FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  先日、石井桃子の会が発行した
  『石井桃子 in 浦和』という小冊子を
  紹介しましたが
  せっかくなので
  そのもとになった
  石井桃子さんの『幼ものがたり』を
  読み返したので
  今日は再読書評で紹介します。
  石井桃子さんのこの作品では
  4、5歳の自分が描かれていますが
  さて
  自分の記憶で一番古いのは
  何だろうと考えました。
  そういえば
  幼稚園の前にあった噴水に
  落っこちたことがあったな、
  幼稚園の先生は確か森本先生という
  女の先生ではなかっただろうか
  そんなことぐらいしか
  思い出せません。
  石井桃子さんとは
  だいぶちがいます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  こんなに覚えていることにまずは圧倒されました                   

 児童文学者の石井桃子さんが自身の「幼時の思い出」を綴ったこの作品が刊行されたのは1981年で、1907年生まれの石井さんが74歳の時でした。
 「幼い子どもの心に残ったものであるから(中略)真偽の保証もできないようなもの」といいつつ、小学校に入るまでも、今でいえば3歳や4歳の記憶がこんなにも鮮やかに残っているというのはすごい。

 石井さんは他のエッセイで、もし自分がもっと若かったら現在の自分にかまけて幼い自分を素直に見られなかったかもしれない、またもっと年をとっていたら、客観的に観察することなどできない。つまり、この時こそ幼い自分を振り返ってみられる「千載一遇のチャンス」と記している。(「幼時のためのお話」)
 読んでいて感じるのは、幼い桃子のそばにじっと立って静かにその幼児を見つめている石井桃子さんであり、ありがたいことに私たち読者もそんな石井さんのそばで、幼い女の子を見られることだろう。
 タイムマシーンはSF小説の産物かもしれないが、石井さんのこの自伝のようなお話はまさに時空を超えている。

 石井桃子さんには一人の兄と四人の姉がいた。(ほかにも幼くして亡くなったきょうだいもいる)
 それに祖父母、それに両親、そして「まあちゃん」という親戚の少し障害を持った青年とともに埼玉の浦和で北のはずれで暮らしていた。
 彼ら石井さんの周辺の人たちを綴った「身近な人びと」の章は読み応えがある。
 幼い子どもにとって、家族から得るところが大きいのだろう。
 「身近な人びと」こそ、社会に開かれた窓だったにちがいない。
  
(2019/09/13 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス