01/07/2021 パンダの丸かじり(東海林 さだお):書評「ゆく年ばかりかな」

新型コロナに揺れた2020年でしたが
そのおわり
12月になって
上野のパンダシャンシャンのうれしいニュースが
入ってきました。
本当なら昨年の12月末をもって
中国に返還される予定でしたが
コロナの影響で
返還の時期が今年の5月末まで
延期されたというもの。
パンダ好きの
よい子の皆さん
よかったですね。
パンダ好きの東海林さだおさんも
よろこんでいるでしょうね。
何しろ
「丸かじり」シリーズの43作めは
『パンダの丸かじり』ですもの。
じゃあ、読もう。

「丸かじり」シリーズも43冊めとなれば、さすがの東海林さだおさんもネタが尽きたか、いくらなんでもパンダは丸かじりできないでしょ!?
いや、食のエッセイの達人東海林さんならパンダでも丸かじりしそうだし、街のパン屋さんを覗けばパンダの顔をした菓子パンはきっとあるだろうから、丸かじりできないわけではない。
ところが、なんと冒頭からいきなり「パンダはかわいい。」ときたから、びっくりした。
続けて、「シャンシャンは特にかわいい。」とくるから、これは黒柳徹子さんが東海林さんを騙ったかと思う人もいるだろうが、ついている絵は東海林さんのタッチだし、一体どうなっているのだ!?
その理由はこのエッセイの連載時期と大いに関係がある。
この本には、「週刊朝日」の「あれも食いたいこれも食いたい」の連載分2018年1月から10月分までが収められているが、上野のパンダに待望の赤ちゃんが誕生したのが2017年6月。そのパンダこそ、シャンシャンで、加熱する人気に初お目見えとなったのがその年の12月も半ば。
すなわち、東海林さんは時事ネタとしてパンダを丸かじりしたという訳。
「丸かじり」シリーズは単においしかっただけの食のエッセイではなくて、時事ネタもあったりして社会問題にもしっかり取り組んでいる。
パンダの他にも「いきなり!ステーキ」なんかのエッセイがあったりする。
あ、この頃脚光を浴びてたんだ、なんて、すでに懐古的。
時の過ぎるのが早すぎて、丸かじりするとのどにつかえそう。
(2021/01/07 投稿)

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