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 今日は大晦日

    漱石が来て虚子が来て大三十日    正岡 子規

 正岡子規のこの俳句の「大三十日」は
 これで「おおみそか」と読む。
 2017年は
 漱石子規も生誕150年で
 せっかくだからと
 漱石子規の作品を読んだ人も
 多かったかもしれません。
 そんな今年の漢字は
 「」でした。
 北朝鮮の問題とか九州北部豪雨とか
 競馬のキタサンブラックとか
 確かにそういえば「北」の話題がたくさんありました。

 今年一年を振り返って
 やはり一番驚いたのが
 葉室麟さんの逝去でした。
 今年も葉室麟さんの作品を8冊も読んでいました。
 これから
 新しい作品を読めないのは
 寂しい。

 そんな私が2017年に読んだ本は
 253冊
 冊数的にはそうでもありませんが
 自分では読むことへの集中度が
 落ちているように感じた年でもありました。

 今年のベスト1
 山本周五郎の『小説日本婦道記』。

  

 今年の新刊でもない本を
 今年のベスト1に選ぶのは
 少し躊躇しましたが
 いいものはいいとしか
 いえない。
 そして、
 この作品は今年の元旦の新聞で
 葉室麟さんが山本周五郎の作品ベストワンにあげていて
 それがきっかけに
 読んだことを思い出しました。
 山本周五郎から葉室麟さんへ。
 そうやって
 読書の世界はつながっていくのでしょうね。
 あらためて
 葉室麟さんには感謝をしたい。

 そのほかの本では
 佐野洋子さんの文章を紙芝居風に仕上げた『ヨーコさんの言葉』、
 楠木新さんの『定年後』、稲盛和夫さんの『考え方』などが
 印象に残ります。
 それになんといっても
 かこさとし(加古里子)さんの本。
 『未来のだるまちゃんへ』や『からすのパンやさん』は
 今頃になって夢中になるのが
 恥ずかしいくらい。
 山本周五郎にしてもかこさとしさんにしても
 まだまだ出会っていない作家さんや作品が
 いっぱいあるということですね。

 映画の話をすると
 先日「スターウォーズ」の新作「最後のジュダイ」を
 観てきましたが
 160本の映画を観ました。
 なんといっても
 「ラ・ラ・ランド」はよかったですね。

  

 好きな読書に
 好きな映画。
 それに愉しい菜園生活。
 まさに定年道をまっしぐらな一年でした。

 このブログを
 今年も一年間毎日読んでいただいて
 ありがとうございました。

 皆さん、よい新年をお迎えください。

 そして、来年も
 本のある豊かな生活でありますように。

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  どうしても
  今年中に紹介したい絵本が
  あります。
  それが今日紹介する
  かこさとしさんの
  『からすのてんぷらやさん』。
  これで、
  『からすのパンやさん』に始まる
  全てのシリーズを紹介することに
  なります。
  『からすのおかしやさん
  『からすのやおやさん
  『からすのそばやさん』。
  そして、
  今日の『からすのてんぷらやさん』。
  『からすのパンやさん』との出会いが
  私にかこさとしさんという
  絵本作家の素晴らしさを
  教えてくれた一冊になりました。
  今年、
  かこさとしさんの絵本にめぐりあえて
  本当によかった。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  てんぷらとフライのちがいがわかる絵本                   

 かこさとしさんが『からすのパンやさん』を出版したのが、1973年。
 それから40年後の2013年に、からすのパンやさんの4羽の子どもたちの活躍を描いた4冊の絵本をかこさんは出版します。
 そこには2011年に起こった東日本大震災の影響も多分にあったと思います。
 特に、三番めの子どもレモンちゃんのその後を描いたこの絵本は、それが顕著に感じられます。
 何しろ、この絵本は火事のシーンから始まるのですから。

 いずみがもりのかえでどおりにある「てんぷらやさん」が火事になります。
 店は燃え、息子のイワくんは目を怪我しているし、おかみさんも行方がわかりません。
 絵本にしてはとっても暗い始まりです。
 そこにパンやの娘レモンちゃんとオモチくんがやってきて、てんぷらやの再建にひと肌脱ぐことになります。
 先生は「てんぷらやさん」のご主人キュウベエさん。
 レモンちゃんたちはキュウベエさんからてんぷらあげの秘伝の伝授をうけます。
 水と油の関係など、さすが理系のかこさんならではの説明で、子ども向けの絵本ながらちっとも手を抜くことはありません。
 
 この作品ではほかの「からすの」シリーズとちがって、さまざまなてんぷらが登場するわけではありません。
 そのかわり、てんぷらやフライの揚げ方がとても丁寧に描かれています。

 最後に行方がわからなかったおかみさんも戻ってくるし、レモンちゃんは「てんぷらやさん」のイワくんと結婚までしてしまいます。
 それになんといってもこの絵本では、楽しい「てんぷらフライのうた」もはいっているのです。
  
(2017/12/30 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  未来の人は
  2017年の経済史を振り返った時
  東芝の一連の問題を
  どう分析するのだろうか。
  少なくとも
  東芝問題は
  今年の経済界の大きなウエィトであったし
  それらもあって
  多くの関連本が出版された。
  しかし、年の瀬も押し詰まった時点で
  東芝は破綻しなかったのも事実だ。
  日本の原子力事業の問題もあり
  東芝問題は
  単に一企業の浮沈ではないのかもしれない。
  そんな2017年、
  奇しくも
  東芝で社長を務めた
  西室泰三西田厚聰が亡くなった。
  今日紹介する
  児玉博さんの『テヘランからきた男 西田厚聰と東芝壊滅』は
  生前の西田厚聰とのインタビューを収めた
  刺激的な一冊となった。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  社長がアホやから                   

 若い人は知らないかもしれないが、かつて阪神タイガースのスター選手だった江本孟紀氏が「ベンチがアホやから野球ができない」と暴言を吐いたことがある。
 きっと東芝の従業員もこう言いたいだろう。
 「社長がアホやから仕事ができない」。
 江本氏はこの発言のあとタイガースを退団したが、東芝の多くの従業員も会社を去っている。

 東芝の一連の問題の元凶には歴代の社長の資質の問題がいわれている。
 その中のひとり、西田厚聰がこの本の主人公である。
 衝撃的なタイトルが示す通り、東芝の15代め社長となった西田は早稲田大学から東京大学大学院に進み、西洋政治思想史を学んだ。あの丸山眞男から薫陶を受けたイラン人の女子学生と恋愛におち、イランで結婚式をあげる。
 その関係で西田はイランで東芝の合弁会社に現地採用される。
 西田が東芝に本採用されるのは、31歳の時。
 当然他の同僚たちとは大きく出遅れている。
 しかし、西田は持ち前の力量でさまざなな困難を乗り越え、特にパソコン事業で東芝の名を飛躍的に高め、2005年社長に就任する。
 そして、西田はその在籍期間中に現在の東芝の苦境の原因ともなった原子力事業に積極的に乗り出す。

 西田の経歴を丁寧にたどったこの本を読むと、社長になるまでの西田についてとても魅力的なビジネスマンに見えた。
 原子力事業も正しい情報があがっていれば、それを選択しなかったかもしれないとも思えた。
 しかし、終りの章の著者とのインタビューで、西田の魅力はいっさいなくなった。
 もしかした西田がいう通り、その責は彼の後任の佐々木則夫にあったかもしれないが、そのことを決めたのも西田であるとするなら、いくら言いつくろうと、西田の責任は逃れられないのではないか。

 そして、西田はこのインタビューのあと、12月8日に亡くなる。
 西田はインタビューでも大学院を去った本当の理由を話していないが、その死にあって、学究に残ればよかったと悔やむことはなかっただろうか。
  
(2017/12/28 投稿)

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  先日の葉室麟さんの訃報には
  たいへんびっくりしましたが
  そういえば
  今月2日には
  元ザ ・フォーク・クルセダーズ
  はしだのりひこさんが72歳で亡くなったのも
  私には驚きでした。
  はしだのりひこさんといえば
  「」とか「花嫁」とか
  私たちの世代には欠かせない名曲が多い。
  そんなはしだのりひこさんももういない。
  まさに

    何かをもとめて振り返っても
    そこにはただ風が吹いているだけ

  だ。
  そういえば、
  今年亡くなった人の中に
  漫画家の谷口ジローさんもいた。
  今年の2月11日でした。
  谷口ジローさんもまだ69歳。
  とっても端正な絵を描く漫画家でした。
  谷口ジローさんの絵が好きでした。
  もっとたくさんの作品が描けたでしょうに。

    そこにはただ風が吹いているだけ

  ご冥福をお祈りします

  

sai.wingpen  終焉した明治から続く坂道                   

  「『坊っちゃん』の時代」と題された、関川夏央と谷口ジロー共作による漫画文庫の最終巻である。
 第一部(『坊っちゃん』の時代)で漱石を、第二部(秋の舞姫)で鴎外を、第三部(かの蒼空に)で啄木を、第四部(明治流星群)で秋水を描き、最終巻である第五部(不機嫌亭漱石)でもう一度漱石を描いた。
 青年漫画誌に連載が始まったのが一九八五年。関口によると「当時もっとも同時代的な表現分野であったマンガ」で、確かに二人は見事に、明治という青春群像を描ききったといえる。

 司馬遼太郎が「坂の上の雲」執筆に際し四〇歳台の多くの歳月をその作品に注いだように、関川も谷口もこの五部作を描ききるにあたり十二年かかったという。(関川はかなり司馬を意識してあとがきにそう書いたのだろう) そして、司馬の作品と遜色ない、漫画表現の最高峰ともいえる作品に仕上げた(第二回手塚治虫文化賞受賞作)。
 それは、漫画という表現分野をもった、私たち同時代人の幸福な果実である。

 さて、最終巻であるこの作品(不機嫌亭漱石)は、漱石の修善寺での吐血事件を描きながら、何分間は死んでいたという漱石の挿話を上手く使って、前作までの登場人物を織り交ぜた「明治の終焉」を描いている。
 司馬の「坂の上の雲」が明治の青春の光を活写した小説ならば、この「『坊っちゃん』の時代」はまさに登りつめた坂の上からの転落の始まりを描いた暗い物語といえる。

 関口と谷口がこの作品を書き始めた八五年からの十二年間は、日本という国そのものが明治以後もっとも華やかな時代とそこからの転落を経験した年月だった。
 最終章で幸徳秋水らの死刑の報を聞いた石川啄木が唇を噛みしめながら「日本は…駄目だ」とつぶやく場面は、バブル崩壊後の関川たちの苦々しい述懐だったに違いない。
 今という時代は、終焉した明治から続くとてつもなく長い下り坂の途中なのかもしれない。
 漫画は、そんな苦渋まで表現できる文化となったのだ。
  
(2003/02/23 投稿)

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  出版不況がとまらないらしい。
  特に雑誌の落ち込みがひどく
  今や店頭に並んだあと
  4割以上が返品されるとか。
  さらには
  漫画も以前のような力強さはない。
  雑誌にしろ
  漫画にしろ
  今やスマホやタブレットで読む時代で
  しかもそういう読み方を
  推奨している点もある。
  だとしたら、紙の媒体が売れなくなるのは
  当たり前のような気がするのだが。
  ただ、紙の本のやさしさは
  いつまでも残ってほしい。
  特に今日紹介するような
  一冊は、特に。
  ジョン・アガードさんの
  『わたしの名前は「本」』。
  いい本ですよ、とっても。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  抱きしめたくなる一冊                   

 やさしいことをさも難しくいうことは簡単だが、逆に難しいことや複雑なことをやさしく語るのはなかなか出来ることではない。
 さしずめ本については、紙や文字の誕生、印刷機の大発明、さらには現代の電子書籍に至る歴史にしろ考え方にしろすでに多くの本で語られてきているが、本書はそのどれにも似ていないし、どれよりもやさしく、それでいてきっちりと説明がなされている。
 著者のジョン・アガード氏は詩人でもあり、児童書作家ということで、言葉を大事にしている人なんだろうと想像できる。
 また彼の言葉をさらに美しく飾るように、版画風のイラストを添えてくれたニール・パッカーの画も素敵だ。
 日本語に翻訳してくれた金原瑞人氏にも感謝だし、この本を出版してくれた出版社にも拍手をおくりたい。
 まさに一冊の本が誕生するのは、誰か一人の力ではなく、さまざまな人たちの努力の結晶だと、この本を手にして改めて思う。

 この本には本についての至言がたくさん収められている。
 著者のそれもあるし、有名な人たちの文章の引用もある。
 例えば、イギリスの詩人のグレイス・ニコルズはこんな風に詩っている。
 「大好きな本はキスして、抱きしめて 胸におしつけるの。」という風に。
 あるいは、ボルヘスのこんな言葉、「わたしは昔から、天国とは図書館のような場所だと想像していた」。
 そうだ、この本は図書館のこともやさしく綴られているのだ。

 ニコルズではないが、この素敵な本は胸におしつけたくなるにちがいない。
  
(2017/12/27 投稿)

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  今年の流行語大賞のひとつは
  「忖度(そんたく)」でしたが
  政治の世界だけでなく
  企業の不祥事などを見ていると
  日本人は
  忖度から逃れられない性格を
  持っているような感じさえします。
  今日紹介するのは
  磯田道史さんの『無私の日本人』で、
  この本に紹介される日本人は
  忖度とは別の次元にいますが
  やはり彼らは例外で
  実際日本人の多くは
  無私などとは
  ほど遠いと
  悲しい気持ちになる一年だったと
  思います。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  私たちは「穀田屋十三郎」になれるだろうか                   

 フィギュアスケートの羽生結弦選手が仙台藩第七代藩主伊達重村を演じて話題となった映画「殿、利息でござる!」(2016年公開・中村義洋監督)の原作が、この本に収められた三つの作品のひとつ「穀田屋十三郎」である。
 映画のタイトルではわかりにくいが、仙台藩の小さな宿場町に住む穀田屋十三郎という人物が圧政によって自分たちの村が疲弊し、将来には朽ちるしかないと憂いて、財政難の仙台藩に金を貸し出すことで藩から利息を得、それを村の人たちに分け与えんと、一念発起する話だ。
 一念発起どころではない。十三郎やその志に応えん者数名は自身の家屋敷、財産さえも投げ出すことすらする。
 さらにそんな徳すら子孫に偉ぶることのないよう、釘をさす。

 著者の磯田道史氏は歴史学者として、実際の古文書や地元の歴史愛好者が調べあげた書物を丹念に読み解き、単に歴史を論文の形で発表するのではなく、多くの普通の読者が読むだろう文章に仕立てあげ、日本人が本来持っていたであろう資質を描いてみせた。
 初出の連載は「文藝春秋」で、確かにその読者の読書意欲を満足させる作品になってであろう。
 その他に「中根東里」「大田垣蓮月」(いずれも人名)という江戸時代の人物を取り上げているが、穀田屋十三郎にしろ、三人とも歴史上有名な人物ではない。
 しかし、いずれも己を消し去り、他のために生きたという点では共通している人物だ。

 彼ら三人の持っていた資質が本来の日本人のありようなのか、それとも例外的な日本人であったのか。
 私はやはり日本人は遠いところまで来てしまったような気がしないでもない。
  
(2017/12/26 投稿)

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 今日はクリスマス
 皆さんはサンタクロースって信じますか。
 人は誰でも
 サンタクロースになれると思います。
 人を愛する気持ちと
 その人のためにして何かしてあげたいという
 気持ちがあれば。

     サンタ・クロース煙突のなき家ばかり      永野 孫柳

 私の菜園にも
 サンタクロースがいます。
 私たちはアドバイザーさんと呼んでいて
 野菜の栽培のことを
 色々教えてくれます。
 だから、
 私にとっては
 サンタクロースみたいなもの。
 こちらの写真は
 アドバイザーさんに指導を受けているところ。

  CIMG2338_convert_20171224102720.jpg

 こういう利点が
 この菜園のいいところです。

 12月23日の土曜日、
 キャベツを収穫しました。

  CIMG2345_convert_20171224103100.jpg

 少し小ぶりでしたが
 しっかり固まっています。
 今回はこのあと
 同じ苗でもう一回育ててみようと
 もくろんでいます。
 ひとつめの玉を収穫したあと
 ワキ芽が出てくるので
 それを育ててみるつもり。

  CIMG2341_convert_20171224102804.jpg

 今年は寒いので
 うまくいくかどうかはわかりませんが。

 この日は芽キャベツも収穫しました。

  CIMG2347_convert_20171224103359.jpg

 あんまりうまく結球しませんでしたが
 人生初の芽キャベツです。

 人生初といえば
 ビーツも収穫しました。

  CIMG2344_convert_20171224102933.jpg

 このビーツ
 実はホウレンソウと同じ仲間だとか。
 しかも
 栄養満点で
 食べる輸血と呼ばれているそうです。

 まだ収穫していませんが
 コールラビ
 その愛嬌ある姿がしっかりしてきました。

  CIMG2343_convert_20171224102848.jpg

 でも
 こんな不思議な野菜も
 あるんですね。

 今年も
 菜園と野菜たちには
 心もからだも癒されました。
 おまけに
 テレビ出演もできましたし。 

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 昼のNHKニュースを見ていて
 葉室麟さんの突然の訃報
 思わず腰が浮きました。
 えっ! と声が出たかもしれません。
 間違いかと思いました。
 でも、NHKが間違うはずもなく
 どうもその時自分がどうこの感情と向き合えばいいのか
 わからなくなりました。

 葉室麟さんが亡くなったのは
 昨日12月23日。
 66歳でした。
 葉室麟さんが『乾山晩愁』でデビューしたのが2005年。
 54歳の遅いデビューでした。
 その後、『蜩ノ記』で第146回直木賞を受賞したのが2012年。
 以降、意欲的に作品を発表し続けました。
 デビューが遅かった分、
 どんどん書かないと残されて時間は多くないと
 葉室麟さん自身が思っていたのでしょう。

 『蜩ノ記』以降
 葉室麟さんの作品をずっと読み続けてきました。
 その多くの作品で胸うたれ
 小説の面白さを堪能させてもらいました。
 2012年7月に書いた
 『蜩ノ記』の書評には作品に接した喜びが
 あふれています。

 ご冥福をお祈りします。

 ありがとうございました、
 葉室麟さん。



sai.wingpen  追悼・葉室麟さん - 再録書評「武士(もののふ)の心」                   

 第146回直木賞受賞作(2012年)。
 あれはバブル経済がはじけた頃だったでしょうか、企業再生の弁護士から「自動車産業が日本経済の牽引者になるとは思わなかった」ということを聞いたことがあります。それによく似た感想ですが、時代小説がここまで日本文学を席巻するとは私は思いませんでした。
 ちょんまげ、刀、侍、そのような道具立てはいずれ廃れていくとみていました。
 何しろ着物を着るという風俗さえ今ではほとんど見かけなくなっています。そういう若い世代にとって時代小説とは時代錯誤も甚だしい文学になると思っていたのです。ところが意外にも、時代小説は今大層な人気を誇るジャンルとなっています。
 直木賞でも定期的に時代小説の新人が受賞します。やはり日本人の血が時代小説を求めるのでしょうか、それとも現代の日本があまりにもぎすぎすしているのでしょうか。
 少なくとも時代小説に人間の魅力を、そしてそれはもしかすると日本人の美点ともいえるかもしれませんが、そういうものを21世紀に生きる私たちは求めている証しのような気さえします。

 葉室麟の直木賞受賞作となったこの作品は、羽根藩という架空の藩を舞台に藩の家譜(藩の歴史書)の作成を任じられた戸田秋谷という人物の生きざまを描いた時代小説です。
 秋谷という人物はかつて評判のいい郡奉行でその後江戸表の中老格用人にものぼりつめた、藩では優秀な逸材でした。ところが、江戸表でのある事件をきっかけにして今は蟄居の身、しかも家譜完成後には切腹を逃れられません。秋谷が起こした事件には何やら陰謀の影がちらつきます。
 そんな秋谷の動向をさぐるべく、庄三郎という若い武士が彼の家に配されます。しかし、その庄三郎は秋谷の振る舞いにいつしか感化されていきます。

 選考委員の一人阿刀田高はこの作品を「姿のよい作品」と評しました。
 時代小説には「腕ききの船頭の操る舟に乗るときみたいに、読者はゆったりと身を委ねて小説を読む楽しみに没頭できる」ものがいいと阿刀田はいいます。現代の時代小説のブームは、読者を心地よくさせるそういう腕ききの船頭のような書き手が現代文学で少なくなったということでもあります。
 この作品における葉室麟の書き手としての姿は、物語の主人公秋谷のように凛としています。
 それこそが「武士(もののふ)の心」というものかと思います。
 重厚な気品のある書き手が時代小説のジャンルにまた誕生したことを喜びたいと思います。
  
(2012/07/07 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は、きのうのつづき。
  そして、
  クリスマスイブ
  歳時記を開くと
  クリスマスの面白い俳句が
  見つかります。

    へろへろとワンタンすするクリスマス     秋元 不死男

  クリスマスとワンタン。
  その取り合わせが絶妙。
  もう一句。

    子へ贈る本が箪笥に聖夜待つ      大島 民郎

  この句にぴったりの絵本を。
  二宮由紀子さん文、
  木曽秀夫さん絵の
  『どうしてクリスマスには・・・』。

   じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  クリスマスのリースのタイヤはあぶないです                   

 クリスマスはどうして特別な日なんだろう。
 誕生日もいいけど、お正月もいいけど、やっぱりクリスマス。
 最近ハローウインの人気は高いけど、やっぱりクリスマスには到底及ばない。
 本屋さんに行くとたくさんのクリスマス絵本が並んでいて、海外の絵本はさすがクリスマスの本場だけあると思うけど、日本の絵本だって負けてはいない。
 例えば、二宮由紀子さんが文を書いて、木曽秀夫さんが絵を描いたこの絵本。
 とっても楽しく読める、クリスマスの絵本だ。

 タイトルのように「どうしてクリスマスには・・・」のあとに質問があって、クスリと笑える答えがつづく形式になっている。
 こんなふうに。
 「どうしてクリスマスには、げんかんのドアにクリスマスリースをかざるかしってる?」。
 その答えがふるってる。
 「ほかのばしょにかざるとけっこうじゃまになることもおおいから」だって。
 それにつけられた絵が車のタイヤがリースになっていたり(でも、最近そんなテレビCMありますね)、犬の首輪になっていたり。

 ページを開くたびに、子どもたちの楽しそうな笑い声が聞こえてきそう。
 そこで私も考えました。
 「どうしてクリスマスには、本屋さんにクリスマス絵本が並ぶかしってる?」
 その答え、「クリスマスの季節にしか読まれないから」。
 ひとひねり足りないかも。

 この絵本を読んで、「クリスマスのしあわせがありますように!」
  
(2017/12/24 投稿)

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  今日は天皇誕生日
  ようやくご退位の日程も決まり、
  天皇陛下もほっと安らいで
  今日のお誕生日をお迎えなのでしょうね。
  退位後は
  12月23日は普通の日に戻るそうですが
  平成の日なんかに
  ならないのでしょうか。
  せっかく
  クリスマスイブとクリスマスに続く日なのに。
  そこで
  今日と明日、
  2日にわたってクリスマスの絵本を
  紹介しましょう。
  今日は
  佐野洋子さんが描いた
  『わたしクリスマスツリー』。

   じゃあ、読もう。 

  

sai.wingpen  佐野洋子さんが描いたクリスマスの絵本                   

 クリスマスの絵本はたくさんありすぎて困ってしまう。
 ましてやあの佐野洋子さんもクリスマスの絵本を描いていたなんて知らなかった。
 でも、さすがに佐野さんだけあって、かわいい、美しい、胸キュンの絵本とは少し違う。

 物語の舞台は山のふもとの雑木林のなか。
 一本のもみの木が主人公。
 その隣で大きな年とった木が「木はしっかり根を広げて倒れるまでそこにいるもの」と教えるのだが、もみの木はきれいな町でクリスマスツリーになることばかり夢みていた。
 だから小鳥やリスがいくら言っても話をきかない。
 町に行く貨物列車を見つけては何を載せているのか気になって仕方がない。

 そしてある日、ついにたくさんのもみの木を運ぶ貨物列車を見つけて、もみの木は自ら根っこひっぱって、貨物列車のあとを追いかけた。
 クリスマスツリーになることを夢みて。
 でも、もみの木をおいて列車は行ってしまったあとだった。
 泣きながら雑木林に帰るもみの木に、白い雪が降ってきて、もみの木は白い化粧をほどこしたようになる。
 そんなもみの木を森の仲間たちは暖かく迎えてくれる。
 そして、もみの木がなりたかったように、きれいな飾りつけをしてあげた森の仲間たちは「きみはすばらしいクリスマスツリーだ」と言ってあげた。

 本当にこれでいいのだろうか。
 こんなわがままなもみの木を森の仲間たちは簡単に許していいのだろうか。
 最後にもみの木が「わたし、クリスマスツリーになるためにうまれてきたの」と言うのだが、佐野さんは「小さな声でいった」と書いた。
 佐野さんの気持ちがなんだかわかったような気がした。
  
(2017/12/23 投稿)

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  今日は冬至
  一年で一番昼が短い日です。

     行く水のゆくにまかせて冬至かな     鳳 朗

  つまり、
  今日を境にして
  明日から陽がまた伸び出すということ。
  よかった、
  よかった。
  冬至にはかぼちゃと食べたりしますが
  そんな食の風習は
  大事にしたいもの。
  そこで
  今日は東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズの最新版、
  『焼き鳥の丸かじり』を
  紹介します。
  でも、
  焼き鳥を丸かじりしたら
  串が刺さりそう。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  入院しても、あれも食いたいこれも食いたい                   

 東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズも、この本で、40冊となりました。
 慶賀の至りです。
 ん? どうして40冊だと慶賀なんだ?
 39冊ではダメなのか? 38冊だってあったし、41冊なんかは恥ずかしがって出れないかもしれない。
 それに、この本では東海林さんは入院してたんですよ。しかも肝細胞がん。
 それを私は軽はずみにも慶賀なんて言ってしまった。
 東海林さん、怒っているんじゃないか。
 だったら、やっぱり41冊めは出さないなんて言い出すのではないか。

 でも、入院したけど、無事退院したんですよね。
 これはやっぱり慶賀じゃないか。
 しかも、入院したおかげ(ここで「おかげ」なんて使っていいのだろうかと、また悩むのですが)最新の病院食についても発言できたわけで、「あれも食いたいこれも食いたい」の連載主旨にはのっとっています。

 何はともあれ、私は東海林さんの「丸かじり」シリーズを永遠に読みたい読者であって、やはりこれは慶賀と言わせてもらいましょう。
 しかも、この本のお題が、お題なんて言っちゃっていいのだろうか、「焼き鳥の丸かじり」で、最近の焼き鳥串はずし問題を論じるご意見など、今この日本にどれだけいるでしょう。
串はずし問題って、焼き鳥を串から外してバラバラにしてしまう、焼き鳥界だけでなくプレミアムフライデーの継続そのものも揺るが した(?)大問題。
 それを東海林さんはものの見事に解決してしまう。
 どのように解決したかは、本書をお読み頂けると、慶賀に耐えません。
  
(2017/12/22 投稿)

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  本屋さんで見かけた時から
  読んでみたかった一冊、
  原田マハさんの新刊、
  『たゆたえども沈まず』。
  表紙の絵をみればわかるとおり、
  あのゴッホを描いた小説です。
  ちなみに
  表紙の絵は
  「星月夜」。
  さらに
  裏表紙は歌川広重の「大はしあたけの夕立」。
  ね、これだけで
  読みたくなるでしょう。
  何しろ、日本人の大好きな
  ゴッホですもの。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  原田マハがゴッホを書いたとなると読まずにいられない                   

 ゴッホといえば世界中の人が知っている画家であることは間違いないが、日本人ほど彼を好きな国民はいないのではないだろうか。
 もしかしたら日本のどこかでいつもゴッホの絵が公開され、人々は長い列をなしているような気さえする。
 おそらく日本人がどんな日本画家よりもその名を知っているゴッホをアート小説の旗手原田マハがどのように描いてみせるか、この作品ほど読む前から興味をひいたことはない。
 そんな期待は多くの読者が抱いたと思うが、原田は単にゴッホとその弟テオ(そういえば日本人はこの兄弟の往復書簡も大好きだ)の関係だけでなく、そこの日本人の画商林忠正を配することで、ゴッホが愛した浮世絵との関係も浮かび上がらせることに成功した。

 おそらく原田の創作と思われる林の部下である重吉という人物が、ゴッホ兄弟と林との仲介と林が持っていた野望と熱情を描くのに必要であったのであろう。
 創作上のそんな構成は見事であっても、原田もまたゴッホの持っている悲劇性から脱却することはできなかったといえる。
 もちろん画家ゴッホの生涯は確かに悲劇であるし、その弟テオも兄の死から半年で死んでしまうのであるからそれもまた悲劇であるが、もし純粋にゴッホという画家を評価するならば、そういう悲劇性から切り離れた描き方もあってもよかったような気がする。
 それは画商林忠正をどう描くかによって違ってきたはずである。

 ゴッホを描いた原田マハの次なるアートは何だろう。
  
(2017/12/21 投稿)

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  今日は
  荻原浩さんの『なかよし小鳩組』という
  ユーモア小説を
  紹介します。
  このタイトルではなんのこっちゃっていう感じですが
  以前紹介した『オロロ畑でつかまえて』の
  続編、
  というかPART2にあたります。
  世間ではユニバーサル広告社シリーズと
  呼ばれています。
  そのシリーズの2作め。
  ちなみに3作めが
  先日までテレビ東京で放送されていた
  『花のさくら通り』です。
  この本も笑えますよ。
  私、この本を電車の中で読んでいて
  随分困ってしまいました。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  今回も笑わせてもらいました                   

 直木賞作家荻原浩のデビューは1997年に第10回小説すばる新人賞を受賞した『オロロ畑でつかまえて』だ。
 この作品はいわゆるユーモア小説として高い評価を得た。
 それにつづく作品がこの『なかよし小鳩組』で、主要登場人物は『オロロ畑』同様、ユニバーサル広告社のメンバーで、よってジャンルもユーモア小説に分類される。
 しかし、その後荻原浩はユーモア小説に拘泥しない。
 荻原の名前を一躍高めた『明日の記憶』は若年性アルツハイマーをテーマにしたものだし、直木賞受賞作『海の見える理髪店』も現代の人情話といえる。
 荻原浩がユーモア小説というジャンルを捨てたのではない。
 ただ文壇の賞レースでは、ユーモア小説はまだまだ低位にみられているということだろう。

 『オロロ畑』に続いて、この作品でも何度も笑わされた。
 いつ倒産してもおかしくない、零細の広告代理店ユニバーサル広告社に舞い込んできた大口案件。その相手が暴力団ということも知らず広告社の面々。
 お人よしの石井社長をはじめ、この作品の主人公でもある杉山でさえ、暴力の前では恐怖の硬直に陥ってしまう。
 恐怖と合い対峙する概念は何であろう。
 もしかしたら、笑いかもしれない。ひきつっていたとしても。
 そのギャップが笑いを生み出す。

 荻原には笑いがどのように生まれるのか、そしてそれは悲しみがどのように生まれるのかに続くのであるが、よく研究されているような気がする。
 だから、荻原浩にとってユーモアと涙はきっと同じ地平にあるのだろう。
  
(2017/12/20 投稿)

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 ほかのところはどうか知らないのですが
 私が暮らしている
 埼玉県
 図書館活動に割と熱心な街では
 ないかしら。

 毎年恒例の
 「図書館と県民のつどい」も
 今年で11回ということで
 12月17日の日曜日
 埼玉県桶川市にあるさいたま文学館まで
 出かけてきました。

  CIMG2335_convert_20171217161253.jpg

 今回の記念講演は
 作家の柚木麻子さん。
 柚木麻子さんは
 『ランチのアッコちゃん』や『本屋さんのダイアナ』、
 山本周五郎賞を受賞した
 『ナイルパーチの女子会』など
 最近人気の高い作家です。

  CIMG2336_convert_20171217161325.jpg

 ところが
 私はまだ一冊も読んだことがないんです。
 読んだこともない作家の
 講演を聞くのはいかがなものかと
 私も思わないでもなかったのですが
 だって
 ほとんど情報もない人ですよ
 まるで初対面(あたりまえですが)の人の話を
 聞こうと思うのは
 作家を生業にしている人が
 どんなことを思っているのか
 興味があるからなんですね。

 ただ最近人気の高い作家ではあっても
 やはりまだまだ浸透していないのか
 会場は満席にはなっていなかったようで
 ここ何年か
 この講演会に参加していますが
 今回は少なかったように感じました。
 もしかして
 出版不況、読書離れは
 こんなところにも影響しているのかもしれないと
 ちょっと心配に
 なってしまいました。

 演題は「図書館とわたし」。
 話の端々から
 柚木麻子さんが本好きなのが伝わってきました。
 しかも
 少女時代は図書館に頻繁に通っていたそうで
 高校時代は
 学校図書館や公共図書館など
 6館利用のヘビーユーザーだったようです。

 そんな柚木麻子さんですが
 今は本だけでなく
 ドラマやディズニーランドも大好きだそうで
 どんなカルチャーにも意味があると
 話していました。

 最近読んだ本や
 昔はまった本など
 話は行ったり来たりでしたが
 そのとりとめのなさが
 柚木麻子さんのポジティブな点なのかもしれないと
 楽しめました。
 
 会場には
 学校図書館の関係者や図書館に関わる人たちが
 柚木麻子さんの本を
 きれいにディスプレイしたり
 本の修理方法などを教えてくれるコーナーもあったり

  CIMG2337_convert_20171217161404.jpg

 みんなもっともっと
 本になじむようになれば
 いいのになぁと思いつつ
 帰路につきました。

 柚木麻子さん、
 今度著作読みますね、
 ちゃんと。

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 師走というくらいですから
 先生も走るほど慌ただしい月と
 よく言われますが、
 この師とは僧のことだった
 そうです。

   十字路の十字の往き来街師走     粟津 松彩子

  20171118_102551_convert_20171217161018.jpg

 街は
 クリスマスツリーやイルミネーションと
 華やかですが
 畑は収穫もほとんどなく
 寂しいくらい。

 この寒さで
 育てている野菜も
 大きくなりません。
 今育てているといえば
 ホウレンソウ

  CIMG2326_convert_20171217075817.jpg

 でも
 まだまだ子ども。
 収穫は年があけて
 春近くまでかかるかな。

 こちらは
 ミニチンゲンサイ

  CIMG2327_convert_20171217075914.jpg

 そして、
 これはシュンギク

  CIMG2331_convert_20171217080224.jpg

 どれもまだまだです。

 まだまだといえば
 タマネギ(左の方)とニンニク(右の方)も
 これでふっくらと育つのか
 心配になるくらい。

  CIMG2330_convert_20171217080140.jpg

 春まで
 長いですね。

 まあこの時期
 野菜を育てるというより
 土を休ませる方が
 いいかもしれません。

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プレゼント 書評こぼれ話

  せっかく谷川俊太郎さんの本が続いているので
  絵本も
  谷川俊太郎さんのもの、
  『あな』を再録書評で
  紹介します。
  絵は谷川俊太郎さんと絶対的コンビの
  和田誠さん。
  この『あな』は
  谷川俊太郎さんの数多い絵本の作品でも
  人気の高いもので
  海外にも翻訳されて輸出されているそうです。
  2010年の書評は
  和田誠さん寄りのものになっているのは
  和田誠展
  その原画を見たせいです。
  谷川俊太郎さん
  ゴメンナサイ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  穴はなくなれば穴ではないのだろうか                   

  この絵本を読むには、まず縦を横に、横を縦にしてください。
 どうしてかって?
 それはページを開く、お楽しみということで。

 「にちようびの あさ、なにも することがなかったので、ひろしは あなを ほりはじめ」ました。
 どんどん深くほっていきます。でも、どうして、穴をほっているのか、ひろし君にもわかっていません。ただ、穴をほっているだけです。
 自分の身長よりも深くほって、ひろし君は思います。「これは ぼくの あなだ」と。
 そして、穴のなかから上を見上げると、「そらは いつもより もっと あおく」思えるのです。
 しばらくして、ひろし君は、穴を出て、それを埋めてしまいます。
 たったそれだけのお話です。
 そのことに意味があるのでしょうか。ないかもしれません。あるかもしれません。
 うめられた穴はもう穴という存在ではない。たとえば、ドーナツのあなみたいに、食べてしまえば、穴はなくなっているように。

 そんな不思議な物語が、和田誠さんのほのぼのとした絵のタッチで、ちっとも不思議に思えません。
 谷川俊太郎さんと和田誠さんのみごとな勝利です。
 和田誠さんは絵本の仕事について、特別展「和田誠の仕事」の図版のなかで「本が好きで、絵が描けて、デザインもできるとなると、絵本を作りたくなるのは自然の流れ」と書いています。そういう自然な楽しみがこの絵本にはあります。
  
(2010/10/13 投稿)

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  昨日
  尾崎真理子さんが丁寧に描いた
  詩人谷川俊太郎さんの半生
  『詩人なんて呼ばれて』を
  紹介しましたが、
  このブログも9年も続けていると
  谷川俊太郎の本も
  たくさん紹介していて
  せっかくなので
  今日は
  岩波文庫から出た
  『自選 谷川俊太郎詩集』を
  再録書評で紹介します。
  谷川俊太郎さんの詩を
  読むには
  最適の一冊です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「どきん」となった岩波文庫                   

  岩波文庫は、昔ほどではないにしろ、他の文庫本にはない格式のようなものがある。
 それがブランドの持つ強みだろう。
 他にさきがけて作られた文庫本(創刊は昭和2年。今でもその当時岩波茂雄を記した「読書子に寄す」という文章が巻末に載っている)ということもあるが、精選されたラインナップが岩波文庫の品格になっている。
 流行作家であろうとベストセラーであろうと、時間という評価をくぐららないと、岩波文庫にはならない。
 そこに、谷川俊太郎の自選詩集がはいったのであるから、これは驚きとも感動ともいえる。

 谷川俊太郎は幸福な詩人である。
 二十歳の時の処女詩集『二十億光年の記憶』の刊行以来、八十一歳になる今日まで詩人であり続けたのだから。そして、こうして岩波文庫の一冊として収められたのだから。
 「六十年以上詩を書き続けて」きた谷川はこの文庫本の「まえがき」に、「この機会に自分の年齢による変化の跡をたどってみるのもいい」と書いているが、やはり他の文庫本にはない高揚感のようなものを、谷川なりに感じたともいえる。

 「ときどき昔書いた詩を詠み返してみることがある/どんな気持ちで書いたのかなんて教科書みたいなことは考えない/詩を書くときは詩を書きたいという気持ちしかないからだ」というのは、本書に収録されている「夕焼け」という詩の一節である。
 だから、この詩集、谷川が今までに書いてきた二千数百におよぶ詩から精選された一七三篇の詩が収められている、にあるのは、その時々の「詩を書きたいという気持ち」の発露といっていい。
 「二十億光年の孤独に/僕は思わずくしゃみをした」(「二十億光年の孤独」)と書くのも、「限りなく無力な/巨人になりたい」(「美しい夏の朝に」)と書くのも、「うんこよ きょうも/げんきに でてこい」(「うんこ」)と書くのも、谷川俊太郎という詩人の生み出した言霊だ。

 これから詩を読んでみたいと思う人、谷川俊太郎の詩の業績に触れてみたい人、かつて谷川にあこがれ読んだ人、それぞれにとって、岩波文庫の一冊となったこの詩集はうれしい。
 谷川の良き理解者山田馨氏による解説も丁寧にできている。
  
(2013/04/13 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  思えば
  私が映画雑誌「キネマ旬報」の
  「読者の映画評」で取り上げられたのは
  アーサー・ペン監督の
  「奇跡の人」であった。
  その映画評の骨格には
  谷川俊太郎さんの「うつむく青年」という詩があったことを
  今でもはっきりと
  覚えています。
  その詩集『うつむく青年』が刊行されたのは
  1971年.
  私が16歳の時で
  だとすれば
  刊行されて間もないこの詩集を
  私は読んだはず。
  詩人谷川俊太郎さんは
  私にとっては
  そんな詩人。
  今日は
  谷川俊太郎さんのこれまでの歩みを
  尾崎真理子さんが描き出した
  『詩人なんて呼ばれて』を
  紹介します。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  桂冠なき詩の王                   

 詩人というと宮沢賢治や中原中也といった早熟の才能を持ちながらも早逝した人物たちを思い浮かべる。
 しかもどちらかといえば生前は世の中に認められず、出した詩集も数冊みたいな。
 そんな詩人などもはやいない。
 詩を書くから詩人であったとして、詩をもって生活の糧にできる人などいやしない。
 ところが、谷川俊太郎だけはどうもちがうようだ。
 谷川の収入のうち詩を書いて得たものあるいは詩集の印税がどれくらいあるのか知らないが、谷川のどんな活動、有名なところでいえば絵本やチャーリー・ブラウンの翻訳といったものがあるが、それらも詩人谷川俊太郎の仕事に分類されるものだ。
 つまり、谷川俊太郎は1952年に『二十億光年の孤独』で鮮烈なデビュー以降、ただ一人詩人であり続けた、稀有な人なのだ。

 この本は『ひみつの王国』という作品で石井桃子の生涯を隈なく描き出した尾崎真理子が谷川へのロングインタビューを媒介に谷川の半生だけでなく戦後詩のありようまで見事に書き留めた一冊である。
 谷川の半生といえば三度の結婚と離婚、そのうちの一人が佐野洋子である、さらには父親谷川徹三との微妙な距離など興味深いところも、インタビューでは正面から尋ねている。

 本作の読み応えでいえば、第5章の「無限の変奏」ははずせない。
 ここではバブル経済破たん後の、詩壇だけでなく文芸全体が陥った倦怠が整理されている。
 そんな章の一節が、もしかしたらこの本のすべてを物語っているやもしれない。
 「谷川俊太郎は1950年にデビューした時から、桂冠なき詩の王として、ここまで在り続けてきたのだ」。
  
(2017/12/15 投稿)

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  昨日
  読書会の話を書きましたが
  12月の読書会では
  他にも高野悦子の『二十歳の原点』も
  紹介されました。
  紹介してくれた方は
  私よりもお若い方でしたが
  つい夢中になって
  紹介者よりもたくさん喋ってしまいました。
  少し年齢が上の方もメンバーにはいるのですが
  この本のことを知らない人もいて
  同世代といっても
  微妙な差異があるのだなと
  感じました。
  そこで
  今日は再録書評
  坪内祐三さんの『昭和の子供だ君たちも』を
  紹介します。
  高野悦子の『二十歳の原点』も
  出てきますよ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  だから、人間は面白い                   

 本作の著者坪内祐三氏は昭和33年(1958年)生まれだ。
 私が昭和30年(1955年)生まれだから、ちょうど弟の世代になる。
 「世代論を語りたい」という言葉でこの本は始まるのだが、坪内氏と私はほぼ同世代といっていい。
 たとえば、「少しでもものを考えようという意志のある学生にはマストと言うべき三冊の本があった」という坪内氏が紹介しているのは、高野悦子の『二十歳の原点』、奥浩平の『青春の墓標』、柴田翔の『されど われら日々―』の三冊だ。
 高野、柴田の本はともかく、ここに奥の本を並べる世代というのが確かにあって、私もそうだ。
 私が「少しでもものを考えようという意志」があったかどうかはともかくとしても、この三冊の本は私たちの多感な青春時代に重い意味をもっていた。
 多分少し時代が変われば、この三冊の本の意味も変わってくるはずだ。
 それが「世代論」だといえる。

 この本では坪内氏の世代が描かれているわけではない。
 終戦後の若者世代の軌跡を追いかけたものだ。
 世代としては圧倒的な勢力をもつ「団塊の世代」といった代表される世代を追跡したものでもない。時代が進むにつれて、世代が次々といれかわっていくように、たとえば昭和39年(1964年)頃に青春期を迎えた世代は何に怒り、何から挫折したのか、あるいは昭和50年(1975年)頃に成人した世代は何にシラケていたのかといったように、世代をつなげることで昭和という時代を描いた作品になっている。
 やや残念なのは、昭和の終盤の世代の論考が薄くなっている点だ。
 それは坪内氏自身がもはや青春期を抜け出した時期だからかもしれない。
 おいてきたものは印象が薄い。やはり青春期はいつも前に前にと急かされている時期といえる。

 坪内氏は東京で生まれ育った、昔の言葉でいえばシティボーイだ。
 実は世代論には育った場所という空間論が交差する。
 有名な60年安保にしても、あたかも若者たちすべてがそれに関わったイメージがあるが、おそらくそれは事実と違う。
だから、世代論だけですべては語れない。
 さらにいえば、同じように生まれ育っても、どこかの地点でそれぞれに分岐していくということ。
 いうなれば、「昭和」という根っこは同じであるが、咲く花がちがうのだ。
 だから面白い。人間は。
  
(2014/03/13 投稿)

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  私が参加している読書会は
  毎月第1土曜日に
  3時間ほど行われるのですが
  先日参加した会で
  カズオ・イシグロさんがノーベル文学賞を受賞したあと
  その作品を全部読破したという
  つわもの女性がおられて
  びっくりしました。
  私などは
  今日紹介する『わたしを離さないで』が
  カズオ・イシグロ初体験で
  しかも結構ハードな読書体験でした。
  その彼女がオススメのカズオ・イシグロ作品は
  『忘れられた巨人』でした。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  あなたはカズオ・イシグロをもう読んだか                   

 「世界とつながっているという幻想的な感覚にひそむ深淵をあらわにした」というのが、ノーベル文学賞を今年(2017年)受賞したカズオ・イシグロの受賞理由だった。
 彼が長崎出身ということで受賞後日本でも大ブレークを起こしたのは今年の文学界の大きな事件! であった。
 ノーベル文学賞は特定のどの作品に贈られたというものではなく、彼のこれまでの著作全般に関わるものであったろうが、その受賞理由からすれば結構難解ではある。

 映画化やドラマ化もされたこの作品にしてもそうだ。
 カズオ・イシグロの6作目の長編小説はミステリー仕立ての近未来小説といえるが、どんなダイジェストも読むことなく読書を始めたとすれば、これは一体どんな話なのだろうかと思うに違いない。
 もしかして主人公のキャシーたちが学んでいるところは世界と隔絶された世界で、彼女たちは何かの特権を付与あるいは剥奪された若者たちではないかと思えてくるのが、物語の中間あたりであろうか。
 この作品はそんな世界に翻弄される若者たちの姿を描いていく。

 キャシーと仲のいい友人ルースにしてもキャシーが自身その恋に気づいていない風であるトミーにしても、その造形が朧げであやうい。
 登場人物がどうとかではなく、彼女たちを包む世界そのものをカズオ・イシグロは描きたかったのではないかと思えてくる。

 案外この作品は映画とかドラマで見てから読むのがわかりやすいかもしれない。
 もっとも「深淵」をのぞき込みたい人は別だが。
  
(2017/12/13 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  電器屋さんの大きなチラシ広告を見つけて
  そういえば
  ボーナス商戦まっただなかだなと
  懐かしく?
  思い出した。
  定年後の生活にはいって
  もちろんボーナスはないのだが
  会社員時代も後半は
  年収とかいって
  ボーナスがなくなっていたから
  ボーナスをもらっていたのは
  随分前の話になる。
  でも、その頃は
  わずかばかりのボーナスで
  何を買おうとか
  家のローンはどのくらい返せるのかとか
  今から思えば楽しかったな。
  今日紹介するのは
  横山光昭さんの『1日500円の小さな習慣』。
  いつもの書評サイト「本が好き!」から
  献本頂きました。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  体重も家計もメタボか                   

 タイトルを見て、500円玉貯金推奨の本だと錯覚するかもしれないが、そうではない。
 「500円ぐらい、まぁいいか」て思うその心持ちが「メタボ家計」を生み出すもとになっているという、使う方を見直す一冊だ。
 家計といっても会社の決算と同じで、儲けを出す(貯金をする)ためには、収入を増やすか消費を抑えるしかない。
 この本はそのうちの消費を抑える意識の改革と著者が実際目にした失敗事例をもとに出来上がっている。

 意識でいえば、「お金の使い方に鈍感か敏感かーそれが、貯められる人と貯められない人の大きな差になる」といった言葉や「お金のことを真剣に考えている人は、お金に卑しい人ではなく、生き方が賢い人」といったフレーズなどは、手帳の片隅にでも書き留めておきたいくらいだ。
 ただ、ことお金の話となると、なかなか声高には言えないところがある。
 この本に出てくる「メタボ家計」は、自分ではなかなか気がつかないものだ。
 著者のように「家計再生コンサルタント」をしていれば比較ができるが、自分では口にできないだろうから、気づかないうちに「メタボ家計」になっていることが多い。
 できれば血液検査のように正常値の値を表記してくれれば、わかりやすい。

 次に失敗事例でいえば、お金が貯まらない人の悪い習慣が16も紹介されている。
 「ちょこちょこ買い」とか「ネット通販」だとか、世の中便利になった分、ついつい使っている習慣が多い。
 もちろん企業側もそれをわかって仕掛けているのだろうが。

 アリとキリギリスの寓話ではないが、自分はどちらだろうかとたまに考えるのもわるくない。
  
(2017/12/12 投稿)

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 冬になると
 空気が乾燥するからでしょうか
 我が家からも
 遠くの富士山がよく見えます。

  CIMG2317_convert_20171210112248.jpg

 この富士は
 12月9日(土曜日)の朝
 撮影したものですが
 だいぶ雪をかぶっています。

    家一つ畠七枚冬日和     小林 一茶

 これは小林一茶の句ですが
 さしずめ私の畑は畝四つの冬日和でしょうか。

 その畑も
 朝には氷がはったり
 霜柱が立つほどの寒さになってきました。

  CIMG2320_convert_20171210112403.jpg

 土曜日は
 ダイコンの最後の1本を収穫。
 遅まきの品種のダイコンを蒔いたのですが
 さすがになかなか大きくなりません。
 ハクサイはTV撮影の際に収穫したし
 キャベツはもう少し大きくなるのを
 待っています。

  CIMG2310_convert_20171203085824.jpg

 芽キャベツはどうもうまく巻いてくれません。

  CIMG2319_convert_20171210112323.jpg

 少し自分がイメージしていたものとは
 違います。
 大丈夫かしら。

 こちらはスナップエンドウ

  CIMG2322_convert_20171210112446.jpg

 冬の間は
 じっと我慢、我慢。
 今は野菜を育てるというより
 土を休ませる時期なんでしょうね。
 野菜づくりを始めて
 3年ですから
 土もゆっくり休ませないといけないのですが。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今年の残り20日ばかり。
  今年の読書で印象的だったのは
  かこさとしさんの絵本に
  たくさん出会えたことでしょうか。
  こんな素敵なかこさとしさんを
  今までうっちゃっていたなんて。
  でも、こうして出会えたのですから
  ヨシとしないと。
  今日は
  かこさとしさんの『からすのおかしやさん』。
  このシリーズもあと1冊です。
  今年中には
  紹介しますから
  待っていて下さい。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  甘いものには目がない私です                   

 絵本作家かこさとしさんが1973年に発表した『からすのパンやさん』から40年。
 2013年にかこさんはパンやさんの4羽の子どもたちを主人公にした4冊の絵本を出版しました。
 これはそのうちの一冊で、チョコくんのお話。
 ちなみに4羽の子どもたちは、チョコくん、リンゴちゃん、レモンちゃん、そしてオモチくんで、それぞれ黒だったり赤だったり黄色だったり白だったり、羽の色が違います。

 ある日、パンやのおとうさんとおかあさんが山形(って具体的なのがいい)のおじさんの病気見舞いに行くことになり、4羽の子どもたちが店番をまかされます。
 その責任者はチョコくん。
 売るパンはおとうさんたちが作っていってくれたのですが、チョコくんはそれ以外にもとクッキーを焼き始めます。
 そこにやってきたのが、おかしを作るのが大好きなミミちゃん。
 さっそく彼女の指導でお菓子作りがはじまります。
 クッキーだけではなく、ケーキやドーナツも作って、たちまち森の評判になっていきます。
 山形から帰ってきたおとうさんたちもびっくりで、パンやさんの隣に「ケーキやさん」が出来上がります。

 すると、今度は和菓子を求めるお客さんも現れて、まんじゅうとかようかんとかおせんべいまで売るようになって、「おかしやさん」に大変身。
 それだけではありません。
 なんとチョコくんはミミちゃんにプロポーズして結婚までしちゃいます。

 「パンやさん」同様、この絵本にもたくさんのおいしいおかしが登場してきます。
 それを見ているだけでも楽しくなる一冊です。
  
(2017/12/10 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  NHKの大河ドラマおんな城主直虎」も
  残りわずか。
  視聴率は厳しかったですが
  毎回のサブタイトルが面白く
  楽しめた一年でした。
  そして、来年は「西郷どん」。
  西郷隆盛が主人公ですから
  面白そうです。
  そのせいか
  最近本屋さんに行くと
  西郷隆盛の関連本が多いですよね。
  今日紹介するのも
  西郷隆盛が主人公。
  葉室麟さんの『大獄 西郷青嵐賦』。
  でもNHKとは関係ないですよ。
  葉室麟さんの力作です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  西郷隆盛ブームの中で葉室麟の筆が冴える                   

 来年(2018年)のNHK大河ドラマが林真理子さんの『西郷どん』に決まって、ちょっとした西郷隆盛ブームの兆しがすでに見え始めている。
 そんな中出版された葉室麟さんのこの本も「西郷青嵐賦」とあるように、主人公は若き日の西郷隆盛である。
 ただ葉室さんのこの作品の「文藝春秋」への連載が始まったのは2016年1月だから、大河ドラマとの関係はないと思われる。
 放映が近づいた頃の出版となったのも偶々であろう。
 読者としては、林真理子さんの原作もそうだが、葉室さんの西郷が読めて、これで来年の大河ドラマを見る楽しみが増したといえる。

 そうはいってもこの作品のタイトルは「大獄」である。
 つまり、歴史的に有名な「安政の大獄」が描かれているということである。
 「安政の大獄」とは安政5年(1858年)から翌6年にかけて江戸幕府の手によって行われた弾圧事件で、その主役となるのは井伊直弼だし、彼の弾圧により獄死する吉田松陰が有名である。
 その時、西郷は30歳で、その大獄の原因ともなった徳川家の世継ぎ問題で島津斉彬の命を受けて一橋慶喜派として奔走していた。
 そして、その罰を受け、奄美大島に流されることになる。
 しかし、安政7年に起こった桜田門外の変により、時代の歯車はまたひとつ回る。
 西郷もまたその歯車によって、再び表舞台へと出立する。
 葉室さんのこの作品はここで終わる。

 西郷隆盛の生涯すべてが描かれているわけではない。
 ただ後に西南戦争で対峙することになる大久保一蔵との違いなど、葉室さんはこの作品の中でもおろそかにしない。
 それがこの作品の重厚さにつながっている。
  
(2017/12/08 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  ずっと読みたかった一冊。
  清武英利さんの『しんがり』。
  「山一証券 最後の12人」と副題のあるとおり
  20年前
  つまり1997年11月に
  経営破たんに追い込まれた
  山一証券の闇に迫る
  ドキュメントである。
  あれから20年の歳月を経て
  やはり日本の企業は
  粉飾決算やデータ過誤など
  何ひとつ変わっていない。
  もしかしたら
  日本人のこれは本質かもしれないと
  暗澹ともなる。
  20年という歳月は
  長いのか
  それとも短いのか。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  会社という器の中でどう生きるか                   

 「会社という組織をどうしようもない怪物に喩える人は多い。しかし、会社を怪物にしてしまうのは、トップであると同時に、そのトップに抵抗しない役員たちなのである。」
 まるで昨今の企業不祥事を指摘したような一文であるが、これは今から20年も前の1997年11月に破綻した大手証券会社「山一証券」の破綻理由の解明と清算業務に携わった人たちの姿を描いた本作品に出て来る一節だ。
 山一証券の破綻は「社員は悪くありませんから」と号泣した当時の社長会見で記憶に残る経済史となった。
 その会見を見て、なんと人情に厚い社長と感心した人もいるだろうし、社長という立場であれはない、だから潰れるのだと呆れた人もいるだろう。
 最後の社長があの人でよかったのではないかと思う。
 あれで山一証券という会社は少なくともこれから先もいつまでも語られる会社となったのだから。

 この作品では最後まで清算業務を行った人たちが描かれているが、もちろんそうではない人も大勢いた。それは役員であっても例外ではない。
 彼らの氏名は伏せられているが、著者は「誰もそれをとがめることはできない」と寛容だが、はたしてそういう人たちは新しい環境 でも一点の曇りもなく働けるのだろうか。
 守るべきものは一体なんだろう。

 会社の破綻により何度も転職を繰り返した人もいる。
 あるいは、そのことをきっかけにしてまさに天職を得た人もいる。
 その中の一人の言葉が印象に残った。
 「人間はその場に合わせて咲く能力がある。突然の失職もたいしたことはなかった。人生は何とかなる」。
 働く意味も含めて多くの示唆に富んだ一冊である。
   
(2017/12/08 投稿)

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 今日は
 二十四節気のひとつ
 大雪(たいせつ)
 そろそろ雪が多くなる季節ということ。

    大雪や暦に記す覚え書き     椎橋 清翠

 俳句という表現方法は
 さすがに季節を描くのがうまい。
 これから冬至、年の暮れに向けて
 ひとつ俳句でも詠みたくなります。

 そこで今日は
 「雑誌を歩く」で
 月刊「俳句」12月号(KADOKAWA・920円)を
 紹介します。

  

 本屋さんでこの「俳句」を見つけて
 思わず足がとまりました。
 それというのも

   特別寄稿 待望の新紀行文
   沢木耕太郎 「黒石行」

 とあるではないですか。
 え!?
 あの沢木耕太郎さん!?
 まさか!?
 これって「俳句」の専門誌だよね。

   大特集 必ず成功する! 「取り合せ」

 ってあるから
 「俳句」だよね、どう見ても。

 もうびっくりして
 本屋さんで本を広げてしまいました。

 沢木耕太郎さんといえば
 父の死を描いた
 名作『無名』がありますが
 あの中で父親の遺した俳句で
 句集をつくるという話が出てきます。
 つまり、沢木耕太郎さんと俳句は
 そんなに遠いわけではない。
 でも、やっぱり遠いかな。

 この「黒石行」は
 沢木耕太郎さんが16歳の時に
 一人で旅した青森県黒石の街を
 再訪するというもの。
 テーマ的には
 沢木耕太郎さんらしいが
 若々しさに欠けるかな。
 当たり前だけど
 沢木耕太郎さんだって
 年をとる。

 その旅の終りに
 沢木耕太郎さんが詠んだ俳句。

    ゆく空は煙る緑雨の涯の涯

 「私の少年期を葬る歌」と
 書くあたりは
 やはり沢木耕太郎さん。

 俳句は
 やはりいいもんだ。

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 東京駅に隣接する
 サピアタワーには
 いくつかの大学がサテライト校舎として
 入居しています。
 それらの学校の講義と
 基調講演で構成される
 「東京オトナ大学」(いいネーミングですよね)の
 第7回めが
 先日の日曜(12月3日)に
 開催されたので
 行ってきました。

  20171203_140303_convert_20171205155319.jpg

 今年で2回目の参加となります。

 今回の基調講演は
 日本ホテル株式会社・ホテルメトロポリタン エドモント 取締役 統括名誉総料理長(長―い)の
 中村勝宏さん。
 演題は「食のおもてなし - 洞爺湖サミットの場合」。
 日本で開催されたサミットといえば
 昨年の5月に開催された
 伊勢志摩サミットが記憶に新しいですが
 中村勝宏さんが総料理長として
 腕を振るったのは
 2008年7月に開催された
 洞爺湖サミット
 当時の日本の総理大臣は福田康夫さん。
 もう10年近く前なんですね。

 最近では
 NHKの「ブラタモリ」で洞爺湖を放送していましたが
 とっても風光明媚なところ。
 その山頂にあるウィンザーホテルで開催されました。
 何しろサミット。
 主要国首脳会議ですから
 アメリカとかロシアとかイギリスとか
 すごい人がたくさん来るわけです。
 その料理を一手に仕切る訳ですから
 中村勝宏総料理長の話が
 面白くないわけありません。

 その場にいた人だから見聞きした
 面白いエピソードもありますが
 料理は食材ありき
 何度も繰り返し話されていましたから
 中村勝宏総料理長の強い信念なんでしょうね。
 それに
 こういう大きな仕事は一人ではできない。
 全ての人の協力があればこそと
 話されていました。
 料理人の絆の強さを感じました。

 1時間の講演ですから
 あっという間に過ぎて
 最後に中村勝宏総料理長は
 フードロスの問題について
 もったいないという思いを
 多くの人が持つことが大切と話されていたのが
 印象に残りました。
 いい講演、
 いい「東京オトナ大学」でした。

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 昨日は畑のイベントを
 報告しましたが
 冬の畑はどうしても収穫が少ないですし
 野菜たちの生育も
 春を待つ感じになります。

 そんな時
 本屋さんで見かけてのが
 日曜の朝の放は欠かさず見ている
 NHKの「やさいの時間」のテキスト。
 その表紙のハクサイに魅かれました。
 「やさいの時間」12月号(NHK出版・669円)の特集は

    ひとつの野菜をドドーンと。

 そうか、ハクサイもこうして立てて写真を撮れば
 迫力があったんだと
 先月収穫したハクサイ
 今頃悔やんだりしています。

  

 久しぶりに「やさいの時間」を購入したのですが
 その理由は他にもあって
 それがミニ特集の「農具の手入れ」。
 番組にも出てくる達人・加藤正明さんが伝授する
 農具のリフレッシュ方法。
 私の菜園でもそうですが
 鍬とかスコップとか
 どうしても土に汚れてしまいます。
 いい野菜を育てるには
 こうした農具の手入れも欠かせられません。
 こういうのを
 知りたかった。
 料理をする時は
 調理道具の後片づけまでが一連の作業です。
 それと同じように
 畑の農作業も
 農具をきれいに洗ってしまうまでが
 一連の作業。
 いつもきれいな農具を使いたい。

 その他この号には
 加藤正明達人の
 「畑の日照時間をチェック!」という記事もあって
 日頃見落としがちの
 冬場の日照時間にも
 目配りができている
 いい記事に仕上がっていました。

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    今日はブログの誕生日です。

 このブログを始めたのが
 2008年12月4日。
 おかげさまで
 今日で
 丸9年を迎えました。
 いよいよ10年めに入ります。

 その最初の記事が
 本の話でないのも私の変化というか
 成長なんでしょうか。
 今日は菜園のイベントの報告です。

 先日の土曜日(12月2日)
 私の菜園で芋煮会のイベントがありました。
 この日のために
 アドバイザーの皆さんが育ててくれた
 サトイモをどっさり使って
 本場山形風味の味に
 仕上げます。

  CIMG2312_convert_20171203090043.jpg

 おなじみのかまども登場です。

  CIMG2313_convert_20171203090122.jpg

 こちらは
 応援ボランティアの女性軍が作った
 芋ケンピ

  CIMG2314_convert_20171203090231.jpg

 今年はサツマイモがどっさり獲れたので
 それを使っています。

 さあ、あつあつの芋煮鍋の出来上がり。

  CIMG2315_convert_20171203090302.jpg

 この日参加された80名近い人たちが
 12月の寒空の下で
 皆さんほっこりしていました。

 私は
 クイズの進行役をさせてもらいました。
 例えば
 こんな問題。
 「イチゴの花言葉は?」。
 答えは

 幸福な家庭。

 イチゴにはランナーという
 子どもたちを育てる茎が伸びるところから
 きているようです。
 それは
 絆でもあります。

 小さな畑が集まった
 この菜園でも
 イチゴのランナーのように
 人と人がつながっています。
 私のブログも
 本を通じて
 そんな風につながっていければ
 いいですね。
 これからも
 素敵な本を紹介できたら
 どんなにいいでしょう。
 いい本と出合えることを願って。

 これからも応援よろしくお願いします。 

 追伸
 先日記事に書いた
 TVの放映日が決まりました。
 番組はテレビ東京の「カンブリアン宮殿」。
 12月7日夜10時からの放送です。
 私が映るかどうかはともかく
 私が利用している畑の風景は映るでしょうから
 どんな畑で野菜を作っているかは
 わかると思います。
 ぜひお楽しみに。

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プレゼント 書評こぼれ話

  NHKの人気番組「ブラタモリ」で
  この夏黒部ダムの放映があって
  それに影響され
  昔放映されていた「プロジェクトX」をDVDで見て
  過酷な黒部ダム工事の有り様を
  改めて知りました。
  実は絵本作家加古里子(かこさとし)さんの
  デビュー絵本が
  そんなダム工事のお話です。
  それが『だむのおじさんたち』。
  1959年の作品というから
  60年近くなります。
  これは2007年に出た復刻版。
  いい絵本は
  こうして子どもたちにつながっていくと
  いいですね。

  じゃあ、読もう。  

  

sai.wingpen  加古里子さんのデビュー絵本                   

 絵本作家加古里子(かこさとし)さんの経歴を初めて知った時は驚きました。
 東京大学工学部で学んだ後、昭和電工という会社で研究所勤務をしていたといいます。
 つまりは技術屋さん。
 そんな加古さんが絵本作家になったのは会社員になっても続けた社会活動からでしょうが、加古さんの才能を見出した編集者には頭が下がります。
 この絵本は加古さんが初めて作品となって出版されたものの復刻版です。
 最初に出版されたのは1959年。
 有名な黒部ダムが着工したのが1956年(完成は1963年)ですから、昭和30年代の資源は水力発電という時代だったのでしょう。

 そんな時代に加古さんはダムのお話を絵本にしました。
 動物や架空の生き物が主人公のお話ではありません。
 ここの出てくるのは、日焼けしたむさくるしいおじさんたちです。
 それでいて、この絵本を読み終わる頃にはこのおじさんたちが大好きになるでしょう。
 それは加古さんの視点にあります。
 加古さんはこの絵本の中で働く意味の尊さを描くだけでなく、寝転んだり食事をしたり、家族に手紙を書いたりするおじさんたちの当たり前の日常を愛情をもって描いています。
 加古さんが活動していた現場にはおそらく「だむのおじさんたち」のような真面目に働く人たちがたくさんいたのでしょう。

 そして、この絵本にはブルドーザーやダンプやコンクリートミキサーや働く自動車がたくさん登場します。
 これらは男の子たちの大好きなものです。
 加古さんは子どもたちの好きなものもよくわかっていたのでしょう。
  
(2017/12/03 投稿)

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