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プレゼント 書評こぼれ話

  今週「成人の日」があって
  なんだか山口瞳さんの「成人の日」のメッセージが
  無性に読みたくなって
  本箱を漁って
  昔読んだ文庫本を見つけました。
  なので、
  今日紹介する山口瞳さんの
  『諸君! この人生、大変なんだ』は
  再読です。
  でも、書評は新たに書きました。
  このブログでは2010年4月1日に
  この文庫を紹介していて
  その時の書評は新入社員向けに書いていました。

    人生は短い。あっというまに過ぎてゆく。
    しかし、いま目の前にいる電車にどうしても乗らなければならないというほどに
    短くはない。

  これは山口瞳さんがある先生に言われた言葉です。
  こういう教えをきちっと守れる人に
  なりたいものです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  還暦過ぎても、この人生、大変なんだ                   

 昭和生まれの人間にとって、「成人の日」はやっぱり1月15日なんですよね。
 朝の新聞に載っているサントリーの広告(ここに載っていた山口瞳さんの文章にどれだけ勇気づけられたことか)、昼過ぎにはNHKの「青年の主張コンクール」を見て(明るい農村のような雰囲気がよかった)、自分も早く大人になりたいものかと思ったものです。
 この文庫には、あの日勇気と励ましをくれた、山口瞳さんの「成人の日」のメッセージだけでなく、「新入社員諸君!」と呼びかけた4月1日の就職したての若者へのメッセージ(これもサントリーの広告ですが)と、山口さんが週刊誌に長年連載してきた「男性自身」から、「酒」や「サラリーマン」や「就職」、それと自身についてのエッセイの選りすぐれが収められています。

 山口さんが二十歳の若者に「人生仮免許」というメッセージを書いたのが1978年1月15日。山口さんは1926年生まれでしたから、この時まだ50歳を少し超えたところ。
 やっぱり山口さんのような「戦中派」の世代の人は、芯がしっかりしていたのでしょうか、言うことがしっかりしています。
 いま、こんなことをいえる大人の人は少ないのではないでしょうか。(私自身をふくめて)
 だから、この文庫に収められた文章のほとんどは、ちっとも古びていません。
 今でも、十分に役立つ。
 それは二十歳であろうが還暦を超えて人であろうと同じです。
 だって、いくつになっても「この人生、大変」なんですから。
  
(2021/01/15 投稿)

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