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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する
  山本音也さんの
  『新選組 最後の勇士たち』は
  もともと『本懐に候』というタイトルでした。
  文庫化されるに際して
  タイトルの変更がされたのですが
  私は元もタイトルの方が
  いいように思います。
  もちろん、主人公たちが
  新選組の最後のメンバーですから
  それを入れたいという気持ちはわかりますが
  「最後の勇士」というのは
  ちょっと違うような気がしました。
  ちなみに
  主人公の相馬主計は顔写真も残っている
  実在の人物です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  時代に置いていかれた男                   

 第10回舟橋聖一文学賞受賞作。(2016年)
 幕末の京都の町を震撼させた新選組だが、何故か今でも人気が高い。
 組織の中での裏切りとか謀略、粛清や脱退、なんとも無残であるが、案外そういう人間の弱さが現代人の心にも響くのかもしれない。
 それに、この組織にいた人の個性の強さ。有名な名前を挙げれば、近藤勇、土方歳三、沖田総司、芹沢鴨といくつも並ぶ。
 その多くは戊辰戦争などで命を亡くすが、そのうちの何人かは維新後も生き続けることになる。

 この長編小説は、新選組の最後の隊長として名を残す相馬主計と、彼とともに箱館での土方歳三の最後を看取った安富才助、そしてその二人を知る、のちに土方の遺品を故郷の日野まで届けたとされる沢忠輔の三人の、維新のあとの生き様を描いている。
 相馬と安富は箱館戦争のあと捕縛され、島流しの刑を受ける。相馬は箱館戦争の際に片腕をなくしたもののまだ強く生きようとするが、安富は流刑地の島で生きればいいと思うばかり。
 そんな二人に赦免が出る。
 東京と名前を変えた土地に戻った二人だが、新しい時代を生きようとした相馬は生きていくのがせいぜいで、時代に取り残されていく。
 一方で、生きることを諦めたはずの安富には、その人材を惜しむ人の推挙で陸軍の関係の仕事が与えられる。
 二人が相まみえる場面。相馬にとってはあまりにも残酷。

 歴史書には相馬は「謎の自殺」を遂げたとあるが、山本の筆は相馬の心に宿した暗い影を追って、悲惨でもある。
  
(2019/09/27 投稿)

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