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プレゼント 書評こぼれ話

  久しぶりに読書の醍醐味を
  味わいました。
  スーザン。オーリアンさんが書いた
  ノンフィクション作品、
  『炎の中の図書館』。
  でも、この作品は原題の
  「THE LIBRARY BOOK」の方がいいかもしれません。
  1900年初めの頃の
  ロサンゼルス中央図書館の責任者だった
  チャールズ・ラミスが作ったビラには
  こんなことが書かれていたそうです。

    あなたは本を読みたいですか?
    学びたいですか?
    ロサンゼルス公共図書館はあなたのためにあるのです。

  この言葉は決して古びていません。
  今でも生きている
  そして、どこの図書館でも通用する
  言葉だと思います。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  図書館が好きな人、本が好きな人、必読です                   

 この作品は、1986年4月29日に発生したロサンゼルス中央図書館の大火災を描いた、なんともスリリングなノンフィクションだ。
 図書館にあるのは当然本であるから、そこでの火災が大規模になればどれだけの被害になるか想像もつかない。
 この火災の場合、燃えた本は40万冊、消火の際の放水などで70万冊が損傷したという。
 さらにこの火災が起こったのは白昼で、火災原因がなかなか特定されない中、一人の俳優志望の青年が逮捕される。逮捕容疑は放火。決めてはこの青年が事件後関与は疑わせる発言を繰り返していたこと。
 この作品ではもちろんこの青年の関与について、彼の家族等のインタビューや彼の弁護士の発言等で追いかけていく。実際青年は起訴されずに釈放されているが、真実が不明のまま、青年は1993年エイズの合併症で亡くなっている。

 しかし、著者は犯人捜しをしようとしたわけではない。
 著者がここで描こうとしたのは、ロサンゼルス図書館という施設の伝記であるといっていい。その時間の中で、大火災があったという事実があるだけだ。
 それだけであれば、この本は薄っぺらな事件ものに過ぎなかっただろう。
 ここにはロサンゼルス図書館誕生から、代々の責任者がどのような問題に直面し、そしてどう対処したかも描かれている。
 あるいは、図書館で働く人たちの姿を描くことで、図書館の機能そのものもわかるようになっている。
 さらにはこの建物が作られた当時のエピソード、火災のあとの再建への足取りなど、図書館の魅力が満載なのである。
 こんなに刺激的な作品は、めったにあるものではない。
  
(2020/01/31 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今までに買った本を
  今でも全部持っているわけではありません。
  古本屋さんに売ったり
  捨ててしまったりした本もあります。
  それでもやはり
  手離すのが惜しくて
  本棚に並んでいる本のなかに
  岩波新書から出ている
  大岡信さんの『折々のうた』シリーズがあります。
  今日はそんなシリーズから俳句だけを
  長谷川櫂さんが選んだ
  『大岡信『折々のうた』選 俳句(一)』を
  紹介します。
  その中から一句。

    花鳥もおもへば夢の一字かな   夏目 成美

    「花をめで鳥に耳傾け、物語を愛する風雅も、
    つきつめて思えば夢の一字にすぎないという。」

  私の本棚も夢の一字かも。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  『折々のうた』で俳句の勉強                   

 詩人の大岡信さんがたった一人で「朝日新聞」朝刊一面にわずか180文字の詩歌のコラム「折々のうた」を執筆し続けたのは1979年から2007年に及ぶ。
 途中で休載した時期もあるが、連載は6762回に及ぶ。
 当時新聞の一面に詩歌の紹介をすることは画期的なことだったといえる。
 新聞連載のあとまとめられて岩波新書として刊行されるのも恒例となって、新書も全19冊になる。

 その新書を読めばわかるが、大岡さんの連載には何かの関連付けでこの日は俳句であったものが次の日は短歌、あるいは芭蕉の俳句の次の日には子規の俳句と、俳句だけを愛読するという趣向にはなっていない。
 今回俳人の長谷川櫂さんが挑んだのは、そんな「折々のうた」から俳句を抜き出し、俳句の年代史を作ろうという試みである。
 この「俳句(一)」には江戸時代前半の松尾芭蕉と与謝蕪村を中心に編まれている。
 小林一茶以降明治期の俳句隆盛の頃は「俳句(二)」になるようだ。

 紹介句の並びは元々の「折々のうた」の掲載順になっているから、例えば有名な芭蕉最後の句「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」は芭蕉の句が並ぶ最後にはなっていない。
 さらに、大岡さんは作者ごとに紹介したのではないので、こうして作者ごとに並べると解説の内容が重なることも多い。
 さらにこういう配列にすると、大岡さんの作者の好みのようなものを感じる。
 そして、あらためて思うのは、これだけの短い文章に詩作の心得みたいなものもうまくはいっている凄さである。
  
(2020/01/30 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  前回の朝ドラ「なつぞら」のモデルとなった
  女性アニメーターを描いた
  『漫画映画漂流記』を紹介します。
  主に聞き書きとなっている
  小田部羊一さんは
  女性アニメーター奥山玲子さんの夫でした。
  残念ながら
  奥山玲子さんは2007年に亡くなっています。
  小田部羊一さんは
  あの名作アニメ「アルプスの少女ハイジ」で
  キャラクターデザインをした人で
  高畑勲さんや宮崎駿さんといった
  アニメ界の巨匠たちと
  共に働いていた
  とっても有名なアニメーターです。
  「なつぞら」にはまった人なら
  これを読めばさらに記憶が鮮明になるかもしれません。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  朝ドラ「なつぞら」のモデルとなった女性アニメーター                   

 NHK朝の連続テレビ小説(通称朝ドラ)の影響力は大きい。
 さすがにかつての「おしん」のように視聴率が50%を超えることはなくなりましたが、現在でも20%を超えることもあって、日本で一番見られているドラマといってもいいでしょう。
 その100作めの作品が「なつぞら」で、広瀬すずさんが演じた主人公のモデルとなったアニメーターが奥山玲子さんです。
 もし、朝ドラのモデルになることがなければ、奥山玲子という名前もその夫である小田部羊一の名前もアニメファンだけのものに終わったかもしれません。
 まして、こうして「おしどりアニメーター」として一冊の本になることはなかったともいえます。
 まさに朝ドラ恐るべし、です。

 この本は小田部さんと奥山さんのことをよく知る、当時の友人関係者たちからのインタビューと小田部さんの回想聞き書きで出来ています。
 インタビューを受けているのは、奥山さんが日本で初めての女性作画監督をした作品で演出をした勝間田具治さんや宮崎駿さんの奥さんで奥山さんと同じ時期に女性アニメーターだった宮崎朱美さんなどです。
 特に同じ女性という立場で、共働きで子育ての忙しかった日々を送った宮崎朱美さんのインタビューは、現代の女性から見ても共感を得るところが大きいと思います。
 朝ドラでも描かれていましたが、昭和40年代の始めに子供を預けて女性が働くということは現在以上に大変で、奥山さんはそれでも仕事を続けます。
 そういう姿が後輩の女性たちに勇気を与えてといいます。

 当時を知ることのできる写真なども多く、アニメファンだけでなく、楽しめる一冊になっています。
  
(2020/01/29 投稿)

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 「男はつらいよ お帰り寅さん」を観てきました。

 公開からすでに四週近く経っていますから
 映画館は満員ということもありませんでしたが
 それでも「寅さん」を懐かしむシニアの人たちで
 平日ながら結構席が埋まっていました。

 主人公の車寅次郎を演じた渥美清さんが亡くなったのが
 96年8月。
 もう20年以上前になります。
 それをいくら映像技術があがったといっても
 昨年大晦日の美空ひばりさんのAI再現みたいな作品では
 嫌だなと思っていたのですが
 寅さんの登場はほとんど過去の思い出シーン。
 つまり違和感なく元気な渥美さんが演じる寅さんを観ることができました。

 話は寅さんの甥っ子、
 つまり、妹さくらさんの息子満男君の切ない大人の恋物語といっていいでしょう。
 満男君も今では中学三年生の娘を持つ
 中年にさしかかった男になっています。
 しかも、小説家として売りだし始めたという設定。
 満男君役の吉岡秀隆さんはこういう役柄にぴったり。
 そんな満男君の前に現れるのが
 かつての恋人、後藤久美子さん演じる泉ちゃん。
 しかも、満男君の奥さんは6年前に亡くなっています。
 さあ、満男君、どうする?
 ね、大人の恋物語の予感するでしょう。

 映画では浅丘ルリ子さん演じるリリーさんも
 美保純さん演じるタコ社長の娘も、
 もちろんさくら役の倍賞千恵子さんも
 博さん役の前田吟さんも登場します。

 大笑いしたのは
 第15作の「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」の
 「メロン騒動」の場面。
 寅さんのメロンがないことで巻き上がる大騒動は
 今でも起こりそうな光景。

 満男君が寅さんに
 「人間は何のために生きてんのかな」と
 人生相談する
 第39作「男はつらいよ 寅次郎物語」の場面もありました。
 その時の寅さんの答え。

    なんて言うかな、ほら、あー生まれてきてよかったなって
    思うことが何べんかあるじゃない。
    そのために人間生きてんじゃねえのか。

 今回は満男君、「あー生まれてきてよかったな」と
 思ったのではないだろうか。

 映画を観終わったあと
 何十年ぶりかで
 映画パンフレットを買いました。

  20200126_114007_convert_20200126123450.jpg

 1200円の豪華版。
 しかも、本屋さんでも手に入らない。
 寅さんならこう啖呵売りするかな。

    ここに積み上げましたこの書物、
    神田は六圃堂という本屋がたった三十万円という税金で
    投げ出した品物…

 テーマ曲がながれて
 「」です。

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 横綱二人が休場となった初場所ですが
 こういう時には往々にして
 新しいヒーローが誕生するものです。
 幕尻の徳勝龍が初優勝!
 感動をもらいました。
 徳勝龍関、優勝おめでとうございます。
 ちなみに「初場所」というのも季語で
 新年の部に入ります。

    初場所や花と咲かせて清め塩      鷹羽 狩行

 今は水仙が見頃となっていて
 近くの公園でもかわいい花をつけています。

  20200126_154723_convert_20200126165020.jpg

 「水仙」は冬の季語。

    水仙の葉先までわが意志通す      朝倉 和江

 この水仙によく似ているのがニラ
 ニラと間違って水仙を食べて食中毒になったという話を
 よく聞きますが、
 なんといっても匂いが違います。
 まず匂いを嗅ぐことです。

 週明けに雪の予報が出た日曜日(1月26日)
 畑に行って
 ソラマメにヒモで補強をしました。

  20200126_145303_convert_20200126164024.jpg

 すると、アドバイザーさんから
 キヌサヤやってみませんかと声をかけて頂いたので
 植え付けをしました。

  20200126_151035_convert_20200126164254.jpg

 手前がツルあり、奥がツルなし。
 うまく育つようだと
 次の栽培の候補になるようです。

 遅まきの三太郎というダイコン
 意外に早く太ってきたので
 収穫しました。

  20200126_155729_convert_20200126165253.jpg

 虫に齧られていましたが
 やはり暖冬のせいか
 まだ虫が活動しているみたいです。

 この日は茎ブロッコリーも収穫。

  20200126_155932_convert_20200126165535.jpg

 冬だとなかなか収穫も少ないのですが
 たまに行くと
 こうして収穫もできます。

 これはホウレンソウ

  20200126_145240_convert_20200126163945.jpg

 結構大きくなりましたが
 もう少し育つまで待つことにしました。

 今週末は
 畑で芋煮会のイベントがあります。
 天気次第ですが
 たくさん参加するといいんですが。

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プレゼント 書評こぼれ話

  記録的な暖冬といわれる
  このシーズンですが
  それでも週明けには関東も雪になるとか。
  そんな予報も出ているので
  今日の絵本は
  そんな日にぴったりかも。
  アルビン・トレッセルト文、
  ロジャー・デュボアザン絵の
  『しろいゆきあかるいゆき』。
  訳は江國香織さん。
  この絵本をどうやって見つけたかは
  書評に書いていますが
  この絵本を面陳列していた
  素敵な本屋さんは
  浦和駅直結の
  浦和蔦屋書店
  いい本屋さんは
  いい本をよく知っています。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  1947年生まれの絵本の名作                   

 一般書と絵本であれば、どちらの方が作品として長生きするだろうか。
 一般書の場合古典と呼ばれて長く読み継がれる作品がある。絵本の場合、古典という呼び方はあまりしないが、親子三代にわたって読まれている作品があることも確かだ。
 アメリカで生まれたこの絵本もそんな一冊だろう。
 何しろ初めて出版されたのが1947年、つまり第二次世界大戦が終わってわずか2年のこと。
 日本でいえば、団塊の世代が生まれ始めた頃だ。
 そして、その翌年にはこの絵本はコールデコット賞を受賞している。

 実はこの作品を読むまではそんなことは知らなかった。
 ある書店でこの絵本が「面陳列」(表紙を見せて陳列する方法)していて、てっきり新しい絵本だと思って読んだのだが、それが自分の年齢よりも長く読み継がれていた作品だったことに驚かされた。
 同時にそんな絵本を「面陳列」までした書店員さんのセンスに感心した。

 この絵本に登場するのはお百姓さん、郵便屋さん、おまわりさん、しっかり者のその奥さん。そして、雪が大好きな子どもたちにうさぎたち。
 彼らは雪が降り始める気配をそれぞれ違った方法で感じる。
 例えば、お百姓さんなら雪のにおいから、しっかり者の奥さんは雪の前には足のつまさきが痛むといったように。
 この絵本の素晴らしいところは、こんな風に登場人物たちそれぞれが固有の世界を生きていて、それを感じることができるということ。
 まるで重厚な長編小説の味わいを感じる、そんな絵本の名作だ。
  
(2020/01/26 投稿)

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  今日は
  ビジネス戦略コンサルタントの鈴木博毅さんの
  『3000年の叡智を学べる 戦略図鑑』という
  本を紹介します。
  この本は
  いつものように著者の鈴木博毅さんからの
  献本です。

  鈴木博毅さん、いつもありがとうございます。

  この本は今までの鈴木博毅さんの本と違って
  とても読みやすいので
  高校生あたりでも十分読めるし、
  むしろ若い人が
  経済や経営の「入門書」として
  読むのに適しているように
  思います。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  この本を読めば評価アップかも?                   

 この本のタイトルにある「3000年の叡智」っておかしいと思いませんか。
 まだ2020年なのにサバを読んだな、と思った人もいるかもしれませんが、この本の最初に紹介されている「孫子の兵法」は、紀元前500年頃の中国で著された『孫子』のことですから、四捨五入で「3000年」ということになります。
 つまり、人類というのは3000年という長きにわたって営々と「戦略」を考え、それを実践したことになります。
 その多くは戦争という争いの中で生まれてきたのも事実です。
 そして、その戦争で切磋琢磨された「戦略」が今度は経済活動に組み込まれていく。
 つまりは勝者がい、敗者が生まれるわけです。
 勝者になるためには漠然とした経済活動ではなく、明確な「戦略」を持って経営に携わらなくてはならない。
 多くのビジネスマンが「戦略」を学ぶのはそういう理由からでしょう。

 この本はビジネス戦略コンサルタントの鈴木博毅氏が、今まで登場してきた「戦略」をユーモラスなイラストとともに簡潔に紹介した「戦略」の「超」入門書です。
 もちろんこの本でその戦略が理解できることはありません。
 これは「超」入門書ですから、気になった「戦略」があれば巻末に掲載されている「文献」を紐解くしかありません。
 もっとも上司先輩同僚などと話していて、「ああ、その戦略はこういうことで…」ぐらいの教養(見栄っ張り)には役立ちかもしれません。
  
(2020/01/25 投稿)

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  先日是枝裕和さんの
  『希林さんといっしょに。』という本を
  紹介しましたが、
  今年2冊目の樹木希林さん関連本です。
  『老いの重荷は神の賜物』。
  実は是枝裕和さんの本を読んで
  まだ観ていなかった
  是枝裕和監督作品「歩いても歩いても」を
  レンタルで観ました。

  

  この映画の樹木希林さんの母親役が
  よかったし、
  原田芳雄さんの父親もうまかった。
  結構胸に応えるいい映画でした。
  樹木希林さんには
  関連本もたくさんありますが
  いい映画もいっぱいあります。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  希林さん節目の2012年の講演録                   

 この本は2018年9月に75歳で亡くなった樹木希林さんが2012年12月に慶應丸の内シティキャンパスで行なった講演をまとめたもので、2019年9月に出たもの。
 希林さん関連本が売れるとなって、各出版社も自社で持っている情報を絞りだした努力はわからないではないが、なんだか絞り切った雑巾をまだ絞るのかという感も否めない。
 希林さんの話は雑巾ではないが。

 希林さんの年表をたどれば、2012年は映画「わが母の記」が封切られ、この作品の演技で第36回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した記念すべき年でもある。
 その一方で、全身がんも公表されて、このあたりから希林さんの早すぎる晩年と言っていいかもしれない。
 タイトルにもなっている「老いの重荷は神の賜物」は、そんな人生の岐路にあった希林さんがこの講演の冒頭に朗読したヘルマン・ホイヴェルスの「最上のわざ」に出てくる一節から採られている。

 希林さんはこの文章を長岡輝子さんの朗読から知ったと講演でも語っている。
 希林さんの魅力はそういう言葉の掬い取りが見事で、この2012年はまだ70歳にもなっていないのだが、希林さんが「老い」といえばそうなのかと思えてしまう。
 そういえば希林さんはまだ30歳の頃からおばあさん役をやっていて、希林さんにとっては若いとか老いとかは関係なかったのであろう。

 さすがにこの講演の時はまだ元気感を感じる。
 希林さんの人生をたどるという意味ではでは貴重な講演録ではある。
  
(2020/01/24 投稿)

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  昨日紹介しました
  高田郁さんの『みをつくし料理帖』は
  時代小説というジャンル。
  そして、今日紹介する
  奥山景布子さんの『葵の残葉』は
  歴史小説というジャンル。
  こう並べるとよくわかりますが
  歴史小説は史実に即したストーリーです。
  一方、時代小説は
  作者の創作。
  どちらがいいとかいうことではなく
  これは好みの問題でしょう。
  ただ、よく二つのジャンルがこんがらかって
  はて、と悩んでしまうことが
  ありますが。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  時代に翻弄された兄弟たち                   

 「私は、その男の写真を三葉、見たことがある。」、これは太宰治の『人間失格』の有名な書き出しだ。
 奥山景布子(きょうこ)さんが2017年に発表したこの歴史小説は三葉ではなく一葉ではあるが、一枚の写真から始まる。
 明治11年に撮られた写真。写っているのは、尾張徳川家十四代当主、徳川慶勝。一橋徳川家十代当主、徳川茂栄。会津松平家九代当主、松平容保。桑名久松松平家四代当主、松平定敬。
 この四人は美濃高須藩の松平家に生まれた兄弟である。
 ならば、兄弟の旧交を温めているかといえば、この兄弟の運命ほど時代に翻弄されたものはなかったであろう。
 会津藩の松平容保の名が最も有名であるが、幕末の時代彼が時代の矢面に立ったその時、兄二人は彼と敵対もしくは関わらずの態度をとっていた。
 さらにいえば、容保の弟の定敬に至っては箱館戦争にも関わるほど旧幕府軍側に加担していた。
 そんな四人の数奇な運命を描いたのだから興味が尽きない。

 写真好きで長州征伐の際にも写真機を持ち込んだという慶勝、その慶勝のあとを受けて尾張藩の当主となったもののその兄に追われるように転々とする茂栄、そして幕末の悲劇を一身の受けたような容保と定敬。
 いくら兄弟とはいえ、おそらく互いに憎悪を募らせていたはず。
 時代の過酷さを感じる。
 だからだろうか、四人が収まった一葉の写真には笑顔もない。
 憮然とした彼らの表情が幕末の時代をよく伝えているような気がする。
  
(2020/01/23 投稿)

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  朝日新聞
  テレビ番組に関する投書欄があって
  年末に放映された
  NHKの「みをつくし料理帖」について
  91歳の女性が投稿されていました。
  この人はドラマの原作である
  高田郁さんの『みをつくし料理帖』全巻を
  読まれたというではないですか。
  91歳ですよ。
  すごいなあ。
  そこで私も発奮して
  今年中に全10巻を読破しようと思います。
  今日はます1巻めの
  『八朔の雪』。
  その中からこんな一節が胸を打ちました。

    何かを美味しい、と思えば生きることができる。

  こんなことを誰よりも知っている
  主人公の物語です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「雲外蒼天」の運命を持った女料理人                   

 全10巻に及ぶ人気シリーズの最初の巻である本書が出たのは2009年ですから、もうひと昔前になります。
 何度かテレビドラマとなり、特にNHKで放映された黒木華さん主演の連続ドラマに涙した人も多いのではないでしょうか。
 ドラマを先に観ている読者としてはその筋立てもわかっていながら、それでも大いに心揺さぶられ、何度も泣いてしまうという、稀有な体験をすることになりました。
 まだまだ初めの巻だというのに。

 この巻には四つの話と料理が描かれています。
 順に料理をたどれば、「ぴりから鰹田麩」「ひんやり心太」「とろとろ茶碗蒸し」「ほっこり酒粕汁」の四品で、表題作の「八朔の雪」は二作めの「ひんやり心太」のタイトルです。
 このシリーズはこういった料理を楽しみにして、巻末のレシピで料理をした読者も多いのではないでしょうか。

 この物語の主人公は澪(みお)。もともとは大坂の「天満一兆庵」で料理の腕を見込まれ奉公人として働いていた。ところがそのお店が火事で焼け、主人夫婦と江戸に出て来るものの主人が亡くなり、澪は女将であった芳と二人、見知らぬ江戸で暮らすこととなります。
 そんな澪を見込んで料理をまかせてくれたのが、「つる屋」の主人種市。
 澪は種市の恩に報いるためにとも趣向を凝らしてできあがってくる料理の数々。
 そんな澪であるが幼き時に出た占いが「雲外蒼天」、つまりは苦労の果てに幸せがあるという占いそのままに、次から次へと難事が待ち受けているのです。

 最初の巻だけに澪のこれまでのこと、関係する人たち、昔仲良かった友人のことなど盛り込まれて、この巻だけではあまりにもったいないと、誰もが感じるのではないだろうか。
  
(2020/01/22 投稿)

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  今日紹介する
  『欲望の名画』の著者中野京子さんといえば
  絵画にまつわるエッセイなどで人気の作家です。
  人気の『怖い絵』シリーズは
  そこで紹介されていた絵画の展覧会も
  大人気だったとか。
  残念ながら私は見逃しましたが。
  今回の新書が
  新しいシリーズになるかどうかわかりませんが
  連載雑誌に書き溜めている作品も多いから
  続編あたりは出るかもしれません。
  中野京子さんの本を手掛かりにして
  絵画美術に親しむのも
  いいですよ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ちょっと贅沢な気分になってみませんか                   

 芸術というのは、美術にしろ音楽にしろ文学にしろ、それがなくても生きていくのに支障はない。
 それでも、もしそれらがなければ人生はまったく違う景色になるだろう。
 多くの人はそのことを知っている。だから。展覧会や音楽会に足を運ぶし、本屋さんの棚を眺める。
 総合誌「文藝春秋」は総合誌と呼ばれるだけあって、政治や経済、社会に芸能、実にさまざまなジャンルの情報を提供している。
 もちろん、芸術もそうで、この本の初出は「文藝春秋」に掲載されている「中野京子の名画が語る西洋史」。
 最近は印刷技術も進んでいて、雑誌連載もカラーページである。

 この連載も贅沢で、すでに7年も連載していて、本になる予定もなかったようだ。
 そのため、出版化にあたってはその中から厳選した26作が紹介され、作品ごとの導入部分では作品の一部分を拡大掲載する方法は雑誌掲載と同じだが、文章は初出時よりも3、4倍増やしているという。
 それに合わせて「欲望」というくくりで章立てされ、書名もそれに合わせた形となっている。

 紹介されている作品はブリューゲルの「子どもの遊び」やアングルの「グランド・オダリスク」、フェルメールの「真珠の首飾りの女」など有名な絵画もあるが、レーピンの「ヴォルガの船曳き」など初めて目にする絵画もあった。
 なかでもあのドストエフスキーが46歳の時何度も通いつめたという挿話が紹介されているラファエロの「サン・シストの聖母」はよかった。
 もちろん、この作品を知らなくても人生に支障はないが、やはりちょっとは得をした気分になれる。
  
(2020/01/21 投稿)

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 今日は二十四節気のひとつ、
 大寒
 一年で最も寒い時期というだけあって
 暖冬といわれながらも
 先日の土曜には初雪が舞いました。

    大寒や日のいろ透けて鉋屑     木内 彰志

 畑に行くまでに
 この季節ならではの風景を目にします。
 これは鴨。

  20200117_132544_(2)_convert_20200119112213.jpg

 写真を撮った日は天気がよかったので
 鴨ものんびり日向ぼっこです。

 これは山茶花(さざんか)

  20200119_101027_convert_20200119112653.jpg

 椿に似ていますが
 椿のように花のまま落ちるのではなく
 花弁が散るのが山茶花

    山茶花は咲く花よりも散つてゐる      細見 綾子

 そして、こちらは蠟梅(ろうばい)

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 黄色の花が青空にはえます。

    蠟梅に人現はれて消えにけり       倉田 紘文

 鴨も山茶花も蠟梅も冬の季語。
 といっても
 大寒を過ぎれば次は立春
 春ももうすぐ。

 畑の方はほとんど収穫も作業もありません。
 これはイチゴですが
 赤い実がつくまでにはまだまだ
 時間がかかりそう。

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 間にある細い葉は
 ニンニクです。

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  私が参加している読書会のメンバーに
  絵本作家の飯野和好さんが
  大好きという人がいることは
  以前にも書きましたが
  今日紹介する
  『講談えほん 宮本武蔵』も
  その人が読書会で紹介、
  あわせて読み聞かせしてもらった絵本です。
  この「講談えほん」は
  神田松之丞さんが監修されていて
  最近神田松之丞さんの人気はすごいですから
  講談といっても
  子供たちには絶対受けるという話をしました。
  私もなんとか神田松之丞さんのことは
  知っていました。
  ちなみにこの「講談えほん」の出版元は
  講談社です。
  チャンチャン。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  さあて、武蔵は(パンパン、パン)                   

 日本の話芸といえば落語を思い出す人も多いと思います。
 なので、落語の噺を題材にした「落語えほん」もたくさん出ています。
 落語は今でも人気が高いですし、若い落語家も続々と登場しています。
 スポーツの世界でもそうだし、芸能の世界でもそうですが、才能がある若い人が出てくるとその世界は活況を帯びてきます。
 今、講談の世界がそうです。
 神田松之丞という若き講談師の登場によって、若い人も講談の世界に魅了されています。
 そして、神田松之丞さんが監修してできた絵本が「講談えほん」。
 その表紙見返しに松之丞さんが「講談とは、古くからの日本の伝統芸能」で「この絵本を通じて、一人でも多くの子どもたちに講談を知ってもらえることを願っています」と書いています。

 講談は実在の人物や史実とされる話を脚色しながら話す話芸です。
 ここでは宮本武蔵という剣豪が山田真龍軒という鎖鎌の名手と闘う話が絵本の題材になっています。
 文は石崎洋司さん、そして絵は飯野和好さん。
 なんといっても飯野さんの絵がいい。
 山田真龍軒が使う鎖鎌の分銅が「ぶんぶんぶんぶん!」とうなりをあげている絵など、思わず笑えてくる。
 そして追い込まれた宮本武蔵の必死の形相。
 おそらく自身が一番楽しんでいるのを感じる。
 何よりも飯野さんの描くアングルが素敵だ。
 闘いを終えて立ち去る武蔵を空の方から描いた場面など最高ではないか。

 講談は釈台を張り扇で叩きながらテンポよく語られる。
 読み聞かせでもぜひ「パンパン」とやってもらいたい。
  
(2020/01/19 投稿)

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  今日は
  図書館流通センターの役員である
  谷一文子さんの
  『これからの図書館』という本を
  紹介します。
  図書館流通センター、略してTRC
  皆さんの近くの図書館も
  もしかしたら運営しているかもしれません。
  副題に
  「まちとひとが豊かになるしかけ」とあるように
  図書館は町おこしにも重要なファクターであることは
  間違いありません。
  単に本の貸出しをしている図書館ではなく
  人と人が触れ合う
  さまざまな仕掛けをする
  それがこれからの図書館のありかただと
  思います。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  図書館好きのあなたならきっと喜ぶ一冊                   

 図書館が好きだ。
 毎週必ず一度は行く。
 最近は図書館もシステム化が進んでいるのから、インターネットで新刊の入荷状況もわかるし蔵書の有無も簡単に検索できる。予約もインターネットでできるし、その本が入荷したのもメールで教えてくれる。
 そのことで便利になったとは感じているが、以前のように図書館の棚から棚を見て歩くことがなくなったのはちょっと残念だ。自分が歩けばいいだけなのだが。
 利便性はある意味思いがけない出会いをなくしてしまいかねない。
 図書館には自分が知らない世界がうんとあるはずだ。
 だから、図書館は面白いのだ。

 この本の著者谷一文子(たにいち あやこ)さんはかつて図書館流通センター(TRC)の社長や会長をされた方で、現在も同社の取締役をしている。
 図書館流通センターは図書館への配本だけでなく運営にも関わっている会社で、近くのちょっと素敵な図書館があれば、もしかしたらTRCが運営しているかもしれない。
 最近の図書館には汚い暗い臭いといった3Kのイメージはない。
 すっかり明るくなった図書館だがそれでもまだまだ問題点はある。
 この本では著者が図書館とともに歩んできた日々だけでなく、現在の図書館事情や図書館の楽しみ方まで書かれていて、図書館に関わる人だけでなく図書館が好きな人にはたまらない一冊になっている。

 なかでもジャーナリストの猪谷千香さんやブックディレクターの幅允孝との二つの対談は刺激的で興味深いものだった。
 巻末には著者おすすめの図書館が日本だけでなく海外のもあって、行けなくても読んでいるだけでわくわくしてくる。
  
(2020/01/18 投稿)

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  この15日に
  第162回芥川賞直木賞が決定しました。
  芥川賞は古川真人さんの『背高泡立草』
  直木賞は川越宗一さんの『熱源』
  大きな文学賞ですが
  ここからがスタート。
  これからどんな作品を書くかが大切です。
  今日紹介する
  『グッドバイ』を書いた
  朝井まかてさんは
  第150回の直木賞受賞者
  2014年ですからもう6年前になります。
  そこからの朝井まかてさんの活躍は
  誰もが認めるところでしょう。
  この作品も期待通り。
  まかてワールドを堪能下さい。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  幕末こんな女性もいたのだ                   

 この長編小説の主人公大浦慶(若い時は「お希以」と表記していた)は、幕末の長崎で三女傑の一人にあげられるほどで、日本茶の輸出に大きな功績を残した女性だ。
 ちなみに残る二人はシーボルトの娘で女医の楠本イネとホテル業で営んだ道永栄だそうだ。
 幕末の長崎といえば、それだけで沸騰しそうな熱を感じますが、元々は油問屋であった大浦屋の次女として生まれたお慶はその熱の中心とはいかなくてもかなり温度の高いところにいたことでしょう。
 何しろあの坂本龍馬や大隈重信、さらには岩崎弥太郎やグラバー邸の主グラバー(小説ではガラバアとなっている)など歴史上の有名人が続々と登場するのだから、さすが女傑と呼ばれるだけのことはある。

 龍馬と共に亀山社中を作ったといわれる近藤長次郎(彼は30歳になる前に切腹することになるのだが)をこのお慶が可愛がっていたと、朝井のこの作品ではなっているが、これは朝井の創作かもしれない。
 若い志士が海の向こうの世界に夢を持ったその姿にお慶の心情を共鳴させたのは、お慶という人物に深みを与えることになって、朝井の巧みさを感じる。

 大浦慶は明治になってのちに「遠山事件」と呼ばれる詐欺まがいの事件に巻き込まれる。
 そのため築いてきた財産をほとんど失うはめに陥るが、それも完済。
 そんな汚名を被りながらも、幕末の業績を讃えられるほどであるからさすがに女傑である。
 朝井の筆はそんな女性の熱気に溢れた波乱の生涯を見事に描いている。
 しかも、エンターテイメントとしての面白さを忘れていないのがいい。
  
(2020/01/17 投稿)

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  評論家でエッセイストでもあった
  坪内祐三さんが亡くなりました。
  朝日新聞の記事からです。

    評論家の坪内祐三さんが13日、心不全で死去した。61歳だった。
    1958年、ダイヤモンド社元社長の坪内嘉雄さんの長男として生まれた。
    雑誌「東京人」編集者を経て独立。コラム、書評、評論など執筆活動を始める。
    夏目漱石や南方熊楠ら同年生まれの青春時代をたどる
    『慶応三年生まれ 七人の旋毛(つむじ)曲(まが)り』で講談社エッセイ賞を受賞した。

  私は以前坪内祐三さんの本にはまったことがあって
  それというのも年が近いこともあって
  時代の気分がとてもよく似ているように感じていたせいだと
  思います。
  61歳という年齢は
  亡くなるにしてはあまりにも早すぎます。
  現在もたくさんの連載をかかえていた坪内祐三さん。
  一番悔しかったのは
  坪内祐三さん自身でしょう。
  今日は
  2005年に書いた
  坪内祐三さんの『私の体を通り過ぎていった雑誌たち』の蔵出し書評です。

  ご冥福をお祈りします。

  さようなら、坪内祐三さん。

  

sai.wingpen  追悼・坪内祐三さん - 同じ時代の空気をまとって                   

  「同時代」という言葉は今でも使われているのだろうか。
 この大仰な言い方は、それでも時代の気分というものがあり、それを口にするだけでいくつかの時代の謎が解けていったような気がする。
 一九五八年生まれの坪内祐三は一九五五年生まれの私にとってまさに「同時代」の著作家であり、坪内の作品に書かれた内容以上に共鳴するのは、この「同時代」という言葉がもっている雰囲気によく似ている。

 坪内はこの本のことをこう書いている。
 「私が出会い、何らかの影響を受けた、あるいはその時代を象徴していた雑誌について、私の個人的体験を描きながら、一つの時代の精神史(とは少し大げさであるが)を書き残そうと思った」。
 坪内と「同時代」を過ごした者として、個人的な体験は大きく違うものの(坪内は東京の街の子であるが、私は大阪の郊外の小都市の子供であった)、この本の中で彼が紹介する雑誌の多くが懐かしく、これこそが「同時代」を生きた者だけが共感しうる思いだと、この本を読みながら何度ほくそえんだことだろう。

 坪内が中学時代に出会ったという映画雑誌『スクリーン』。この本の中の図版として紹介されている『スクリーン』の表紙はキャンデス・バーゲンである。
 それがいつの号かはわからないが、この表紙には見覚えがあった。
 当時坪内同様、映画に夢中になりかけた私もまた、彼女が表紙の『スクリーン』を買ったのは間違いない。そして、坪内と同じようにこの『スクリーン』に掲載されていた双葉十三郎や淀川長治の連載記事に夢中になっていたのも事実だ。

 坪内のこの本の魅力は、例えば子供の頃に使っていた机のひきだしからメンコとかおまけのシールとかを見つけた時の思い、だろう。
 ひきだしには子供の頃の宝ものがいっぱいつまっている。
 今では何の役にも立たないけれど、その一つひとつがあの頃の自分を思い出してくれる。
 思い出は、ほろ苦く、甘酸っぱい。
 それこそが「同時代」的な感傷かもしれないが、どうしようもなく惹かれてしまう。
 坪内は書き留めた雑誌たちは、確かに一つの時代の精神史を彩ったものだったに違いない。
  
(2005/05/24 投稿)

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  昨日映画監督の是枝裕和さんの
  『希林さんといっしょに。』という本を
  紹介しましたが
  その中で脚本家向田邦子さんと樹木希林さんの
  交際の話もでてきました。
  脚本家と女優といえば
  橋田壽賀子さんと泉ピン子さんも
  関係性が深い。
  橋田ドラマには泉ピン子さんが欠かせられないですものね。
  今日は
  その橋田壽賀子さんの「私の履歴書」である
  『人生ムダなことはひとつもなかった』を紹介します。
  残念なのは
  書評にも書きましたが
  泉ピン子さんのことをもっと
  聞きたかったな。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  橋田壽賀子という女の一生                   

 この本は、日本経済新聞朝刊の人気コラム「私の履歴書」に2019年5月に連載されたものの単行本化。
 2019年5月といえば元号が令和に改まって最初に迎えた月で、やはり新聞の編集部としてはそれにふさわしい人をと考えたに違いない。
 その点橋田壽賀子さんは昭和58年(1983年)に日本中を熱狂させたNHK朝ドラ「おしん」を始めとして平成にはいって始まったTBSの「渡る世間は鬼ばかり」が国民的ドラマになるなど時代をつなげていく脚本家として見込まれたのだろう。

 橋田さんは大正14年(1925年)生まれで、連載時には94歳。
 その最初に「夫の死」と題された、1989年に死別した夫岩崎嘉一さんの死の直前の様子が描かれ、最後に「本名、岩崎壽賀子。94歳。脚本家。天涯孤独。」という言葉が記されて、半生が綴られていく。
 まさのドラマの導入部のような書き方で、こんな風に書かれると続けて読みたくなる。
 読者(橋田さんにとっては視聴者)の心理がさすがによくわかっておられる。

 そんな橋田さんにもっとも影響を与えたのが石井ふく子プロデューサーだろう。
 橋田さんは石井さんからテレビドラマのあり方を学んだという。
 そのきっかけが昭和39年(1964年)4月、そう前回の東京オリンピックのあった年、に放送された「愛と死をみつめて」だった。橋田さん、38歳のこと。

 この履歴書には「おしん」の話が何回分かあるが、面白かったのは主演の田中裕子さんが撮影中橋田さんとは話さないどころか目も合わさなかったと記されていること。
 今だから話せる撮影裏話なのだろう。
 できれば、橋田さんとのコンビが多い泉ピン子さんについてももっと書いて欲しかったが。
  
(2020/01/15 投稿)

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  今日紹介するのは
  映画監督の是枝裕和さんが
  樹木希林さんにインタビューしたものを集めた
  『希林さんといっしょに。』です。
  表紙の樹木希林さんの写真がいいですね。
  中に、樹木希林さんが
  向田邦子さんについて語っている箇所が
  随所にあって
  若い時は随分仲がよかったそうです。
  それが向田邦子さんがシリアスになっていくと
  交際が途絶えていく。
  そのあたりの経緯をもう少し聞きたかったですが
  大人の微妙な関係があるのかな。
  是枝裕和さんが樹木希林さんにこだわったのは
  母親の姿を重ねたからかもしれません。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「女優」樹木希林さんを読む                   

 令和という新しい元号に変わった2019年の出版界において、「樹木希林」というワードは特筆すべきだった。
 一体どれだけの関連本が出たのだろう。その中には思った程売れなかったものもあっただろうが、すべての総数でいえばすごい数になったことは間違いない。
 そんな中、関連本としてはなんとも遅い出版(初版は2019年9月)となった本書であるが、女優樹木希林としてのインタビューを集めた点では他にはない「樹木希林」を読めるだろう。

 聞き手は晩年の樹木希林の主要な作品のメガホンを撮り続けた映画監督の是枝裕和氏。
 是枝氏が2007年に希林さんと初めて出会ってから2018年に亡くなるまでの間に雑誌「SWITCH」で行ったインタビューをまとめたもので、樹木希林さんが信頼を寄せていたということもあるだろうが、二人の会話が生き生きと弾むようである。
 中でも第5章「出会いと別れと」と題された2016年3月のインタビューでは希林さんの怪演技のもととなった森繫久彌さんや長い間コンビを組んだ久世光彦さんとの楽しい時間、そして向田邦子さんとの思い出などとても興味深かった。
 早い晩年を迎えた向田さんは最終幕では希林さんが登場するドラマを書いていない。
 もし向田さんがもっと生きていたら、晩年の希林さんが登場するドラマを書いていたかもしれない。
 そんな想像さえ許される、いいイタンビューだと思う。

 この本には多くの「註」がついていて、それも読ませる。こんなに楽しく「註」を読んだことはない。
 そして、最後には是枝氏が記した「弔辞」も掲載されている。
  
(2020/01/14 投稿)

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 今日は成人の日

    成人式済みたる男女腕をくみ     里見 宜愁

 ちなみに季語の「成人の日」は
 「歳時記」の分類でいえば「冬の部」ではなく
 「新年の部」にはいっています。
 私が成人の日を迎えたのは
 もう随分前になりますが
 今から思えば
 ほとんど何もわかっていなくて
 成人とは言葉ばかりの小僧だったと思えます。
 人生はたくさんの選択があるのに
 それすらあまりわかっていなかった。
 そんな小僧でも
 なんとか年を重ねることができるのですから
 新成人の皆さん、心配することはありません。
 あなたの前にはたくさんの道が
 広がっていることを信じて。

 冬のこの時期は
 畑の作業もあまりありません。
 私が借りている菜園では
 野菜の残菜で堆肥をこしらえていて
 新しい土がうまく出来てきたので
 それを畝に混ぜることをしてきました。
 新しい土には
 写真では見えにくいかもしれませんが
 ミミズがたくさんいて
 土を耕してくれます。

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 ミミズの力はすごいのです。

 この日(1月11日)
 この冬三つ目のキャベツを収穫しました。

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 これで冬野菜はもう終わりかな。

 こちらは三太郎という品種のダイコン

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 ようやく白い首をのぞかせたばかりですから
 収穫は春になります。

 そして、タマネギ

  20200111_150552_convert_20200111165909.jpg

 これも球になるまでにはいたっていませんが
 こうしてみると
 りっぱなタマネギ栽培です。

 スナップエンドウには
 倒れないように
 紐かけをしました。

  20200111_150241_convert_20200111165818.jpg

 もう少し大きくなれば
 ここにツルがからんできます。

 今年は暖冬ですから
 それが野菜にどんな影響をもたらすか
 早いトウダチとか
 少し心配です。

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  阪神淡路大震災から
  今年で25年になります。
  1995年1月17日5時46分ですから
  まだ朝の明けない時間でした。
  その当時大阪の豊中に住んでいて
  激しい揺れに飛び起きました。
  あれから四半世紀の時が流れました。
  幸い私の周りで犠牲になった人はいませんでしたが
  それでもあの日と
  あの日から続く何十日のことは
  鮮明に記憶に残っています。
  今日は
  ゴフスタインさんが絵を描いた
  『あなたのひとり旅』という絵本を紹介します。
  あの日犠牲になった
  多くの人に
  そして愛する人を亡くされた
  多くの人が
  癒されることを祈って。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  特別な別れの日のための                   

 この絵本のことは、末盛千枝子さんの『小さな幸せをひとつひとつ数える』という絵本を巡るエッセイで知りました。
 末盛さんのこの本には一冊ごとのエッセイにタイトルがついていて、ゴフスタインがローザ・リー&ドク・ワトソンの歌に絵を描いたこの絵本にはこんなタイトルがついていました。
 「別れの悲しみの向こうに」。
 そして、エッセイではこの本の出版化を勧めてくれた夫のことやまるでこの絵本の登場人物のようであった両親のことが綴られています。

 この絵本はゴフスタインが他人の文章に絵を付けた初めての作品だということです。
 登場人物は一人のおばあさん。
 おばあさんには「何年も何年も幸せ」に暮らしたパートナーがいました。
 けれど、彼は亡くなって、彼女は一人っきりになってしまいます。
 絵本の中に何度も出てくる「ああ あなた!」という言葉が、彼女の悲痛をよく表しています。
 彼女は一人、部屋にいます。
 「私の心はずたずた」と嘆きます。
 けれど、こうも思うのです。
 「大好きな思い出はなくならない」、そして「私がそっちへ行ったら また手をつないで歩こうね」と。

 愛した人との悲しい別れは誰にも訪れます。
 逝ってしまった者と残された者と、どちらが悲しいのではなく、一人っきりでの旅が悲しいのです。
 できるとしたら、いつまでも想い続けること。
 肉体はこちらになくても、思いだけは二人で一緒に歩くこと。

 末盛千枝子さんは「いつかはわからないけれど、きっと訪れる愛する人との特別な別れの日のための一冊」と綴っています。
  
(2020/01/12 投稿)

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  年末に本棚の片づけをしていると
  2009年4月に発行された
  「岩波ジュニア新書読書ガイドブック」なる
  小冊子がでてきました。
  この時創刊30年だったそうで
  だったら昨年2019年は
  岩波ジュニア新書創刊40年だったわけです。
  30年記念のキャッチコピーは

    これからも、キホン

  きっとこれは40年になっても
  変わらないと思います。
  今日は
  そんな岩波ジュニア新書から
  2019年11月に出た
  佐藤郁良さんの
  『俳句を楽しむ』を
  紹介します。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  岩波ジュニア新書で俳句入門                   

 人間、どんなきっかけで変われるかわからない。
 岩波ジュニア新書ということであるから中高生向きの新書だから、著者が現役の高校の先生であっても問題はないが、この新書の著者である開成高校の国語の先生である佐藤先生は俳人の顔も持っている。
 しかも、俳人になったきっかけというのは、先生になって10年めの2001年、「俳句甲子園」のイベントに生徒たちを引率したところからだという。
 「俳句甲子園」は今ではすっかり有名になった高校生の俳句イベントだが、2001年当時はそれほどでもなかったようで、佐藤先生が勤務している開成高校の生徒なら俳句がつくれるだろうほどのお誘いではなかったか。
 結果、この時の大会は準優勝。さすが開成と誰もが認める成績を残します。
 しかし、彼らはそれで満足しなかった。
 そんな生徒たちの熱意に動かされて、佐藤先生もまた俳句にのめり込んで、やがて俳人となって、この新書のように中高生向きの俳句入門書まで執筆するようになる。

 そんな佐藤先生が書いた俳句入門書だが、実にわかりやすい。
 第1章では開成高校俳句部の活動などを紹介し、第2章の「俳句を鑑賞する」から俳句の基本である「切れ字」や「取り合わせ」や「表現技巧」を解説し、第3章では「季語の世界」をじっくりと綴っている。
 そして、第4章「実作への一歩」からいよいよ作句、最後の第5章で「句会」や「吟行」などで「俳句を楽しむ」と世界を広げる。

 岩波ジュニア新書ならではのわかりやすさ。
 俳句入門にはうってつけの一冊だ。
  
(2020/01/11 投稿)

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  今日紹介するのは
  柚月裕子さんの『あしたの君へ』。
  柚月裕子さんといえば
  『孤狼の血』や『慈雨』などを読みましたが
  まだまだ読みたい作品が多い
  今ちょっと気になる作家さんです。
  この作品は
  文春文庫の11月の新刊のラインナップで
  見かけました。
  まだまだ柚月裕子さんへの
  アンテナは低いかな。
  でも、読みたくなる作家が増えるのは
  うれしくもあり
  大変なことでもあります。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  家裁調査官という仕事って                   

 仕事にはさまざまあって、普段あまり接することのない職業も多い。
 そういう職業を描くとすれば当然取材をすることになるだろうが、きっとそれは読者が想像する以上に大変なことのような気がする。
 気鋭の人気作家である柚木裕子さんがこの連作短編集の主人公の職業として選んだのが家庭裁判所調査官。
 家裁調査官の仕事について、この作品の最初の方で「問題を抱えた当事者の背景を調査し、持っている専門知識を生かして調停委員や裁判官をサポートしながら、紛争を解決へと導くこと」と説明されている。
 もっとも主人公の望月大地は「カンポちゃん」と呼ばれる調査官補としてまだ研修中である。
 研修中の主人公だから、仕事に悩む姿も読者の胸に響いてくる。

 大地が担当する事件、例えば第一話の「背負う者」では窃盗を犯した少女は何故か頑なに事件の真相を語らない。
 大地は少女の母親の実家までたずね、その少女が背負っている重圧に気づくことになる。
 あるいは、第二は何故「抱かれる者」はストーカー行為を起こして家裁に送られてきた少年だが、面談の彼の一言をきっかけに彼の母親の歪んだ心へとたどり着く。
 また第四話の「責める者」は離婚を求める女性が抱えていた過去の過ちとそれを知りながらも耐え離婚に応じない男性の姿を描いている。

 主人公の真摯な姿がこの作品の良さだし、もしかしたら若い読者はこの作品を読んで家裁調査官への道をめざそうとするかもしれない。
 そのいう意味では「お仕事小説」でもあるのだろう。
  
(2020/01/10 投稿)

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  私は昭和30年生まれで
  もちろん戦後生まれということになるが
  生まれた頃はまだまだ戦争のしっぽを
  十分に引きずっていたのだろうと
  この頃よく思うことがあります。
  今日紹介する
  城山三郎さんのデビュー作『輸出』を含む
  短編集『総会屋錦城』の中の
  いくつかも短編を読むと
  主人公たちが戦争の傷をもった者として
  描かれていることに気づきます。
  いずれも昭和30年代前半に発表された作品で
  そこからすれば主人公たちに
  戦争経験があってもおかしくはありません。
  城山三郎という作家を考えた時
  そういう視点も
  はずせないような気がします。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  初期の城山三郎作品として重要な短編集                   

 第40回直木賞受賞作。(1958年)
 今回この本を手にするまで、情けないことに城山三郎氏が直木賞を受賞した『総会屋錦城』はもっと長い小説だとばかり思いこんでいて、実際は文庫本にして60ページにもならない短編だったことに少し驚きました。
 直木賞の選考委員による選評を読むと、おおむね評価はよく、受賞は妥当なところだと感じました。中でも村上元三委員の「日本の小説の中に政治と経済を扱った作品がほとんど無いのを残念に思って」いたから「これからは従来の作家に書けなかった経済の面を」期待するといった選評を読むと、これ以降の城山氏の執筆活動はそれによく応えたといえる。

 何しろ城山氏は経済小説の先駆者としてこの作品以降も高度経済成長期のサラリーマンの読書意欲高める経済小説を多数ものにしたことは、城山氏の人生を振り返ればわかることだ。
 中でもこの作品集は直木賞受賞作だけでなく、デビュー作ともいえる昭和32年(1957年)の「文學界」新人賞を受賞した『輸出』や交通事故を起こした時に被害者の見舞いに重役の肩書で出向く男の悲哀を描いた『事故専務』や無謀な飛行計画を行う男たちの姿を描いた『プロペラ機・着陸待て』など7篇の短編は、まさにこれから羽ばたかんとする城山氏の熱を感じる作品群といっていい。

 そして、城山氏の読み物としての面白さを読み取った当時の編集者の慧眼にも感心する。
 もし、城山氏に純文学の作家としての資質を求めていれば、その後の見事な長編小説群は誕生しなかったのではないだろうか。
  
(2020/01/09 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日はアニメ『サザエさん』放送50周年記念ブック
  『サザエさん ヒストリーブック』という本を
  紹介するのですが、
  そこで問題です。
  アニメ「サザエさん」の主人公
  フグ田サザエさんはおいくつでしょうか。
  さっそく答えです。
  アニメでは24歳の設定なんです。
  もしリアルに50年過ぎていたら
  御年74歳。
  ちなみにお父さんの磯野波平さんは54歳ですから
  人生100年時代であっても
  さすがに天寿を全うしてそう。
  ところが
  その点はアニメですから
  サザエさんは永遠の24歳だし、
  波平さんは老けてみえても54歳。
  だから、平和なんです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  日本で一番有名な家族                   

 日本で一番有名な家族、と訊かれて、もしかしたらスッと頭に浮かぶのはサザエさん一家かもしれない。
 何しろこの一家がテレビアニメとして私たちの生活に飛び込んできて2019年で50年になるという。
 もちろんその原作となる長谷川町子さんの四コマ漫画はもっと古いが、テレビアニメとなることでこの一家はうんと身近な存在になったかもしれない。
 隣の住人のことは知らなくても、テレビの中のこの一家のことはたくさんの人が知っているのだ。

 アニメ「サザエさん」のテレビ放映が始まったのは1969年10月5日。
 1969年というのがどんな年であったかといえば、その年にアポロ11号の月面着陸があった年で、その翌年1970年には月から持ち帰った月の石が人気となった大阪万博が開かれている。
 なんとサザエさん一家は大阪万博にも行っている。
 それから半世紀、日曜夕方6時半の不動の地位は揺るがず、「サザエさん症候群」や「磯野家の謎」はたまた「磯野家の相続」といったさまざまな社会現象まで巻き起こしている。

 そんな超有名一家の歴史を振り返るビュジアルブックがこの本である。
 サザエさん一家の紹介から始まり、その家系図、一家が暮らす「あさひが丘」の住民たち、さらには50年の歴史をその時々のニュースを交えながら紹介していく。
 後半はアニメ制作の裏側の説明で脚本家や声優の加藤みどりさんのインタビューまで載っている。
 最後にはアニメの設定資料も公開されていて、磯野家の間取りだけなくカツオくんのクラスの座席表まで載っている。

 ここまで赤裸々に公開されて、有名な一家になるのも大変である。
  
(2020/01/08 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨年2019年は
  作家で脚本家であった向田邦子さんの
  生誕90年の年でした。
  向田邦子さんが亡くなったのは52歳のことですから
  あの事故がなければ
  どれだけたくさんの名作を残してくれただろうかと
  きっと多くの人が
  思っているはずです。
  だから、こうして向田邦子さん関連本も
  まだ出るのでしょう。
  今日は
  『向田邦子の本棚』という本を紹介します。
  2019年11月に出たばかりの本です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  向田邦子さんが生きていたらまだ90歳                   

 本棚を見るとその人がどんな人なのかわかると、昔からよく耳にしました。
 だからでしょうか、著名人の本棚を写した本や雑誌を見るとつい見入ってしまいます。
 もっともそれでその人の性格がわかるということはなくて、本棚に並んだたくさんの本の数に圧倒されることがほとんどです。
 直木賞作家で脚本家であった向田邦子さんが台湾での不慮の飛行機事故で亡くなった1981年ですから、もう40年近くも前になります。
 向田さんが52歳の夏のことです。
 それでも向田さんの人気は衰えず、こうしてまた向田さん関係の本がでるのですから、不思議なものです。
 もしかしたら、その謎は向田さんの置いていかれた本棚を見ればわかるかもしれません。

 向田さんの蔵書は母校にあたる実践女子大学に約1300冊、幼い頃過ごした鹿児島にあるかごしま近代文学館に約300冊、そして妹である和子さんのところと分散されてはいるが、帰ることのない主人を待ち続けている。
 この本ではそんな蔵書の写真図版が無性に切なさを誘う。
 この本たちを向田さんはどんな気持ちで読んだことだろう。
 この本たちは向田さんにどんな影響を与えただろう。
 吉行淳之介や三浦哲郎などの同時代の作家たちの本、幼い頃父の蔵書から持ち出して読んだという「漱石全集」、谷崎潤一郎訳の『源氏物語』、新聞の切り抜きが挟まった辞典、向田さんが好きだった料理の本、本棚にはさまざまなジャンルの本が並んでいる。

 そんな写真とともに本について書かれた向田さんのエッセイ数篇。
 こんな素敵な本が並ぶと、本棚もすこしは誇らしく見えてくる。
  
(2020/01/07 投稿)

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 松の内というのは
 門松を立てておく期間をいうと
 「歳時記」にあります。
 関東と関西ではその期間も違うようで
 関東であれば元旦から6日または7日をいうそうです。

  20200104_105847_convert_20200105113630.jpg

    浅草によき空のあり松の内       京極 杜藻

 そして、
 今日は二十四節気の一つ、小寒
 今年の関東のお正月は暖かで「穏やかでしたが
 暦ではこのあたりから厳しい寒さに
 向かう頃です。

 今年の元旦の新聞を読んでいて
 目に飛び込んできたのが
 この広告。

  20200101_094115_convert_20200101155902.jpg

 これは私が借りている
 シェア畑という菜園の広告。
 全面でドーンとありましたから
 この広告を見て
 お、今年は定年にもなるから畑でもやってみるかと
 考えた人もいるかもしれません。
 今年菜園6年めを迎える私ですが
 ぜひぜひおやりなさいと勧めたい。
 土と遊ぶ。
 野菜を味わう。
 人と交わる。
 こんないいことはないですよ。

 昨日(1月5日)
 今年初めて畑に行ってきました。
 初めて田畑に鍬を入れることを
 鍬始といいます。

    鍬初めに出てゐるたつた一人かな      阿波野 青畝

 この句のように
 昨日私が畑に行った時には誰もいなくて
 なんだか畑を独り占めした気分です。

 冬場のこの時期
 畑では寒起こしといって
 粗く土を起こして寒さにあてて
 リフレッシュさせます。

  20200105_104245_convert_20200105113758.jpg

 写真手前が寒起こしした畝です。

 この時期は
 ほとんど収穫するものもありません。

  20200105_104421_convert_20200105114244.jpg

 これはホウレンソウですが
 収穫というところまではいきません。
 まずは
 新しい年の新鮮な気分を
 畑からもらうだけです。

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プレゼント 書評こぼれ話

  ねずみ年だった父が亡くなって
  8年になります。
  生きていれば
  今年96歳の年男。
  ねずみ年だけあって
  こまねずみのように
  よく動く父でした。
  今年はねずみ年なので
  最初の絵本はねずみが主人公のお話しを
  選びました。
  なかえよしをさん作、
  上野紀子さん絵の
  『ねずみくんのチョッキ』。
  この絵本などは
  絵本の古典のような名作ですから
  かつて読んだという人も多いのでは
  ないでしょうか。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ねずみ絵本といえば、これ!!                   

 同じネズミの仲間でもハムスターのようにペットとして可愛がられるのもいるが、ドブネズミのようなしっぽの長いネズミたちは嫌われることが多い。
 ところが、絵本や物語の世界になれば事情が変わる。
 しっぽが長くて、耳の大きなネズミであっても、あの世界的に有名なネズミだけでなく、愛されていることが多い。
 この絵本の、チョッキを着たねずみくんだってそうだ。
 何しろこの絵本の初版は1974年というから、50年近くにわたって愛され読まれていることになる。

 まず最初は、おかあさんが編んでくれた赤いチョッキを着て、少しおすまししているねずみくんがいる。
 そこに、ねずみくんより少し大きいあひるくんがやってきて、「いい チョッキだね ちょっと きせてよ」と頼まれたので、ねずみくんは貸してあげることにした。
 あひるくんが着たチョッキを見て、今度はサルくんが来て、やっぱり着せてよとお願いする。
 ねずみくんの赤いチョッキは次から次へと動物たちの貸されていって、しかもその動物たちはどんどん体が大きくなっていく。
 そして、最後はなんとあのゾウくんまで。
 ねずみくんにぴったりだったあのチョッキがどんなことになってしまったか、想像できますよね。

 話自体はとってもシンプルだが、きっとそのシンプルさがいつまでも子供たちに読まれる理由のような気がする。
 ページを開くたびに、次はどんな動物がねずみくんのチョッキを着るのか、子供たちにはたまらない魅力だろう。
 そういう話の展開こそ、物語の面白さの核のような気がする。
  
(2020/01/05 投稿)

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  三が日も終わって
  今日あたりが帰省からのUターンラッシュでしょうか。

    ふるさとの土産をもらふ四日かな      仁平 勝

  いっぱい故郷のおいしいものを
  食べてきた人も多いでしょうね。
  食べ物は故郷や小さい頃のものが
  やはり一番口に合うかもしれません。
  今日は東海林さだおさんの
  「丸かじり」シリーズの最新巻
  『サクランボの丸かじり』を紹介します。
  サクランボといえば
  山形の佐藤錦が有名ですが
  以前アメリカンチェリーがスーパーの店頭なんかで
  よく見かけたものです。
  最近あまり見かけないですが
  やはり国産のサクランボの方が
  おいしいからかな。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  わたし、トコロ天黒蜜派です。                   

 東海林さだおさんの人気シリーズ「丸かじり」も、本作で42作めとなる。
 「週刊朝日」に2017年4月から12月まで連載されていたものをまとめたもので、もちろん連載時は「あれも食いたいこれも食いたい」というタイトルである。
 それが一冊の単行本になる際に「○○の丸かじり」と名前が変わる。
 今回でいえば、「わたしサクランボのファンです」という回があり、そこから付けられている。

 ところでシリーズも42冊ともなれば、まるで山田洋次監督の「男はつらいよ」シリーズみたいなもので、マンネリとか揶揄されることもあると推測される。
 「男はつらいよ」の場合、シリーズ後半には寅さんの甥っ子満男君が準主役で作品を牽引していたが、「丸かじり」シリーズは相も変わらない王道を突き進んでいる。
 それでいて、今でも「ギョッ」となることがある。
 今回の場合、「トコロ天か葛切りか」という回がそうで、そのおしまいのほうで東海林さんはこんなことを書いている。
 「ぼくはこのトシになるまで酢醤油以外のものを食べたことは一度もない。」
 何を? トコロ天です。
 「地方によって黒蜜をかけて食べる、ということを聞いたときはギョッとなった」と続く。
 実はこの東海林さん告白とまったく逆の「ギョッ」体験をした。
 つまり、私が育ったのはトコロ天に黒蜜地域で、「地方によって酢醤油をかけて食べる、ということを聞いたときはギョッとなった」。
 東京に出てきて食べた酢醤油のトコロ天もありだと思ったが、やっぱりトコロ天は黒蜜だといまだに頑なに信じている。

 マンネリもまた楽し。
  
(2020/01/04 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今年最初の紹介本を
  この人の評伝から始めたいと思います。
  作曲家古関裕而さん。
  前回の東京オリンピックのマーチを作曲した人。
  そして、
  今年4月からのNHK朝ドラのモデルとなる人。
  書いたのは刑部芳則さん。
  本のタイトルは
  『古関裕而 - 流行作曲家と激動の昭和』。
  この本は
  単に古関裕而さんの評伝というだけでなく
  戦争から敗戦、
  そして高度成長していく昭和の歴史も
  描いていて
  読み応えある作品に仕上がっています。
  それにしても
  古関裕而さんの作った歌の多彩なこと。
  感動ものです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  あなたは古関裕而を覚えていますか                   

 今年(2020年)は東京で開催される2回めのオリンピックの年だ。
 前回の東京オリンピックの開会式の入場行進の時に流れた「心も浮き立つような」オリンピック・マーチを覚えているだろうか。
 それは忘れていても、毎夏流れる高校野球の「栄冠は君に輝く」は聞いたことがあるだろう。
 いずれの曲も、作曲したのは古関裕而。
 古関さんは明治42年(1909年)に福島に生まれた。
 亡くなったのは平成元年(1989年)8月18日。享年80歳。

 今年は古関さんと関係するオリンピックがまたやって来るだけではない。
 春からのNHK朝の連続小説ドラマにその生涯を描いた作品「エール」も放映されることになっている。
 著者の刑部芳則氏の本職は日本近代史を教える先生だが、このドラマの風俗考証も担当するそうだ。

 古関さんは明治から平成にかけて生きた人だが、作曲家として活躍したのは昭和である。
 しかも、オリンピックのような平和な時期だけでなく、戦時中にもいわゆる「軍歌」をも作曲したし、敗戦後間もない時には「長崎の鐘」といった名曲まで生み出している。
 この本の中に昭和18年に作られた「若鷲の歌」の歌詞が載っている。
 「若い血潮の「予科練」の 七つ釦は 桜に錨」で始まる「軍歌」だ。
 その歌を昭和30年生まれの私はスラスラと歌えたのだ。
 それだけ古関さんのメロディが覚えやすいということだろう。

 それにこれは迂闊だったが、早稲田大学の応援歌「紺碧の空」の作曲もまた古関さんだった。
 作曲家の名前を知らないまま大声で歌っていたなんて恥ずかしいかぎりだ。
 きっと今年は古関さんの数々の名曲を耳にする一年になるだろう。
 古関さんは全国の学校の校歌なども311曲作ったという。
 もしかしたら、それを知らずに今も子供たちは大きな声で歌っているかもしれない。
  
(2020/01/03 投稿)

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 この元旦にいい言葉を教えてもらいました。

   喜べば喜びごとが喜んで
   喜び集めて喜びに来る

 なるほど。
 本当にその通りで
 喜んでいれば自然と喜びが集まってくるものです。
 この一年、
 喜んで過ごせたら、きっといいことがある。

 今年の元旦の新聞を開くと
 これは朝日新聞ですが
 一番に目に飛び込んできたのがこの言葉。

    「読む」ことから始めよう

 岩波書店の新年の広告。

  20200101_092900_convert_20200101155539.jpg

 その中で
 加藤周一さんの『読書術』のこんな文章が
 紹介されています。

    どういう対象についても本は沢山あり、
    いもづる式に、一冊また一冊といくらでも
    多くのことを知ることができます

 どんな本を読んでいいのかという話をよく聞きますが
 実際には加藤周一さんがいうように
 本を読んでいれば
 どんどん新しい本が現れてきます。
 出版文化は
 決して楽観できませんが
 こうして元旦の新聞を読んでいると
 まだまだ廃れることはないなと思います。

 その一方で
 集英社のこの広告のように

    かわることを、
    おもしろがろう。

 と変化を臆せないものもあります。
 この広告、向きを変えると
 別の言葉が出てきます。
 せっかくなので
 二つ並べてみましょう。

  20200101_093021_convert_20200101155716.jpg  20200101_093021_convert_20200101162952.jpg

 これは講談社の広告。

  20200101_092928_convert_20200101155641.jpg

 なんとも懐かしい絵柄の広告です。
 こちらは小学館

  20200101_093127_convert_20200101155826.jpg

    未来の歴史は、ぼくらが作る。

 歴史には<ストーリー>とルビが振られています。

 ドキッとしたのは
 光文社の広告。

  20200101_093053_convert_20200101155752.jpg

    雑誌には、削除キーがありません。

 人生もまたしかり。
 やり直しができないから
 面白いのでしょうね、人生は。

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