
今日は二十四節気のひとつ、
大寒。
字の如く、一年で一番寒い頃。
大寒の一戸もかくれなき故郷 飯田 龍太
次の節気は立春ですから
そうはいっても春遠からずです。
そこで、というほどでもないですが
今日は
アガサ・クリスティーの『春にして君を離れ』という作品を
紹介します。
今年最初のアガサ・クリスティー本です。
今年もアガサ・クリスティーの作品を
少なくとも毎月1冊は読もうと思います。
専用カエゴリーも作りました。
さて、今回の作品は
書評にも書きましたが
いつものの霜月蒼さんの
『アガサ・クリスティー完全攻略』では
★★★★★の最高評価を得ている作品です。
ただ、私はもうひとつしっくりきませんでしたが。
じゃあ、読もう。

アガサ・クリスティーといえば、名探偵ポアロとミス・マープルの2人の名前がすぐさま出てくるほど、2人が活躍するミステリーは有名だし、何より面白い。
しかし、それ以外にこの2人が登場しない「ノンシリーズ」がある。
例えば、『そして誰もいなくなった』もそのうちの一作。
さらに、「ノンシリーズ」の中に、アガサがその名前でなく、「メアリ・ウェストマコット」という名前で発表した何作かがある。それらは特に「女性向けロマンス」とも呼ばれたそうで、この作品もそのうちのひとつである。
しかも、この作品は世評が高く、『アガサ・クリスティー完全攻略』という著作のある霜月蒼氏によれば「未読のひとは即座に読むべし」というほどである。
実はこの長編はほとんど同じ場所での同じ人物の回想で進められていく。
主人公のジョーンはバクダッドに住む下の娘が体調を壊して見舞いに出掛けた帰りの途上、悪天候のせいで列車に乗り遅れ、砂漠の中の寂れた宿に一人取り残されてしまう。
テレビもない、手元の本も読んでしまった彼女は炎天下の砂漠に散歩に出るしかない。
そんな彼女の頭をよぎるのは、今まで過ごしてきた夫とのこと、息子と二人の娘との確執、さらにさかのぼって女学生の時の思い出。
つまり、することのない彼女は人生で初めてといえる、自分自身と面と向かい合うことになる。
そして、気づくのだ。自分が正しいと思っていたことが誤りだったと。
しかし、最後に彼女がとった行動というと…、女性の読者なら彼女の気持ちをわかるのだろうか。
女性は愚かなのか、それとも賢いのだろうか。
(2021/01/20 投稿)

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