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プレゼント 書評こぼれ話

  今日で9月もおしまいですが
  今年の9月は雨ばかりだったような気がします。
  雨が降らなかったのは
  わずか3日ほどだったとか。
  もっとも秋というのは
  雨の多い季節でもあって
  「秋霖」なんていう言葉もあります。

     秋霖に濡れて文字なき手紙かな     折笠 美秋

  こんな時だから
  元気を出さないと。
  そんな気分にぴったりの絵本を
  今日は紹介します。
  田島征三さんの『とべバッタ』。
  「歳時記」に
  この絵本そっくりの句を見つけました。

     しづかなる力満ちゆき螇蚸とぶ      加藤 楸邨

  螇蚸はバッタと読みます。

  じゃあ、読もう。

 

sai.wingpen  バッタには羽があるんだ                   

 この作品は力強い躍動感のある絵で定評のある田島征三さんの絵本であることはまちがいないが、絵をはずして(もちろんそんなことはできないが)童話として読んでも面白いし、深い意味をもったストーリーだと思います。
 ちょうど宮沢賢治の「よだかの星」を読んだような。
 そんな物語に田島さんの絵が付くのですから、もうこれ以上の絵本はない気がします。

 小さな茂みの中に一匹のバッタがいます。
 彼のまわりには蛙とか蛇とか蜘蛛とか「おそろしいもの」たちがたくさんいて、彼はいつもびくびくしていました。
 でも、ある時彼はそういう生活が嫌になります。
 そして、ある日、彼は決意したのです。
 こんなところから飛び出すことを。
 そんなバッタを「おそろしいもの」が見逃すはずかありません。
 蛇が蛙が蜘蛛が彼に襲ってきます。
 けれど、間一髪のところで逃げのびます。空の高みへ。
 でも、とうとう彼も力尽き、地上へと落ちていきます。
 落ちながら、彼は自分に羽があることに気づきます。今まで一度も使ったことはないけれど。
 そして、ついに彼は、バッタは飛んだのです。

 こんなストーリーですが、もしかしたらこの絵本を本当に手にしたらいいのは、人生の道に迷っている大人の人のような気がします。
 自分に付いている羽にも気がつかず、飛ぶことをためらっている人。
 絵本はけっして子供だけのものではありません。
 きっとこの絵本で生きることへの勇気づけを感じる人はたくさんいると思います。
 みんなが自分の羽を見つけられたら、どんなにいいでしょう。
  
(2018/09/30 投稿)

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