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プレゼント 書評こぼれ話

  今日はひな祭り

    吸物に手毬麩ふたつ雛の日      能村 研三

  目黒雅叙園にある百段階段で開催されていた
  「百段雛まつり 2020 ~出雲・因幡・萩 ひな紀行~」も
  新型コロナウイルスの影響で
  会期が短縮され
  3月1日で終了してしまいました。
  なんとか開催されている期間に見れたので
  よかったですが
  さまざまなところに影響が出ています。
  これは今回の展示にあった
  大嘗祭の衣服をまとったお雛さまです。

   20200222_115942_convert_20200301100023.jpg
  
  オリンピックもどうなるか
  不透明ですが
  今日はかつて1932年のロサンゼルスオリンピックで
  金メダルを取った
  西竹一を描いた伝記小説
  『硫黄島に死す』を紹介します。
  作者は城山三郎さん。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  バロン西を知っていますか                   

 子供の頃、ちょうど昭和39年の東京オリンピックのあたりでしょうか、オリンピックの感動秘話としてよく聞いたのが、1936年のベルリンオリンピックの棒高跳び競技で大江選手と西田選手がお互い譲らず、銀と銅メダルを獲得、その後そのメダルを合わせて「友情のメダル」とした話です。
 その次あたりによく聞いたのが、1932年のロサンゼルスオリンピックの馬術障害飛越競技で金メダルに輝いた西竹一のことかもしれません。
 バロン西と呼ばれ、太平洋戦争期に硫黄島で戦死した人物です。
 城山三郎が昭和38年の「文藝春秋」11月号に発表したこの短編小説は、この西竹一を描いた伝記小説で、翌年には文藝春秋読者賞を受賞しています。

 文庫本にしてわずか60ページ弱の短編ながら、実によくできた作品です。
 城山三郎はこの後『男子の本懐』や『落日燃ゆ』といった長編の伝記小説を数多く発表していますが、この作品は短編ながら実に的確に戦争期に軍人といて生きた西中佐の心構え、あるいはともにオリンピックを戦った愛馬ウラヌスへの想い、そして残していく家族への切ない愛情が淡々と描かれています。
 若い見習士官を介して、西の思いが語られていく手法も見事です。

 オリンピックの際に「勝たなくては」とあせる日本チームに対して、城山はどこか達観したフランスの老少佐を置くことで、冷静な目で当時の日本人を見つめています。
 それは決して自虐ではありません。
 何故なら、アメリカ軍の「ニシさん、出て来い!」という呼びかけにも応えず自死の道を選んだ西竹一を、当時の一人の日本人として敬慕の念で描いているからです。

 城山文学に欠かせない一篇です。
  
(2020/03/03 投稿)

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