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プレゼント 書評こぼれ話

  先日藤沢周平さんの
  『一茶』という小説を読みましたが
  これは読み応え十分の長編小説でした。
  小林一茶の人生は
  なかなか複雑ですから
  藤沢周平さんが長編にしたのも
  わかります。
  その一方で
  大岡信さんは「折々のうた」の
  解説文わずか180文字で
  小林一茶の略歴をしるされています。
  長谷川櫂さんの選による
  『大岡信「折々のうた」選 俳句(二)』の

    瘠蛙まけるな一茶是に有     小林 一茶

  につけられた解説文が
  絶品です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  近代大衆俳句は一茶から                   

 詩人の大岡信さんが「朝日新聞」朝刊一面に詩歌のコラム「折々のうた」を掲載したのは1979年から2007年、途中に休載した時期もあったが、その連載は6762回に及ぶ。
 新聞連載に際しての大岡さんの思いなどは岩波新書版の『折々のうた』第1巻の「あとがき」に詳しく書かれている。その中で「採りあげる作品を短歌、俳句に限らない」ということを条件にしたとある。
 大岡さんは「和歌も漢詩も、歌謡も俳諧も、今日の詩歌も、ひっくるめてわれわれの詩」と考えておられたようだ。
 なので、連載時は昨日は和歌の紹介であっても次の日は俳句、その次は狂歌みたいなつながりとなっていた。

 今回の「選」集では、俳句で2巻、短歌で2巻、そして詩と歌謡で1巻の、全5巻となっている。
 俳句「選」集は俳人の長谷川櫂氏の編集で、この巻が2巻めである。
 長谷川氏は2巻に編むに際して、第1巻めを芭蕉・蕪村までの「古典主義俳句」とし、第2巻めは小林一茶から始まる「近代大衆俳句」としている。
 あえて明治期の正岡子規から近代としなかった理由については巻末の長谷川氏のエッセイに詳しい。
 つまり、俳句の大衆化(=近代化)はすでに江戸時代後半に始まっていて、古典など知らない庶民も俳句をつくるようになっていたという。
 明治期になって子規や虚子の活躍により、それは一層明確になっていく。
 俳句の隆盛は現在まで続いているが、もちろんこの「選」集のもとは大岡さんの「折々のうた」であるから、最近の若い俳人の句は、残念ながら載っていない。
  
(2020/02/27 投稿)

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