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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は二十四節気のひとつ、
  春分
  春の彼岸の中日でもあります。

    春分の日をやわらかくひとりかな      山田 みづえ

  今日を境にして
  昼の時間が長くなります。
  最近の日差しを見てても
  明るく感じます。
  今日は
  高田郁さんの「みをつくし料理帖」シリーズの4作め
  『今朝の春』を
  紹介します。
  春を小説でも
  感じることができる
  一篇です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  友待つ雪ぞ消え残りたる                   

 高田郁さんの人気シリーズ「みをつくし料理帖」の4作め。
 この巻でも四つの料理とともに四つの短編が収められている。
 巻末付録「澪の料理帖」に掲載されている料理名は「ははきぎ飯」(ははきぎというのはほうき草の古い呼び名で、その実は「とんぶり」として知られています)、「里の白雪(蕪蒸し)」、「ひょっとこ温寿司」、そして「寒鰆の昆布締め」。
 最後の料理は鰆を使った魚料理ですが、鰆は魚偏に春と書くぐらいですから春の時期に美味しい魚。
 「踊場に置く手籠から鰆の尾」(西川章夫)と俳句に詠まれることも。

 「ははきぎ飯」が描かれるのは「花嫁御寮」という、この作品集の冒頭の作品。
 そこに登場するのが、主人公澪の想い人である謎の武士小松原の母で、この短編で小松原の素性がはっきりする。
 「ははきぎ飯」は小松原の母の思い出の料理、それを知った澪は「美味しい、というのはただ、味のみで決まるわけではない。その料理に宿る思い出も、美味しいと思う気持ちを大きく左右する」ことを思い知らされる。

 「みをつくし料理帖」の長い物語は、澪と今では吉原の伝説の太夫となっている幼馴染の野江との関係が一つの流れにもなっているが、それもまた思い出に彩られた話である。
 この作品集の第二話「友待つ雪」が澪と野江のエピソード編になっていて、少しずつ野江が吉原にたどりつく話も描かれている。

 そういういくつかの話の流れがそれぞれ面白いから、この作品はあきないのだろう。
  
(2020/03/20 投稿)

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