
コロナ禍の影響は
テレビのドラマ制作現場に出ていて
NHKの朝ドラや大河ドラマも
放送休止になってしまった。
今年の大河ドラマ「麒麟がくる」も
桶狭間の戦いをもって
休止となりました。
前半はなんといっても
本木雅弘さん演じる斎藤道三がとても魅力的で
しからば
司馬遼太郎さんが
斎藤道三と織田信長を描いた
『国盗り物語』を読んでみようと
思い立った次第です。
今日はその第一巻を紹介しますが
これが滅法面白い。
大河ドラマの放送休止がなかったら
読まなかったかもしれないですから
考えようによっては
休止もよかったといえます。
じゃあ、読もう。

新潮文庫版で4冊となっている長編歴史小説を読むにあたって、まず書誌的な話から書こう。
戦国時代の美濃の武将斎藤道三とその娘婿である織田信長の物語を司馬遼太郎さんが書いたのは、1963年(昭和38年)8月から1966年(昭和41年)6月までで、雑誌「サンデー毎日」に連載された。
ちょうど司馬さんは40歳で、前年には『竜馬がゆく』や『燃えよ剣』の連載も始めていたから、まさに油ののった執筆時期だったのだろう。
連載が終了した1966年には『竜馬がゆく』の完結と合わせ、第14回菊池寛賞も受賞している。
斎藤道三といえば、戦国時代、あるいは下克上の象徴ともいえる武将である。
もとの名は松波庄九郎。
巷間いわれるように京都の油屋の女主人と懇ろとなり、やがて天下をねらう大きな野望を持つようになって、名前も出世のつど変わっていく。
人から「蝮の道三」と恐れられるほどの人物だったから、権謀術数に長けた悪人であったにちがいない。
それでいて、司馬さんが描く道三(司馬さんはこの物語では終始庄九郎と表記したが)は唾棄するほどの悪人ではない。
むしろ、痛快な男として、読者は感情を添えることになる。
例えば、こんな一節。
「庄九郎の人生には目的がある。目的があってこその人生だと思っている。生きる意味とは、その目的にむかった進むことだ。」
こんな男の生き方に昭和40年代の男たちは鵜方どんなに勇気づけられたことだろう。
第一巻となるこの巻では道三がいかにして油屋の主人に納まり、その後美濃にはいって国主土岐頼芸の女までも奪い去る姿が描かれる。
(2020/06/23 投稿)

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