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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する
  岩瀬達哉さんの
  『血族の王 松下幸之助とナショナルの世紀』は
  単行本として2011年7月に刊行され、
  2014年に新潮文庫に入った
  比較的以前の一冊です。
  それを何故今読んだかというと
  大型書店の新潮文庫の棚の平台に
  今でも平積みされていて
  たまたま目に留まって
  こんな本が出てるんだと
  読みたい気分が全開になったのです。
  内容的には
  有名な松下幸之助神話は知っていましたが
  裏の顔はほとんど知らないことだらけで
  面白かったです。
  人間、いい面もあれば
  悪い面もある。
  そういうことですね。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  私たちの世代はやっぱり「ナショナル」                   

 今や「ナショナル」というブランド名も「松下電器産業」という会社名も知らない世代が増えているに違いない。
 現在の「パナソニック」のことだ。
 それでも、もしかしたら「経営の神様」の名前を問われたら、松下幸之助氏の名があがるかもしれない。それほど彼の名前は揺るぎない。
 多くの著名人は毀誉褒貶にまみれるものだが、松下幸之助氏はそういう地平から遠いところにあるとずっと思ってきた。
 実家が破産し、わずか9歳で大阪へ丁稚奉公に出る少年。そこで才知に長けた才能を発揮し、大実業家となる。
 そして、多くの言葉を残した。小学校さえ満足に出ていないのに。

 しかし、そんな松下幸之助氏にも負の顔があった。
 ノンフィクション作家岩瀬多達哉さんがそれを暴いたというよりも、実際には多くの関係者には周知であった事実をきちんと正伝として描いたということだろう。
 特に第二夫人とその子供の存在は、表の幸之助氏しか知らない読者には驚きだろうし、自身の孫を後継者とすべく画策する姿は、晩節を汚す経営者にありがちなものである。
 松下氏はそういうことから遠い存在であると思っていたから、その事実はかなり衝撃的だった。

 松下幸之助氏は1989年に94歳で亡くなったが、さすがのそれだけの人生であるから、いかに大部な労作であってもすべてを描くことは難しい。
 起業後事業を拡大していくあたりが表現として手薄の一方で、戦後公職追放を受けたあたりのことは盟友野村吉三郎の手帳などを参考に詳しく描かれている。

 いずれにしても「パナソニック」の源流は松下幸之助氏をたどるしかないのだから、日本の経営の歴史から消えることはないだろう。
  
(2019/12/21 投稿)

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