06/20/2020 誰も気づかなかった(長田 弘):書評「詩を読むという贅沢な時間」

今日は
長田弘さんの
『誰も気づかなかった』という詩集を
紹介します。
長田弘さんは福島市の出身で
福島といえば
現在放送中の朝ドラ「エール」のモデルとなった
作曲家古関裕而さんもそうで
結構素敵な人がたくさん出ているのだなと
思います。
そのあたりをうまく活用すれば
観光地としても
活性化できるように思うのですが。
そういえば、
JRの福島駅での新幹線ホームの
発車メロディーは
古関裕而さんの「栄冠は君に輝く」だそうです。
じゃあ、読もう。

詩人長田弘さんが亡くなったのは、2015年5月だから、もう5年が過ぎたことになる。
それでもこうして新しい詩集が出版されるのだから、長田さんのことを好きな読者がたくさんいるということだろう。
長田さんは1939年福島市に生まれた。
この詩集の巻末に掲載されている「著者略歴」によれば、65年に「われら新鮮な旅人」という詩集でデビューしたとある。
私が長田さんの詩を初めて読んだのはいつだったろう。
「世界は一冊の本」や「幸いなるかな本を読む人」といったような、本をテーマにした詩集が出たあたりだったろうか。
今回の新しい詩集には2004年から2010年にかけて、学校関係の新聞に連載されていた詩と、宗教関係の雑誌に掲載された5篇の「散文詩」が収められている。
詩を読むということは、言葉に心をゆだねることだ。
散文とちがって、多くの言葉が書き連ねられている訳ではない。
文字と文字の間に潜む時間を読む解くというような感じすらする。
詩人たちは言葉によって世界を変えられると思わなかったにちがいない。
世界は変わらないかもしれないが、自身は少し動く。
その小さな動きが、風になるかもしれない。そんなことを思ったかもしれない。
詩を読むというのは、現代では贅沢な時間の過ごし方のような気もするが、それぐらいの贅沢は残したいものだ。
(2020/06/20 投稿)

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