06/14/2020 みんなのせて(あべ 弘士):書評「あべ弘士さんの描く動物たちの賛歌」

今日は
あべ弘士さんの『みんな のせて』という絵本を
紹介します。
これは図書館の児童書のコーナーで
見つけた絵本です。
図書館の書架が解放されて
特に児童書のコーナーを歩いてみられるようになったのが
うれしい。
図書館も明日から閲覧席の使用が解放されます。
ただ密を避けるため
席の数は少なくするようだし、
入館時間も90分と決めているようですが
これはなかなか難しいでしょうね。
一人ひとりの自覚が
コロナ第2波の感染を抑えることが
できるのですから
少し不便でも
もう少しがまんしましょう。
じゃあ、読もう。

あべ弘士さんの絵本が好きだ。
北海道で生まれたあべさんは旭川市の旭山動物園で飼育係をしていて絵本作家になった異色の絵本作家で、木村裕一さんの『あらしのよるに』シリーズの絵を担当して評価を高めた。
その絵は細かいところまで丁寧に描くという画法ではないが、動物たちの命の躍動を感じさせる力強い筆運びがいい。
そこには、動物たちとの共感がある。
人間は人間だけでこの地球に生きているのではなく、動物たちとの共存で成り立っている。
そんな強い意志のようなものを、あべさんの絵本から感じるのだ。
この作品はどちらかといえば幼児向けだろう、北極の駅から特急動物園号が出発するところから始まる。
まずは白クマ一家がご乗車。
夜の雪野原を走って、次の駅サバンナに到着。ライオン一家がご乗車。
キリンたちがいる広い原っぱを抜け、次のジャングル駅に停車。
ここでチンパンジーの大家族が乗車。
深い森を抜けるると、南極駅。ここではもちろんペンギン一家が乗り込む。
そして、目指すは終点動物園駅。
とても簡単なおはなしだけど、最後に書かれた「また、のりたいね。」の一文の通り、もう一度最初の駅に戻って旅をやりなおしたい気分になるのは、やはりあべさんの絵の力といっていいのではないだろうか。
(2020/06/14 投稿)

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