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プレゼント 書評こぼれ話

  今日から9月

    江ノ島のやや遠のける九月かな     中原 道夫

  天気予報では
  来週あたりから暑さもやわらぐということですが
  さあ、どうでしょうか。
  今日は『銀河鉄道の父』で
  第158回直木賞を受賞した
  門井慶喜さんの新しい作品
  『新選組の料理人』を
  紹介します。
  新選組は色々な作家さんが書いていますが
  書けども書けども
  尽きない魅力がある
  組織ですね。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  新選組の話はやっぱり面白い                   

 直木賞作家門井慶喜さんの、新選組を題材にした短編連作集のこの作品は時代小説だろうか、歴史小説だろうか。
 歴史小説というのは史実に即した物語で、時代小説というのは作家によって創作された架空の物語ということになるが、この作品の主人公で今でも人気の高い新選組の賄いをまかされた「料理人」菅沼鉢四郎は、門井さんの創作である。
 ただだからといって、この作品が時代小説かといえば、そうではなく、史実ではないとしても菅沼という男に仮託した門井さんの思いからすると歴史小説ともいえる。

 この作品の中では新選組副隊長の土方歳三について剣は弱かったと書かれているが、門井さんはそのことを文献をたずねてそうではないかと考えたようで、その一点からしても土方が剣豪であったとみる人からすればこの作品が時代小説かもしれないが、門井さんにとっては史実に即したことになるのだろう。

 そもそも菅沼という「新選組の料理人」を描くことで、門井さんは新選組という組織がどういうものであったかを描きたかったのだろう。
 この作品の刊行後のインタビューで門井さんは「新選組は知れば知るほど普通の組織」だったことに気づいたという。
 普通の組織とは、嘲りとか恨みとか嫉妬とか尊敬とか、それから150年以上経って、私たちが経験する雑多の感情が渦巻く人の集団ということだろう。
 新選組が色々な形で今でも人気が高いのは、そういう時代を超越した同じ心情が味わえるからかもしれない。
  
(2018/09/01 投稿)

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