08/08/2018 スローライフの停留所(内野 安彦):書評「図書館に行ってみるだけで見えてくる世界がある」

昨日、さいたま市の図書館の話を書きました。
その中で
電子書籍サービスのことも書きましたが
公共の図書館で
電子書籍サービスを実施しているところは
まだそんなに多くはありません。
その点、さいたま市の市民の人たちは
とても充実した図書館サービスを
享受できる環境にあるわけです。
あるいは蔵書数でもそうです。
すべての公共図書館が同じレベルではありません。
そのギャップを
図書館員さんの知恵と工夫が
埋めているのだと思います。
今日は内野安彦さんの
『スローライフの停留所』という本を
紹介します。
これも図書館員さんの本です。
じゃあ、読もう。

この本の著者内野安彦さんのことを少し書いておきます。
1956年生まれですから、すでに還暦を迎えておられます。
もともとは現在の鹿嶋市役所である町役場に入所し、40歳の時に図書館に異動。その後図書館司書視覚や図書館情報学修士の学位を取得。
その後50歳の時に塩尻市の図書館新設に関わり、図書館館長となります。
55歳で退職後、「ライブラリアン・コーディネーター」として「無手勝流のスローライフ」を楽しんでいるとあるが、実際には講演をしたりこうした本の執筆など多忙であるようだ。
それでも、組織から無所属ともなれば人と話すことも少なくなり、「日中、こうして会話することがいかに健康的なことかと痛感する」というから、「定年後」の生活を明るく綴った書ともいえる。
このような経歴をもった内野さんですから、「スローライフの停留所」として、「本屋さんであったり、図書館であったり」そういうところで休んだり、またそこから見える光景にやきもきしたりするのでしょう。
内野さんは図書館のサービスを受けている人は市民の2割にも満たないと言います。そのことを一番知っているのは、図書館員だし、頻繁に利用する市民で、彼らは「みんなもっと使ってくれればいいのに」と思っているはず、だと。
だから、内野さんは還暦を機に「ライブラリアン・コーディネーター」を名乗るようにしたそうです。
この本は難しい図書館学の本でもありませんし、悩ましい出版事情の本でもありません。
いうなら、図書館好きのオジサンの日常を綴ったエッセイ集です。
そんな気楽な気持ちで読んで、少しでも図書館が好きになれば、著者も本望ではないかしら。
(2018/08/08 投稿)

応援よろしくお願いします。
(↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)


レビュープラス
| Home |