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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は四年に一度の
  うるう年
  2月の29日。
  一日得をした気分の日ですが
  最近の新型コロナウイルスの影響で
  あんまり晴れやかな気分にも
  なりません。
  まして
  最近の政府の対応を見ていると
  右往左往ばかりが目立って
  会社でいえば
  こういう経営トップがいるところって
  そこで働く人は結構大変です。
  今の日本ってそんな感じでしょうか。
  こんな時に
  もしこの小説の主人公である松江豊寿のような人がいれば
  どんなにいいか。
  今日は
  第111回直木賞受賞作
  中村彰彦さんの『二つの山河』を
  紹介します。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  直球ストライク、けれどこれは魔球?                   

 第111回直木賞受賞作。(1994年)
 最近の直木賞は長編小説が多く、この作品のように文庫本にして80ページほどの短編といってもいい作品を読むと、作品の好悪は長さではないと改めて気づかされる。
 しかもこの作品はほとんどの選考委員が賛辞をおくっていて、気持ちいい。
 藤沢周平委員は「直球でストライクを取ったような、単純だが気持よく読める作品」とし、「読者を作品世界の中にひきこむのはヒューマニズム」と、いかにも藤沢周平氏らしいコメントである。
 「稀に見る清々しい小説で好感度百パーセント」と書いたのは山口瞳委員。絶賛に近い書きぶりながら、「やや小説的結構に乏しいという憾みが残った」とも書いている。
 この「小説的結構」というのは小説を組み立てる方法のようなことでしょうか。
 唯一否定的な意見となった五木寛之委員がいう「小説としては、いささかひよわな面がある」というのに、近いニュアンスかもしれない。

 この小説の主人公松江豊寿(とよひさ)は実際にいた人物で、会津人として第一次世界大戦時に徳島のドイツ人俘虜収容所の所長を務め、その後会津若松市の市長にまでなっている。
 中村は松江という人物の生涯を簡潔明瞭な文体で綴っている。
 俘虜たちの人格をないがしろにすることなく、収容所の運営を見事なまでに成し遂げた松江の行いは美談ではあるが感傷的に過ぎず、またそこに至る松江の想いを戊辰戦争時に受けた会津の人たちの苦悩に重ねていく。

 確かに「好感度百パーセント」であるが、これを直木賞としていいのか、
 口当たりのいいノンフィクション作品ではないのか。
 そんなことをつい考えてしまった。
  
(2020/02/29 投稿)

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