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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は二十四節気のひとつ、
  立春

    川下へ光る川面や春立ちぬ     高浜 年尾

  暦の上では今日から春。
  なので、「歳時記」も「春の部」に
  置き換えましょう。
  せっかくなので
  今日は長谷川櫂さん監修の
  『大人も読みたいこども歳時記』を
  再読書評で。
  といっても、
  今回の書評は2014年6月21日に書いた書評の
  春バージョンで
  先の書評を少し書き直しただけのものにしました。
  興味のある方は
  2014年の記事と比べてみて下さい。

  じゃあ、読もう。 

  

sai.wingpen  子供たちに何をのこしてあげられるだろう                   

 今年の冬はまれにみる暖冬で、例年であれば立春の頃はまだ寒くて、「暦の上では春ですが、まだまだ寒い日が」なんてよく言っていたものだが、今年はどうも暦どおりに春が来そうだ。
 元来この国の四季は、もっと優しかったはずなのに。
 優しい季節に育まれて、山の緑が映え、川のせせらぎが癒し、波の音が胸にしみた。動物たちは命をつなぎ、植物は四季折々に色をそえてきた。
 そこで生きる私たちもそんな優しい四季に寄り添うような営みを続けてきたのだ。
 多分、「歳時記」は俳句の世界だけでなく、そんな私たちが生み出した叡智だと思う。
 私たちの先人がこしらえてきた豊かな四季を終わらせてはならない。
 子どもたちへ、それに続くものたちに、この優しい四季をつなげていかなければいけないのだ。

 この本は「歳時記」を小学生や中学生にも使いやすいように編集したもの。
 見出し季語あるいは傍題季語が並んでいるのは普通の「歳時記」と同じで、「歳時記」と同じように例句もついている。
 「こども歳時記」であるから、例句にも小学生や中学生が詠んだ句も収められているが、有名な俳人たちの句もあって、鑑賞にも十分耐えられるようになっている。
 例えば、「春来る」という春の季語の例句は中学3年生の佐々木さんの「靴紐を結びなおして春来たる」もあったり、松尾芭蕉の「春たちてまだ九日の野山かな」であったりする。

 俳聖松尾芭蕉と無名の少女の句を並べてみたが、読者にはどう響いただろうか。
 さすがは芭蕉、と感じた読者もいるだろうが、佐々木さんの俳句だって負けてはいないと私は思った。
 この本の監修をした俳人の長谷川櫂氏は子どもの俳句には二つの資質が必要だと書いている。
 ひとつが子どもにしか作れない俳句であること、もうひとつが大人の鑑賞にも堪えるものであることだという。
 佐々木さんの俳句にはその二つもがあるし、芭蕉の俳句も新鮮な気分が込められているのが少年のように初々しい。
 
 「歳時記」を開くことで自然の豊かさを味わう、そのことでこの地球の未来を考えてもらえたらうれしい。

 表紙絵は安西水丸氏の作品。
 安西氏の絵もまた生き生きとした子どもの目を感じる。 
  
(2020/02/04 投稿)

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