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プレゼント 書評こぼれ話

  ジャケ買いというのは
  「レコード、本などの商品の内容を全く知らない状態で、
  店頭などで見かけたパッケージデザインから
  好印象を受けたということを動機として購入すること」
  ということですが、
  まさに今日紹介する
  森下典子さんの『こいしいたべもの』は
  ジャケ読みの一冊です。
  こんなにおいしそうなホットケーキを見せられて
  手が出ないなんて
  私には無理。
  ちなみに森下典子さんは
  1956年生まれで
  ほとんど私と同世代。
  同世代ゆえの共感というか
  同じ風景を見てきたものが
  作品にも垣間見えて
  好きだな。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ホットケーキに魅かれて                   

 食べ物は口で味わうということはわかっていますが、それだけではありません。
 目で見て、鼻で匂いを嗅いで、音で聞いて味わうこともあります。
 しかも、目で見るのはリアル映像画像でなくても、画であってもおいしさは滲んできます。エッセイストの森下典子さんの文庫オリジナルとなるこの作品の表紙を見ているだけで、ホットケーキの甘い匂いは切った時の弾力などを感じます。
 食べ物エッセイのこの作品を読みたいと思ったのは、表紙のホットケーキがあまりにおいしそうだったから。
 そんなおいしそうな食べ物の画がこの本のなかにはぎっしり詰まっています。
 鎌倉名物鳩サブレー、桃饅頭、桜餅、カレーライス、コロッケパン、クリーム白玉あんみつ、芋きん、峠の釜めし、…、まだまだ…。

 味わうということは文章を読むことでもできるということが、森下さんのエッセイでわかります。
 桜餅の文章を引用してみます。
 「口に入れると、プチッと葉が破れ、薄皮の弾力の中から、よく晒した餡子の甘さが現れる。葉っぱが破れるブチブチという食感に、上品な餡の甘さと、塩気のきいた葉の香りが混ざり合う。」
 この文章を読んで、桜餅を食べたいと思わない人はいないのではないだろうか。
 分が食べた桜餅の体験が森下さんの文章で再現される。
 文章でおいしさを味わえるなんて最高だ。

 画で見て、文章を読んで、満腹になることはなくても、「おいしかった」とは口に出ることまちがいなしの一冊です。
  
(2019/09/06 投稿)

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