08/29/2018 松尾芭蕉 - 伝記を読もう(坪内 稔典):書評「知ってそうで知らない芭蕉」

先日関東地方は
突然の雷と豪雨で
びっくりしました。
稲光とか稲妻というのは
「稲」という字があてられているように
秋の季語。
稲が雷光と交わって稔るという言い伝えから
生まれた言葉が
稲妻。
稲妻や闇の方行く五位の声 松尾 芭蕉
今日は
この俳句を詠んだ
松尾芭蕉の伝記を紹介します。
著者は俳人の坪内稔典さん。
『松尾芭蕉 - 伝記を読もう』です。
じゃあ、読もう。

「古池や蛙飛び込む水の音」「閑さや岩にしみ入る蝉の声」、これらの俳句の作者が松尾芭蕉だということはほとんどの人が知っていると思います。
けれど、松尾芭蕉がどのような人であったかを知っている人はそう多くはないでしょう。
そもそも芭蕉はいつの時代の人なのか。
江戸時代と答えられても江戸時代は300年も続いたので、もう少し絞りたいところ。
芭蕉は1644年に伊賀上野に生まれたそうです。江戸時代が始まって41年後のこと。
そんなところから、この本は始まります。
何といってもこの児童書は「伝記を読もう」とあるとおり、伝記なので、芭蕉の俳句だけでなく、その生涯が順に語られています。
書いたのは、「三月の甘納豆のうふふふふ」といったユニークな俳句を詠むことで知られる、俳人の坪内稔典さん。
芭蕉といえば『奥の細道』が有名ですが、その旅の行程もこの本には記されています。
では、芭蕉はその旅をいくつの時に行ったかというと、46歳の時。
芭蕉は51歳で亡くなりますから、46歳といえばもう晩年でしょうか。
「奥の細道行脚之図」という絵が残されています(この図版もこの本に載っています)が、それを見ても現代の40歳後半よりは老けてみえます。
それは仕方がないでしょうが、あれだけの旅をしたのですから、まだまだ健脚だったのでしょう。
そういった芭蕉の人生を、間あいだに彼の代表句をはさみながら、とてもわかりやすい伝記になっています。
ちなみに「古池や」の俳句は、芭蕉43歳の時の作品です。
(2018/08/29 投稿)

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