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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介するのは
  柚月裕子さんの『あしたの君へ』。
  柚月裕子さんといえば
  『孤狼の血』や『慈雨』などを読みましたが
  まだまだ読みたい作品が多い
  今ちょっと気になる作家さんです。
  この作品は
  文春文庫の11月の新刊のラインナップで
  見かけました。
  まだまだ柚月裕子さんへの
  アンテナは低いかな。
  でも、読みたくなる作家が増えるのは
  うれしくもあり
  大変なことでもあります。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  家裁調査官という仕事って                   

 仕事にはさまざまあって、普段あまり接することのない職業も多い。
 そういう職業を描くとすれば当然取材をすることになるだろうが、きっとそれは読者が想像する以上に大変なことのような気がする。
 気鋭の人気作家である柚木裕子さんがこの連作短編集の主人公の職業として選んだのが家庭裁判所調査官。
 家裁調査官の仕事について、この作品の最初の方で「問題を抱えた当事者の背景を調査し、持っている専門知識を生かして調停委員や裁判官をサポートしながら、紛争を解決へと導くこと」と説明されている。
 もっとも主人公の望月大地は「カンポちゃん」と呼ばれる調査官補としてまだ研修中である。
 研修中の主人公だから、仕事に悩む姿も読者の胸に響いてくる。

 大地が担当する事件、例えば第一話の「背負う者」では窃盗を犯した少女は何故か頑なに事件の真相を語らない。
 大地は少女の母親の実家までたずね、その少女が背負っている重圧に気づくことになる。
 あるいは、第二は何故「抱かれる者」はストーカー行為を起こして家裁に送られてきた少年だが、面談の彼の一言をきっかけに彼の母親の歪んだ心へとたどり着く。
 また第四話の「責める者」は離婚を求める女性が抱えていた過去の過ちとそれを知りながらも耐え離婚に応じない男性の姿を描いている。

 主人公の真摯な姿がこの作品の良さだし、もしかしたら若い読者はこの作品を読んで家裁調査官への道をめざそうとするかもしれない。
 そのいう意味では「お仕事小説」でもあるのだろう。
  
(2020/01/10 投稿)

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