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プレゼント 書評こぼれ話

  先日CSの「日本映画専門チャンネル」で
  今泉力哉監督の「愛がなんだ」を
  観ました。
  主役のヒロインを演じたのは
  岸井ゆきのさん。
  この作品での評価が高く
  昨年の映画各賞で新人賞を受賞しています。
  その原作が今日紹介する
  角田光代さんの『愛がなんだ』。
  角田光代さんの作品歴でいえば
  初期の作品にはいるのかな。
  映画を観て
  原作を読んでみたいと思っていたら
  さいたま市の図書館の
  電子書籍にあったので
  それで読むことができました。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  角田光代版『夫婦善哉』か                   

 角田光代さんが『対岸の彼女』で第132回直木賞を受賞したのが2005年。
 それに先立つ2003年に発表した恋愛小説がこの作品である。
 2019年に岸井ゆきのさん主演で映画化(監督は今泉力哉)され、10代後半から30代の女性たちに圧倒的に支持されたそうだ。
 最近の角田さんの作風とはちょっと違った雰囲気だが、この作品が映画化で再び脚光を浴びるのもいいかもしれない。

 主人公は28歳でなんとか何をやっているかよくわからない会社の正社員に採用されたばかりのテルコ。
 今テルコが夢中になっているのがマモルという青年。
 熱が出たといっては夜中にテルコを呼び出し、食事を作らせ(というか半分以上テルコが進んで作るのだが)あげくの果てにには帰ってよと追い出すような、テルコの友達葉子に言わされる「おれさま男」、そんなマモルにテルコは夢中なのだ。
 仕事中であろうがマモルからの電話には飛びつくは、呼び出さればいつでも出かける。
 テルコとマモルにも蜜月はあったが、ある時から疎遠になってしまう。
 どころか、マモルは別の女性に恋していて、テルコは時にそんな二人の仲を取り持つことさえある。
 テルコにとってはマモルはそこにいるだけで十分な存在なのだ。

 そんな二人の関係は織田作之助の名作『夫婦善哉』の主役の二人に似ていないか。
 のらりくらりと生きるしかない男柳吉。けれどもそんな男を捨てられない蝶子。
 読んでいてどうして蝶子は柳吉から離れないのか不思議であったが、それは角田さんのこの物語の主人公テルコと同じだ。
 この作品は、角田光代版『夫婦善哉』ではないだろうか。
  
(2020/05/02 投稿)

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