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プレゼント 書評こぼれ話

  今でも和田誠さんが亡くなったなんて
  信じられないでいる。
  だって、いたるところで
  和田誠さんが描いた表紙絵とか挿絵とか
  まだ見かけるもの。
  特に本の装幀なんかも
  たくさんされているから
  本棚からひょっと抜き出したら
  それが和田誠さんの装幀した本なんてことも
  よくある。
  今日はそんな和田誠さんの
  多彩な一面が本になった
  『和田誠切抜帖』を紹介します。
  やっぱり
  和田誠さんってすごいや。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  和田誠さんはいくつの顔を持ってたのかな                   

 昔「七つの顔を持つ男」と呼ばれた多羅尾伴内という探偵を主人公にした映画や漫画があったが、昨年(2019年)10月に亡くなった和田誠さんも七つぐらいの顔を持っていたかもしれない。
 イラストレーター、装幀家、エッセイスト、絵本作家、映画監督、作詞家、脚本家、まだまだありそう。
 そんな多彩な才能をもった和田さんの仕事の一端を覗ける貴重な一冊がこの本。

 2007年に刊行されたものだが、エッセイだけでなく、和田さんお得意の似顔絵や週刊文春の表紙を飾った何枚かのイラストも見られる。
 漫画家赤塚不二夫さんとの面白い対談もあれば、和田さんの愛猫シジミの話もある。
 読書のこともあれば、父親のことを語った文章もある。
 和田さんの父親は和田精といって日本の初期の放送界にあって欠かせない人物であったようだ。そんな父親だが、あまり和田さんにその功績を自慢することもなかったし、和田さんもまたそんな父親を自慢したりもしなかった。
 そんなところが和田さんのえらいところ。

 そして、この本の極めつけは四歳の時に描いたという絵本だ。(バラバラに描き散らかしていたのを母親がまとめて綴じておいてくれたというから、お母さんもいい人だったにちがいない)
 絵心というのは幼い時からあるものかどうかわからないが、こういう作品? を見せられると、やはり和田少年は成長してイラストレーターになるべくしてあったのかもしれないと思ってしまう。
 まさかその子が七つの顔を持つまでになるとは、さすがにお父さんもお母さんも思わなかったのでは。
  
(2020/03/31 投稿)

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 東京と隣接県では
 この土日に
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い
 外出自粛要請が出ていました。
 天もそれに味方したのか
 季節はずれの雪になって
 さすがに外出をとりやめた人も多かったと思います。

  20200329_092704_convert_20200329103746.jpg

 桜が満開のこの季節に降る雪を
 「桜隠し」ということは
 以前にも書きました。
 今年の桜は
 新型コロナウイルスの影響でなかなか満足に見られなかったり
 昨日の雪で寂しげだったり
 残念ですが
 来年を期待しましょう。

 畑のそばを流れる鴻沼川沿いの桜は
 まさに今が満開。
 これは土曜日(3月28日)にとった
 桜景色。

  20200328_105628_convert_20200328165238.jpg

  20200328_105814_convert_20200328165322.jpg

   水の上に花ひろびろと一枝かな       高野 素十

 そして、
 スナップエンドウの白い花と
 桜のコラボレーションです。

  20200328_111510_convert_20200328165448.jpg

 イチゴの花も咲き始め
 気の早い苗は
 実をつけ始めたところだというのに
 もう鳥につつかれました。

  20200328_111946_convert_20200328165607.jpg

 そこで
 イチゴの苗に防鳥用のネットをかけることに。
 その前に
 人工授粉を。
 雌しべと雄しべをこうして筆でやさしく。

 20200328_112818_convert_20200328165645.jpg
 
 このあとに
 ネットをかけたのですが
 まさか日曜日に大雪になるとは思わなったので
 雪対策でも
 ちょうどよかったかも。

 こちらは
 膨らみはじめたタマネギ

  20200328_111846_convert_20200328165527.jpg

 そして、
 これはソラマメの花。

  20200328_114521_convert_20200328165725.jpg

 新型コロナウイルスの影響で
 なかなか外に出るのもためらわれますが
 畑は外での作業ですから
 大丈夫だと思っていますが、
 はやく収束させるためにも
 気をつけたいものです。

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  今日は
  村上春樹さんが連続で翻訳している
  C.V.オールズバーグの絵本から
  『さあ、犬になるんだ!』という作品を。
  まずはこの表紙のご婦人、
  何をしているところか
  わかりますか。
  口をとがらせ
  両手を羽のようにして。
  このご婦人は魔術師によって
  ニワトリにされているところ。
  え、犬じゃないんだ。
  って、私は思ってしまいましたが。
  でも、大丈夫。
  内容はちゃんと
  犬が出てきますから。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  解けない催眠術におおあわて                   

 催眠術は面白い。
 だって、人がニワトリになったり犬になったりするんでしょ。
 そして、催眠術師がパチンと指を鳴らしたら、ニワトリになった人は目をパチクリさせて元の人間に戻るなんて、もう最高!
 小さい頃にそんなことを思った人も多いのではないでしょうか。
 でも、そんな魔法が全然解けなかったら。
 そういえば、ディズニーの映画『ファンタジア』でミッキーマウスが演じた「魔法使いの弟子」も解けない魔法で大騒動になる内容でした。

 オールズバーグのこの作品もそんな解けない催眠術が巻き起こす面白いお話。
 妹にいたずらばかりしているカルヴィン少年はお誕生日のプレゼントにもらった魔術師の公演を見て、自分も催眠術ができるのではと試してみることに。
 そこで妹に「犬になるんだ!」と催眠術をかけてしまいます。
 すると、どうでしょう。
 妹はワンワン吠え出し、四つん這で走り出します。
 でも、困ったことにカルヴィン少年は催眠術の解き方を忘れてしまっています。
 犬のままの妹を連れて魔術師にところに行こうとします。
 途中で買ったアイスクリームは犬の妹に食べられてしまうし、魔術師には会えないし。
 さて、犬になった妹はどうなるのでしょう?

 仲の悪そうな兄と妹ですが、ついかまってしまうのは可愛いからに違いありません。
 そんな兄を懲らしめてしまうのも、賢い妹ならでは。
 お話も面白いですが、この兄妹が大きくなった時にどんなことになっているのか見たいような気分になります。
  
(2020/03/29 投稿)

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  2019年に
  生誕110年となった太宰治だが
  没後70年以上経っても
  今だ人気が高い。
  その作品の映画化が続いたりしている。
  最近、太宰治の遺作となった
  『グッド・バイ』も映画化されました。
  主人公田島周二を演じるのは大泉洋さん。
  ヒロインのキヌ子は小池栄子さん。
  さてさて、
  その『グッド・バイ』ってどんな作品だったっけと
  今回何十年ぶりかで
  読み返してみました。
  太宰治らしからぬ
  いやいやこれこそが太宰治
  そんな不思議な未完の作品です、

  じゃあ、読もう。

  追記  昨日(3月27日)さいたま市では図書館の休館期間を4月19日まで延長されることが決まりました。
      さすがに図書館大好きの私もショックです。

  

sai.wingpen  あまりに出来過ぎのタイトル                   

 太宰治の、あまりに有名な最後の作品。
 文庫本にしてわずか30ページほどの作品だが、未完のまま絶筆となったもので、短編というのは本当はふさわしくないのだろう。
 実際これは太宰が亡くなく直前の1948年(昭和23年)6月に朝日新聞に連載を始めようとしていた作品で、残されたものは新聞連載の13回分までしかない。
 はたして太宰はどのような作品に仕上げようとしていたのか。
 残された「作者の言葉」に「さまざまの別離の様相を写し得たら」と綴っている。

 主人公は愛人を十人近く養っているという噂の絶えない、34歳の雑誌の編集長、田島周二。
 彼がこのたび心を入れ替えるにあたって女たちと上手に別れなければと画策。
 そこで浮かんだ浅知恵が、美人の奥さんをでっちあげ、その彼女を見せることで愛人たちに諦めてもらうというもの。
 しかし、なかなか美人が見つからない。そこに現れたのがキヌ子。美人だが、声がいけない、鴉声。
 そうはいっても時間がない。
 田島とキヌ子の奇妙は旅が始める。
 でも、残念ながら、「さまざまな別離の様相」を私たちは読むことができない。

 それにしても「グッド・バイ」。
 太宰ならきっとこう言う。ちえっ、気取ってやがら。
 自身の最後に「グッド・バイ」なんていかにも太宰らしいが、そういうタイトルをつけた時彼にはこれが最後の作品になるという自覚があったのだろうか。
 それとも、新しいコメディを生み出す意欲に燃えていたのだろうか。
 あまりの出来過ぎのタイトルだから、いつまでも読まれる作品になったといえる。
  
(2020/03/28 投稿)

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  今日紹介する
  葉室麟さんの『潮鳴り』は
  2013年に私が読んだ本の
  ベスト1に選んだ作品です。
  今回はあれからはじめて
  読み返したことになります。
  初めて読んだ
  2013年12月25日の書評で
  「絶品」とまで書いています。
  今回もヒロインお芳や
  主人公の櫂蔵の継母染子など
  女性の美しさに
  心打たれました。
  葉室麟さんは
  女性を描くのがうまかったな。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  美しい女たちの物語                   

 2017年12月に亡くなった葉室麟さんは主に長編小説を書き続けた作家であった。
 決して長い作家生活ではなかったが、毎年ほぼ5作品ほどの作品を上梓し続けた筆力はさすがという他ない。
 『蜩ノ記』で第146回直木賞を受賞したのが2012年(単行本の刊行はその前年の2011年)、その作品と同じ舞台豊後羽根(うね)藩を描き、のちに「羽根藩」シリーズとなる2作目となるこの作品が刊行されたのは2013年だから、シリーズ物としては時間がかかっている。
 おそらく葉室さんの中で醸成されていくまで時間がかかったのだろう。

 物語はそんなに複雑ではない。
 しかし、そのテーマは実に重い。
 単純にいえば「再生」ということになろうが、「落ちた花は二度と咲かない」といわれるが、この物語の主人公伊吹櫂蔵は咲かせてみたいと願う武士である。
 櫂蔵がそう思うに至るには、自身の落ちぶれもあったが、異母弟の無念の自害を知ったこと、それに絶望した自分を助けてくれたお芳もまた「落ちた花」であったからこそ、それを救いたいという祈りのような感情があったのだろう。
 こういう重いテーマでありながら、それをあえて複雑にすることなく、闘う者、欺く者、悪しき者、良き者をわかりやすく描くことで、読者の胸にすっと入ってくる。

 文庫本には朝井まかてさんの「解説」がついているが、その中で朝井さんはこの作品は「再生の物語」でもあり「青春の物語」でもあると書いている。
 そして、おそらく美しい女たちの物語でもある。
  
(2020/03/27 投稿)

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  東京オリンピックの延期が決定しました。
  新型コロナウイルスの
  世界的な広がりを考えれば
  仕方のないことかと思います。
  1年程度をめどに延期となっていますが
  選手のことを考えるなら
  開催日は早く決めてあげるべきなんでしょうね。
  今日は
  石井正己さん編の
  『1964年の東京オリンピック』という本を
  紹介します。
  書評にも書きましたが
  あの時のオリンピックは
  「筆のオリンピック」とも呼ばれて
  多くの作家たちが
  開会式や競技観戦、閉会式の模様を
  書き残しています。
  今、読むのも面白い。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「二度やるのはバカだ」と書いた作家がいた                   

 「何かの理由で、東京オリンピックが中止になったら、さぞ快いだろうなと思うくらいである」。
 これは2020年のコメントではない。
 1964年の第18回東京オリンピックが開催される9月の週刊誌に掲載された、「憂鬱な二週間」と題された松本清張の文章の一節である。
 それから半世紀以上経って、この国にもう一度オリンピックがやってこようとしている。

 先のオリンピックは「筆のオリンピック」とも言われ、「おおぜいの小説家や評論家が、オリンピックについて、なにかを書いてきた」と、書き手の一人である菊村到が「やってみてよかった」という文章に書いている。
 冒頭の松本清張の否定的な文章ほどではないにしても、そのすべてがすべてオリンピックを歓迎している訳ではない。
 ただそういう言論の自由度さは今よりうんとあったような印象を、この本に掲載された多くの文章から感じる。
 何しろあの時はまだ戦争が終わって20年にもなっていなかった。
 そこからしたら、2020年の私たちは結構不自由な時代に生きているような気がする。

 この本で紹介されている執筆者はすでに鬼籍にはいっている人も多い。
 三島由紀夫、松本清張、開高健、丸谷才一等々。
 もちろん今でも現役の書き手もいる。
 大江健三郎、石原慎太郎。曽野綾子、瀬戸内寂聴等々。
 そんな彼らもさすがに年老いた。
 まさかこの国で二度めのオリンピックを見られるとは思わなかったのではないだろうか。
 先に引用した菊村到の文章の最後はこうだった。
 「やはりオリンピックは、やってみてよかったようだ。富士山に登るのと同じで、一度は、やってみるべきだろう。ただし二度やるのはバカだ」。
 きっと誰も菊村の文章を覚えていなかったに違いない。
 
(2020/03/26 投稿)

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  今日は今話題の本
  本橋信宏さんの
  『全裸監督 村西とおる伝』を紹介します。
  村西とおるさんといえば
  黒木香さんが主演した
  「SMぽいの好き」というアダルトビデオが有名。
  この作品が出たのが
  1986年.
  ビデオだって一家に一台という時代に
  まだなっていなかったかも。
  アダルトビデオの監督の半生を描いた作品が
  話題になっているのは
  これもNetflixという
  新しい媒体のせいともいえる。
  時代は常に新しいものを
  求めています。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  なんともナイスなタイトルです                   

 我が家にある「広辞苑(第五版)」の厚さはおよさ8㎝。
 AV監督村西とおるの波乱にとんだ半生を描いたこの本の厚さはおよそ4㎝。
 ナイスです。
 「広辞苑」が枕なら、こちらは昼寝用かも。
 ファンタスティックな夢が見れそう。

 この作品は最近山田孝之さんの主演でNetflixで映画化された話題作の原作。
 若い読者にはその方がわかりやすいが、ビデオ創生期にアダルトビデオに触れた読者なら当時「AVの帝王」と呼ばれた村西とおるの作品を一度は見たのではないだろうか。
 ベーカムという重い業務用の撮影カメラを自ら担ぎ、BVDの白いパンツ姿で、あの独特なセリフ回しで女優たちに迫る男。
 まさにこのタイトルそのものである「全裸監督」。
 なんとインパクトのあるタイトルをつけたものか。

 村西とおるは1948年福島で生まれた。いわゆる団塊世代の一人である。
 団塊世代の多くがこの国の高度成長を牽引したように、村西もある意味時代を引っ張った一人であることは間違いない。
 ビニ本、裏本、で何億というお金を稼ぎ、摘発されるや出始めたばかりのアダルトビデオの監督になり、ここでも荒稼ぎをする。
 しかし、度重なる逮捕で前科7犯、さらには放漫経営の果てに50億円の負債を抱えることになる。
 まさにジェットコースターのような人生を歩んだ男だからこそ、読んでいる方からすればドラマのように面白い。

 作者の本橋信宏氏は1956年生まれ。
 一時期村西とおるとの接点もあり、間近で村西の狂気ともいえる生活を見てきた。
 そんな本橋氏は「保存されざる文化こそ私が活字で残しておかなければ」と綴る。
 村西とおるの半生もまた「保存されざる文化」なのだろう。
  
(2020/03/25 投稿)

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  先日
  第162回芥川賞受賞作
  古川真人さんの『背高泡立草』を読んで
  中上健次
  1975年に第74回芥川賞を受賞した
  『』のことを思い出しました。
  本当に久しぶりに
  読み返してみて
  やはりその巧さに
  ちょっと感動さえ覚えました。
  作者の中上健次も若かったけれど
  読者である私も
  当時20歳ですから若かった。
  このあと
  中上健次の作品を貪るように
  読んだことを思い出しました。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  これこそ芥川賞                   

 第74回芥川賞受賞作。(1975年)
 1992年に46歳の若さで亡くなった中上健次の29歳の時の作品。戦後生まれで初の受賞者となった中上は、その後期待に違わず、重厚な作品を発表し続ける。
 もし、まだ生きていたら、どんな作品を書いていただろうと思わないではない。
 そんな中上の受賞作が選考委員から絶賛されたかというと決してそうではなかったことに驚く。
 選考委員の一人中村光夫氏は「本来なら授賞作なし、だがもし強いて選ぶなら中上氏」という程度だし、吉行淳之介氏の選評にあるように「人間関係が複雑をきわめている」と同じような意見を述べた委員が多くいた。

 この作品は確かに主人公の秋幸という青年を中心にして、異父の姉たち、今ともに暮らす異父とその息子、そして母と実の父やその子といったように複雑な人間関係で成り立っている。
 その複雑な関係は短編ではなかなか描きにくかっただろうし、中上もそのことをわかったうえでこのあとにこの一族の長編小説を描くことになる。

 ただ印象としては、ここに登場する一人一人の印象がくっきりしている。
 ドラマでいえば端役であろう秋幸とともに働く名前さえ書かれない女の人夫さえ、その表情が立ち上がってくるように感じる。
 それこそ中上のエネルギーだと思う。
 「欠点も眼についたが、未知数の魅力とエネルギーに満ちていて、芥川賞の作品にふさわしい」と書いた吉行淳之介氏の選評が、この作品のすべてを語っているように思う。
  
(2020/03/24 投稿)

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 「花」といえば昔から
 桜の花をさすのが一般的なほど
 日本人にとって桜は特別な花だといえます。
 「歳時記」にも
 たくさんの句が載っています。
 
    中空に風すこしある初ざくら      能村 登四郎

 この句では「初桜」が季語。
 桜の名所といえば
 上野公園だとか目黒川沿いだとかありますが
 自分の住んでいる街にも
 ひとつかふたつ桜の名所があるものです。
 さいたま市浦和の名所のひとつ、
 玉蔵院の枝垂桜です。

  20200321_102753_convert_20200322143551.jpg

 ここの桜は
 まさに今が見頃。

  20200321_103056_convert_20200322143637.jpg

 私の畑の横を流れる
 鴻沼川の桜も名所といっていいかも。
 金曜日には
 まだ3分咲きほどだったのが
 土日の暖かさで
 いっきにごらんのように
 6分咲きまで進みました。

  20200322_112647_convert_20200322143720.jpg

 昨日このブログで
 いわさゆうこさんの『ごろりん たまねぎ』という絵本を
 紹介しましたが
 こちらが私の畑のタマネギの状況。

  20200320_135828_convert_20200322143420.jpg

 根元がやや膨らみかけたかな。

 スナップエンドウ
 かわいい実を見つけました。

  20200322_115105_convert_20200322143759.jpg

 まだ収穫とはまではいきませんが
 暖かくなっているので
 これからが楽しみ。

 そして、
 イチゴ

  20200320_141841_convert_20200322143514.jpg

 よく見るとかわいい実がつきはじめています。

 日曜日は
 次の夏野菜のための畝づくり。
 手前の黒マルチを張っているのが
 日曜日作業したもの。

  20200322_123600_convert_20200322143851.jpg

 向こうの桜も
 来週には満開になるでしょうね。

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  今日は
  いわさゆうこさんの
  『ごろりん たまねぎ』を
  紹介します。
  いわさゆうこさんの野菜絵本は
  これまでにも
  じゃがいも、だいこんと
  紹介してきて
  今回がたまねぎ。
  まさに野菜の王道を描いています。
  まだまだ作品がありますから
  これからも
  順次紹介していきますね。
  で、わたしの畑のたまねぎが
  今どんな状態なのか
  それは明日の「わたしの菜園日記」で。
  お楽しみに。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  いわさゆうこさんの丁寧な絵が素敵                   

 この絵本の作者いわさゆうこさんは宮城県出身で、本のおしまいの「たまねぎのはなし」という文章に「子ども時代を過ごした東北の農家では、たまねぎを納屋の軒下につるして干していました」と書いています。
 それを読んで思い出したのは、私の故郷のこと。
 そこはたまねぎの名産地で、いたるところにたまねぎ小屋があったものです。
 誰もが小さい頃から馴染みのある野菜、それがたまねぎだといえます。

 たまねぎは子どもたちが大好きな料理、カレーとかハンバーグとかにも欠かせない食材で、料理によって切り方も色々あります。
 くしがたぎり、みじんぎり、わぎり、…。
 この絵本ではたまねぎの、こんな切り方まで描かれている徹底ぶり。
 もちろん、色んな種類のたまねぎ、例えば「あかたまねぎ」とか「しろたまねぎ」とか「ペコロス」といったものだけでなく、たまねぎの仲間のねぎのことまで描かれています。
 それも写真図版でなく、すべていわささんの手書き。

 圧巻なのは畑一面のたまねぎの絵。
 これ一枚の絵を仕上げるのにどれだけの日数がかかったのでしょう。
 そういえば、たまねぎが丸くなるのも大層時間がかかります。
 冬の前に苗を植えつけ、冬を越し、春になってようやく太りだす。
 収穫は5月頃かな。
 「だいどころに いつも あるんだ」、そんなたまねぎですが、そこにいたるまでとっても時間がかかっている野菜でもあります。
  
(2020/03/22 投稿)

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 今日は母の命日
 亡くなって10年になります。
 あの時、さまざまなことが起こりましたが
 母を送る車から見た
 咲き始めたばかりの桜が雨に濡れていたのを
 今でもはっきりと覚えています。

 3月19日の朝日新聞
 懐かしい名前を見つけました。
 加藤諦三さん。
 私は昭和30年生まれですが
 私の青春期の頃
 加藤諦三さんの本がたくさん出て
 若者たちのバイブルみたいに
 読まれていたのを
 思い出しました。
 『体当たり人生論』『俺の胸に火をつけた言葉』など
 1970年代の若者にとって
 加藤諦三さんはひとつの道標を示してくれていました。

  

 その加藤諦三さんが
 その日の新聞に寄稿していたのは
 新型コロナウイルスに関しての記事。
 タイトルは
 「自分と向き合う機会かも」。
 冒頭にこうあります。

   不安は生物が危険を避けるための正常な反応で、
   コロナウイルスに不安を感じるのは当然です。

 それでも人によって
 不安を感じる強弱はあります。
 加藤諦三さんは

   なぜ強い不安を感じるのか、
   この機に自分に向き合ってみてはどうでしょうか。

   自分を知るという意味ではむしろ
   意識を広げる機会です。

 といい、最後にこう結んでいます。

   今苦しい人は、
   その苦しみが自分の人生に何を教えようとしているのか、
   考えてみてください。
   苦しみには必ず意味があるはずです。

 十代の頃の理由もわからない不安や苦しみに
 そうだ、
 加藤諦三さんはいつもこうして
 私たちを励ましてくれていたことを
 久しぶりに思い出しました。

 母が亡くなった日、
 あの時の悲しみを思い出しながら
 書きました。

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  今日は二十四節気のひとつ、
  春分
  春の彼岸の中日でもあります。

    春分の日をやわらかくひとりかな      山田 みづえ

  今日を境にして
  昼の時間が長くなります。
  最近の日差しを見てても
  明るく感じます。
  今日は
  高田郁さんの「みをつくし料理帖」シリーズの4作め
  『今朝の春』を
  紹介します。
  春を小説でも
  感じることができる
  一篇です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  友待つ雪ぞ消え残りたる                   

 高田郁さんの人気シリーズ「みをつくし料理帖」の4作め。
 この巻でも四つの料理とともに四つの短編が収められている。
 巻末付録「澪の料理帖」に掲載されている料理名は「ははきぎ飯」(ははきぎというのはほうき草の古い呼び名で、その実は「とんぶり」として知られています)、「里の白雪(蕪蒸し)」、「ひょっとこ温寿司」、そして「寒鰆の昆布締め」。
 最後の料理は鰆を使った魚料理ですが、鰆は魚偏に春と書くぐらいですから春の時期に美味しい魚。
 「踊場に置く手籠から鰆の尾」(西川章夫)と俳句に詠まれることも。

 「ははきぎ飯」が描かれるのは「花嫁御寮」という、この作品集の冒頭の作品。
 そこに登場するのが、主人公澪の想い人である謎の武士小松原の母で、この短編で小松原の素性がはっきりする。
 「ははきぎ飯」は小松原の母の思い出の料理、それを知った澪は「美味しい、というのはただ、味のみで決まるわけではない。その料理に宿る思い出も、美味しいと思う気持ちを大きく左右する」ことを思い知らされる。

 「みをつくし料理帖」の長い物語は、澪と今では吉原の伝説の太夫となっている幼馴染の野江との関係が一つの流れにもなっているが、それもまた思い出に彩られた話である。
 この作品集の第二話「友待つ雪」が澪と野江のエピソード編になっていて、少しずつ野江が吉原にたどりつく話も描かれている。

 そういういくつかの話の流れがそれぞれ面白いから、この作品はあきないのだろう。
  
(2020/03/20 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  社会が新型コロナウイルス一辺倒になって
  最近まで就職戦線は
  学生の売り手市場優先だったのが
  ここにきて
  怪しい暗雲の広がりを感じます。
  これから
  就職活動に入る皆さんには
  しっかりと頑張って
  自分の夢を実現させてもらいたいものです。
  今日紹介する
  矢部潤子さんの『本を売る技術』は
  書店に就職を希望している人だけでなく
  仕事に対する向き合い方も書かれているので
  就活する皆さんに
  読んでもらいたい一冊です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  いい書店員がいる本屋さんの見つけ方                   

 ここ何年かのことだが、本屋さんや図書館に行くと、陳列棚に表紙の面を向けて本が並んでいるのをよく見かけるようになりました。
 あれは業界用語で「面陳」と言っているようですが、以前は本屋さんの陳列は「平積み」か「棚差し」がほとんどでした。
 「面陳」が増えたのは、本屋さんの売上が下がってお店の在庫を減らさなければならなくなったという要因もあったといいます。
 けれど、私は「面陳」は決して嫌でもないし、悪いとも思っていません。
 そもそも「平積み」の陳列方法もそうですが、本というのはもちろん内容が大切ですが、表紙だって購買意欲を駆り立てる要素です。
 在庫を絞って、その分「面陳」を増やし、本(商品)を手に持ってもらう。
 経営が厳しい「まちの本屋さん」ほど「面陳」をすべきだと思うのですが。

 ところが、この本で「本の雑誌社」営業部の杉江由次さんのインタビューを受けている、カリスマ書店員だった矢部潤子さんは「面陳」が嫌いだといいます。
 その最大の理由が「面陳」すると、本を傷めるというのだから、さすが本への愛が半端ではありません。
 なので、この本ではもし「面陳」をするのであれば、こうして本を置きなさいとイラスト付きで解説をしてくれてます。。
 「本を売る技術」というタイトルに違わない「技術」の開陳です。

 矢部さんの経歴は1980年の芳林堂書店を皮切りにパルコブックセンター渋谷、リブロ池袋店と36年間売場で本を売り続けたとあります。
 そういう人だけに平台への並べ方、作業の割り付けなど細かいところに目が届くでしょう。
 いい書店員がいる本屋さんの見つけ方は、やはり棚の陳列のような気がします。
  
(2020/03/19 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は昨日のつづきで
  長嶋有さんの作品を
  紹介します。
  長嶋有さんが2002年に第126回芥川賞を受賞した
  『猛スピードで母は』です。
  今回の書評は
  2002年に書いた
  超レアなもの。
  なんといっても
  浅野温子さんというのが
  いいですよね。
  当時W浅野といって
  浅野温子さんと浅野ゆう子さんが
  大ブレークしていた時代。
  そんな昔? から
  書評の投稿していました。
  やれやれ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  浅野温子さんへ                   

 第126回芥川賞受賞作。(2002年)
 もし僕が映画とかTVのディレクターだったなら、知人のコネを使いまくって、著者の長嶋さんに連絡をとるだろう。
 そして、映像化の話をする。
 「作品、読ませていただきました」
 「いい作品でした。感動しました」
 「勿論、主演のお母さんの配役も考えています。スノウタイヤを交換したり、男に振られたり、公団住宅のはしごも昇ったり、ええそりゃあもう、男まさりといいますか、それでいて哀愁があって…」
 「誰…?と、聞かれても、これは企業秘密でして」
 「ええい、先生だからいいますと、浅野温子しかいません。彼女で決まりです」
 そこまで話し終えたら、目が覚めた。 
 読んだ人、それぞれがくっきりと映像にできるなんて、近頃珍しい作品かもしれない。
 そう思いません、浅野温子さんも。
  
(2002/05/08 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は彼岸の入り
  となれば、
  いつも頭に浮かぶのがこの俳句。

     毎年よ彼岸の入に寒いのは      正岡 子規

  母親がそうつぶやくのを
  詠んだというこの正岡子規の俳句こそ
  俳句という文芸が広く
  愛されている理由だと思います。
  すっと詠める、
  それでいて心に残る。
  こんな文芸は類まれです。
  そこで今日は俳句の本、
  長嶋有さんの
  『俳句は入門できる』を
  紹介します。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  俳句の世界は一つではない                   

 この本の著者長嶋有さんは2002年に『猛スピードで母は』で第126回芥川賞を受賞した、れっきとした小説家だ。
 その一方で、ブルボン小林という名前で漫画評論も手がける、マルチな才能をもった人でもある。
 さらには俳人という肩書も持つ。
 何をもってすれば「俳人」と名乗れるのか、少なくとも長嶋さんの場合句集も出しているし、俳句同人も立ち上げているから、その肩書は詐称ではあるまい。
 しかも、2019年の「NHK俳句」の第2週めの選者を務めたぐらいだから、俳句評論あるいは俳句エッセイともとれるこの本を執筆してもおかしくはない。

 当初長嶋さんの「NHK俳句」はとても楽しみだった。
 というのも、従来の俳句の型にはまったような世界観からはみ出している発言、そしてこの本でもそうなのだが、は面白い鑑賞法だったし、詠み方だと感じたからだ。
 それは今も変わらないし、おそらく長嶋さんのような俳句の接し方は有りだと思う。
 けれど、長嶋さんの回で司会を務めていた岸本葉子さんが最後まで何か違和感を感じるような困惑した表情を消せなかったように、その他の選者である宇多喜代子さんや井上弘美さんの鑑賞の仕方の方が落ち着いてしまうのはどうしてだろう。

 俳句は季語や定型やさまざまな制約を持つ文芸である。
 その制約を破ろうとする人たちが出てくるのは仕方がないし、それでいいと思う。
 しかし、制約があるからこそ俳句を面白いともいえる。
 長嶋さんの俳句はちょっと線を越えたところにある。
 それをどう味わうか、人それぞれだろう。
  
(2020/03/17 投稿)

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 先日の3月14日の土曜、
 東京で
 観測史上最も早い
 桜の開花宣言がありました。
 畑の横を流れる鴻沼川沿いの桜は
 ようやく蕾が膨らみかけた程度ですが
 一輪だけ
 桜の花を見つけました。

  20200315_101400_convert_20200315150959.jpg
  
 一輪だけでも
 うれしくなる春の便りです。

 東京で開花宣言が出た同じ日
 都心でも雪が降りました。
 「春の雪」は季語にもなっていて
 傍題に「淡雪」とか「牡丹雪」とかも
 あります。

    にわとりの卵あたたか春の雪        小西 昭夫

 この「春の雪」には
 「桜隠し」という奇麗な傍題もあって
 桜が咲く時期に降る雪をそう呼ぶそうです。
 土曜の雪は
 少し早めの「桜隠し」だったのでしょう。
 こちらは今満開の
 ハナモモ

  20200313_120620_convert_20200315150928.jpg

 濃いピンクの花が
 とてもきれい。

 畑にも春の気配はさまざまあって、
 まずはソラマメの花が
 咲きました。

  20200313_105007_convert_20200315150703.jpg

 エンドウとかの白い花とは
 少し違った形をしています。

 これはいくつか白い花をつけた
 スナップエンドウ(左)と
 キヌサヤ(右)です。

  20200315_111950_convert_20200315151052.jpg

 まわりを囲っているのは
 アブラムシよけの銀色テープです。

 こちらは
 うれしくない春の気配。

  20200313_112642_convert_20200315150805.jpg

 タマネギのそばに
 いくつかのアリの穴が出来ています。
 いよいよアリも活発に動き出す
 そんな季節になります。

 3月13日(金曜)には
 ジャガイモを植えた隣の区画に
 ミニレタスカラシナラディッシュといった
 葉物野菜の種を蒔きました。

  20200313_114419_convert_20200315150846.jpg

 写真の右半分、
 水をあげて色がちがっているところです。

 この週末には
 鴻沼川沿いの桜も
 咲きだしているかもしれません。
 校庭の桜が咲いても
 子どもたちがいないのは
 寂しいですが。

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プレゼント 書評こぼれ話

  新型コロナウイルスの影響で
  当初今日3月15日までの休館予定だった
  さいたま市の公共図書館ですが
  先日休館期間を
  3月いっぱいまで延期すると
  発表がありました。
  これでまるまる一ヶ月お休みすることになりますが
  子どもたちが絵本を読んだり
  借りたりできないのも
  かわいそうに思います。
  本当に早く収束してもらいたいものです。
  気分も落ちてくるので
  こんな時こそ
  明るい絵本で
  盛り上げたい。
  今日の絵本は
  山下洋輔さん文、
  長新太さん絵の
  すこぶるごきげんな作品です。
  『ドオン!』。
  さあ、元気を出して。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  みんなでドカドカドカやりませんか                   

 絵本を読むと賢くなるかどうかわかりませんが、知識が増えることはあるでしょう。
 それよりも物語にわくわくする気持ち、うれしかったり、怒ってみたり、泣いたりすること、そういうことを絵本は教えてくれます。
 でも、やっぱり一番は絵本を読んで楽しくなることではないでしょうか。

 その点、この絵本は読んで楽しくなること間違いありません。
 何しろ文を書いたのはあの有名なジャズ・ピアニストの山下洋輔さんですから、文章にテンポがあります。
 いたずら好きの鬼の子ドンと人間の子どものこうちゃんは、いたずらが高じて家から追い出されてしまいます。
 そんな二人が出会って起こる、大騒動。
 ついにはお父さんもお母さんも、鬼の両親も現れて騒動は大きくなるばかり。
 ページいっぱいに「ドカシャバ ドカシャバ ドカドカドカ!」みたいに音が溢れだします。
 絵を描いたのは、ナンセンス絵本の巨匠長新太さん。
 山下さんの文に負けないぐらい、明るい色の大爆発。
 読んでいると自然と身体が動き出して、足をドンドン、両手でパンパン、気分は最高潮!
 そして、ついに、
 「ドオン!」
 と、弾けます。
 この音はみんながそれぞれ出してした音が一つに合った時のもの。
 つまりは、仲良しのしるし。

 この絵本を読んで、子どもたちの笑顔がそれこそ「ドオン!」となれば、いうことありません。
  
(2020/03/15 投稿)

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  今日はホワイトデー
  2月のバレンタインデーのお返しをする日。
  バレンタインデーは「歳時記」に載っていますが
  「ホワイトデー」はまだ載っていません。
  そういえば
  「男はつらいよ」の寅さんは
  バレンタインデーにチョコレートを
  もらったことがあったのでしょうか。
  寅さんのことだから
  もしもらっていたら
  ホワイトデーのお返しもさぞ大げさなものに
  なったでしょうね。
  とらやの草団子っていうわけにはいかないかな。
  今日は
  川本三郎さんが監修をされている
  『知識ゼロからの寅さん入門』。
  この本で
  「男はつらいよ」を復習するのも
  いいですよ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  わかりやすいのが一番だよ                   

 2019年も押し詰まった12月27日、「男はつらいよ」50作めとなる「お帰り寅さん」が封切られた。
 主演の渥美清さんが1996年に亡くなってから20年以上経つ。
 寅さんを演じる俳優がいないのだから、どんな作品に仕上がっているのか、楽しみでもあり不安でもあった。
 「男はつらいよ」というタイトルではあるが、寅さんの甥っ子満男(寅さんの妹さくらの息子)の恋物語で、作品としてはよく出来ていたと思った。
 そして、何よりもこの映画をきっかけにして、「男はつらいよ」関連本が多く出版されたのがうれしい。
 この本のそんな中の一冊で、映画評論家の川本三郎氏が監修をしている。
 書いたのは岡村直樹氏、藤井勝彦氏の二人。
 「知識ゼロからの」「入門」とタイトルにあるぐらいだから、過去封切られた作品の細部までよく眼が行き届いているように感じた。

 「男はつらいよ」の第1作が上映されたのが1969年だから実に半世紀前。
 渥美清さんが最後に演じた第48作「寅次郎紅の花」の上映が1995年だから、これにしても20年以上前のこと。
 日本映画の金字塔ともいわれる作品であっても知らない世代が増えているのは間違いない。
 そういう人たちにとって、「男はつらいよ」がどんな映画であったか、車寅次郎が何故多くの日本人に愛されたか、まさにそういうところから、文章だけで語るのではなく、豊富な図版も駆使しながら、わかりやすく解説している。

 思えば「わかりやすい」というのが、映画「男はつらいよ」の一番の魅力だったかもしれない。
  
(2020/03/14 投稿)

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  今日は昨日の朝ドラつながりで。
  現在放映中の朝ドラ「スカーレット」も
  いよいよ終盤で
  感動の回が続いています。
  そして、次の102作めの朝ドラは「エール」。
  そのモデルが今日紹介する
  五十嵐佳子さんの
  『金子と裕而』の古関裕而さん。
  なので
  この本は朝ドラのための
  予習のようなものです。
  といっても
  私は予習本はすでに2冊めですね。
  早くも
  次の朝ドラが楽しみで
  しょうがありません。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  こんな素敵な名前だからこそ                   

 最近は減っているようだが、一頃子どもに「キラキラネーム」をつけるのが流行っていた。そういう名前は小さい頃はよく似合っているが、年を重ねていくと違和感が出てくるのではないかと懸念していたがどうだろう。
 「金子」(きんこと読む)といい名前はよく見るとこれ以上の「キラキラネーム」はないような気がする。何しろ「金」、ゴールドだもの。
 そんな名前がついた女性が、愛知県豊橋にいた。明治45年に生まれた女の子だ。
 幼い頃は「かねかね、コガネムシ」や「金庫番」などとからかわれたという。
 ただ中国の人からは「高貴で縁起が良くて素晴らしい」と褒められたらしい。
 そんな金子さんは成長して後、まさに金のような男性と結婚することになる。
 それが裕而さん。
 夏の高校野球の定番「栄冠は君に輝く」や1964年の東京オリンピックの行進曲など数々の名曲を作曲した、古関裕而である。

 この小説は裕而の妻となった金子の視点で描かれた二人の物語である。
 二人が結婚するまでの経緯が現代とかなり違って面白い。
 裕而は明治42年福島に生まれた。
 若い頃から作曲家を目指していた福島の裕而の元にある日会ったこともない愛知の女性から手紙が届く。裕而があるコンクールで入賞した、それを祝う内容だった。
 名前は金子。さぞかし裕而は驚いたに違いない。
 しかし、彼は律儀に返事を返す。
 それをきっかけにして、二人は何度も文通を重ね、それが恋になり、ついには結婚にまで至るのであるからすごい。

 戦中戦後と古関裕而の曲にどれだけ多くの日本人が癒されたことだろう。
 まさに彼女は名前の通りの人生を歩んだ女性なのだ。
  
(2020/03/13 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  「ゲゲゲの女房」は
  2010年上半期に放送された
  NHKの朝ドラです。
  漫画家水木しげるさんの奥さん武良布枝さんの
  同名エッセイを原案に作られたもので
  それまで低迷していた朝ドラ復活の
  きっかけとなった作品です。
  そのドラマを見ていなかったのですが
  秋から冬にかけて
  再放送がされて
  やっと見ることがことができました。
  そこで
  あらためて水木しげるさんの人生が気になって
  手にしたのがこの本。
  『ねぼけ人生』。
  いやあ、なんともうらやましい生き方でしょう。
  こんな時代だから
  余計にそう感じるのかもしれません。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  落ちこぼれは別の世界の優等生かも                   

 漫画家水木しげるさんが亡くなったのが2015年秋。93歳のご長寿の全うだった
 自身がその半生を綴ったこの本の初版は1982年ですから、1922年生まれの水木さんが60歳の時。
 水木さん自身の中にもそろそろ半生を振り返ってみてもいいかと思う気持ちがあったのかもしれない。

 それにしても、なんと面白い人生でしょう。
 小さい頃からずっとはみだし者で、働きだしても役に立たず。軍隊に行ってもやっぱりダメで、しかも片腕さえも失ってしまう。
 漫画家になっても売れず、売れ出したと思えば冴えないアシスタントの世話もする。
 読みながら何度笑ったことでしょう。
 それでもそんなアホでねぼけた人生を、水木さん自身が楽しんでいるのですから、そこがすごい。
 普通なら落ち込んだりするのでしょうが、そうでないのが水木さんのすごさです。
 そして、そんな水木さんをまわりの家族、両親であったり兄弟であったり、奥さんであったりお子さんさんだったりがちっとも蔑んでいないというのもすごい。
 この親にしてこの子ありかもしれないが、なんとも大らかな家族である。

 水木作品は妖怪まんがと言われますが、実は単に怖いだけのホラーではなく、もっと人間の根幹のようなものが描かれているような気がする。
 だから、一時的な流行ではなく、水木さんが亡くなっても鬼太郎は新しくアニメとなって復活したりする。
 そういう人間のおおもとにあるものを水木さんは学校とか職場とか軍隊といった組織ではなく、そこからはみだした世界から学んでいたにちがいない。
  
(2020/03/12 投稿)

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 またあの日あの時がめぐってきました。
 2011年3月11日14時46分。
 東日本大震災が起こりました。
 あれから9年。
 もしかしたら、
 今年の春があれ以降もっともつらい春に
 なっているかもしれません。
 新型コロナウイルスの影響で
 追悼式も中止になりました。

 あの日以降
 あの年の春は悲しくつらいものになりました。
 卒業式もできなかったところもあります。
 被災地だけでなく
 多くの場所でたくさんのイベントが中止になりました。
 そして、今年もまた。
 いつもなら
 希望にあふれているはずの春なのに
 どうしてとつい思ってしまう。
 それで
 池澤夏樹さんが2011年9月に出した
 『春を恨んだりはしない』を
 読み返しました。

  

  春を恨んだりはしない

 これはヴィスワヴァ・シンボルスカという人の
 「眺めとの別れ」という詩に出てくる一節です。
 でも、
 あの日の、そして今年の
 私たちの心のつぶやきのようでもあります。
 池澤夏樹さんはこの詩の紹介のあと
 こんなことを綴っています。

   我々は春を恨みはしなかったけれども、
   何か大事なものの欠けた空疎な春だった。
   桜を見る視線がどこかうつろだった。

 池澤夏樹さんのこの本は
 東日本大震災をめぐって書かれた
 いくつかの文章でできています。
 「あの日、あの後の日々」と題された文章では
 あの日の池澤夏樹さんがどこで何を体験したかが
 綴られています。
 誰もがあの日の記憶を持っていることでしょう。
 追悼式はないけれど
 今こんな春だからこそ
 もう一度あの日と、あの後の日々を
 思い出してみたいと思います。

 中に「政治に何ができるか」という章が
 あります。
 その冒頭の文章。

   政府の動きについてさまざまな不満が表明されてきた。
   緊急の場合だからすべきことは多いのに
   実際には何もできていない。
   打つ手がどれも見当違いで、国民の生命と財産を危険にさらし、
   不安をあおっている。

 これは東日本大震災についての記述です。
 でも、これを今の新型コロナウイルスのこととして読んでも
 まったく同じ印象を受けないでしょうか。

 春を恨んだりはしない。
 どこから発生したかわからない病原菌を
 恨むこともできない。
 それでも
 つらい。
 悲しい。

 東日本大震災から9年。
 私たちは再び大きな瀬戸際にいるように
 思います。

 負けるな、わたしたち。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今1本の映画が封切られています。
  新型コロナウイルスの影響で
  映画館に行くのがためらわれて
  観ずにいます。
  映画のタイトルは「Fukushima50 フクシマフィフティ」です。
  原作は門田隆将さんの『死の淵を見た男』。
  3月4日の朝日新聞
  作家の池澤夏樹さんが連載エッセイ「終わりと始まり」で
  この映画を観た感想を
  載せています。
  「役者がうまいこともあるけれど、
  実際こうだったのだろうと思わせるリアリティーがある」としながらも
  2号炉が決定的に壊れなかった
  その説明がなかったと書いています。
  「偶然のおかげで」「この国そのものがかろうじて生還したのだ
  「我々はそれを忘却している
  安心してこの映画を観られるのは
  いつになるのか。
  今日は2018年に書いたものを
  再録書評で。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  あの日あの場所で戦い続けた人たちの物語                   

 泣いてはいけない、そう思っていた。
 この作品、2011年3月11日に起こった東日本大震災をきっかけにして起こった福島第一原子力発電所の事故とその危機迫る現場で何が起こっていたかを描いたノンフィクション作品は、原子力エネルギー政策に走ったこの国の政治と多くのことを利益優先で怠った東京電力という大企業が為した結果を冷静に読まないといけないと思いつつも、全22章の最後の3つの章、「家族」「七千羽の折鶴」「運命を背負った男」に至ると、もう涙が止まらなかった。
 人災とまでいわれる原発事故。あれから7年の歳月が過ぎても故郷に帰れない多くの避難者がいる現実。あれだけの事故があってもまだ原子力はこの国の重要なエネルギー源であり、経済の資源であり続けている。
 そういう批判の描き方はさまざまあるだろうが、この作品で描かれているのは原発事故の「悲劇の実態」だけではない。
 その「悲劇」に命をかけて挑んだ人たちの物語がここにある。

 あの日刻々で変化していく福島第一原発はまるで悪魔の生き物であった。
 それに挑んだ吉田昌郎氏(彼はこの時所長という立場で現場を指導。しかし、この本が刊行されたあと、2013年7月、58歳で死去)をはじめとした東電の社員、協力会社の人たち、自衛隊の隊員たち、彼らは死の恐怖に直面しながらも、必死になって最大規模の事故だけは防ごうとした。
 その思いを著者の門田氏は「何か」と書いた。
 「それが使命感なのか、責任感なのか、それとも、家族と故郷を守ろうとする強い思いなのか」、それでも表現できない「何か」。
その「何か」は福島第一原発だけではない。
 東日本大震災に直面した多くの日本人の心に宿った、「何か」だったと思う。
  
(2018/03/10 投稿)

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 新型コロナウイルスの感染拡大で
 イベントの中止だけでなく
 日常生活もかなり制約されてきたように感じます。
 そんな中、
 私が利用しているシェア畑から
 対応方針を伝えるメールが届きました。
 それによると
 菜園は屋外であること、
 また一度に大人数の人が密集することがないことから
 営業は継続するとのことです。
 菜園には収穫を待つ野菜もあるし、
 あまり放っておくと
 トウ立ちをしてしまうこともあります。

  20200306_105853_convert_20200306170917.jpg

 写真はトウ立ちして
 菜の花まで咲いてしまったハクサイです。
 これはこれで珍しいですが
 やはり口に入るのが
 一番です。

 3月6日から
 今シーズン2回めの講習会も始まったのですが
 これも来園が心配な人のために
 講習内容を動画配信にしてくれました。
 私は
 しっかりマスクをして
 菜園の講習会に参加しました。
 参加者が予想以上に多かったのは
 意外でしたが。

 今回の講習は
 夏野菜の苗が届く5月上旬までにしておく
 畝づくりの話。
 そうはいっても
 春に採れる野菜たちは
 まだ少し時間がかかるのですが。

 これはソラマメ

  20200306_111037_convert_20200306171011.jpg

 もう少ししたら
 花が咲きそうだし、
 背丈も伸びていきます。

 これは畑の端っこに植えた
 ネギ

  20200306_104526_convert_20200306170813.jpg

 順調に大きくなっています。

 そして、
 イチゴ

  20200306_111123_convert_20200306171049.jpg

 観光地のイチゴ農園では
 お客さんが減って大変なようです。
 わたしのイチゴには
 どんなかわいい実がつくやら。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  いわさゆうこさんの
  『やさいノート』という本を
  紹介します。
  書評にも書いた
  「やさいをおいしく食べるために知っておきたい
  「やさい7か条」を
  忘れないために書き留めておきます。

   ① やさいをしっかりかんさつしよう
   ② しゅんのやさいを食べよう
   ③ 近くでとれたやさいを食べよう
   ④ 安心、安全にそだったやさいを食べよう
   ⑤ シンプルなあじつけで、まるごと食べよう
   ⑥ やさいがくれる力を知って食べよう
   ⑦ かんしゃして食べよう

  やさいって本当に素敵です。

  じゃあ、読もう。

 

sai.wingpen  絵本というより、これはもう図鑑                   

 「広辞苑」で「絵本」を調べると、「挿絵のある書籍」とまず出てきます。
 そのあとに「絵を主体とした児童用読み物」とありますが、こちらの方が私たちが日頃読む「絵本」に近いように思います。
 では、「図鑑」はどうでしょう。「写真や図を系統的に配列して、解説を加える書物」とあります。
 「知ってとくする 食べておいしい」と副題のついたいわさゆうこさんのこの本の場合、絵本というより図鑑の方がぴったりくるような気がします。

 なんといってもその情報量の多さです。
 最初に出てくる「トマト」の場合、主な産地や料理の方法、リコピンの効用まで載っています。わずか1ページの中に子供たちが知るには十分な情報がはいっています。
 しかも、赤いトマトはいわささんの絵で描かれています。(この本にはいわささんの絵だけでなく写真も使われています)
 この本一冊あれば、野菜の栽培にも、食べる時の一口メモにも便利なこと間違いありません。

 紹介されている野菜は主だったものはほとんど載っています。
 さらには「京やさい」や「加賀やさい」「沖縄のやさい」といった地域独特なものや、しいたけなどのキノコ類、ミントやタイムといったハーブ類、さらに山菜まで網羅されていますから、これはもうりっぱな「図鑑」です。

 おしまいは「やさいをおいしく食べるため」の「やさい7か条」まであるこだわりよう。
 こんな本が一家に一冊あれば、野菜生活も楽しくなります。
  
(2020/03/08 投稿)

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  今日3月7日は
  メンチカツの日らしい。
  関西ではメンチのことを
  ミンチと呼ぶそうで
  (私にはそんな記憶はないのですが)
  ミ(3)ンチ(7)の語呂合わせで
  そうなったらしい。
  ちなみに
  5月6日はコロッケの日、
  10月1日はトンカツの日、
  らしい。
  そこで今日は
  メンチカツの日のお祝いで
  東海林さだおさんの
  『メンチカツの丸かじり』を
  再録書評
  紹介します。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  サッカーカツはないのか                   

 待ってました! 
 東海林さだおさんの人気シリース「丸まじり」の最新、38巻めは「メンチカツ」です。
 メンチカツ、好きなんです。
 だから、思わずかじっちゃう。
 読者とすれば、待ちに待たされたのですから、かじるくらいしても、東海林さんは怒らないと思います。
 このシリーズはまず「あれも食いたいこれも食いたい」というタイトルで「週刊朝日」に連載されます。その後、「丸かじり」となって単行本化されるのですが、この38巻めの初出は2014年1月から10月。うむ。ここで、ハタと考えこんでしまった。
 2014年って、どんな年だった?
 ええと、えーと、しばらく考えたけど何も浮かばないのは、年のせい?

 そこで調べました。
 ソチオリンピックがあった年。ソチってどこ? そっち。
 多分関西人なら一度ぐらいはこんなこと言ったにちがいない、冬季オリンピック。羽生結弦選手は金メダルとったんだ。
 ところが、「丸かじり」には毎年恒例の新宿・京王デパートの「元祖有名駅弁大会」の記事はあってもソチはない。こういうのって、処置なし(ソチ、なし)というのかな。
 もう一つ、大きなイベントがありました。
 サッカーのワールドカップ。
 これはさすがに東海林さんも「サッカー好き? サッカー嫌い?」というタイトルで書いてます。
 でも、なんだかそれほど熱狂していないのが、いい。
 とりあげられているのが、「日清焼そばU.H.O.」というのも、いい。
 東海林さん、苦手なものはこういうスカシ方、割とする。
 ワールドカップ関連では「サッカー狂乱す」というタイトルでも書いてます。

 案外時事ネタはいってないな。
 では、メンチカツはどうなんだというと、「ガンバレ! メンチカツ」と、サッカーとは大違いのタイトルになってます。
 ところが、ここではトンカツとハムカツ、それにメンチカツとコロッケ比較となっていて、東海林さんの好みはどうもメンカツではなさそうなのだ。
 ハムカツに好意を寄せる東海林さんではありますが、それでも「ガンバレ!」となるのは、こういうコロモ系の食材が好きなんだろうな。
 きっとサッカーカツでもあれば、もっと応援したにちがいない。
  
(2016/01/09 投稿)

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  新型コロナウイルスの影響で
  人間のさまざまな面が露呈しているように
  感じます。
  デマや噂、マナー不足、独断と偏見、
  一体そういったことに
  先人はどう向き合ってきたのか。
  そういえば、カミュに『ペスト』という
  感染病と戦う人たちの物語があったことを思い出して
  読み始めました。
  ちょうどそんな3月3日の
  朝日新聞朝刊にこんな記事が出ました。

    小説「ペスト」注文殺到
    感染拡大で? 1.4万部増刷

  私のようにカミュの名作を
  思い出して読んでみようと思う人も多いようです。
  作品の中に
  ペストと戦う医師リウーのこんな言葉があります。

    ペストと戦う唯一の方法は、誠実さということです。
  
    つまり自分の職務を果たすことだと心得ています。

  こんな時期に
  何よりも優先させないといけない会議を欠席した大臣など
  誠実さに欠けるというしかありません。
  これぞ長編小説という作品、
  中高生だって読めるはず。
  学校行けなくても学べることは
  たくさんあると思います。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  新型コロナウイルスが拡大している今こそ読むべき名作                   

 この長編小説は、44歳という若さで1957年にノーベル文学賞を受賞したアルベール・カミュが1947年に発表し、不条理小説として世界中の読書を惹きつけた作品である。
 カミュは1913年に生まれたフランス文学者だが1960年不慮の自動車事故で47歳で亡くなっている。
 個人的な思い出として、私は1955年生まれだが、この長編小説が新潮文庫のラインナップにはいったのが1969年、つまり私が14歳の頃で、当時新潮文庫版のカミュ作品は銀色の素敵な装幀(麹谷宏)でそれでカミュの作品を揃えるのがたまらなくうれしかったものだ。
 その頃読んだ作品の何ほども記憶していないのだが、ずっと残っていたのはいい作品だったという獏とした、けれど作品の評価としては侮れない、印象である。

 そんな作品をほぼ半世紀近く経って読み返すことになったきっかけは、2020年になって日本だけでなく世界中に広がった新型コロナウイルスだ。
 カミュが書いた「ペスト」という感染病は「黒死病」とも呼ばれ、世界史の中でも数度最近よく耳にするパンデミック(全地球規模の流行)を引きおこしている。
 そのペストに襲われ、外部と遮断された街にあって奮闘する人々を描いた作品ともいえるし、ペストを描くことで死んでゆく恐怖と対抗するも敗れていく人間の哀れを描いたともいえる。

 主人公として果敢にペストと戦う医師がいるが、長編小説であるからさまざまな人間が、彼らは一様な人生を歩んできたわけでも、また死の感染病に向かう姿勢もまちまちであるから、読者によっては医師以外で気になる人物も出て来る。
 この長編小説は決して読みやすい訳ではない。しかし、最後の最後に医師が直面する友人の死妻の死など劇的な構成の巧みさは読ませる。

 ペストはある日突然広がり、ある日収束を迎える。その期間はほとんど半年。医師たちの努力はあったが、その収束の理由はよくわからない。
 人間が勝ったのではない。
 長い物語の最後にこう記されている。
 「人間に不幸と教訓をもたらすために、(中略)どこかの幸福な都市に彼らを死なせに差向ける日が来るであろうということを。」
  
(2020/03/06 投稿)

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  今日は二十四節気の一つ、
  啓蟄
  暖かくなって
  冬眠していた虫たちが出てくる頃。

     啓蟄や鞄の中の電子音      長嶺 千晶

  今年は
  穴から出た虫たちも
  地上の感染病に
  また土の中に戻りたいかもしれません。
  そうはいっても
  春のいい季語。
  俳句気分になったところで
  今日は
  堀本祐樹さんとねこまきさんの
  『ねこのほそみち』を
  紹介します。
  ちょっと前に紹介した
  『ねこもかぞく』より前に出た
  本です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「猫の恋」という春の季語が好き                   

 猫派? 犬派? とはよく聞かれる質問だ。
 どちらも苦手だ。吠える(猫は鳴くだが)し、噛む、引っ搔くというのは苦手だ。
 それでもかつて犬を飼ったことがあるのは、昭和の頃はテレビなどで犬が主人公のドラマをしていたせいかもしれない。
 最近は猫の勢力も増しているように感じるが、どうだろう。

 気鋭の俳人堀本祐樹さんが猫を詠んだ俳句を選び、それに短い解説とかエッセイを書く。同時に夫婦ユニットのイラストレーターねこまきさんがその俳句に誘発された漫画を描く。
 その数88句。
 タイトルの『ねこのほそみち』はもちろん俳聖松尾芭蕉の『奥の細道』からもらったものだろうが、芭蕉の句は入っていない。
 俳句の大衆化ともいえる小林一茶から「猫の飯相伴するや雀の子」など3句が採られているが、猫もそのあたりから大衆に愛されていったのだろうか。

 残念ながらこの本には採用されていないが、猫といえば夏目漱石も忘れてはいけない。
 正岡子規と交友を結んで数多くの俳句も残した漱石だから猫の句もある。
 「時雨るゝや泥猫眠る経の上」。
 漱石の俳句の先生でもあった正岡子規は2句載っている。

 猫好きの俳人が多いというよりも猫好きの人が増えたことで俳句に詠まれることも多くなったということだと思う。
 そんな句を鑑賞する上で、「読み手の気持ち一つで、俳句は色合いを変える」という堀本さんの言葉が感銘を呼ぶ。
  
(2020/03/05 投稿)

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  今回の芥川賞
  第162回でしたが
  さて前回の受賞作はとすぐには思い出せず
  記憶に残っているのは
  第158回の若竹千佐子さんの
  『おらおらでひとりいぐも』まで
  とんでいきました。
  今回の受賞作
  古川真人さんの『背高泡立草』も
  覚えていられる自信はありません。
  それにしても
  もう少し、いいタイトルを
  つけられなかったのかな。
  昔石原慎太郎さんが何かの新人賞の選評で
  タイトルにも神経をそそぐように
  言っていたことを
  思い出します。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  賞は授けるためにあるのであって                   

 第162回芥川賞受賞作。(2020年)
 正直これが令和という新しい時代の新しい(新人という意味ほどの)作品だろうかと感じた。
 選評を読んでも、選考委員のこの作品に対する熱を感じない。
 小川洋子委員が「最初の投票のあと、議論を重ねてゆく中で」この作品が「不思議な静けさをたたえて浮上」と書いているが、それは選考会の気分ということなのだろうか。
 あるいは、島田雅彦委員の「今回は危うく受賞作なしになりそうだったが、賞は授けるためにあるのであって」という意見はそうなのだろうか。
 今回の選評の中で松浦寿輝委員の「結局はただわからぬまま書いているように見える」は過酷だが、今は亡き中上健次との比較はそのとおりであろう。
 つまり、中上の作品と比べて、この作品は「いかにもフラット」とある。

 この作品は長崎平戸の小さな島を舞台に、現在と過去が交互に描かれる手法を取っている。
 つまりはその土地が持っている地の縁が描かれているのだが、現在の時制で描かれる草刈りをする家族のありさまが何も浮かんでこないのだ。
 むしろ彼らはこの土地の地霊ともいえる過去の人々を呼び戻すための巫女たちだったのだろうか。
 読んでいる途中で、中上健次の作品との既視感が出てきて、中上の芥川賞受賞作を再読したくなったりしたのは、ある意味、この作品のありようと皮肉にもリンクしているようであった。

  確かに「賞は授けるためにあるのであ」るかもしれないが、それだけでいいのだろうか。
  
(2020/03/04 投稿)

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  今日はひな祭り

    吸物に手毬麩ふたつ雛の日      能村 研三

  目黒雅叙園にある百段階段で開催されていた
  「百段雛まつり 2020 ~出雲・因幡・萩 ひな紀行~」も
  新型コロナウイルスの影響で
  会期が短縮され
  3月1日で終了してしまいました。
  なんとか開催されている期間に見れたので
  よかったですが
  さまざまなところに影響が出ています。
  これは今回の展示にあった
  大嘗祭の衣服をまとったお雛さまです。

   20200222_115942_convert_20200301100023.jpg
  
  オリンピックもどうなるか
  不透明ですが
  今日はかつて1932年のロサンゼルスオリンピックで
  金メダルを取った
  西竹一を描いた伝記小説
  『硫黄島に死す』を紹介します。
  作者は城山三郎さん。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  バロン西を知っていますか                   

 子供の頃、ちょうど昭和39年の東京オリンピックのあたりでしょうか、オリンピックの感動秘話としてよく聞いたのが、1936年のベルリンオリンピックの棒高跳び競技で大江選手と西田選手がお互い譲らず、銀と銅メダルを獲得、その後そのメダルを合わせて「友情のメダル」とした話です。
 その次あたりによく聞いたのが、1932年のロサンゼルスオリンピックの馬術障害飛越競技で金メダルに輝いた西竹一のことかもしれません。
 バロン西と呼ばれ、太平洋戦争期に硫黄島で戦死した人物です。
 城山三郎が昭和38年の「文藝春秋」11月号に発表したこの短編小説は、この西竹一を描いた伝記小説で、翌年には文藝春秋読者賞を受賞しています。

 文庫本にしてわずか60ページ弱の短編ながら、実によくできた作品です。
 城山三郎はこの後『男子の本懐』や『落日燃ゆ』といった長編の伝記小説を数多く発表していますが、この作品は短編ながら実に的確に戦争期に軍人といて生きた西中佐の心構え、あるいはともにオリンピックを戦った愛馬ウラヌスへの想い、そして残していく家族への切ない愛情が淡々と描かれています。
 若い見習士官を介して、西の思いが語られていく手法も見事です。

 オリンピックの際に「勝たなくては」とあせる日本チームに対して、城山はどこか達観したフランスの老少佐を置くことで、冷静な目で当時の日本人を見つめています。
 それは決して自虐ではありません。
 何故なら、アメリカ軍の「ニシさん、出て来い!」という呼びかけにも応えず自死の道を選んだ西竹一を、当時の一人の日本人として敬慕の念で描いているからです。

 城山文学に欠かせない一篇です。
  
(2020/03/03 投稿)

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 三月になって
 日差しも春めいてきましたが
 新型コロナウイルスの影響で
 今日から学校がお休みという子供たちも
 多いのではないでしょうか。
 せっかくいい季節なのに
 外出を控えましょうといわれるのもつらい。
 街には
 春の草花が顔をのぞかせているというのに。
 これは
 近所で見かけた木蓮

  20200229_140228_convert_20200301100212.jpg

 もう少ししたら満開です。
 こちらはつくし

  20200229_140123_convert_20200301100108.jpg

    一握りとはこれほどのつくしんぼ      清崎 敏郎

 学校に行けなくなっても
 学習の機会は
 いたるところにあります。

 今日は
 珍しい野菜を紹介します。
 これです。

  20200301_160904_convert_20200301171906.jpg

 あまり見かけない野菜です。
 私も頂いたのですが
 これは祝蕾という野菜です。
 アブラナ科の一種で高菜と同じ仲間で
 一般的には子持ち高菜と言われている野菜だそうです。
 何しろ名前がいいですね。
 祝う蕾。
 春らしい名前です。

 同じアブラナ科の野菜で
 これは畑で育てている
 茎ブロッコリー

  20200301_145144_convert_20200301171818.jpg

 今が盛りのように
 たくさん収穫できました。

 そして、
 早くもスナップエンドウに花が咲き始めました。

  20200301_141945_convert_20200301171635.jpg

 かわいい白い花です。
 俳句で「豆の花」という場合、
 多くは春咲きのエンドウ
 ソラマメの花をいうと
 「歳時記」にあります。

    父母に戦後ありけり豆の花      押野 裕

 この句の豆は
 エンドウかしら。
 ソラマメかしら。

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