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プレゼント 書評こぼれ話

  せっかく谷川俊太郎さんの本が続いているので
  絵本も
  谷川俊太郎さんのもの、
  『あな』を再録書評で
  紹介します。
  絵は谷川俊太郎さんと絶対的コンビの
  和田誠さん。
  この『あな』は
  谷川俊太郎さんの数多い絵本の作品でも
  人気の高いもので
  海外にも翻訳されて輸出されているそうです。
  2010年の書評は
  和田誠さん寄りのものになっているのは
  和田誠展
  その原画を見たせいです。
  谷川俊太郎さん
  ゴメンナサイ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  穴はなくなれば穴ではないのだろうか                   

  この絵本を読むには、まず縦を横に、横を縦にしてください。
 どうしてかって?
 それはページを開く、お楽しみということで。

 「にちようびの あさ、なにも することがなかったので、ひろしは あなを ほりはじめ」ました。
 どんどん深くほっていきます。でも、どうして、穴をほっているのか、ひろし君にもわかっていません。ただ、穴をほっているだけです。
 自分の身長よりも深くほって、ひろし君は思います。「これは ぼくの あなだ」と。
 そして、穴のなかから上を見上げると、「そらは いつもより もっと あおく」思えるのです。
 しばらくして、ひろし君は、穴を出て、それを埋めてしまいます。
 たったそれだけのお話です。
 そのことに意味があるのでしょうか。ないかもしれません。あるかもしれません。
 うめられた穴はもう穴という存在ではない。たとえば、ドーナツのあなみたいに、食べてしまえば、穴はなくなっているように。

 そんな不思議な物語が、和田誠さんのほのぼのとした絵のタッチで、ちっとも不思議に思えません。
 谷川俊太郎さんと和田誠さんのみごとな勝利です。
 和田誠さんは絵本の仕事について、特別展「和田誠の仕事」の図版のなかで「本が好きで、絵が描けて、デザインもできるとなると、絵本を作りたくなるのは自然の流れ」と書いています。そういう自然な楽しみがこの絵本にはあります。
  
(2010/10/13 投稿)

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