FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  いよいよ平成最後の日
  天皇陛下退位の日です。
  それぞれの人が
  それぞれの「平成」を振る返るのではないでしょうか。
  確かに「戦争」はなかったですが
  大きな「災害」に見舞われ続けた時代でもありました。
  よかったという人もいれば
  悔しさに涙する人も
  あるでしょう。
  私たちはいつの時代であっても
  時代という大きな波から
  逃げることはできないのではないでしょうか。
  そんなことを考える
  「平成」ではなかったかと思います。
  平成最後の一冊
  末盛千枝子さんの
  『根っこと翼 皇后美智子さまという存在の輝き』に
  しようと思います。

    ありがとう、平成。

    さようなら、平成。

  じゃあ、読もう。


  

sai.wingpen  平成をこの本とともに見送る                   

 天皇皇后両陛下のご在位での最後の地方訪問となったニュースを見ると、沿道をたくさんの人たちが詰めかけ、手を振り、感謝の言葉をあげ、涙を流す人もいた。
 どこかの世代に偏るのではなく、老若男女、それぞれがそれぞれの思いで両陛下のお姿を見つめているように思えた。
 もしかしたら、平成の天皇皇后両陛下に私たちは理想とすべき夫婦像のようなものを感じているのかもしれない。そして、それは同時に理想とすべき親の姿かもしれない。

 絵本編集者である末盛千枝子さんと皇后美智子様は美智子皇后が1998年インドのニューデリーで行われた国際児童図書評議会の世界大会での基調講演をされた時から深い交友を持ち、のちにこの講演は当時末盛さんが営んでいた出版社から刊行されることになる。
 それがあの名著『橋をかける』である。
 その講演の中で美智子皇后は子供時代の読書を振り返り、「私に根っこを与え、ある時には翼をくれ」たと語っている。
 末盛さんのこの本のタイトルは、その言葉から採られている。

 この作品の初出は新潮社の「波」というPR誌で、2018年1月から9月まで連載されていたものだ。
 末盛さんと美智子皇后との直接の交流だけでなく、美智子皇后が折々の会見で話されたこと、そして折々に詠んでこられた御歌の数々を散りばめながら、皇后美智子様のお人柄、天皇陛下の優しさ、そして平成という時代を描いたエッセイとしてよくまとまっている。
 「この世が喜びと共に悲しみもこのように多いのだから、その悲しみに出来る限り寄り添うことをお心に決めて過ごされたのが両陛下のこの三十年であった」と記した末盛さんもまた柔らかな視線で両陛下を見続けた一人であったろう。
  
(2019/04/30 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
 大型連休も三日目、
 今日は昭和の日

    名画座の三本立てや昭和の日      原田 紫野

 そして、明日は
 いよいよ平成天皇の退位の日
 その次が令和天皇の即位と続きます。
 街ではつつじの花が満開です。

  20190427_123828_convert_20190427163036.jpg

    花びらのうすしと思ふ白つつじ       高野 素十

 そんな白つつじを圧倒する
 あでやかさで咲き誇っているのが
 牡丹

  20190421_124846_convert_20190427160209.jpg

 花の王と呼ばれるだけのことはあります。
 この牡丹、ただ夏の季語。
 もう少ししたら本番です。

     夜の色に沈みゆくなり大牡丹       高野 素十

 菜園では
 いよいよ夏野菜の苗の植え付けが
 始まりました。
 連休初日はあまり天気がよくなかったのですが
 栽培の講習会もあって
 苗の植え付けをしました。

 まず、こちら。

  20190427_105948_convert_20190427160439.jpg

 畝の右側がミニトマトです。
 左側の上の方に植えたのがキュウリ
 その下で不織布をかけている箇所には
 キュウリの種を蒔きました。
 真ん中の小さなピンクの種が見えますか。

  20190427_103942_convert_20190427160344.jpg

 今年はキュウリの種から栽培する方法でも
 チャレンジします。

 こちらの畝の手前の方には
 ピーマン

  20190427_110022_convert_20190427160533.jpg

 奥の方はナスです。
 まさに夏野菜の四銃士のそろい踏み。

 これは今育てている葉物野菜です。

  20190427_111049_convert_20190427162802.jpg

 左がミズナ
 真ん中がカブ
 右は渦巻きビーツです。

 ウスイエンドウも実をつけてきました。

  20190427_121336_convert_20190427162957.jpg

 写真では見えにくいかもしれません。
 実際畑でも見つけにくいのですが。
 スナップエンドウ
 少しずつ収穫しています。

 この日はジャガイモの芽かきと
 土寄せも行いました。
 連休中には
 まだ何度か畑に行くつもりです。

   芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
プレゼント 書評こぼれ話

  今、東京・荒川区にある
  ゆいの森あらかわ
  「その朝はとくべつな一日のはじまりだった。」いせひでこ絵本原画展
  開催されています。(~6月2日まで)
  そして、今日
  その会場で
  いせひでこさんの講演
  「絵本-とくべつな一日、とくべつな路」があって
  私も聴きにいく予定です。
  展示会と講演会のことは
  またの機会に書くとして
  今日はせっかくなので
  いせひでこさんが絵を担当している絵本を
  紹介します。
  かさいしんぺいさん作の
  『ねぇ、しってる?』。
  この絵本は2018年1月にも読んでいますから
  再読になります。
  今日の書評は今回新しく書いたものです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ほんものの絵                   

 弟か妹が誕生することで気持ちがゆらぐ。
 そんな子供を主人公にした絵本は多い。名作といわれるキーツの『ピーターのいす』もそうだし、かさいしんぺいさん作、いせひでこさん絵のこの絵本も、生まれたばかりの弟だけど「うれしいような、ちょっぴりこわいような、へんてこなきもち」になるけいたくんを見事に描いてみせた作品だ。
 お父さんもお母さんもみんな新しく生まれた弟ばかりかまって、自分はもう誰の「だいじっこ」ではなくなったのかもしれないと悲しむけいたくん。
 そんな時、大事にしていた空色のゾウのぬいぐるみから自分が赤ちゃんの時にどんなに大事にされていたかを教えられて、いくつになっても自分は大事にされていることに気づくのだ。

 子供という不思議なものに寄り添うそんな力を感じたこの作品だが、絵を担当したいせひでこさんの魅力が大いに力になっているような気がする。
 この絵本の中にはさまざまなけいたくんが描かれている。
 保育園でみんなと遊ぶけいたくん。お母さんのお手伝いするけいたくん。ぬいぐるみと遊ぶけいたくん。絵を描く、本を読む、ミルクを飲む。
 立ち、座り、腰かけ、走る、しゃがむ。
 正面をむく。後ろ姿。のけぞる、抱っこされる、泣く。
 この絵本の中にけいたくんは、私たちのまわりにいる子供の一人だ。
 きっといせさんはそんな子供をじっと視続けたにちがいない。
 そうでないと、これだけ表情のある子供が描けないだろう。

 子供は幼いからといって大人がごまかすことを許さない。
 だから、子供には本物が必要なのだ。
 いせさんの絵はそんなことを教える。
  
(2019/04/28 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  さあ、今日から10連休
  そんなに休めないという人もたくさんいるでしょうが
  もともとのゴールデンウィークもあるし
  ちょっと旅行でも行くかと
  計画している人も多いはず。
  そんな人の参考になればいいのですが
  今日は
  『全国作家記念館ガイド』という本を
  紹介します。
  先日行った日本近代文学館
  もちろん載っています。
  この本を見ると
  まだまだ知らない「作家記念館」が多い。
  せめて
  東京エリアの館には行きたいもの。
  きっと作家たちがぐっと近くなりそう。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「作家記念館」をめぐる旅もいい                   

 旅には色々な目的がある。
 名所旧跡をたずねたい、地元のグルメを味わいたい、温泉もいい。お城めぐりに祭りめぐり。
 もちろん、風に吹かれて気ままな旅もいい。
 最近ではユニークな書店めぐりや図書館を訪ねる旅など、本好きにも楽しい旅がある。
 そして、全国にある「作家記念館」を紹介するこの本を持って、作家たちの足跡をたどる旅もまたいい。

 何しろこの本では北海道から九州鹿児島まで、全国258館の「作家記念館」あるいは「文学館」が紹介されている。
 基本的には1ページに1館。内容の濃い館は2ページにわたることも。
 外観や内部の展示の様は綺麗な色刷り写真で見られる。
 そして、概略。例えば東京・荒川区にある「吉村昭記念文学館」では、作家吉村昭がどのような作家であったかとか、展示がどのような形で行われているかが説明されている。
 全館にQRコードが付いていて、各館のホームページを見ることができる。
 アクセス、所在地、入館料、開館時間、休館日などの基本情報もしっかり。
 しかも、巻末には本文で掲載されていない館も含めてのリストまでついている。

 読んでいるだけで一度は行きたくなる。
 でも、遠いところはどうもという人は自宅のそばの館を見つけるのもまた楽しい。
 この本一冊あれば、新しい旅を発見できそうだ。

 一点注文をつけたいのが、「世田谷文学館」のこと。
 巻末のリストにはあるが、残念ながら本文での紹介がない。
 あれだけ素敵な文学館なのに、これはどういう事情だろう。
 改訂版がでるなら、ぜひ検討してみて欲しい。
  
(2019/04/27 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する
  木内昇さんの
  『茗荷谷の猫』は
  湯川豊さんの『一度は読んでおきたい現代の名短篇』で
  取り上げられていたものです。
  湯川豊さんの本では
  「染井の桜」という
  この作品集の冒頭の短編が紹介されていましたが
  連作短編集なので
  せっかくだからと
  全短編を読みました。
  もちろん、
  一つの短編小説として読むことも可能ですが
  やはり連作ならではの
  作者の思いもあるので
  全部を読み切る方が
  いいと思います。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  時代はどんなに変わろうが                   

 2008年に発表されたこの連作短編集の著者木内昇(のぼり)は、2011年に『漂砂のうたう』で第144回直木賞を受賞することになる。
 直木賞受賞後も独特の世界観で人気のある女性作家だ。
 この連作短編集がその萌芽であったとも評価されている。

 この作品集には9つの短編が収められている。
 主人公も内容も全く独立していながら、時に他の短編の登場人物がちらりと視界を横切るのは連作の面白さである。
 それ以上にこの作品集が連作である由縁は、物語の舞台となる土地にある。
 表題作の「茗荷谷の猫」にある茗荷谷とは東京・文京区にある東京の隠れ里のような一角だし、その他の短編にも巣鴨染井(「染井の桜」)、品川(「黒焼道話」)、本郷菊坂(「隠れる」)、池之端(「てのひら」)など東京の土地が舞台となっている。
 かっこの中が作品名であるが、むしろその土地の名前の色濃く匂い立つ。

 そして、もうひとつが9つの作品がそれぞれの時代を描いていて、冒頭の「染井の桜」はソメイヨシノを生み出した無名の植木職人の話だがこれは幕末のこと、そこから順にそれぞれの時代背景がさかのぼって、最後の短編は先の東京オリンピックの競技場が建設中とあるから、昭和30年後半。

 そうなるとこの連作集は土地と時代を描いたもので、どんなに時代が変わっても人間の営みとはそんなに大きく変わるものではない。
 何か変わった風貌をしていても、土地や時代の中に入れ込めば、ちっとも変わるものではない。

 9つの短編では、東京にいる娘をたずねて上京してきた母親と娘の葛藤を描いた「てのひら」がいい。
  
(2019/04/30 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  いよいよ平成も残りわずか。
  今日紹介するのは
  東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズ
  文春文庫版の
  『シウマイの丸かじり』ですが、
  このシリーズが始まったのが
  1987年ですから
  昭和で生まれ
  平成で育ち
  令和まで続く
  三世代続く人気シリーズです。
  案外昭和の期間が短いですが
  やはり昭和の匂いが強い
  作品のように思うのは
  東海林さだおさんが昭和の漫画家だからでしょうか。
  いえいえ、
  平成でもその人気は衰えず
  平成の漫画家、
  いえいえ
  令和の漫画家を目指しましょう。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  文庫解説文の書評 - コミックエッセイにはコミックエッセイがよく似合う                   

 東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズの、文庫版も39冊目。
 文庫化になると楽しみなのが、巻末の「解説」。
 文庫本解説なので、文庫本にしか入っていないから、オマケのはいったグリコのキャラメルみたい。
 今回はたかぎなおこさんが執筆。
 でも、たかぎなおこさんって誰?

 「コミックエッセイ」を書いているイラストレーターさん。
 デビューして16年といいますから、ご本人は謙遜してご自身のお話なんかも書かれていますが、弱肉強食、兵どもの夢のあと、のコミック界で16年も生存? してきたのですから、多くのファンがいることは間違いない。
 きっとファンの皆さんは、「すごい、東海林さんの丸かじりの文庫解説なんか書いちゃったりして」とか「東海林さんのサインもらった?」とかヒートアップしていることだろう。
 しかも、今回の解説ではたかぎさんの「描き下しイラスト」が2点もついているのです。
 たかぎなおこファン必読の解説なのであります。

 でも、「コミックエッセイ」って新しそうなジャンルみたいに思えるけど、東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズこそ、「コミックエッセイ」の原点のような作品ではないだろうか。
 調べてみると、東海林さんは漫画賞をいくつか受賞してもいますが、なんと講談社エッセイ賞を1995年に受賞していて、コミック(漫画)でも賞、エッセイでも賞、とまるでかつてのヤワラちゃんのようなフレーズになっています。

 そんな「コミックエッセイ」の文庫化ですから、たかぎなおこさんの解説がよく似合います。
  
(2019/04/25 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  読書計画というものが
  あるようでいて
  実際にはあまりない。
  ただ最近思うことは
  以前読んだ作品を読むなおすことも
  しておきたいということ。
  それで沢木耕太郎さんの作品を
  特に刊行順ということでなく
  再読しておくかと
  ページを開いたのが
  今日紹介する『彼らの流儀』。
  奧付によると
  平成3年12月に刊行された本だ。
  そして、その冒頭の作品が
  今や売れっこの長嶋一茂さんの話だったので
  驚いてしまった。
  再読もいいものだ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  再読して見えてきた「流儀」                   

 最近のテレビのバラエティー番組を見ていると、長嶋一茂さんの露出がとても多いことに気づく。
 元プロ野球選手、というより、あの名選手長嶋茂雄の息子という方がわかりやすいかもしれない。
 大学卒業後、その父親のあとを追うようにプロ野球の世界に入ったが、もちろん父親ほどの活躍ができないまま、わずか8年余りで球界を去ることになる。
 しかし、もし彼が大学を出た後プロ野球の世界に飛び込まなければ、というか、あの長嶋茂雄のいた世界に進まなければ、今とはまったく違う世界にいたことだろう。
 そんなことを、ノンフィクション作家沢木耕太郎さんが平成が始まって間もない2年7月から朝日新聞日曜版に連載を始めた有名無名の人たちの33の人生の断片を描いたこの作品集の冒頭におかれた「ナチュラル」という作品を読んで思った。

 この「ナチュラル」は一茂さんがプロ野球に進むことを決めるに際して観た一本の映画のことが綴られている。
 それはロバート・レッドフォード主演の野球映画「ナチュラル」で、奇跡のような大逆転ホームランを描いたそのラストシーンを見ながら、一茂さんは「これだよね」とつぶやいたという。
 スーパースターの父親の背を追いながら、そしてそれが決して追いつけないとわかっていても、「これだよね」とプロ野球の世界に飛び込んだ一茂さん。
 あれから30年近くたって、一茂さんはやっと自身の「これだよね」を掴んだのではないだろうか。

 これはこの本に収められた33篇のお話のたった1つだが、今ようやくこの本のことがわかったかもしれない。
  
(2019/04/24 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  今日は子ども読書の日
  今日から5月12日までが
  こどもの読書週間です。
  今年の標語は

    ドは読書のド♪

    2019kodomo4C800[1]_convert_20190421101031

  せっかくの機会ですから
  子供たちがたくさんいい本と出会えると
  いいですね。
  今日の日のために
  がんばって読みました。
  ひこ・田中さんの
  『ぼくは本を読んでいる。』。
  その中にこんなことが
  書かれていました。

    本の中って、まだ知らない世界なんだ。
    本はぼくをそこへ連れていってくれる。

  さあ、知らない世界へ行ってみよう。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  きみはまっ白な紙だ                   

 白い、何も書かれていない紙があるとしよう。
 そこに色とりどりのペンでなんでも描いていく。うずまきだって、ギザギザだって、ただまっすぐな線だって。
 もちろん、ひらがなも漢字も、英語だっていい。
 子供たちの世界はそんな世界なんだろうな。
 書いても描いてもまだまだ描ける。
 児童文学者ひこ・田中さんのこの物語を読んで、そんな感想を持った。

 小学5年生になったばかりのルカという男の子がこの物語の主人公。
 大の親友安田くんとか幼馴染のナナとか転校生のカズサとか友達もたくさんいる。
 でも、ルカはこうも思っている。
 「幼くはないし、大人でもないってわけ」。
 だから、いろんなことが疑問だったりする。
 そのたびにインターネットで検索なんかする。
 ルカは昔の子供ではない、今の子供。
 そんなルカが家にある「本部屋」、そこは壁一面に本が並んでいるところ、でまだカバーがされたままの本を5冊見つける。
 どうも昔、お父さんかお母さんが子供の頃に読んだ形跡のある本みたい。
 それが『小公女』と『あしながおじさん』。
 ルカはこの2冊の本を読むながら、たくさんのことを考えていく。
 100年以上前に書かれた本を読むことの不思議、今出版された本ではなくお父さんたちの時代に書かれた本を読む難しさ。
 そんなこととか目にするさまざまなこととか、ルカの心の白いページはどんどん埋まっていくのがとってもうらやましい。

 きっとこの本は小学5年生の読者と年をとった読者とはちがう感想になるのだろうけれど、本はそんなことで不公平になったりはしない。
 いい本はその人にとってのいい本だから。
  
(2019/04/23 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
 この季節、街を歩くと
 ハナミズキの可憐な花が
 目をひきます。

  20190420_120829_convert_20190420140816.jpg

    花水木咲き新しき街生まる       小宮 和子

 この句のように
 ハナミズキの木が並んでいる光景は
 新しい街の雰囲気があります。

 畑では
 今イチゴの花が真っ盛り。

  20190420_100952_convert_20190420140417.jpg

 よく見ると
 イチゴの実ができてきているのが
 わかります。
 これから大きくなっていく
 イチゴの実が傷まないように
 苗のまわりに
 不織布をそおっと置きました。

  20190420_115733_convert_20190420140640.jpg

 ここに
 赤い実がつくのも
 もうすぐです。

 これは
 ウスイエンドウの花。

  20190420_101059_convert_20190420140545.jpg

 「歳時記」には
 春の季語として「豆の花」が載っています。

    豌豆の花の飛ばんと風の中      勝又 一透

 今回はひと畝全部が
 ウスイエンドウですから
 たくさん採れるのではないかと楽しみにしています。
 大好物の豆ごはんが食べられるまで
 もう少し。
 ちなみに「豆飯」は
 夏の季語になります。

 一方で成長がよくないスナップエンドウですが
 それでもちゃんと
 実をつけてくれました。
 最初のひと莢(さや)です。

 そして、今週末から
 10連休が始まりますが
 畑の作業も本格化します。
 夏野菜の苗が入荷して、
 いよいよ植え付けが始まります。
 そのための畝づくりは終わりましたから
 あとはよい苗にめぐりあえるのを
 楽しみにしています。

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
プレゼント 書評こぼれ話

  初めて口笛が吹けたのは
  いつだったのかな。
  今日紹介する
  エズラ=ジャック=キーツの『ピーターのくちぶえ』という
  絵本を読みながら
  そんなことを思っていました。
  初めて自転車に乗れたのは
  いつだっただろう。
  運動神経が悪くて
  なかなか自転車にも乗れなかった。
  なので、口笛もなかなか吹けなかったような気がします。
  子供の頃の自分を思い出すと
  なにもかも
  うまくできずに泣いてばかりいたように
  思います。
  だから、きっと
  初めて口笛の音が鳴った時
  とってもうれしかったはず。
  誰にもそんな瞬間があったのでは
  ないでしょうか。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  きれいなくちぶえが聞こえてきます                   

 エズラ=ジャック=キーツのこの絵本を読んで、なんてきれいな作品だろうと思いました。
 でも、きれいってなんだろう。人はどんなものを見た時にきれいって感じるのでしょう。
 辞書で調べると、「きれい」には「色・形などが華やかな美しさをもっているさま」とか「姿・顔かたちが整っていて美しいさま」とあります。
 この絵本の場合、色彩の素晴らしさが読者に「きれい」と思わせるのだと思います。

 くちぶえが吹けない少年ピーター。
 街の中でたたずむピーターの、その街の壁がピンクを基調に描かれています。
 実際にそんな色をした壁があったら驚くでしょうが、ここではちっとも変じゃない。
 ピーターが暮らす街はなんとも見事な色彩でできていることでしょう。
 それに、ピーターの服だって素敵です、
 少し大きめのTシャツでしょうか、白地にピンクの線柄がはいっていて、少年の躍動する感情があらわれています。

 なかなかくちぶえが吹けないピーターにやっと音がでました。
 そのうれしそうな顔といったら。
 その自慢げな顔といったら。
 絵本ですから音が聞こえないはずなのに、くちぶえを吹くピーターを描いたページを開くと、少年のかぼそい、けれども強い音が聞こえてくるようです。

 キーツさんの絵本は色彩もきれいですが、子供のことをとてもよく観察していると思いました。
 きっと誰にでもあった、くちぶえがならない悲しみ、初めて鳴った時の喜び。
 それが見事に描かれた絵本になっています。
  
(2019/04/21 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  二十四節気のひとつ、穀雨
  この時期の雨が穀物を育てるという意。

    まつすぐに草立ち上がる穀雨かな     岬 雪夫

  ところで、
  昨日の山田洋次さんの
  『悪童 小説寅次郎の告白』の書評タイトル
  「私より馬鹿がおりますか。」が
  寅さんのセリフだったことに
  気がつきましたか。
  「男はつらいよ」シリーズには
  渥美清さん演じる寅さんの
  名セリフがどっさりあります。
  そこで
  今日は
  佐藤利明さんの『寅さんのことば 風の吹くまま 気の向くまま』を
  再録書評で紹介します。
  2014年4月に書いたものです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「男はつらいよ」はスルメと同じ                   

 渥美清さん演じる『男はつらいよ』のシリーズ最後の作品となった「寅次郎紅の花」が公開されたのが1995年12月だから、それから20年近い歳月が過ぎた。
 概して娯楽作品というのは時代のあぶくのように消えていくものだが、『男がつらいよ』にかぎっていえば、時代が変わっても、こうして本にもなるくらい、人気は衰えていない。
 映像的には昭和の色が濃いが、渥美の演じた車寅次郎という主人公やその故郷で葛飾柴又に住む妹さくらたちの人情は平成の世になっても変わらないものだ。
 まして、未婚率が当時より数段上昇したとはいえ、人を愛する寅さんの気持ちは今でも多くの人の心をうつ。
 著者の佐藤利明氏は1963年生まれで、小さい頃から父親に連れられて映画館で『男はつらいよ』を観ていたという。それが高じて、今やラジオ番組で『男はつらいよ』を今でも語るパーソナリティまでしている。
 好きがそのまま文章になったのだから、面白くないはずはない。
 全編、これ寅さん大好き、『男はつらいよ』大好きの、一冊だ。

 構成はまず寅さんの「ことば」があって、その「ことば」が登場する作品のことや関連することがらが2ページでまとめられている。
 その中には撮影現場でもエピソードや、脇役俳優のこと、上映後はじめの「夢の場面」のことなど、さまざまなことが記されている。
 『男はつらいよ』を知るには、ちょうどいい。

 寅さんの「ことば」で好きなのが、シリーズ21作「寅次郎わが道をゆく」のこの「ことば」。
 「夏になったら啼きながら、必ず帰ってくるあの燕(つばくろ)さえも、何かを境にぱったりと帰って来なくなることもあるんだぜ」。
 この「ことば」に著者は父親と一緒に観た思い出を綴っているのも印象的だ。
 スルメは噛めば噛むほど味がじわっと出てくるものだが、寅さんの「ことば」もよく似ている。
 何度も声に出して読んでみれば、気分はすっかり寅さんかもしれない。

 「めぐりあいが人生ならば、素晴らしき愛情にめぐりあうのもこれ人生であります」なんていう「ことば」、どこかで使いたいものだが、その機会はそうあるものではない。
  
(2014/04/10 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  第50作めとなる「男はつらいよ」が
  制作されるというニュースには
  多くの人が驚いたことと思います。
  私はなんだか複雑な気持ちになりました。
  主演の渥美清さんが亡くなって
  それできちんとお別れできたはずなのに
  どうして
  死してもなお車寅次郎を演じさせるのでしょう。
  渥美清さんといえば車寅次郎のイメージが強くて
  渥美清さんがどんなにシリアスなドラマに出ても
  笑いが出てしまうというのは
  役者として大変悩まれたのではないかな。
  亡くなる時に
  これで車寅次郎から解放されると思ったかどうか
  わかりませんが
  少なくともホッとされたのでは。
  今日紹介するのは
  監督であり原作者の山田洋次さんが描いた
  幼少期の車寅次郎。
  題して、
  『悪童(ワルガキ) 小説寅次郎の告白』。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  私より馬鹿がおりますか。                   

 「男はつらいよ」といえば、かつて上映されるたびに人気を集めた松竹のドル箱シリーズだ。
 最初に映画化されたのが1969年というから半世紀も前のことだ。
 主演が渥美清、監督は山田洋次。
 1995年に第48作の「男はつらいよ 寅次郎紅の花」のあと主演の渥美清の逝去によりシリーズは終了となった。
 ただそのあと、1997年に再編集された「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」が上映されて、記録上は第49作でとまっていた。
 それから22年、50作めとなる新作の上映が決まったというのが大きく報道された。
 題して、「男はつらいよ お帰り 寅さん」。
 「男はつらいよ」を知らない世代も、懐かしい世代も、上映される年末が楽しみだ。

 そして、この小説。
 監督でもあり原作者でもある山田洋次が初めて手がけた小説になる。
 「寅次郎の告白」と副題にあるように、「男はつらいよ」の主人公「姓は車、名は寅次郎」、人呼んで「フーテンの寅」の幼少期の思い出話を描いた作品になっている。
 寅次郎が何十年ぶりかで故郷である葛飾柴又に戻ってくるシーンから映画の第1作は始まるが、中学卒業間近に家を飛び出した寅次郎少年は一体どのような少年であったかが、映画みたいに楽しく描かれている。
 目を閉じて、渥美清の少し鼻にかかったような高い声を思い出しながら、まるで寅さんから直に告白されているような気分になる。

 それにしても、帝釈天の御前様が寅さんの育ての母を好いていたかもしれないなんて、山田監督も粋なことをお書きになったことよ。
  
(2019/04/19 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  ライトノベルというのは
  よく耳にしますが
  実際今まで読んだことがありませんでした。
  それが今回
  そのライトノベルの作品、
  ますもとたくやさんの『きゃくほんかのセリフ! 』を
  紹介するのは
  いつもの「本が好き!」様から
  献本を頂いたからなのです。
  ところで、
  ライトノベルというのはどんなジャンルかというと
  明確な基準がないそうです。
  そもそもが
  ライトノベルという言葉自体、
  英単語のlight(ライト)とnovel(ノベル)を組み合わせた和製英語で
  そんな曖昧さが
  とても日本的ともいえます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  脚本家という職業を描いた「お仕事小説」だ                   

 「ガガガ文庫」というのは、2007年に小学館が創刊した少年向けエンタテイメントノベル系文庫レーベルです。
 この作品はそんな「ガガガ文庫」の一冊です。
 著者のますもとたくやさんはすでに「ガガガ文庫」で数冊著作もありますが、本来は脚本家で、今やすっかり人気俳優になったムロツヨシさんとは若い時から演劇仲間だったそうです。なので、今回の文庫には「俳優ムロツヨシ氏大絶賛」と「!」マークが3つも付いた帯が付けられています。

 ところで、この文庫レーベルが「少年向け」と書きましたが、この作品にも萌系美少女のイラストがついていて、なるほどその気分もあるのですが、どちらかというと「お仕事小説」のジャンルに入るのではないかしらん。
 どんな仕事かというと、タイトルの通りずばり「脚本家」。
 映画やドラマ、あるいはアニメを見ていて、さて「脚本家」とはどんな仕事なのか、若い人たちには理解しにくい職業で、作家と大きく違うのは、脚本はあくまでもドラマをつくる際の設計図にすぎないということ。
 もちろん、脚本がまずければ名作なんかになることはない。

 この小説ではほとんど売れない脚本家竹田雲太のところに大型企画が舞い込むところから始まる、
 彼にからんでくるのが、かつての盟友門松近雄の妹佐江。彼女、なんと小学生のかわいい女の子。
 佐江ちゃんの叱咤激励を受けながら、雲太は脚本を完成させていくのだが、プロデューサーとか監督とか原作サイドとかが横やりをいれてくるのが面白い。
 脚本はどうもこうして何度も何度もやり直しを受け、完成するそうだ。
 エンタテインメントとはいえ、案外正直に書かれた「お仕事小説」といえる。
  
(2019/04/18 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  若い頃
  あんなにも夢中になった
  太宰治なので
  読み返したい読み返したいと思いつつ
  果たしてあの頃の
  感動をそのまま味わえるか心配で
  なかなか手をつけることが
  できずにいました。
  そこに『お伽草紙』の原稿が
  見つかったというニュースに触れ、
  ここを逃す手はないと
  おもむろに再読をした次第です。
  そして、口にしたのが

    惚れたが悪いか。

  太宰治の魔力はまだまだ残っていたようです。

  じゃあ、読もう。  

  

sai.wingpen  惚れたが悪いか                   

 70年ぶりに完全原稿387枚が発見されて話題になっている、太宰治の中期の中編小説である。
 387枚もあって中編小説かと思われるむきもあろうが、これは200字原稿の枚数のこと。
 刊行されたのは昭和20年10月、終戦後間もなくである。
 翌21年2月には再版も発行されたというから、終戦後の混乱期であっても人は文学を求めていたのだろう。
 太宰はこの原稿を持ちながら空襲の戦火を逃げたといわれている。

 タイトルのとおり、ここには昔ながらの昔話が4編収められている。
 「瘤取り」「浦島さん」「カチカチ山」「舌切雀」。
 誰もが知っている昔話だが、そこは太宰、防空壕の中で子供に読んで聞かせる景ではあるが、「その胸中には、またおのずから別個の物語が醞醸(うんじょう)せられている」趣向になっている。

 中でも評判高いのが「カチカチ山」。
 お話でおじいさんおばあさんを助けるウサギは少女、一方の悪い狸はその兎を恋する中年の醜男。
 そんな風に見立てられると、もう子供に読んできかす昔話ではなくなるが、読者は拍手喝采。
 そして、決めたセリフが、「惚れたが悪いか」。
 こんな小説を戦火に逃げまどいながらも書いていたというのだから、太宰はさすが、並みの道化ものではない。
 そして、「浦島さん」に至っては、書いてかいて書きまくった作品で、書かずにおれない心情がほとばしっているような出来である。

 太宰治ほど平和の時間を望んだ作家はいなかったかもしれない。
 そんな風にも思える作品だ。
  
(2019/04/17 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
  太宰治「お伽草紙」完全原稿を発見 70年ぶり387枚

 これは4月5日の朝日新聞に載った記事のタイトル。
 太宰治の中編『お伽草紙』の原稿が見つかったというもの。
 思わず身体が乗り出しました。
 記事には
 「戦時下に執筆され、終戦直後に単行本が出たあと行方がわからなくなっていた。
 東京都目黒区の日本近代文学館で、6日から公開している」と
 あったので
 早速次の週の4月12日に
 駒場にある日本近代文学館に行ってきました。

  20190412_125650_convert_20190414092332.jpg

 日本近代文学館の名前は知っていましたが
 行くのは初めて。
 ここは1967年に日本初の近代文学総合資料館として
 開館しました。
 高見順川端康成が開館にあたって尽力しています。
 なので
 展示室前には高見順の胸像があったりします。

  20190412_130046_convert_20190414092450.jpg

 そこで今開かれているのが
 「生誕110年 太宰治 創作の舞台裏」。

  20190412_125925_convert_20190414092410.jpg

 新聞記事にもなった『お伽草紙』の原稿も
 展示されています。
 生誕110年とあるように
 太宰治が生まれたのは1909年(明治42年)の6月。
 38歳の短い生涯でしたが
 こうして新しい「令和」の時代までも
 愛される作家となりました。

 実はこの日本近代文学館には
 太宰治の遺族から寄贈されたたくさんの資料があります。
 その数は423点にも及ぶそうで
 今回の展示にも『お伽草紙』の原稿以外にも
 若い頃起こした女給との心中事件(太宰はこの時生き残りますが)の際に
 小山初代に宛てた遺書であったり
 三鷹時代の家族アルバムなど
 思わずググッと惹き寄せられる展示が
 そろっています。

 会場には太宰ファンでしょう、
 若い女性が熱心に展示をみている姿も
 見受けられました。
 この展示の入場料が300円というのも
 ありがたい。
 6月22日まで開催されています。

 日本近代文学館の隣に
 旧前田家の本邸和館と洋館があります。

  20190412_133340_convert_20190414092539.jpg

 今回は時間がなくて
 和館だけ見学したのですが
 その豪華なこと。

  20190412_134225_convert_20190414092628.jpg

  20190412_133947_convert_20190414092715.jpg

 まるで時間がとまったような贅沢さです。
 ここに入るのは無料なのですから
 驚きです。
 案内の方がおられる時は
 普段見られないところも見学できます。

 今度の10連休、
 目黒の駒場公園は穴場かもしれませんゾ。

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
 昨日の「NHK俳句」の兼題は
 「蛙の目借時」という珍しい季語でした。
 春が深まって、眠気をもよおすのを表わしたものです。

     種あかす手品などみて目借時      高澤 良一

 ソメイヨシノが終わって
 今はちょうど八重桜が満開の時期になってきました。

  20190412_120135_convert_20190414092244.jpg

 ソメイヨシノとはまた違って風情が
 楽しめます。

    八重桜ひとひらに散る八重に散る      山田 弘子

 花つながりで書くと
 葱の花も春の季語。
 通称、葱坊主

    葱坊主どこをふり向きても故郷      寺山 修司

 これはベランダに咲いた葱坊主です。

  20190414_081658_convert_20190414092145.jpg

 畑ではイチゴの花も咲いてきました。

  20190413_102411_convert_20190414091600.jpg

 イチゴは夏の季語で
 春の季語でいうなら「イチゴの花」。

    花の芯すでに苺のかたちなす      飴山 實

 この俳句など
 イチゴの花を見事と写実した句だと思います。

 4月13日(土曜日)は
 ショウガの植え付けをしました。

  20190413_105917_convert_20190414092036.jpg
  
 去年うまく育ったので
 今年は少し数を増やしました。

 これはトウモロコシの芽。

  20190413_102801_convert_20190414091655.jpg

 桜の花びらが季節を感じます。

 そして、ジャガイモの芽も出てきました。

  20190413_103129_convert_20190414091801.jpg

 先週も寒い日があったので心配しましたが
 なんとかがんばってくれました。

 夏野菜の栽培準備の畝もひとつこしらえて
 作業がおわって飲むビールも
 この日はノンアルコールでしたが
 美味しくなってきました。

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
プレゼント 書評こぼれ話

  4月12日、東京大学の入学式がありました。
  言うまでもありませんが
  私がそこにいた訳ではありませんが
  その入学式で女性学の第一人者である
  上野千鶴子名誉教授の祝辞がとても素晴らしく
  ニュースで知りましたが
  本当に感動しました。
  その終りの方のところを
  長くなりますが
  書き留めておきます。

    がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、
    あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと
    忘れないようにしてください。

    あなたたちが今日「がんばったら報われる」思えるのは、
    これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、
    手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。

    世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、
    がんばりすぎて心と体をこわしたひとたちがいます。
    がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」と
    がんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。

    あなたたちのがんばりを、
    どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。

    恵まれた環境と恵まれた能力とを、
    恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、

    そういうひとびとを助けるために使ってください。

    そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。


  さらに上野千鶴子教授はこうもいいます。

    これからあなた方を待っているのは、正解のない問いに満ちた世界です。

  これは東京大学に入学した学生に向けたメッセージですが
  その意味するところは
  彼らだけのものではないと思います。
  新しく学生になった人たち
  新しく社会に出た人たち、
  そして、すべての人たちが
  「正解のない問い」を単に「正解」を求めるのではなく
  「正解」のないこともまた
  受け入れられたらいいと思います。
  今日の絵本は
  ウィリアム・スタイグさんの
  『ロバのシルベスターとまほうの小石』です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  人生について知るということ                   

 アメリカに「コールデコット賞」という有名な絵本の賞があります。
 これは、アメリカ図書館協会が,アメリカで出版された絵本の中でその年のもっともすぐれた作品に贈る賞で、1937年に創設されています。
 賞の名前は,19世紀の絵本画家,ランドルフ・J・コールデコットからとられています。
 ウィリアム・スタイグ作のこの絵本は1970年にコールデコット賞を受賞しています。
 受賞の際のスタイグさんのスピーチが巻末に収められています。
 そのスピーチの中でスタイグさんはこんなことを話されています。
 「児童文学をふくむ芸術は(中略)謎を謎としたままで人生について知ることを助けてくれます。(中略)そして不思議だと思うことは、人生に敬意を払うことにつながります」と。

 絵本の主人公は、変わった色の小石をあつめるのが大好きなロバのシルベスターくん。
 ある日、彼は小さな、魔法の小石を見つけるのですが、まちがって、自分が石になる魔法をかけてしまいます。
 家に帰らないシルベスターくんを心配してお父さんもお母さんも、村の動物たちも一生懸命探すのですが、まさかシルベスターくんが小石になっていると思いませんから、見つけることができません。
 季節がめぐって、新しい春になりました。シルベスターくんの両親は悲しみから抜け出そうと、ピクニックにでかけます。
 そこには小石にかわったシルベスターくんがいます。
 さあ、お父さんお母さんはシルベスターくんに会えるでしょうか。

 絵本にはどんな魔法もありません。
 最後に誰もがよかったと思えることこそが大事なことではないでしょうか。
 スタイグさんはそんなことを描きたかったような気がします。
  
(2019/04/14 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  加藤登紀子さんの歌が好きです。
  加藤登紀子さんの魅了は
  なんといってもその声だと思います。
  声と歌が絶妙なんです。
  私が一番好きなのは
  「あなたの行く朝」。
  その他にも
  「美しき五月のパリ」とか
  「この空を飛べたら」とか
  「百万本のバラ」とか
  ええい、そのほかたくさん好きです。
  そんな加藤登紀子さんのミニコンサートに行くことができたのは
  3月2日の夜。
  今日紹介した
  『自分からの人生 加藤登紀子のひらり一言』の刊行もあって
  朝日新聞主催のイベントに参加できました。

  1554979297654_convert_20190411194830.jpg

  会場には400人ぐらいいたでしょうか。
  私はしかも一番前。
  つまり、私と加藤登紀子さんの間には
  何にもない状態です。
  すごい!
  しかも終演時には加藤登紀子さんが
  観客席まで下りてこられて
  ハイタッチまでしたという
  奇跡のような一夜でした。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  人の心の土を耕そう                   

 加藤登紀子さんはなんといっても、かっこいい。
 男性のファンも多いだろうが、女性にも愛される歌い手である。
 彼女たちが「おときさん」と愛情を込めて加藤さんを呼ぶ時、どこか親身になってくれる少し年上の上級生に対するような思いがあるのではないだろうか。
 それは先に亡くなった樹木希林さんへの思いと似た感情があるような気がする。
 女性たちが憧れる生き方を加藤さんも希林さんもしているのだろう。
 ちなみにこの二人は同い年、1943年生まれである。

 この本は加藤登紀子さんが朝日新聞の「Reライフ」面に毎週一回連載してきた「加藤登紀子のひらり一言」から81の言葉を選んでまとめたものだ。
 「Reライフ」面というのはどちらかといえばシニア向けの記事が多いが、そこで加藤さんは世間でいう名言を書いているのではなく、自分が考えた言葉を書き留めている。
 この本ではそれに1ページほどの文章が綴られていて、余計に言葉が生きているように思えた。

 加藤さんは現在75歳。人生の第4楽章にはいったという。
 この本の中でも「人生のクライマックス」に突入と記している。
 そして、この本ではこれまで過ごしてきた75年の人生で、加藤さんが愛した父と母、愛してやまない夫藤本敏夫さんのことなども綴られている。
 そんな加藤さんの、私が見つけたベストの「ひらり一言」を最後に紹介しよう。
 「人の心には土があります。そこで憎しみを育てるか、愛を育てるかは、あなた次第。」
  
(2019/04/13 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  最近廣木隆一監督の映画にはまっています。
  きっかけは
  先日原作を紹介した
  『彼女の人生は間違いじゃない』ですが
  『ナミヤ雑貨店の奇蹟』や名作『ヴァイブレータ』も
  廣木隆一監督作品だと知って
  今ちょっとはまっています。
  今日紹介する
  絲山秋子さんの『イッツ・オンリー・トーク』は
  廣木隆一監督が2006年に発表した
  『やわらかい生活』の原作です。

  

  先に映画を観て
  それから原作を読みました。
  映画では主人公を
  寺島しのぶさんが演じています。
  映画化に際しては
  色々あったようです。
  かなり原作とちがいますからね。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  映画「やわらかい生活」の原作です。                   

 『沖で待つ』で第134回芥川賞を受賞した絲山秋子さんが2003年に書き第96回文學界新人賞を取った、これがデビュー作になる。
 文庫本で90ページほどだから、やはり短編というのがいいだろうか。
 絲山さんはこの作品で第129回芥川賞の候補にもなっている。
 当時の選考委員の評価はそんなに悪くない。特に山田詠美委員の評価が高く、「点在する人間関係が魅力的にやさぐれている」と的確な評である。
 その一方で石原慎太郎委員の「この題名がなんで英語なのか。どうして「ただの洒落よ」でいけないのか。」という批評には苦笑したが。
 石原委員のこの意見は少しばかりわかる気がする。
 なんだか安易な外国映画のタイトルのようで、もう少し工夫があってもよかったように思う。
 もっともこの言葉が入る、キング・クリムゾンというロックバンドがわからないと理解という地点から遠いかもしれない。

 東京蒲田を舞台に心を病んでいる私(橘優子)のまわりに集まってくる不思議な男たち。
 山田詠美の言葉を借りるなら、「やさぐれ」た人たち。
 勃起不能の都議会議員、うつ病のヤクザ、痴漢行為にはまる中年の男、そして田舎から家出して私の家に居候となるいとこ。
 まるで何の関係もないけれど、「私」という中心点からすれば、誰も欠かせない。
 人って、それがどんな人であれ、関係性の中でしか生きていけないものかもしれない。
 「一見投げ遣りに見える暮しの中に意外に芯の通った節度」と書いた黒井千次委員の選評がまっとうのような気がする。
  
(2019/04/12 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  山本周五郎の作品は
  色々な文庫で読むことができるが
  一番揃っているのは
  やはり新潮文庫だろう。
  その新潮文庫から
  山本周五郎没後50年企画として
  改版が順次刊行されている。
  今日紹介する
  『柳橋物語・むかしも今も』は
  その改版です。
  いつもの「本が好き!」様から献本頂きました。
  この作品は再読になりますが
  やっぱりいいですよね。
  山本周五郎は。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  それでも生きていく方がいい                   

 山本周五郎が63歳という若さで亡くなったのは1967年2月のことだから、没後半世紀以上になる。
 それでいてこうして「新・山本周五郎」と冠がついて、新潮文庫改版が出るのだからすごいものだ。
 かつて愛読した読者だけでなく、新しい読者までひきつけてやまない山本周五郎は、まさに物語の面白さを実感させてくれる。
 改版となった新潮文庫は「注釈付文字拡大」版で、特に印刷された文字が大きいのは、すでに山本周五郎の没年よりも年を経た私には有難かった。

 この文庫には昭和21年から24年にかけて発表された『柳橋物語』と昭和24年に発表された『むかしも今も』の、少し長めの中編2編が収められている。
 どちらの作品も主人公(『柳橋物語』はおせんという女性、『むかしも今も』は直吉という男性)は過酷な運命に翻弄され、それでも真実の愛にたどりつくという仕立てになっている。
 「人のちからでは反抗しようのない、大きな厳しいもの」に支配されている「人間というもののかなしさ、無力さ」、主人公はそれでも懸命に生きていくのだ。
 その姿に、終戦からわずか5年にもみたない日々の中を生きていた人々をどれだけ勇気づけたことだろう。
 終戦という廃墟から私たちは経済的にも豊かになったが、それでも天災や人災など「大きな厳しいもの」が時に私たちをうちのめす。
 そんな時、この2つの作品は今も心の支えになってくれる。

 改版の文庫巻末には解説の他に原田マハのエッセイも収められている。
 これもいい文章だ。
  
(2019/04/11 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  朝日新聞
  「平成の30冊」という企画を行い
  その結果が先日発表されました。
  これは、
  「平成時代に刊行された本の中から、識者120人が選んだベスト30冊」で
  第1位村上春樹さんの『1Q84』、
  第2位カズオ・イシグロさんの『わたしを離さないで』、
  第3位町田康さんの『告白』。
  まあ、この手の順位づけは
  あまり気にしなくてもいい。
  参考程度にしてちょうどいい。
  私が気になったのは
  第4位にランクインした
  宮部みゆきさんの『火車』。
  宮部みゆきさんの作品は全然読んでいないので
  この機会に読んでみるかと
  初挑戦。
  確かに、これはと
  大満足の一冊でした。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  彼女に会いたかったのは読者だ                   

 宮部みゆきさんが『理由』で第120回直木賞を受賞するのは、平成10年のことだ。
 それまでにも何度も直木賞候補にあがられていながら受賞することはなかった。
 今では名作の誉れの高いこの『火車』にしても、第108回直木賞の候補作に挙がったが、結構いい点が入るものの受賞には至らなかった。
 なかでも渡辺淳一選考委員の選評はひどく、「いったいこの作者はなにを書きたかったのか、そこがわからず、ただ筆を流しているとしか思えなかった」とし、「このようなお遊びの小説」と酷評している。
 一方で、井上ひさし選考委員は「持てる力と才能を振り絞って「現在そのもの」に挑戦し、立派に成功をおさめたその驚くべき力業に何度でも最敬礼する」と絶賛である。
 同じ作品を読んでもこれだけ評価が違うのだから、本を読むとは難しい(あるいは楽しい)ものだ。
 直木賞はのがしたものの、この年の第6回山本周五郎賞を受賞している。

 内容は自己破産を題材にしたミステリー小説だ。
 犯人である女性を休職中の刑事が追い詰めていくのだが、犯人は最後までその姿を見せない。
 ただ犯人の周辺に起こる事件から、犯人の実像が鮮やかに浮かんでくる。
 犯罪は罪だ。だから、罰を受けないといけない。
 それはわかっているが、犯人の姿が浮かんでくるたびに、誰が彼女を裁くことができるのかと思う。
 彼女を追い詰めたもの、それが一番解けない闇かもしれない。
 だから、多分読者こそが最後に彼女に会いたかったのではないだろうか。
  
(2019/04/10 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
 正岡子規の「彼岸」を詠んだ有名な俳句に

    毎年よ彼岸の入に寒いのは

 があります。
 それをもじって

    毎年よ四月になれば新講座    夏の雨

 というわけで
 四月になって
 何かひとつ勉強しようかと思い立ち、
 「英会話」は何度も挑戦し、そのたびに挫折し、
 さすがにもういいか、
 語学系は根気が続かないかと
 やる前からあきらめムード。

 そこで、今年挑戦してみようと思い立ったのが
 俳句。
 俳句は初心者ではありませんが
 どうも中途半端なので
 ここはもう一度やる気を出してやってみるかと
 NHKテキスト「NHK俳句」4月号(NHK出版・700円)を購入しました。

  

 NHKテキストですから
 番組の放映もあって
 毎週日曜朝6時半から30分、
 担当選者は週ごとに変わります。
 「NHK俳句」はもう随分前にも見ていたことがあります。
 今回は再チャレンジ。
 目指すのは、入選!
 そういえば、
 このテキストに連載されている
 「岸本葉子の俳句の学び方」にも
 書かれていました、

    めざすは入選!

 今月の4月号には
 別冊付録として「俳句手帖」がついています。
 一昨日の司会を担当していた小林聡美さんは
 思わず
 「おまけ」と言っていましたが、
 なんとも素敵な「おまけ」です。

 「毎年よ三日坊主の新講座」にならないようにしないと。

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
 今日4月8日は
 お釈迦様の誕生日で仏生会といわれています。

    ぬかづけばわれも善女や仏生会       杉田 久女

 「歳時記」には
 仏生会という季語とともに
 たくさんの傍題が載っています。
 花祭とか花御堂とか。
 まさにそんな季語にあわせたように
 この土日は天候にもめぐまれ
 絶好のお花見日和でした。

  20190405_145205_convert_20190406181807.jpg

 街で見かけた春の花を
 俳句とともに。
 まずはチューリップ

  20190407_114141_convert_20190407153140.jpg

    チューリップ喜びだけを持つてゐる      細見 綾子

 これはさくら草

  20190407_113812_convert_20190407153056.jpg

    咲きみちて庭盛り上がる桜草       山口 青邨

 これは山吹

  20190407_112716_convert_20190407153010.jpg

    山吹や酒断ちの日のつづきをり      秋元 不死男

 そして、なんといっても桜です。

  20190405_110956_convert_20190406181946.jpg

 満開のいまにもこぼれんばかりの桜。
 桜を詠んだ俳句はたくさんあります。
 満開の桜も詠めるし
 散る桜も詠めるのもいいですね。

  20190405_110254_convert_20190406182059.jpg

    まつすぐに落花一片幹つたふ      深見 けん二

 いずれも畑の横を流れる鴻沼川沿いの桜です。

 畑の野菜と桜のコラボで一枚。

  20190405_141340_convert_20190406182331.jpg

 これはネギですが
 この写真のあとは収穫して次の栽培の準備にはいりました。

 これは
 元肥をいれて畝づくりをして
 苗を植える前の畑です。

  20190406_112721_convert_20190406182630.jpg

 黒マルチの畝の奥が
 ウスイエンドウです。
 まだ花はついていません。
 ここも桜とのコラボです。

 ただ心配なのが
 ジャガイモの芽。

  20190405_141513_convert_20190406182452.jpg

 せっかく出てきたのに
 先週半ばの寒さにやられたようです。
 これから新しい芽がでてくればいいのですが。
 もうあんな寒さが逆戻りしないことを
 願っています。

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
プレゼント 書評こぼれ話

  私が住んでいるところでは
  明日が小学校の入学式というところが
  多そうです。

    名を呼べば視線まつすぐ入学児      鷹羽 狩行

  光景が目に浮かぶような俳句です。
  今日は
  そんな入学式にぴったりの絵本、
  武田美穂さんの『ますだくんのランドセル』を
  紹介します。
  書評にも書きましたが
  武田美穂さんには
  この絵本と対になる
  『となりのせきのますだくん』という 
  かわいい作品もあります。
  この作品も
  以前このブログで紹介していますので
  さがしてみてください。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  初めてのランドセル                   

 思い出話をしましょう。
 私の小学入学のお話です。ランドセルを母方の祖父に買ってもらいました。
 おじいちゃんはそのランドセルを私の家まで自転車で持ってきてくれました。ところが、途中溝に落ちたといいます。
 おじいちゃんの怪我はどうだったのか、ランドセルは無事だったのか、まったく記憶がないのですが、私の初めてのランドセルは、こうして私の手元に届きました。
 生まれて初めて背負うランドセル。
 きっと誰もが持っているだろう、甘酸っぱい思い出。

 『となりのせきのますだくん』で第15回の「日本の絵本賞」を受賞した武田美穂さんが、続いて描いたのが、その「ますだくん」の方から描いた世界。
 お話はますだくんがまだ5才の頃から始まります。
 ますだくんにはお兄ちゃんが二人とお姉ちゃんが一人、そして妹が一人います。
 お姉ちゃんは小学6年生、お兄ちゃん二人も小学生なので、ますだくんはいつも妹の世話係。
 きびしいお兄ちゃんの指導? のもと、ますだくんはどんどん強くなっていきます。
 あこがれはランドセル。
 お兄ちゃんたちはランドセルに触らせてくれませんが、やさしいお姉ちゃんは小学校卒業時にランドセルをますだくんに譲ってくれました。
 でも、赤いランドセル。
 でも、ますだくんはそんなことへっちゃらです。

 そして、そんなますだくんも晴れて小学校に入学します。
 もちろん背中には赤いランドセル。
 ますだくんのとなりのせきは、ちょっと泣き虫の「みほちゃん」。
 これがますだくんとみほちゃんの出会い。
 まさか、みほちゃんから怪獣のように思われていたなんて、ますだくんはちっとも知りません。
 そうそう、ますだくんの名前はけんいちです。
  
(2019/04/07 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  ショーケン
  萩原健一さんの訃報を聞いて
  もしかしたら沢木耕太郎さんにショーケンを描いた
  作品がないか調べて
  結局わからなかったのだが
  本田靖春さんがインタビュー記事を残していることが
  わかった。
  それと、萩原健一さんが
  自伝『ショーケン』という本を
  刊行しているのもわかった。
  さいたま市の図書館で
  この本を検索すると
  さいたまゆかりの人のコーナーにあった。
  ショーケンはかつての埼玉県与野市に生まれていたのだ。
  なんだ、ご近所じゃない。
  俳優としてのショーケンが好きだったが
  これでさらに身近に感じた。
  人間というのは、というか
  私はどうも
  単純だな。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ショーケンが死んだ                   

 ショーケンが死んだ。
 芸名の萩原健一よりも、本名である萩原敬三よりも、愛称であるショーケンとして愛されたミュージシャン、そして俳優。
 3度の結婚と4度の逮捕歴。亡くなった日の2019年3月26日からマスコミはショーケンの人生を刺激的に書き立てたが、それは非難ではなく、どこかでやんちゃ坊主を可愛がるような、そんな視線を感じないでもなかった。
 享年68歳。若い命を奪った病気は10万人に1人ともいえる癌だったのも、なんだかショーケンらしい。
 そんな彼が10年程前の2008年、57歳の時に自身の半生を綴ったのがこの本だ。
 表紙の装幀画もショーケン自身の手によるものだが、この本を彼が執筆したというより、構成者がいるから彼の口述か何かでまとめられたものかもしれないが、そんなことはどちらでもいい。
 この本には、私たちの知っているショーケンもいるし、まったく知らないショーケンもいる。
 それら全部をひっくるめて、10年後には死んでしまうことを知らない、まだ生きることに懸命なショーケンがいる。

 ショーケン、萩原敬三は1950年埼玉県与野市(現在のさいたま市)に生まれた。
 兄弟とは父親が違うことで、苦労をして育ったようだ。
 そんな彼が芸能界でスターになっていったのは、やはり才能があったからだろう。
 さらに俳優としてその才能は一気に花開く。
 ショーケンのような個性を持った俳優はあの時代どこにもいなかった。
 その一方で、逮捕のきっかけとなる薬物依存。そして、多くの女優たちとの浮名。

 ショーケンの68年という生涯は短かったが、その中身はなんと濃厚だったことか。
 彼が終生「たった一人の師匠」と呼んだ映画監督の神代辰巳が亡くなったのが67歳。
 ショーケンは師匠より1年多く生き、その生涯をやりきったのではないだろうか。
  
(2019/04/06 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  今日は二十四節気のひとつ、清明(せいめい)
  ちょうどこの頃、
  万物が溌剌としてくるという意から
  こうつけられたという。

    清明や街道の松高く立つ     桂 信子

  今週は寒さが戻って
  満開の桜に雪が積もるという
  珍しい風景もニュースになったりしましたが
  季節はまちがいなく
  春の盛りへと動いています。
  今日は廣木隆一さんの
  『彼女の人生は間違いじゃない』という
  作品を紹介します。
  これはCS放送で映画を観て
  原作を読んでみようと
  手にした一冊です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  原作を読んだら映画も観て下さい                   

 廣木隆一。1956年、福島県郡山市生まれ。本業、映画監督。
 この作品はそんな彼が初めて書いた小説である。
 ピンク映画と呼ばれていた時代の成人向け映画でデビューし、その後は多彩な作品のメガホンをとって、現代の日本映画でも目の放せられない映画人である。
 2003年寺島しのぶが主演した「ヴァイブレータ」は数々の賞を受賞した傑作で、その年のキネマ旬報ベストテンで日本映画部門3位となっている。
 そのほか、こんな作品も廣木の監督作品なのかと驚くようなものも多い。
 そして、2015年に文芸誌「文藝」に発表したこの作品も、2017年自身の手で映画化されている。その年のキネマ旬報ベストテンで、これは7位となっている。

 自身が原作であるが、脚本は加藤正人である。
 加藤が脚本を手掛けたせいか、主人公であるみゆきの母親の死が原作では東日本大震災以前での病死が映画では津波にさらわれたことに変わっている。
 東日本大震災を背景にしてたくさんの小説が書かれてきて、この作品もその一つに数えられるのだろうが、安易に感傷的になることをあえて廣木は小説では避けたのかもしれない。
 それは廣木自身が福島の出身ということもあるだろうが、それを加藤正人という他者が脚本を書くことで、もっとストレートに作品が出来上がったように感じる。

 つまり、自身の原作を映画化した廣木監督は映像化することでより鮮明に自身が抱えている、そしてそれはヒロインが抱えているものでもある、感情をより鮮明にするという多層的な作品になっているように思える。
  
(2019/04/05 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  谷川俊太郎さんの『幸せについて』という本を
  紹介します。
  書評で先日発表された
  「世界幸福度ランキング2019」のことを書きましたが
  日本の順位が低いのは
  「寛容さ(過去1か月の間にチャリティ等に寄付をしたことがあるか)」の
  点数が低いとありました。
  谷川俊太郎さんはこの本の中で
  こんなことを書いています。

     コンビニの募金箱におつりの十円玉やアルミの一円が
    入っているのを見ると、侘しくなる。
    いつかは集まって役に立つはずだけど、身銭を切らないお金には、
    ヒトを幸せにするパワーがないような気がする。

  やはりこの国の幸福度は
  58位がふさわしいかも?

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  幸せという美しい蝶                   

 国連による「世界幸福度ランキング2019」が先ほど発表されていました。
 それによると日本の幸福度は58位。
 その順位を高いとみるか低いとみるかはそれぞれの判断ですし、そもそも幸福度などを比較することに意味があるのか、幸福は自身が感じることで人から言われるものでもないと思います。
 但し、いつまでも消えないいじめの問題や児童虐待、あるいは親子の間の殺人など、人を思いやる気持ちが薄れているように感じる昨今で、幸福といえるとも思えないのですが。

 この本は詩人谷川俊太郎さんが書名のとおり「幸せについて」記した短文を集めています。
 どのページを開いても「幸せ」について書かれていて、例えば「水はひとしずくでも幸せ」といった本当に短いものもあれば「幸せはささやかでいい、ささやかがいい、不幸はいつだってささやかじゃすまないんだから。」といったものもあります。。

 ちょっと沈んだ気持ちになった時、この本を開けば少しは「幸せ」になるかもしれませんが、最初に書いたように「幸せ」は自身がそうだと感じれば「幸せ」だろうし、人から教えられるものではありません。
 私はこうして谷川さんの本を読めただけで「幸せ」ですから、他愛もありません。

 ちなみにこの本の「あとがき」で谷川さんはこんなことを書いています。
 「幸せについて語る言葉は掃いて捨てるほどありますが、どれも明快なものではありません。幸せという美しい蝶は、ピンでとめて標本にすることが出来ないもののようです」。
 どうか、美しい蝶をのがさないように。
  
(2019/04/04 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  「令和」という
  新しい元号も決まり、
  いよいよ平成の時代も一ヶ月を
  きりました。
  平成という時代を振り返れば
  阪神大震災や東日本大震災といった
  未曾有の災害が起こり、
  決して平たんな時代ではなかったように思います。
  それでいて
  もうすぐ終わりを迎えるにあたって
  多くの国民が
  天皇陛下と皇后さまに惜しみない礼を尽くすのは
  このお二人が歩まれた道もまた
  平坦ではないことを
  よく知っているからだと思います。
  その苦難の道程を
  二人がたゆまず歩かれたこそ
  皇室を見る目が
  柔かくなったのではないでしょうか。

  先日NHKのドキュメンタリー「天皇 運命の物語」の
  最終話「皇后 美智子さま」を見ました。
  その映像を見ながら、
  美智子皇后がおられたから
  天皇だけでなく
  多くの国民も救われたのではないかと感じました。
  番組で
  美智子さまが幼年の時代に読んだ
  新美南吉の『でんでん虫のかなしみ』という童話が
  たびたび紹介されていました。
  生きていくことは、けっして楽ではない。
  そういうことをひっくるめての人生だということ。
  読書はなんと崇高なことを
  幼い少女であった美智子さま 教えたのでしょう。
  この番組のあと、
  もう一度、美智子さまの『橋をかける』という本を
  読み返しました。
  その美しい文章には
  これからもきっと多くのことを
  教えられることでしょう。
  今日は、
  2009年5月の時に読んだ書評を
  再録書評として掲載します。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  痛みを伴う愛を知るために                   

 この本には、皇后美智子さまが国際児童図書評議会の二つの大会でなされたふたつの講演と、それにいたる経緯を記した関係者の方たちの文章がいくつか収録されています。
 二つの大会とは、1998年のニューデリー(インド)大会と2002年のバーゼル(スイス)の大会です。
 ニューデリー大会の時の講演はビデオによるもので、この時話されたのが本書の書名ともなっている『橋をかける』です。

 この大会での講演がビデオによるものとなったのは、大会の直前でインドで核実験が行われたという政治的な事情があります。それで急遽ビデオ撮影となるのですが、撮影隊に気をつかわれる皇后美智子さまのお姿など、その間のエピソードをつづった、巻末の「文庫版によせて-皇后さまのご本ができるまで」(末盛千枝子)は読む者の興味をそそる内容です。
 「長年かけて準備して来たニューデリー大会に、ご自分の欠席が与えてしまうだろう傷を、最小限にくいとめようと努力」される皇后美智子さまのゆるぎのない姿、「いつも薄化粧で、(中略)そのことについて心配そうにお尋ね」になる細やかな女性としてのたしなみ、など、普段私たちが窺いしることのない皇后美智子さまの表情はとても美しい。

 その美しさは、ちょうど五十年前皇太子妃になられてからのご努力もあるでしょうが、子供時代の読書体験が美しさの「根っこ」としてあることが、ふたつの講演に接するとよくわかります。
 特に「橋をかける」と題された講演では、子供時代に読まれたたくさんの書名と作者たちの名前が出てきます。おそらく戦時中という出版事情が厳しいなかで、「何冊かの本が身近にあったことが、どんなに自分を楽しませ、励まし、個々の問題を解かないまでも、自分を歩き続けさせてくれたか」という思いにいたるまで、それらの本たちを慈しみ、励まされるようにして読まれていたことと想像します。
 そのようにして読まれることで、「読書は、人生の全てが、決して単純でないことを教えてくれました。私たちは、複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。人と人との関係においても。国と国との関係においても」という感慨をいだくまでになられていく。
 これこそ、読書がもっている力だと思います。

 この国において「皇室」の問題はデリケートですし、まして皇后というお立場であればなおさらです。
 しかし、この本に収められたふたつの講演は、皇后美智子さまということではなく、昭和・平成という時代を歩んできた一人の女性の語った、きわめて良質な「読書体験」として読まれていいのではないかと思います。
  
(2009/05/17 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  5月1日からの新元号が
  昨日ついに発表されました。

  令和(れいわ)。

  『万葉集』が由来だそうですが
  そこで使われている「令月」は
  「何ごとをするにもよい月」という意味が
  あるそうです。
  そう聞けば
  なんだかいい元号名ですよね。
  今日紹介する
  藤沢周平さんの『驟り雨(はしりあめ)』は
  昭和の時代の短編集ですが
  平成の時代にも読み継がれました。
  いい作品は
  時代を超えて読まれるものです。
  きっと新しい令和の時代でも
  読まれる短編集だと思います。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  藤沢周平のふ・ふ・ふ                   

 藤沢周平の作品は暗いとよく言われる。
 その暗さは魅力とも言われるのだから、不思議なものだ。
 しかし、10篇の短編を収めたこの短編集を読むと、藤沢の作品が暗さだけが魅力でないことがよくわかる。
 むしろ、藤沢にはどこかで笑いを意識した思いもあったのではないかと感じる。

 表題作である「驟り雨(はしりあめ)」は、一人の男が雨の中一軒の大店に盗みに入ろうとしている様を描いた短編である。
 雨がやむのを待つ男の前に雨宿りに走り込んできた若い男女。
 なんともいわくありげなその会話。若い男女の会話がどこか面白い。
 二人が立ち去ったあと、今度は怪しい男の二人組が雨宿りにやってきて、男は盗みに入る機会をうしなう。
 さらには、病人の母と幼い娘の親子づれ。とうとう男は盗みを諦め、この親子を助けるはめに。
 なんとも間の抜けた男の話だ。
 きっと少し男の言動をおおげさにすれば、笑いをもった人情噺になるだろう。

 もっと落語噺に近いのが、「うしろ姿」。
 いつも酔った勢いで見知らぬ他人を長屋に連れ帰る六助という亭主が出色だ。
 その女房のおはまもいい。
 かつて六助がどんな男たちを連れ帰ってきたかという出だしから笑いを誘う。そして、なんともきたないお婆さんを連れ帰ったことで、話は一気に面白さと、この夫婦にかつて面倒を見切れなかった母親がいた人情噺と進む。
 大家と店子である六助との軽妙な会話。お婆さんのいわくありげな振る舞い。
 最後のオチまで、完璧な寄席噺になっている。

 こういう藤沢周平を読むのもまた楽しい。
  
(2019/04/02 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
 今日から4月
 入社式とか入学式があったりして
 はじまりの月です。
 そして、今日
 いよいよ新しい元号が発表されます。
 去り行く平成と
 やってくる新しい時代。
 いつも以上にわくわくします。

 先日の週末は
 桜が見頃となったところもありましたが
 花曇りのところが多かったですね。

    ゆで玉子むけばかがやく花曇      中村 汀女

 桜といえば
 全国的に名所といわれる有名なところがありますが
 どこの街にでも
 その街ならではの桜の名所があります。
 ご近所の桜ということで
 こちらはさいたま・浦和にある玉蔵院のしだれ桜。

  20190329_101306_convert_20190331161317.jpg

 そして、こちらは
 さいたま見沼用水の広がる
 桜回廊の桜です。

  20190331_135247_convert_20190331161732.jpg

  20190331_132921_convert_20190331161446.jpg

  20190331_133733_convert_20190331161610.jpg

 道を歩くと
 色々な花も見かけます。
 こちらは満開のレンギョウ

  20190331_140808_convert_20190331161849.jpg

    行き過ぎて尚連翹の花明り      中村 汀女

 菜園の横に広がる
 鴻沼川の桜並木も
 さいたまでは有名ですが
 先日の土日はまだまだこれから。

  20190329_094719_convert_20190331161221.jpg

 もう一週間楽しめそうです。

 そんな花曇りの土曜日(3月30日)
 菜園で「おしるこ大会」がありました。
 本当なら満開の桜を愛でながらといきたいところですが
 そううまくはいきません。
 でも、花冷えでしたので
 おしるこがおいしかったです。

  20190330_140818_convert_20190331162533.jpg

 お餅もしっかりはいっています。

  20190330_133446_convert_20190331162427.jpg

 参加した人には
 野草の名前当てクイズなんかあったりして
 楽しめました。

 桜はもう少しですが
 野菜の花もぼちぼち咲き始めました。
 これはイチゴ

  20190330_121942_convert_20190331162306.jpg

 そして、こちらがスナップエンドウの花。

  20190330_121757_convert_20190331162015.jpg

 どちらもまだこれからです。

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ