FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  ずっと読みたかった一冊。
  清武英利さんの『しんがり』。
  「山一証券 最後の12人」と副題のあるとおり
  20年前
  つまり1997年11月に
  経営破たんに追い込まれた
  山一証券の闇に迫る
  ドキュメントである。
  あれから20年の歳月を経て
  やはり日本の企業は
  粉飾決算やデータ過誤など
  何ひとつ変わっていない。
  もしかしたら
  日本人のこれは本質かもしれないと
  暗澹ともなる。
  20年という歳月は
  長いのか
  それとも短いのか。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  会社という器の中でどう生きるか                   

 「会社という組織をどうしようもない怪物に喩える人は多い。しかし、会社を怪物にしてしまうのは、トップであると同時に、そのトップに抵抗しない役員たちなのである。」
 まるで昨今の企業不祥事を指摘したような一文であるが、これは今から20年も前の1997年11月に破綻した大手証券会社「山一証券」の破綻理由の解明と清算業務に携わった人たちの姿を描いた本作品に出て来る一節だ。
 山一証券の破綻は「社員は悪くありませんから」と号泣した当時の社長会見で記憶に残る経済史となった。
 その会見を見て、なんと人情に厚い社長と感心した人もいるだろうし、社長という立場であれはない、だから潰れるのだと呆れた人もいるだろう。
 最後の社長があの人でよかったのではないかと思う。
 あれで山一証券という会社は少なくともこれから先もいつまでも語られる会社となったのだから。

 この作品では最後まで清算業務を行った人たちが描かれているが、もちろんそうではない人も大勢いた。それは役員であっても例外ではない。
 彼らの氏名は伏せられているが、著者は「誰もそれをとがめることはできない」と寛容だが、はたしてそういう人たちは新しい環境 でも一点の曇りもなく働けるのだろうか。
 守るべきものは一体なんだろう。

 会社の破綻により何度も転職を繰り返した人もいる。
 あるいは、そのことをきっかけにしてまさに天職を得た人もいる。
 その中の一人の言葉が印象に残った。
 「人間はその場に合わせて咲く能力がある。突然の失職もたいしたことはなかった。人生は何とかなる」。
 働く意味も含めて多くの示唆に富んだ一冊である。
   
(2017/12/08 投稿)

  芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス