06/18/2020 小倉一郎のゆるりとたのしむ俳句入門(小倉 一郎):書評「俳人としてもすごい人」

昨日は宇多喜代子さんという
れっきとした俳人の本を
紹介しましたが、
今日は俳優小倉一郎さんの
俳句の本
『小倉一郎のゆるりとたのしむ俳句入門』を
紹介します。
俳優が書いた俳句の本ということで
ちょっと油断してました。
これはしっかりした
俳句入門書で
俳句をこれから始めようという人には
おススメです。
俳優の余興とはけっしていえない
これはもう俳人の本です。
じゃあ、読もう。

朝ドラの第102作めとなる「エール」は作曲家古関裕而氏がモデルとなった作品だが、主人公を演じているのは窪田正孝さん。引っ込み思案でどこか頼りない、けれど優しい主人公をうまく演じている。
そんな窪田さんの演技を見ていて、どことなく吉岡秀隆さんを思い出した。「男はつらいよ」の満男を演じた俳優だ。
窪田さんにしても吉岡さんにしても青春期の青年のナイーブな様をうまく演じている。
いや、そういう意味でいえば、彼らの先輩俳優として小倉一郎さんがいるではないか。
市川崑監督の「股旅」という映画で気の弱い青年を演じて秀逸であった小倉さん。
俳優として年を重ねても、どことなくダメな男役が多い。
その小倉一郎さんが書いたこの本は、正統な俳句入門書だったことにまずは驚いた。
小倉さんが俳句を始めたのはもう20年以上前だという。
脚本家早坂暁氏命名による「蒼蛙(そうあ)」という俳号をもつ俳人でもあり、テレビだけでなくカルチャー教室で俳句も教えているという。
すでに句集も何冊か上梓しているという。
この本は「俳句入門」とあるように、きちんとした俳句の入門書で、俳優によるエッセイとは趣きが違う。それでいて、時に自身が世話になった脚本家の話などがはいってきたりして読みやすい。
自身の俳句だけでなく先人の俳人の名句を織り交ぜながらの説明はていねいでやさしい。
「早春や恋もしなくちゃなんないし」、あのナイーブな元青年の小倉さんならではの一句である。
(2020/06/18 投稿)

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