中の読み方は上村典子さん風になるのであろう。
 もし、佐野洋子さんの話し方を知っている人がいれば、佐野さん風の読み方だっていい。
 残念ながら私は知らない。
 だから、上村典子さんの語りが私には佐野洋子さんである。
 ややこしい、が。

 もちろん、5分の番組にするために佐野洋子さんのエッセイは加工されている。
 できたら、原典のエッセイ集も読んでみたいものだ。
  
(2017/07/19 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  ずっと気になっていたのです。
  沢木耕太郎さんの『無名』という作品のことを。
  2003年9月に刊行された時に読んで
  ずっとその気分のまま
  2010年に母と弟を亡くした時も
  2012年に父を亡くした時も
  この本を最初に読んだ書評をそのまま
  このブログに紹介してきて
  いつかちゃんと読み返さないといけないと思いつつ
  刊行から10年以上たって
  ようやく読み返しました。
  やはり、
  いい作品でした。
  今回の書評のタイトルは
  作中で出てくる
  沢木耕太郎さんの俳句、

    ぽつぽつと命のしずく秋の雨

  からとりました。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  命のしずく                   

 有名であれ無名であれ、人には等しく死の瞬間がやってくる。
 死はその人のものではあるが、その人の周りの人のものでもある。
 ノンフィクション作家沢木耕太郎のこの作品は自身の父の死を迎えるまでの日々とその死がもたらした父への思いを切々と綴った名作である。
 全9章に分かれた長い作品の、後半第7章「白い布」の書き出しから4行めに、「お父さん、もうだめみたい」と、沢木の上の姉の言葉がぽつんと置かれている。
 その時、私は思い出していた。
 この作品を最初に読んだ2003年の秋もこの言葉に胸がつまったことを。
 死が近づきつつある人を前にして、どのように向き合えるか。
 まして、それが愛した肉親の場合であればなおさら、この言葉が身に染みる。

 最初に読んだ痕跡が付けられた付箋で残っていた。
 それはこんな箇所。「子供は親のことなどほとんど知らないまま見送る時を迎える。」
 そう書いた沢木はそれでも懸命に父のことを知ろうとする。
 父が残した俳句を手だてにして。
 けれど、読者は気がつくだろう。沢木のその行為は自身を知ろうとすることであると。
 父であれ母であれ、彼らの人生を知ることは自分の出自を知ることだ。
 そして、それはその先にある者たちへと続く、いのちの時間でもある。

 「死者はその最もふさわしい時に死ぬことになるはずだ。どんな月であれ、死んだ月が彼の月なのだ」。
 こういう文章を読むと、思わずにはいられない。
 人は死ぬことで残された者たちへきっと確かなものを残すのだ。
 そう、それは「命のしずく」のようなものかもしれない。
  
(2017/07/18 投稿)

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 雨が降らないうちに
 梅雨入りになって
 猛暑が続いているのに
 梅雨明けにならない。
 天気予報の不思議というしかない。
 じりじりと太陽が照りつけ
 連日35℃超えだから暑い、暑い。

 今日は海の日の祝日だから
 海に繰り出す人も多いのでしょうね。
 そんななか
 7月15日と16日は
 地元の夏祭り。

  CIMG2112_convert_20170716092102.jpg

 暑いのにと
 頭がさがります。

    昨年よりも老いて祭の中通る     能村 登四郎

 畑のまわりに植えられた
 ひまわりも
 今が盛りと燃え上がっています。

  CIMG2106_convert_20170716091745.jpg

    向日葵の百人力の黄なりけり     加藤 静夫

 雨が少ないせいか
 キュウリなんかも
 いい形のものができなかったり
 あらためて
 農家さんの苦労がわかります。
 こちらはようやく黄色くなってきた
 イエローアイコ

  CIMG2108_convert_20170716091935.jpg

 そういえば
 畑で大玉トマトを育てているところは
 いい感じで育っています。
 年毎の天候に左右されるのが
 路地栽培。
 だから、面白いともいえますが。

 これはサラダゴボウ

  CIMG2110_convert_20170716092015.jpg

 さすがに地中に育っていますから
 どんな感じなのかは
 わかりませんが。

 私の農園では
 こんなハーブのエリアなんかもあって
 有志の人が
 栽培を手伝ったりしています。

  CIMG2107_convert_20170716091852.jpg

 まさに
 小さなコミュニティ。
 大切にしたいですね。

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  今日大相撲名古屋場所
  中日です。
  横綱稀勢の里をはじめ
  横綱、大関の休場が相次ぐ
  この場所ですが
  これでもっぱらの興味は
  白鵬の通算勝ち星更新の
  大記録達成なるかどうかに
  なりましたね。
  おそらく
  この場所で達成するのじゃないかな。
  あとは新大関高安の巻き返し。
  優勝を狙えるところには
  いるのですが、
  どうでしょう。
  そこで今日は
  相撲の絵本、
  やまもとななこさんの『はっきょい どーん』。

  じゃあ、みあって、みあって。

  

sai.wingpen  スー女が描いた相撲絵本                   

 最近「スー女」なるものが街に繁殖していると聞く。
 「スー女」、つまり相撲好きの女性のこと。
 それほどに相撲人気はいま高い。
 この絵本、タイトルや表紙絵を見れば、大相撲のお話だとわかるが、描いたやまもとななこさんは大の相撲好きで、まさに「スー女」が描いた絵本。
 そして、この絵本がやまもとさんの初土俵、ちがった、デビュー作だという。

 優勝を決める大一番に土俵に上るのは小兵の明の海。
 迎え撃つは横綱武留道山(ぶるどうざん)。
 ここからはど迫力の絵がつづく。
 ほとんど白と黒の世界で描かれて、それでも次第に力のはいってきた明の海の体が赤くなって・・・。
 勝敗のゆくえは絵本をごらん頂くとして、決まり手は「うっちゃり」。
 この技、やまもとさんの好きな技だとか。

 表紙裏には大相撲の「決まり手」八十二手がイラストで紹介されています。
 きっと「スー女」の皆さんには自分の好きな決まり手があるんでしょうね。実際目にすることのない珍しい決まり手もあります。
 それと、やってはいけない「禁じ手八手」というのもあって、例えば「まげをつかまない」とか「キックしない」とかあります。
 中には「まえぶくろをつかまない」という禁じ手もあるのですが、この意味がよくわからない。
 「スー女」の人に、今度聞いてみたいと思います。
  
(2017/07/16 投稿)

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  JPIC読書アドバイザーの修了生と
  埼玉の本好きな人が集まって
  毎月1回読書会を行っています。
  今月の読書会で
  『竹取物語』を紹介したメンバーがいて
  その話がとても面白かったので
  読んでみたいと思っていたところ
  たまたま日本経済新聞の7月6日の夕刊で
  指揮者の沼尻竜典さんが
  『竹取物語』のことを書いていて
  中でも星新一さんの訳が面白かったとあったので
  さっそく読んでみました。
  こういう知っていそうな物語って
  あらたまって読むことは少ないので
  いい機会をもらったものです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  かぐや姫は宇宙人?                   

 「今は昔、竹取の翁というもの有りけり」。
 これは言わずとしれた、日本最古の物語といわれる『竹取物語』の書き出し部分である。
 これだけ有名な古典で、しかも竹の中から生まれてきた主人公かぐや姫はおとぎ話のように語られることもあって、知らないという人は少ない。
 けれど、いざどんな話かと問われると「?(はてな)」と首を傾げてしまう、そんな物語になっていないか。
 これだけ有名な古典だから、現代語訳もさまざまな書き手が試していて、川端康成、田辺聖子、江國香織、最近では池澤夏樹さんの個人編集で話題となった「日本文学全集」では森見登美彦さんが挑戦している。

 中でも人気の高いのが、SF作家の星新一さんの現代語訳。
 星さんの現代語訳の特長は、原文の各章に合わせて、星さんのちょっとした文章がそえられれていて、これは訳文としてはルール違反かもしれないが、これがあるおかげで物語の奥行きがでたような気がする。

 さらに、「あとがき」とそれにつづく「解説」もよく、特にこの物語が「かぐや姫が天空の外の人であった点を除けば、なんの飛躍もない」と記したことに大いに納得したことだ。
 つまり、この物語はかぐや姫というただ一人をのぞいて、そのほかの登場人物は実に人間臭い。
 竹取の翁もそうだし、かぐや姫に求婚する五人の男たちも帝もそうだ。
 こういう男たちなら、21世紀の今でも、うんといる。
 そういう時代を超越した描き方が、この物語を永遠のものにしているともいえる。

 なお、この角川文庫版は原文もついていて、お得だ。
  
(2017/07/15 投稿)

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  図書館にはよく行きます。
  今よく行く図書館は蔵書も多いし
  いい環境であることは間違いありませんが
  もっと工夫をすれば
  さらによくなるのにと思わないでもありません。
  きっと図書館にそんなささやかな不満を
  持っている利用者は
  少なからずいると思います。
  だから、ぜひ図書館で働く人には
  この岡本真さんとふじたまさえさんによる
  『図書館100連発』を
  参考にしてもらいたいと思います。
  きっとそこには
  たくさんのヒントがあると思います。
  この本で私がいいなぁと思ったのは
  福井県鯖江市図書館でされている

    トークイベントで図書館を「知の舞台」に

  です。
  図書館利用カードでの
  近隣ショップの割引なんかもいいですよね。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  いいことは共有しよう                   

 会社なんかでよく見かけるが、「提案箱」のようなものを設置し、より売上を伸ばす方法やコストをさげるやり方を募集することがある。
 そうはいってもなかなかうまいアイデアが出るわけではない。
 そういう時には競争相手の事業所などに出向いてアイデアをさがしたりする。
 あるいは、いいアイデアが浮かんでも上司が取り上げてくれなかったりして、やる気がそがれたりする。
 こういったことは営利目的の会社だけに当てはまるわけではない。
 図書館でも、こういうことが日常行われている。
 そして、これは会社と同じだと思うが、案外組織の中にはいってしまえば、自分たちの姿しか見えなくなる。
 反面、利用者は他者との比較を冷静にしているもので、会社であれば売上に直接的に影響してしまうから早めに手が打ちやすい。
 図書館だって同じだと思う。
 貸し出し点数が減ったら大ごとだ。
 利用者が減少したら、大変なのだ。

 本書では全国さまざまな図書館が取り組んでいるちょっとした工夫を紹介している。
 書名にあるように「100」個である。
 小さな取り組みでも100個ともなれば大きなインパクトになるというところから、この書名になったらしいが、確かにここまで集まると圧巻だ。
 こんなにも成功事例が紹介されているのだから、ぜひ各地の図書館に広がって欲しいものだ。
 「あとがき」で著者が図書館内での写真撮影不可のことで苦言を呈している。
 せっかくいい取り組みだから、堂々と写真撮影をオープンにすればいい。
 いいものを共有しないという狭い了見でどうするのだ。
  
(2017/07/14 投稿)

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  私は正岡子規が好きである。
  というか、
  正岡子規のように生きたいと
  すでに正岡子規の人生の倍近くまで生きていながら
  それでも
  正岡子規の生き方を真似ることの難しさに
  圧倒される。

    僕はモーダメニナツテシマツタ、

  有名な夏目漱石に宛てた手紙の一節だが
  それでも一生懸命に生きようとした正岡子規
  せめて何百分の一でもあればと思わないわけではない。
  まだまだだよね、ノボさん。
  最後に正岡子規の俳句から。

    薪をわるいもうと一人冬籠

  「いもうと」はさんである。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  子規のように生きたい                   

 2017年は正岡子規の生誕150年にあたる。
 慶応3年(1867年)生まれではあの夏目漱石も同じで、だから同じ生誕150年であってもどうしても漱石の方が目立ってしまうのだが、さすが岩波新書だけあって、こうして子規関連の本も刊行された。
 著者の復本氏は近代俳論史を専攻しただけあって、すでに子規関連も多数ある。
 もっとも子規の人生は晩年の「病床六尺」の生活のあと、わずか36歳の短い一生であったから、手にあまるような著作も残していない。しかし、その業績といえば、これがわずか36歳のいのちであったかと思えるほどに、繁盛している。

 子規の手紙や『病床六尺』や『墨汁一滴』などの随筆、あるいは「筆まかせ」などの文章から、読者を勇気づけることばを選んで編まれている。
 選ばれたことばは80に及ぶが、「泣 生きているから、弱音をはく」「希 病んでいるから、望みをもつ」といったようにいくつかの単元に分かれている。
 だが、そもそも子規はどういう人物であったのか。
 何故彼が150年も経て、今なお私たちに勇気を与えるのか。

 「はじめに」で復本氏が紹介している「無邪気な人を愛する。謙遜な人を愛する」で始まる佐藤紅緑の言葉がわかりやすい。
 なかに「好んで人の言を容るる」などは強引そうな子規の顔からは想像しがたい、柔軟な性格を持っていたと思わせる。
 今でいえばボスの風格があったのだろう。
 それでいて、愛される可愛さのようなものも持ち合わせていたのだろう。

 子規が「病床六尺」の世界で描いたすべてが「人生のことば」にちがいない。
  
(2017/07/13 投稿)

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  前作『火花』は
  難しいという人がたくさんいましたが、
  芥川賞受賞初の作品となった
  この『劇場』はどうでしょう。
  『火花』よりはうんと読みやすいのでは
  ないでしょうか。
  又吉直樹さんも大変ですよね。
  色んな人に
  色んなことをいわれて。
  でも、芥川賞受賞後の又吉直樹さんを見ていると
  それはそれで清々しい
  好青年の印象を持ちました。
  芥川賞を同時受賞した
  羽田圭介さんのマスコミ露出に比べたら
  又吉直樹さんの方が
  控え目でしたものね。
  これで次の作品も
  楽しみになりました。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  私は満足しましたよ                   

 『火花』で第153回芥川賞を受賞した又吉直樹であるが、その後なかなか作品を発表することがなかった。
 そして、ようやくこの春に発表したのが、原稿用紙300枚の長編小説となるこの作品。
 作品が出ないから、色々な憶測を言われただろうが、こうして発表されると『火花』以上の出来に、多くの読書人はほっとしたのではないだろうか。
 もちろん、又吉直樹が一番ほっとしただろうが。

 この作品は恋愛小説といっていい。
 演劇の道を志す永田という男と彼を支える沙希という女性との出会いと別れが描かれているのだが、どうにも古めかしい恋愛模様である。
 現代の若者もまだこういう、70年代流行った「神田川」の四畳半フォークのような、恋愛をしているのだろうか。
 読む側とすれば、その年齢層によって受け止め方は随分違うのではないか。
 例えば「彼女の純粋で無垢な性格が憎いのかもしれなかった。その優しさに触れると、自分の醜さが強調され、いつも以上に劣等感が刺激され苦しみが増す」なんて、まるで又吉直樹の好きな太宰治の自画像ではないか。

 それとこれも気になったのだが、この男女のセックス描写が描かれていない。
 同棲までしている男女だから性の交わりがないはずがないが、又吉が巌とその描写をしない。
 セックスを過大に描く必要なないにしても、永田と沙希の関係であれば、それを表現することで恋愛の深みや傷がもっと出たはずだが、又吉はあえてその道を選ばなかった。

 もしかしたら、又吉直樹という書き手は古風すぎる作家かもしれない。
  
(2017/07/12 投稿)

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 作家司馬遼太郎さんが72歳で亡くなったのが
 1996年.
 2016年に没後20年を迎え、
 それにちなんで
 司馬遼太郎展
 先日まで横浜そごうで開催されていました。
 題して

    21世紀”未来の街角”で

 20170708_113450_convert_20170709104506.jpg

 全国巡回の展覧会ですが
 首都圏では横浜のここだけで
 7月9日に終了しました。
 その前日、
 大急ぎで展覧会に駆けつけました。
 
 今回の展覧会のキャッチ・コピーは

    司馬さんにあう。
    本にあう。

 いいでしょ、まったく。

 はいってまず驚いたのは
 1962年6月から1966年5月まで
 産経新聞に連載されていた
 『竜馬がゆく』がずらり。

  20170708_113933_convert_20170709104557.jpg

 まさに圧巻。
 今回の横浜展では
 先日見つかった
 司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』の自筆原稿も
 展示されていました。

 そこから
 戦国時代の諸々の作品や
 それに関連した初版本や自筆原稿、
 あるいは当時の武将たちの手紙や
 当時の合戦図なども展示されていて
 単に作家の回顧展という以上の
 奥の深い展覧会になっていました。

 戦国のあとは
 幕末と明治。
 坂本竜馬が姉乙女に送った手紙(複製でしたが)があったり
 土方歳三が使った鉢金があったり
 司馬遼太郎さんが創造した世界観と
 実際に存在した事実が
 うまく合わさっていました。

 そして、
 『街道をゆく』の世界です。
 大きな日本地図に
 司馬遼太郎さんが歩いた街道がしるされています。
 司馬さんの文章を支えた
 須田剋太さんや安野光雅さんの挿絵も
 展示されていました。

 最後は
 司馬遼太郎さんが小学6年生たちに残したメッセージ
 「二十一世紀に生きる君たちへ」が
 どーんと大きなパネルで。
 そして、
 その時の司馬遼太郎さんの色鉛筆で
 さまざまに書き、削られ、加筆された
 美しい原稿が。

 司馬遼太郎さんに
 私たちは今生きているこの時代のことを
 どう説明したらいいでしょう。
 政治的な問題、
 地政学的なリスク、
 あるいは天災や戦争、
 司馬遼太郎さんに
 いい時代になりましたよと
 言えるでしょうか。

 展覧会図録を2000円で購入しました。

  20170709_093004_convert_20170709104635.jpg

 本としては高いですが
 展覧会でしか買えないものだし
 中身もとっても素敵。
 巻末につけられた
 司馬遼太郎さんの文庫本一覧の
 書影を見て
 うっとりしています。

 ちなみにこの展覧会、
 首都圏では終了しましたが
 9月から松山で
 10月から姫路で開催されるそうです。

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 九州の大雨災害の様子を見ていると
 たまらない。
 どんなに人は進化しても
 自然の猛威の前でなすすべがない。
 一方で
 関東などでは猛暑日が続く。
 寝苦しいたら、
 ありゃしない。
 緑のカーテンなどとしゃれこんで
 ゴーヤやアサガオの栽培が盛んだ。

    緑陰に三人の老婆わらへりき     西東 三鬼

 我が家のベランダのゴーヤ
 小さな実をやっとつけたところ。

  CIMG2096_convert_20170709103859.jpg

 7月9日に
 小玉スイカの収穫をしました。
 一気に2個。

  CIMG2101_convert_20170709104216.jpg

 大きな方は2183g
 まわりは50㎝
 まあまあの大きさです。
 パカーンと割ってみました。

  CIMG2102_convert_20170709104330.jpg

 スイカの赤の断面は
 いつ見てもいいものです。
 味の方ですが
 うーん、昨年の小玉スイカの方が
 うんと甘かった。
 それに
 小さい方は
 すっかり熟しすぎて
 喰えたものじゃない。
 もしかしたら、
 先週降った雨がいけなかったのかも。
 スイカは見た目じゃない。
 人間も同じですが。

 ミニカボチャもよろしくない。

  CIMG2097_convert_20170709104021.jpg

 写真でわかるように
 ウドン粉病に罹ってしまって
 収穫までいかないかも。

 厳しいと言えば
 ミニトマトもそう。

  CIMG2104_convert_20170709104411.jpg

 今年育てているのが
 イエローアイコという品種ですが
 私の畑のは
 なかなか黄色く色づいてくれない。
 大きさはとっても大きいのに。

 自然は
 人間の意思だけではどうしようもなくて
 不作であっても
 それもまた自然の摂理と
 がまんするしかない。

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プレゼント 書評こぼれ話

  夏野菜とひとくちにいっても
  たくさん種類があって
  今日紹介するすずきももさんの
  『はるとなつ はたけのごちそうなーんだ?』を読むと
  それがわかります。
  ひとつ残念なことに
  この絵本にはナスの紹介がないんです。
  個人的には
  夏野菜の女王といえば
  ナスだと思います。
  その理由はなんといっても
  料理の多さ。
  煮てもよし
  焼いてもよし
  揚げてもうまいし
  味噌汁でもいい。
  もちろん浅漬けもいい。
  ナスさえあれば
  なんでもできちゃう。
  そんなナスがもれたのは残念ですが
  この絵本、かわいいから
  ゆるしちゃいます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  おいしい夏野菜、めしあがれ                   

 家庭菜園を始めるなら、やはり夏野菜がいい。
 なんといっても、その数が多い。トマト、ナス、キュウリ、カボチャ、ピーマン、トウモロコシ、エダマメ、まだまだあります。
 これらの野菜の実の実にカラフルなこと。赤でしょ、青でしょ、緑でしょ、黄色でしょ、まだまだあります。
 それに夏野菜の花も美しいし、夏野菜は上に上にと成長するものが多いので、畑がにぎやかに見えます。
 この絵本はそんな夏野菜を楽しく紹介しています。

 ただどうしてなのか、ナスがなくて、かわりにアスパラガスがはいっています。
 スイカとかも欲しいところですが、それはまた別の機会を待っていましょう。

 この絵本では可愛い動物たちが、夏の畑にやってきます。
 最初は、トマト。畑にやってきたのはカエルの一家。
 何気なく、トマトの品種なんかも描かれているし、その横のページでは成長過程も説明されています。
 トウモロコシのページには「ひげはながいめしべで けんしといいます」なんて、本格的な説明まで付いていて、少しびっくりしました。

 夏野菜の魅力で大切なことを忘れていました。
 それは、おいしいこと。
 色んな食べ方ができるのも、特長です。
 だから、この絵本のおしまいには「はたけのごちそうレシピ」もついています。
 「えだまめパンケーキ」なんかおいしそうですね。

 夏野菜は色よし、形よし、味よしの、三方よしなんです。
 この絵本も、とってもおいしい。
  
(2017/07/09 投稿)

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  先日、川本三郎さんの
  『「男はつらいよ」を旅する』という本を
  紹介しましたが、
  川本三郎さんは映画評論家という肩書を
  持っています。
  たくさんいる映画評論家でも
  私の大好きな一人ですし、
  川本三郎さんの名前は映画に夢中になっていた
  高校生の頃から見聞きしていたので
  もう40年以上前から
  知っている映画評論家になります。
  今日はモルモット吉田さんという
  気鋭の映画評論家による
  『映画評論・入門!』を
  紹介しますが、
  この本で映画評論家を目指す人もでてきたりして。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  映画評論家、がんばる                   

 映画評論家といえばなんといっても淀川長治さんの名前が浮かぶ。
 そして、淀川さんに飽き足らずに佐藤忠男さんとか山田宏一さんといった評論家の評価にはいっていくのは、雑誌「スクリーン」から「キネマ旬報」に至る、映画ファン成長の構図のようなものに近い。
 「キネマ旬報」は日本の映画雑誌で屈指の歴史を誇っているし、そのベストテンは今でも権威ある賞として位置づけられている。
 そのベストテンに票を投じるのがほとんどの場合、映画評論家もしくは映画記者だ。
 当然彼らは多くの作品を観ているが、日本映画と洋画があるから、どちらも同じように観ている人もいれば、どちらかに特化していることもある。

 本書の著者であるモルモット吉田さんは略歴を読むと1978年生まれの映画評論家とある。雑誌「シナリオ」などにも映画評論を執筆しているから、どちらかといえば日本映画の方が得意なのかもしれない。
 名前で人を判断してはいけないが、果たしてどんな「映画評論」の入門書を書いたのか気になったが、これが予想以上によかった。
 特に過去の事例を紹介することで(「映画監督VS映画評論家」「ベストテンとは何か」といった章立て)映画評論のあるべき姿を示してくれている。

 それで、「映画評論を書く」という章を読むと、映画評論とは単に映画を観てどうのこうのではないことがよくわかる。つまり、感想と評論は違う。
 映画は観客を饒舌にする表現方法であることは、間近でもよく見かける現象だが、まずは一呼吸おいて、冷静に語ることも大切なのだと思う。
  
(2017/07/08 投稿)

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 今日は二十四節気のひとつ、
 小暑
 ここからいよいよ夏本番という頃。
 本屋さんに行くと
 今年も並びました、「夏の文庫まつり」。
 小暑と関係ないとは思いますが
 今ではすっかり夏を告げる光景として定着しました。
 これが始まると
 夏休みが近いんだなあって
 思います。

  CIMG2094_convert_20170702143050.jpg

 まずは、
 今年キャクターを一新した集英社文庫から。
 キャラクターは、本を読むネコ「よまにゃ」。
 キャッチ・コピーは

    ひとりの時間を、ひとりじめ。

 いいですね。

    ひとはときどき、繋がりすぎる、と思う。
    誰かと一緒もいいけれど、
    ひとりを楽しむぜいたくだってある。

 この「よまにゃ」、
 イラストレーターのNoritakeさんが手がけたもので
 集英社文庫夏目漱石吾輩は猫である』のカバーは
 この夏限定のNoritakeさんバージョン。
 集英社文庫では
 この夏1冊買うと「よまにゃ」ブックカバーがもらえます。

 つづいては
 おなじみ「新潮文庫の100冊」。
 キャラクターは小さなロボット、「キュンタ」。
 それはいいんですが、
 今年も井上ひさしさんは100冊からもれてます。
 大江健三郎さんもありませんし、
 開高健もない。
 いくら時代が変わったといっても
 それでいいのかと思ってしまいます。
 新潮文庫は老舗だからこそ
 新しいものだけでなく、
 残すものはしっかり残して欲しい。

 最後は角川文庫の「カドフェス」。
 広瀬すずさんと菅田将暉さんという
 人気者の登場です。

    もしも本がなかったら
    ただの夏だった。

    もしも本がなかったら
    なにも変わらぬ自分だった。

 青春っぽい作品を並べましたね。
 こちらも買えば
 ブックカバーがもらえます。

 そういえば
 新潮文庫は一冊買うと
 「二つおりキュンタしおり」がもらえます。

 この夏、
 どの文庫、読む?

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プレゼント 書評こぼれ話

  好きな作家は
  本の内容に関係なく
  作家の名前だけで読んでしまうことがあります。
  葉室麟さんは
  そんな作家の一人。
  今日紹介する『潮騒はるか』も
  葉室麟さんの新作ということで
  読み始めたのですが
  あれ、この登場人物、
  どこかで出会ったなと
  すぐに気がつきました。
  『風かおる』という作品の
  続編というか
  登場人物が同じ、
  別の物語になっています。
  葉室麟さんにとって
  この菜摘らの登場人物はお気に入りなのかも
  しれません。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  『風かおる』の続編ですが                   

 この作品は『風かおる』(2015年)の続編にあたる。
 前作で「風がかおるように生きる」ことを決意した鍼灸医の菜摘とその弟誠之助、それと菜摘を慕う千沙は前作の筑前博多から今回は菜摘の夫佐久良亮が勉学に勤しむ長崎に舞台を移して、物語は展開する。
 冒頭、菜摘たちはシーボルトの娘いねと出会う。
 あるいは、亮が習っているのが蘭学のポンペ先生であったり、その弟子松本良順が登場したりと、史実と虚構が交じり合っていく。

 そんな菜摘たちのところに、千沙の姉佐奈が夫殺しの嫌疑をかけられ、長崎に逃げ込んだというとんでもない話が舞い込む。
 今回の物語は佐奈の秘められて思いが子どもの頃におぼれかけた自分を助けてくれた男への淡い思いだったとほぐれていくさまを描いていくのだが、物語の出来自体は前作に及ばない。

 ある時代のある場所を舞台にして物語を描いた場合、どうしても歴史上の人物を描かなければならない時がある。
 この作品であれば、幕末という動乱期で、しかも長崎という過熱気味の場所で、どうしても歴史上の人物を登場させずにはおられない舞台設定となってしまう。
 彼らが生きた空気に虚構を混ぜるとすれば、いくら彼らが歴史上の人物であったとしても、空疎な虚構の人物となってしまう。
 この作品ではそういったぎくしゃく感が常につきまとってしまう。
 史実の人たちは彼らが生きた時代にあって、生き生きとしているはずだ。

 さすがの葉室麟であっても、この料理はいただけない。
  
(2017/07/06 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日も
  読んでめちゃくちゃ
  うれしくなった1冊を紹介します。
  川本三郎さんの
  『「男はつらいよ」を旅する』。
  著者が川本三郎さんで
  その題材が「男はつらいよ」ですから
  面白くないはずがない。
  この本を読んだら
  映画をまた観たくなること
  間違いなし。
  それにしても
  シリーズが終わって
  20年以上経っても
  この人気ですから
  やはりいいものはいいんですね。
  ちなみに
  今回の書評タイトルは
  寅さんの名言から拝借。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  あいつも俺とおんなじ渡り鳥よ                   

 「「男はつらいよ」は旅の映画である。」
 これがこの本の冒頭の一節。
 「男はつらいよ」はご存じの通り、1969年(昭和44年)1月に第1作が封切りされ、その後主演の渥美清さんが亡くなる1995年に上映された第48作『男はつらいよ 寅次郎紅の花』まで続いた日本映画屈指の人気作だ。
 葛飾柴又に生まれた主人公の車寅次郎だが、今ではしがないテキ屋稼業。そうはいっても故郷は恋しい。故郷にはかわいい妹さくらもいる。
 戻ってきてはさまざまな事件を巻き起こし、また旅の空へ。
 だから、鉄道ファンでもある著者の川本三郎さんが、寅さんが出向いた日本各地を旅して記したのが、この一冊である。

 映画評論家でもある川本さんは「男はつらいよ」について、こんな一文を本書に記している。
 「喜劇映画としてだけでなく、懐しい風景を記録したシリーズとして長く残るに違いない」と。
 戦後日本は経済成長を果たしたが、そのことで街は大きく変化をしていった。
 もちろんそれは豊かさを求めた故でもあるが、一方で弱者や非効率なものは容赦なく斬り捨てられていった。
 映画という芸術はある面ではそういう失われたものを残す記録的なものでもあることが、「男はつらいよ」を今観るとよくわかる。
 また鉄道ファンでもある川本さんは「男はつらいよ」を何度見ても面白いのは、「失われた鉄道風景が残っている」からだという。

 この本は川本さんらしい幅広さで楽しめるが、できることであれば資料編として「男はつらいよ」作品一覧は載せて欲しいところだ。
  
(2017/07/05 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日はこういう本を見つけちゃうと
  めちゃくちゃ
  うれしいという
  そんな1冊を紹介します。
  円谷プロダクション監修
  講談社編の『ウルトラQ画報』です。
  テレビ映画「ウルトラQ」という
  今や伝説の怪獣番組を紹介した
  当時の少年雑誌の復刻版の形を
  とっています。
  「ウルトラQ」が放映された時は
  私は11歳。
  いわゆるテレビっこでした。
  ちなみに
  この時の「ウルトラQ」の視聴率は
  30%以上あったそうですから
  すごい。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  カネゴンにはならなかった                   

 特撮怪獣テレビ映画「ウルトラQ」が放映されたのは1966年(昭和41年)1月2日である。
 記念すべき第一回の放映は「ゴメスを倒せ!」で、この回は初回ということでゴメスとリトラという2大怪獣が登場した。
 当時小学5年生だったと思うが、この放送をリアルで見ていた記憶があるのだが、どうもおぼろだ。
 しかし、小学生の少年を夢中にさせる要素は十分にあった。

 実はその1年前からこの怪獣たちを紹介していた雑誌があったという。
 それが講談社の少年向け月刊誌「ぼくら」だ。
 つまり当時の少年たちは凶暴な怪獣たちが小さなブラウン管に登場する1年前から、予告編を読み続けていたというわけだ。
 そして、いよいよ放映が近づくと、「週刊少年マガジン」でも表紙を飾る。
 本書はその「少年マガジン」「ぼくら」「たのしい幼稚園」で紹介された記事や口絵の復刻版として編まれたもので、放映当時小学生だった少年には垂涎の一冊だろう。

 特にこれらの雑誌の表紙には引き込まれた。
 例えば、ペギラ、ガラモン、パゴスが表紙を飾った1965年(昭和40年)12月26日号の「週刊少年マガジン」の表紙を見ると、1冊50円だったこともわかるし、この当時連載されていた漫画が「ハリスの旋風」(ちばてつやだ!)だったり「丸出だめ夫」や「ワタリ」だったりがわかったりする。
 こういうのを懐古趣味というのかもしれないが、自分が成長してきた過程を見るようでやはりうれしい。
 それにしても、カネゴンという怪獣にならなくて、よかったものだ。
  
(2017/07/04 投稿)

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 今年は空梅雨かと思っていたら
 ようやく梅雨らしく雨が続きました。
 昨日の日曜日は
 梅雨の晴れ間になって
 畑に出かけることができました。

  CIMG2090_convert_20170702142830.jpg

    梅雨晴間焼むすびなど匂はせて      星野 麥丘人

 この日は収穫と
 除草作業。
 しばらく雨が続いたので
 畑もごらんのとおり雑草が伸びています。

  CIMG2092_convert_20170702142912.jpg

 絵本作家の甲斐信枝さんは
 『雑草のくらし』という絵本で有名だし、
 「雑草という名の草はない」という昭和天皇のお言葉も有名ですが
 やっぱり
 畑の雑草はとりたいものです。

 草をとって
 野菜たちの生育ぶりを見てみましょう。
 まずはパプリカ

  CIMG2082_convert_20170702142553.jpg

 大きくなってきましたが赤くなるまでは
 まだまだです。
 こちらはモロヘイヤ

  CIMG2087_convert_20170702142713.jpg

 だいぶ大きくなりました。
 これはエダマメ

  CIMG2088_convert_20170702142759.jpg

 冷たいビールと飲むにはまだまだ。
 
 先週ニンジンの色のちがいを
 お見せしましたが
 今週は大きさのちがい。

  CIMG2085_convert_20170702142631.jpg

 左が普通のニンジン
 右がミニニンジン
 小さいのが特徴です。

 梅雨の晴れ間には
 収穫できるものは
 しっかり採っておかないと
 この時期あっという間に
 大きくなります。
 昨日の収穫がこちら。

  CIMG2093_convert_20170702142946.jpg

 ベジタリアンではないですが
 野菜の量が増えるのは
 やっぱりうれしい。

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日紹介した
  『まど・みちお詩集』の書評に
  「写生眼」というタイトルをつけましたが
  今日紹介する
  甲斐信枝さんの『きゃべつばたけのいちにち』も
  まさに写生眼そのものです。
  野菜を育てていると
  色んな虫と出会います。
  アブラムシを退治してくれるテントウムシもいますが
  やはり多くは
  葉を齧ったりしますから
  駆除することになります。
  この絵本にも
  アオムシだけでなく
  たくさんの虫たちが出てきます。
  それらを探し出すのも
  この絵本の楽しみ方かもしれません。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  この絵本も写生眼                   

 甲斐信枝という絵本作家のことを知らなかった。
 知らないから、知人からNHKで「足元の小宇宙 絵本作家と見つける生命のドラマ」というドキュメンタリーが放映される時も興味を持たなかった。
 実はこの番組、2016年にパートⅠが、2017年にその続編が作られる程の人気のようだ。
 「”雑草“が教えてくれたすてきな世界」というコピーがあらわすように、甲斐さんが描いた『雑草のくらし』はロングセラーだし、番組では草をかきわけ、地面に寝そべって、草たちと同じ目線になっている甲斐さんの姿がとらえられていたそうだ。

 甲斐さんは1930年生まれ。
 まだまだこの国にもたくさんの雑草も小さな昆虫もいた時代に生まれた。
 おそらく甲斐さんの周りでもそういう世界がどんどん小さくなっていっただろうが、甲斐さんはそんな世界を残そうとされたのだと思う。
 雑草と、虫たちと、同じ目線になった時見えてくるのは、命の尊厳である。
 美しいだけではない。そこには生き残るための競争もある。殺し合いもある、安らぎもある。そういうすべてを命は含んでいるのだと、甲斐さんの絵本を教えている。

 ある日のきゃべつばたけの一日を描いたこの絵本でもそうだ。
 食べる私たちからすると、きゃべつに卵を産み付ける蝶々などは忌み嫌うものしかない。しかし、蝶々からすれば、そうやって子孫を残すことが命の循環である。
 その卵を襲う虫やカエルたち。
 なんともない一日に、なんとも豊かな命の咆哮に満ちている。
 甲斐信枝という絵本作家は、いのちをみつめる人だ。
  
(2017/07/02 投稿)

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