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プレゼント 書評こぼれ話

  この冬
  私の畑で育てているキャベツ
  たけのこキャベツと呼ばれている品種で
  これは丸くではなく、
  たけのこみたいに円錐形に育っていきます。
  明日のブログで
  最新の写真をお見せしましょうね。
  そして、
  もうひとつが芽キャベツ
  芽キャベツは以前も栽培したのですが
  失敗して
  採れたのが小さい1個だったかな。
  今回はうまくできそうな気配ですが
  どうなるやら。
  そんなキャベツの季節にぴったりの絵本を
  今日は紹介します。
  いわさゆうこさんの
  『きゃっきゃ キャベツ』。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  キャベツ、まるごとドーン                   

 野菜売り場に行くと、どんな季節であってもさまざまな野菜が並んでいます。
 夏野菜の代表でもあるキュウリにしても、寒い冬にも売り場にちゃんと並んでいたりして、野菜売り場で四季を感じることは少なくなりました。
 この絵本で描かれているキャベツもそうで、まるで一年中ありますみたいな顔をして売り場に並んでいますが、本来は冬野菜です。(春になれば、ふんわかした春キャベツがでます)
 なので、せっかくならば、一番おいしい季節に食べるのがいいですね。

 キャベツはアブラナ科の野菜です。なので、冬に収穫しないで春まで放置しておくと、真ん中から茎が伸びてきて、黄色い菜の花が咲きます。
 この絵本でも、おしまいの方で背が伸びて花を咲かせたキャベツが描かれています。
 キャベツの花などは普段あまり見ることがありませんから、いわさゆうこさんの丁寧な細密画は子供たちには貴重な視覚学習となります。

 この絵本では、キャベツの仲間たちも描かれています。
 芽キャベツはかわいいキャベツ、むらさきキャベツはちょっとドキッとする色をしています。
 青汁でおなじみもケールも仲間。
 驚きはハボタンもキャベツの仲間だったこと。食用ではなく観て楽しむもの。花キャベツと呼ばれているらしい。

 まるごとキャベツを手にすると、その重さにうれしくなるかも。
 この絵本を読んで、キャベツが大好きになるといいね。
  
(2021/10/31 投稿)

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 昨日紹介した
 噺家柳家小三治さんの
 『どこからお話ししましょうか』という自伝に
 自身に初恋を語っているところがあります。
 思いを寄せる女の子に
 好きといえなかった自身の姿を
 一本の映画とともに語っている、
 けっこうしんみりするところです。
 今日はその映画、
 「野菊の如き君なりき」の話をしましょうか。

  

 映画「野菊の如き君なりき」は
 1955年(昭和30年)に公開された
 木下恵介監督の代表作のひとつです。
 この年のキネマ旬報ベストテンでは3位にはいっていて
 作品としてもよく出来ています。
 原作は伊藤左千夫の『野菊の墓』。
 15歳の少年政夫と2歳年上の従妹民子の淡い恋を描いた作品です。
 のちに松田聖子さん主演で映画化もされています。

 お互いに好きといえず、
 互いに花に例えて
 「民さんは野菊のような人だ」「僕は野菊が好きだ」なんて
 うーん、じれったい。
 でも、それがいいんですよね。
 ただ周りからいろんなことを言われて、
 政夫は寄宿舎へ民子は他家へ嫁がされていきます。
 有名な小説なので
 その結末は書いてしまいますが
 民子は政夫のことが忘れられず、病に倒れ、
 亡くなってしまいます。
 映画は、73歳になった政夫がすっかり変わってしまった
 故郷に帰ってくるところから始まり、
 少年の頃のことを回想する構成になっています。

 73歳の政夫を演じているのは
 名優笠智衆さん。
 小三治師匠もこの作品で
 「絶対的なファンになっちゃいました」と話しています。
 知らべると
 笠智衆さんは1904年生まれですから
 この作品当時はまだ50歳ほどですが
 なんとも見事な老け役です。
 小津安二郎監督の「東京物語」(1953年)でお父さんを演じた時
 まだ50前ですから
 驚きます。
 今時の俳優さんは若く見せようとしますが
 笠智衆さんは真逆をいく名優だったといえます。
 政夫のお母さん役の杉村春子さんもいい。
 こういううまい俳優がいると
 映画もしまります。

 小三治師匠は
 一番好きな映画と聞かれると
 いつもこの映画を挙げるといいます。
 「私のバイブル」とまで言ってもらえて
 映画の方もうれしいのではないでしょうか。

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  落語家の柳家小三治さんが
  10月7日に亡くなりました。81歳でした。
  柳家小三治さんの印象といえば
  ずっと昔にテレビの人気者だった頃のものがあって
  人間国宝だといわれても
  なかなかピンときませんでした。
  晩年の公演時の様などをテレビで拝見していると
  なんというのか
  あの間というかとぼけた感じがもう名人芸で
  話さなくても面白い、
  そんな域にまで達していたように思います。
  柳家小三治さんには
  とても素敵な自伝があって
  今日は追悼の意味で
  その本を紹介します。
  『どこからお話ししましょう 柳家小三治自伝』。
  じっくり聞いて(読んで)下さい。

  柳家小三治師匠
  ありがとうございました。

  ご冥福をお祈りします

  

sai.wingpen  追悼・柳家小三治さん - 落語は人生の縮図                   

 落語家の柳家小三治さんが10月7日に亡くなりました。
 とぼけた風合いの噺家という印象がありましたが、人間国宝にもなったほどですから落語界の大看板でした。
 その小三治さんが自身の生い立ち、初恋、今でも語り草になっている素人が挑戦するラジオ寄席での15週連続勝ち抜き、高校卒業後大学進学を希望する両親(何しろ父親は小学校の校長でした)のすすめを蹴って、五代目柳家小さんに入門。
 そして、そのあとに出会った多くの人たちとの交流。
 さらには、大好きだった映画やバイクのことなど、話は多岐にわたる。
 卒寿を機に2019年12月に刊行された「自伝」であるが、よくぞ残して頂いた、という貴重な一冊である。

 「人間を理解できなきゃ、落語はできない。落語は人生の、社会の縮図ですから」と、小三治さんは語る。
 お笑いを商売にしている噺家だが、時に話は哲学的にさえ思えてくる。
 「なにをもっておもしろいっていうんだろう、噺のおもしろさっていうのはなんだろう。おもしろいって一体どういうことなんだろう」
 小三治さんはこんなことを考えていたのかと、ハッとさせられる。

 芸の話以上に考えさせられたのが、母親とのこと。
 小三治さんは「おふくろは、私の一生のテーマ」とまで語るが、決していい意味ではない。
 「あの世へ行っても仲良くなれない」なんて、愛憎そのもの。
 小三治さんの芸が生まれたその根っこのところに、母親へのこんな気持ちもあったのかと思うと、怖さすら感じる。
  
(2021/10/29 投稿)

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  読書週間が始まったので
  今日は本の写真がきれいな一冊を
  紹介します。
  『開高健の本棚』です。
  表紙の写真は
  茅ヶ崎の開高健邸の書斎の机に並ぶ本で
  最晩年の開高健が使っていたままだそうです。
  今ここは
  開高健記念館として
  見学もできます。
  ここに行ったのは随分前になりますが
  海岸も近く
  ここで開高健が執筆に苦しんだり
  アマゾンの釣り紀行の計画を練ったりしたのかと
  開高健ファンにとっては
  聖地のような場所といえます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  眼を見開け、耳を立てろ、と開高健は云った                   

 「本棚を見ればその人がわかる」と、昔をよく言われたものです。
 最近は電子書籍も流通して、本棚に本が並ぶということも少なくなっているかもしれません。
 まして、本を読まない人が多くなってきていることを考えれば、本棚というものも持っていない(当然そこに並ぶ本もない)ということも考えられます。
 その点、開高健は子供の頃にすでに「古本屋のオジさん」になりたかったというくらいですから、戦時期でありながら「読んで読んで読みつづけた」という。
 さらにその頃の友人に本の収集に没頭したものがいて、彼の住処に忍び込んでは風呂敷いっぱいに本を詰め込んで、紙魚(しみ)のように読んでいたと、本人が書いている。

 では、開高の本棚にはどれだけの本が残されたかというと、これが生前の半分にも満たないという。(開高健が亡くなったのは1989年12月で、まだ58歳という若さだった)
 なぜかといえば、彼が本を収集することに執着しなかったからで、読む前には箱であったり帯といったものを取り除き、読み終われば若い人にあげたり、古本屋に売ったそうだ。
 それでも、この本の美しい写真で紹介されている開高健の蔵書となれば、一体どんな本が本棚に並んでいたのかと、眼を凝らしてしまう。
 それにしても、本の写真というのはどうしてこんなにも美しいのだろう。

 そんな写真に挟まるように、開高が残した本についてのエッセイの類が数編。
 どちらが栞かわからないが、開高健曰く「読め」ということになる。
  
(2021/10/28 投稿)

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  今日10月27日から
  読書週間が始まります。(~11月9日)

  2021poster_convert_20211023092505.jpg

  今年の標語は

    最後の頁を閉じた 違う私がいた

  ポスターのイラストを描いた
  しらいたまもさんのこんなコメントを書いています。

   夢中で本を読み進め、最後の頁を閉じるころ。
   それまでとは違う考えをもつようになったり、
   ものの見方をしたりするようになった経験はありませんか?
   そんな、世界をひろげる本との出会いがありますように。

  ちょうどこのイラストの少年がそうでしょうか。
  彼のまわりの景色が少し違って見えているところ。
  そこで、今日は
  長田弘さんの『本という不思議』を
  再録書評で紹介します。
  この書評を書いたのが2002年7月。
  ほとんど20年前です。
  違う私がなれたのかな。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  僕はこのようにして書評を書く                   

 この本には詩人の長田弘さんが書いた、本についての短文がまるで宝石箱のようにつまっています。
 詩人の言葉のひとつひとつが柔らかく、優しく、詩を読んでいるような豊かな時間をくれる。
 こんな本を読んでいると、人生って捨てたものじゃないと思います。

 詩人は書いています。
 「好きな本を贈ることが、心を伝える最良の方法であり、読んだ本について語ることが心を通わす最良の方法であるような時間です」

 本を読むと心が潤います。心がゆったりします。
 そして、そのような幸福を伝えたい気持ちでいっぱいになります。
 私が書評を書いているのは、そんな気持ちからだといえます。
 詩人はこの本の最後にこう書きました。
 読書如何。
  
(2002/07/28 投稿)

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  今回のアガサ・クリスティー
  短編集。
  この短編集には
  12篇の作品が収められていて
  タイトルの『マン島の黄金』は
  そのうちにひとつの作品。
  いつもの
  霜月蒼さんの
  『アガサ・クリスティー完全攻略』にも
  「珠玉の作品集」と書かれていて、
  評価も★★★★
  高い。
  ポアロものも2篇あって
  さすがに安定力がつよい。
  絶対安心のスラッガーというところだろうか。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  12の味が楽しめるキャンディ缶のよう                   

 この短編集については説明がいる。
 何しろここに収められているのは、アガサ・クリスティーの死後発掘された短編で、1997年8月にイギリスで刊行された9篇と独自に3篇加えた全12篇の短編からできている。
 アガサが亡くなったのは1976年だから、この本が新たに出た時には彼女のファンは大いに喜んだのではないだろうか。
 しかも、そのうち2篇(「クリスマスの冒険」と「バグダッドの大櫃の謎」)には名探偵ポアロも登場する作品だし、「クィン氏のティー・セット」は幻想的な人物クィン氏が登場する作品で、まさに文庫本の解説小文にあるように「バラエティに富んだ拾遺集」といえる。

 表題作の「マン島の黄金」は1930年に書かれたもので、実はマン島(実際に存在する島)の観光誘致のためのノベルティ作品で、実際この作品で黄金探しをした人もあったという。
 アガサもこの時期執筆活動も充実してきていて、企画に携わって人も大いに期待したのではないだろうか。(ただ作品としては短すぎて、出来はもうひとつのように感じた)

 12篇の作品の中では「名演技」という1923年に発表された短編が好きだ。
 今は人気女優となっているオルガだが、過去に忌まわしい事件に関係したことがある。そのことを偶然に知ったやくざ男がオルガをゆすりにかかる。そのやくざ男にオルガが仕掛けた罠、そしてオルガが演じた「名演技」。
 小品ながら、最後に拍手を送りたくなる作品。
 そのほか、「崖っぷち」「白木蓮の花」など、いい短編がそろっている。
  
(2021/10/26 投稿)

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 俳句の季語で
 芋といえばサトイモもことをいいます。

   スコップを突き刺してある芋畑       寺島 ただし

 昨日の日曜日(10月24日)、
 絶好の芋掘り日和となりました。
 この句にあるように
 まわりにスコップを差し込んで掘り起こしにかかります。
 あとはイモを傷つけないように
 手掘りをしました。
 そして、収穫できたのがこちら。

  20211024_122638_convert_20211024135820.jpg

 横に大きなものがゴロリとあるのは
 親イモです。
 今回育てていたサトイモセレベスという品種で
 芽が赤いことから「赤芽イモ」とも呼ばれています。
 この大きな親イモも
 もちろん食べることができます。

 イチゴニンニクも植え付けました。

  20211019_155125_convert_20211024135452.jpg

 今回イチゴとちおとめの苗を買ってきました。
 うまく育てられるかわかりませんが
 春が楽しみ。
 同じ畝でコンパニオンプランツとして
 ニンニクも育てます。
 これで第二区画の方はすべて作付け終わり。

  20211024_114733_convert_20211024135754.jpg

 手前からミニダイコンニンジン
 次がイチゴニンニク
 その向こうがナバナシュクライ、それにホウレンソウ
 一番奥にハクサイです。

 ハクサイは巻き始めたところ。

  20211024_095028_convert_20211024135531.jpg

 急に寒くなったので
 害虫の活動も弱くなった気がします。
 こちらはニンジン

  20211024_102949_convert_20211024135612.jpg

 まだまだですね。

 これは芽キャベツ

  20211024_112007_convert_20211024135712.jpg

 下の方から葉を落としていきます。
 まだわき芽も小さい。

 そして、ダイコン

  20211024_110928_convert_20211024135645.jpg

 首ははっきりと出ていますが
 もっと太らないといけません。
 ダイコンにしろハクサイにしろ
 秋冬野菜の収穫は
 11月の終わり頃になるでしょうか。

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  今日は
  和田誠さん文、長新太さん絵の
  童話『冒険がいっぱい』という本を
  紹介します。
  和田誠さんにこのような童話があるのは
  知りませんでした。
  先日読んだ
  『ISSUE 和田誠のたね』という本の中に
  この童話の話が出てきて
  読んでみました。
  子どもの頃の和田誠少年の
  楽しい話でできていて
  ホントなのかウソなのかわかりませんが
  少なくとも
  和田誠さんのたねであることは
  まちがいありません。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  和田誠さんの、これがたね                   

 この本は1995年7月に、絵本作家の長新太さんの挿絵でいろんな書き手が文章を書いた「おはなしメリーゴーランド」というシリーズの一冊として刊行されたものです。
 和田誠さんの初の書き下ろし童話です。

 和田さんは昭和11年生まれで、戦争中は児童疎開を経験した世代です。
 この童話を書いた時は、まだ60歳頃ですから、おじいちゃんというほどの年齢でもありませんが、ヒロシくんという男の子におじいちゃんが話す形でできあがってきます。
 疎開先の小学校で陸軍の馬に乗ったり、村にやってきた演芸会を楽しんだり、戦争が終わって町に戻ってきてもう使われていない防空壕の中で幽霊のような人にあったり、そんな楽しい冒険の話がたくさん出てきます。
 和田さんは後年あるところのインタビューで、このお話はホントのこととウソのことがないまぜになっていると話されています。

 小学校4年の時の担任の先生がユニークで、映画の撮影所に行ったお話がでてきます。
 先生の名前は変えられていますが、撮影所に行った話はホントで、撮影所の前で記念撮影した当時の写真は残っています。
 でも、和田さんにとってはそういう写真よりも自分の記憶の中の映像のようなずっと残っていたのだと思います。
 それは思い出というより、自分というものをつくっている要素のひとつになっています。
 だから、この本は「思い出がいっぱい」ではなく、「冒険がいっぱい」なのです。
  
(2021/10/24 投稿)

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 昨日紹介した
 井上由一さん編の
 『アメリカン・ニューシネマ 70年代傑作ポスター・コレクション』に
 そのムーブメントの嚆矢となったのは
 1967年公開の「俺たちに明日はない」とありました。
 この作品で主演でプロデュースも担当した
 ウォーレン・ベイティ
 この作品の監督を当初フランスのフランソワ・トリュフォー
 起用するつもりだったとか。
 トリュフォーがだめで、その次にあのゴダール監督も候補になったそうです。
 つまり、当時のアメリカの映画人には
 フランス映画で巻き起こった「ヌーヴェル・ヴァーグ」が
 かなり意識されていたようです。
 結局、監督はアーサー・ペンになりましたが、
 トリュフォー監督が撮ったら
 一体どんな作品になったのか、
 想像するだけでわくわくします。
 今日は、そんな「俺たちに明日はない」話を。

  

 この映画の原題は「BONNIE AND CLYDE」。
 主人公2人の名前です。
 その邦題が「俺たちに明日はない」としたセンス、
 今でもすごいと思います。
 1960年から70年前半あたりまで
 原題をそのままカタカナ表記にするのではなく
 日本語に置き直すことが当たり前のようにあったのですが。
 でも、このタイトル、
 アメリカン・ニューシネマの精神を見事に言い切った
 名タイトルだと思います。

 主演の、クライド役のウォーレン・ベイティもよかったですが
 ボニー役のフェイ・ダナウェイがめちゃくちゃよかった。
 今回久しぶりにこの映画を観直したのですが
 何度観ても
 彼女の魅力にガツンとやられます。
 行き場所のない倦怠感、
 暴力への高揚感、
 そして絶望。
 彼女の眼がそれらをすべて表現しています。

 「彼らは若かった…彼らは恋に落ちた…そして彼らは人を殺した
 これはアメリカでの公開時の有名なキャッチコピー。
 対して、日本では
 「若い愛にとどめをさした八十七発! 
 つかのまの幸福も無情に消えた短い恋と生命!
 このコピーにあるように
 ラスト、二人を襲う警官からの87発の銃弾。
 ストップモーションで二人が撃たれていくラストは
 忘れられないラストシーンでした。

 この映画、
 今観てもちっとも古臭くない。
 まさにアメリカン・ニューシネマの傑作として
 映画史に燦然と輝く名作です。

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  昨日、映画の予告篇制作に携わった
  佐々木徹雄さんの『三分間の詐欺師』という本を
  紹介しましたが
  今日は映画のポスターの本です。
  井上由一さんの
  『アメリカン・ニューシネマ 70年代傑作ポスター・コレクション』。
  映画のポスターも予告篇と同じように
  ポスターをみて
  映画に誘われる人は多いと思います。
  あるいは、
  映画の宣伝広告もそうです。
  どんな風なデザイン、
  どんな惹句であれば
  より多くの観客動員ができるか。
  きっと宣伝マンの腕の見せ所なんでしょうね。
  この本で紹介されている映画群は
  私が映画に熱中するきっかけとなったものばかり。
  大満足の一冊です。

  じゃあ、読もう。
 
  

sai.wingpen  ぼくたちのタイムマシン                   

 この本のタイトルでもある「アメリカン・ニューシネマ」について、この本を編んだ井上由一氏は、こう定義している。
 「1960年代後半~70年代にわたって、泥沼化していたベトナム戦争に迷走するアメリカ政府への不信感、人種差別などの社会問題への反動として、(中略)若者を中心にした反体制的な主人公たちの心情を切り取った映画が次々と生み出された、そのムーブメントの総称」。

 井上氏自身は1973年生まれというから、遅れてきた「ニユーシネマ」世代だろうが、映画愛は半端ない。
 プロフィールを読むと、大学時代から映画業界に入って、今でも映画製作や配給会社で仕事をしているという。
 そして、すごいのは「映画ポスター」の収集の圧倒的な量だ。

 本書に「70年代傑作ポスター・コレクション」と付いているように、一冊まるごと67年から79年の13年間に制作されたアメリカ映画のポスターがずらりと並ぶ。
 しかも、アメリカ本土でのポスターに限らず、日本公開時のものもあれば、アメリカ以外の国で公開された時のものまで収められている。
 ポスターで、国民性があらわれたりして、それも本書を開く楽しみのひとつだ。
 もっともなんといっても、あの懐かしい名作たちと再会できるのが、一番だ。
「俺たちに明日はない」「明日に向って撃て!」「真夜中のカーボーイ」「卒業」そして「いちご白書」と、名前をあげていったらきりがない。
 そうだ、この本はぼくたちのタイムマシンなのだ。
  
(2021/10/22 投稿)

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  先日映画館に
  「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」を観に行きましたが
  本編が始まる前に
  予告編とCMで15分はとられていました。
  さすがに長いですよね。
  ただ私は映画の予告篇は好きですね。
  DVDなんかだと
  時々別の作品の予告篇がはいっていることがありますが
  本篇の予告篇がはいっていると
  やっぱりいいですね。
  できたら、どの作品にもいれて欲しい。
  今日は
  佐々木徹雄さんの
  『三分間の詐欺師 予告篇人生』という本を
  紹介します。
  2000年に出た本ですが、
  最近読んだ「本の雑誌」10月号
  北村薫さんが紹介していて
  読みたくなった一冊です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  予告篇大好き!                   

 映画館に行って、本編が始まるまで予告篇とかCMで延々と続いて、苛々した経験は誰にもあると思う。
 ただこれから公開される映画の予告篇はだいたい一作品につき1分から3分というから、それほど苦痛ではないが、それが何作品も続くから嫌になるのだろう。
 予告篇は嫌いではない。
 予告篇を観て、本編を楽しみに観たら、実際には面白くなかったという経験もないわけではない。
 だからといって、予告篇を作っている人を「三分間の詐欺師」と呼ぶのは、いくら冗談とはいえ、いかがなものか。
 ただ言われた、予告篇作りの開拓者でもある著者は、「何であれ「面白いよ、面白いよ、見においでよ」というのが予告篇」と、明るいものだ。

 著者の佐々木徹雄氏は1926年(大正15年)生まれ。
 映写技師から予告篇制作に携わっていく。
 当然戦後まもないアメリカによる占領期の映画にもかかわっている。
 この本はそんな自身の半生を綴ったもので、映画ファンなら馴染み深い淀川長治さんや野口久光さん、あるいは川喜多かしこさんといった人たちとの交流も語られる。
 もちろんここに出てくる映画は、今や名作や古典といわれる作品だから、若い読者には馴染みがないかもしれないが、それでもあの名作「第三の男」の予告篇が実例として、絵コンテとともに掲載されていて、映画ファンなら興味深い一冊だろう。
  
(2021/10/21 投稿)

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  11月1日から始まる
  NHK朝の連続テレビ小説(通称 朝ドラ)
  第105作めとなる「カムカムエヴリバディ」で
  ラジオ英語講座と共に生きた家族の物語だそうです。
  ヒロインには上白石萌音さん。
  ドラマとしてはオリジナルですが
  タイトルでもわかるように
  戦後まもなく多くの人に愛されたラジオ番組が
  モデルになっているようです。
  そこで
  今日は平川洌さんの
  『カムカムエヴリバディ 平川唯一と「ラジオ英会話」の時代』を
  紹介します。
  ドラマにも平川唯一さんは登場するようです。
  演じるのが、さだまさしさんだとか。
  これも楽しみです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  これは「皆さまの時間」でした                   

 昭和20年8月15日の敗戦からちょうど一か月に出た一冊の本から、戦後のベストセラー史が始まる。
 それが『日米会話手帖』。わずか32ページの小冊子であった。
 それが飛ぶように売れ、360万部を超えたという。
 そのことを見ても、日本人の変わり身の早さというか適応力のすさまじさに恐れ入る。
 それから遅れること半年弱の昭和21年2月1日、ラジオで新しい番組が始まる。
 それがのちに「カムカム英語」と呼ばれ、今に続く「ラジオ英会話」の嚆矢となった「英語会話」だった。
 講師をつとめたのが、この本の主人公平川唯一(ちなみにこの本の著者平川洌(きよし)は唯一氏の次男)である。

 平川唯一氏は英語の教師だったわけではない。
 本書の後半に唯一氏の半生が綴られているが、先にアメリカで仕事をしていた父親を迎えに行くという目的で渡米したのが16歳の時。戦前のことである。
 そこで彼は苦学生となって、勉学にも励み、ワシントン大学の演劇科で学んでいる。
 戦争が泥沼化する前に帰国し、NHKに入社する。
 戦争が終われば、唯一氏の本場仕込みの英会話が役に立ち、「カムカムおじさん」とまでのちに呼ばれるようになっていく。

 現在団塊の世代と呼ばれる人たちが生まれたのが、放送が始まったあとあたりだから、この番組を実際聴いた人というのも少なくなったことだろう。
 しかし、敗戦後わずか半年で英語を学ぼうとラジオの前で熱心に勉強した人たちがいたのも事実だ。
 そういう人たちがいたからこそ、そのあとに続く復興やさらなる成長があったのだろう。
 貴重な歴史の1ページといえる。
  
(2021/10/20 投稿)

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  ごみ収集にあたる清掃従事者の人たちの姿を
  間近で見る機会が多い日々を過ごしています。
  普段、家庭ゴミのゴミ出し担当だけであれば
  なかなか収集の姿を見ることはないでしょうが、
  この人たちの頑張りに
  本当に頭がさがります。
  そんな時、見つけたのが
  藤井誠一郎さんの
  『ごみ収集とまちづくり』という本でした。
  副題が
  「清掃の現場から考える地方自治」ですが
  もう少し身近に
  清掃と町内会の活動といったように
  自分たちの暮らしとごみ収集を考えるのも
  いいかもしれません。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  いつもありがとうございます                   

 かつて犯罪都市であったニューヨーク市を安心して住めるようにしたのは、どのような施策であったか。それは地下鉄の落書きの清掃であったり、ゴミのポイ捨て禁止といった美化活動にあったという、有名な話があります。
 そういうことから考えて、この本のタイトル「ごみ収集とまちづくり」は決して突飛な組み合わせではありません。
 実際本書の中でも紹介されていますが、ゲイバーが多く立ち並ぶ新宿二丁目でのごみ収集と美化活動の取り組みは「世界一清潔なLGBTの街」という、今までのイメージを払拭する新しい街づくりを目指す取り組みの事例です。

 この本の著者である藤井誠一郎氏は、45歳で大学職員から研究者の大学教員へと転じた経歴を持っています。
 そして、学府内にとどまらず、積極的にフィールドワークをこなしていきます。
 具体的にいうと、ごみ収集車に乗って実際のごみ収集業務を経験しています。
 そういう経験を通して、「仲間と共に汗を流し、協力しながら街をきれいにしていく仕事は、非常にやりがいがあり尊い仕事であると思える」という一文にたどりつけたのでしょう。

 さらに、2021年8月に刊行されたこの本ではコロナ禍でのごみ収集の困難さも描かれています。
 コロナ禍が蔓延した際、清掃従事者へ謝意表すの貼付が広がりました。
 しかし、著者はそれよりもまず「ごみをしっかり分別し、ごみ袋をきちんと結び、所定の箇所に収集しやすく並べて置く」方がより大事だといいます。
 ここから、住みやすいまちづくりが生まれていくのだろうと思います。
  
(2021/10/19 投稿)

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 昨日の日曜日(10月17日)
 雨がやんだ午後から畑に出かけたのですが
 天気予報の通り、
 うんと寒くなってきて
 秋の深まりを感じました。
 秋の果物といえば柿ですが
 柿の木はけっこう多く見かけます。
 近所の柿も色づいてきました。

  20211016_162249_convert_20211017171352.jpg

    写真機をごつごつ構へ柿の秋      奥坂 まや

 畑では
 いよいよ冬越野菜の栽培が始まりました。
 その第一弾として
 昨日はソラマメの種を植えました。

  20211017_152639_convert_20211017171418.jpg

 ソラマメは「お歯黒」と呼ばれる
 黒い部分を下にして押し込みます。
 先端は少し出します。

  20211017_152700_convert_20211017171441.jpg

 写真の上の2か所がすでに埋め込んだものになります。
 このあと、不織布をかぶせて鳥に食べられないようにします。

 こちらは
 先週種を蒔いた葉物野菜の畝に植え付けた
 ナバナ(左側)とシュクライ(右側)です。

  20211017_161158_convert_20211017171529.jpg

 シュクライは漢字で書くと「祝蕾」で
 子持ち高菜の一種です。
 これらも冬越野菜で春が楽しみです。

 この日、畑に行ってみると
 玉レタスがりっぱに育っていたので
 収穫しました。

  20211017_165146_convert_20211017171551.jpg

 八百屋さんで売っているような大きさです。
 秋野菜の収穫第一号です。

 そして、
 来週はいよいよサトイモを収穫します。
 これが昨日のサトイモ

  20211017_154954_convert_20211017171507.jpg

 葉っぱが枯れてきたのが収穫のサイン。
 さて、どれだけ収穫できるかな。
 手前の不織布をしている畝が
 ソラマメをまいたところです。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する
  斉藤倫さんの
  『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』は
  先月紹介した
  本の雑誌編集部編の『10代のための読書地図』の中で
  何人もの方がオススメの本として
  あげられていました。
  どんな本なのかわからなくて
  ただ漫画家の高野文子さんが絵を描いているという興味もあって
  読んでみました。
  ちょっと不思議な感じの本でしたが
  きっとこういう本を足掛かりにして
  子どもたちは本の世界に入っていくのかなとも
  思いました。
  ちなみに作者の斉藤倫さんは
  詩人です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ゆびをぱちんとならすのもやさしくない                   

 詩を読むって難しい?
 物語のように長くないから難しくないかな。
 でも、どんな詩だって聞かれても、物語のようにうまく話せないから、読めているっていうのかな。
 それに、例えばこの本のように「詩集」なんて言葉がタイトルになっているけど、どうみてもこれは「詩集」じゃない。
 でも、この長いタイトル、どこで切れるのかわからないけど、ちょっとかっこいいと思わないかい。

 この本の奥付き、ほら本のおしまいにある発行の日や発行した出版社の名前とか出ているページがあるだろ、に英語表記のタイトルが出てて、そこには「Good Kid,Good Poems」とある。
 その方がわかりやすいけど、日本語の長いタイトルの方がやっぱり好きかな。

 この本は小学生の男の子が亡くなったお父さんの友だちだったおじさんを訪ねて、詩とかの話をすることで、詩の世界がわかるようにできている。
 詩の世界っていっても、ひとつの詩をどんなふうに読むかは自由だし、そもそも正しい読み方はないかもしれない。
 この本でも、これが正しい詩の読み方なんて書いてない。
 でも、こんな文章があったりする。
 「ひとは、ことばをつくって、こころを、あらわそうとした。それでも、あらわせないものが、詩になった」
 だったら、詩って存在するの?

 もし、子どもたちがこの本を読んで、詩が書けたらいいけれど、書けなくても、詩って何だろうとちょっと考えてみるだけで、この世界の見え方は少し違ってくるかもしれない。
  
(2021/10/17 投稿)

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 先月末に緊急事態宣言が解除されて
 街もそろりと日常を取り戻しつつあります。
 そして、ついに私も
 映画館で映画を観てきました。
 その前に映画館で映画を観たのは
 2020年1月ですから
 ちょうど新型コロナウイルスの気配が出始めた頃。
 まだマスクをしない人も数多くいました。
 そこから急速にコロナ禍が広がって
 映画館も休館や人数制限など苦境に立たされます。
 ここにきて
 なんとか映画館も普段に戻りつつありますが
 やはり鑑賞にはマスク着用が求められています。
 それでも
 映画は映画館で観るのが一番。
 しかも、「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」ですから、
 いうことなし。

  

 映画館で観る魅力は
 大きなスクリーンで観ることもそうですが
 音響の違いは大きいと思います。
 身体全身に響く音がなんといってもすごい。
 前作「007/スペクター」(2015年)から5年。
 恋人マドレーヌと平和な時間を過ごしていたボンドは
 かつての恋人ヴェスパーの墓に参るが、
 そこで突然爆破攻撃を受けることになります。
 ドーン!!!!
 この時の音のすごいことといったら。
 しばらくボンドの耳もうまく聞こえなくなって
 画面でもそんなこもった音が続きます。
 ここからが、今回の事件の始まり。

 今回のこの作品が
 ダイエル・グレイグ版ボンドの締めくくりと言われるだけあって
 最初の「007/カジノ・ロワイヤル」(2006年)に登場した
 CIAのフィリックスが登場したり、
 前作でボンドに捕まった悪の組織スペクターのボスが
 監獄からまだ組織を操っていたり、
 結構過去の作品が伏線のようになっています。
 なので、
 これからこの作品を観ようと思っている人は
 ダニエル・グレイグ版4作を観た方がわかりやすい。

 「007」といえば
 毎回美しいボンド・ガールが登場するが、
 今回はなんといっても
 アナ・デ・アルマスです。
 CIAの新米エージェントのパロマ役。
 結構肌も露出しているロング・ドレスでの
 アクションシーン(これは予告篇でも使われている)など
 見ものです。

 さて、ダニエル・グレイグのボンドは
 この作品で見納めだというが、
 果たしてボンドは戻ってくるのだろうか。
 あんな衝撃的なラストにかかわらず、

   James Bond will Return

 のいつものメッセージが流れ、
 これには驚きました。
 新しいボンドへの期待に今から興味津々です。

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プレゼント 書評こぼれ話

  ショーケンと呼ばれた
  萩原健一さんが亡くなったあと
  女優の桃井かおりさんは
  こんなコメントを残しています。
  「可愛くていけない魅力的な生き物でした。
   同じ時代に生まれ、同じ時間を過ごせた偶然に、感謝。ありがと」
  もしかしたら、
  ショーケンや桃井かおりさんたちと同じ時代を生きた人たちにとって
  彼女のコメントは胸にジンときたのではないでしょうか。
  それくらい
  ショーケンはかっこよかった。
  今日は
  そんなショーケンの評伝ともいえる一冊、
  大下英治さんの
  『ショーケン 天才と狂気』を
  紹介します。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  あいつの笑顔が忘れられない                   

 10代の時につけられたニックネーム「ショーケン」で、2019年3月に68歳で早逝するまで呼ばれ続けた男、萩原健一。
 その人生をかつて三越の社長退陣のきっかけとなった作品など数々のノンフィクション作品を発表してきた大下英治氏が書くというので興味をひかれた。
 何しろショーケンといえば、生まれた時から波乱に満ちていて、家族との関係、10代の頃のやんちゃぶり、GS時代のスター、そして俳優となってからの悪行、奇行、華々しい女性遍歴、さらには薬物使用による逮捕、傷害事件、恐喝未遂、と書く材料に困ることはない。
 しかし、大下氏はそういったプライベートな側面について、ほとんど書いていない。
 もちろん、そうはいっても女性との関係など書かないわけにはいかないが、そのほとんどをショーケンが出演した映画やドラマの制作現場での姿に終始している。

 ショーケンは俳優として稀有な存在であった。まさにタイトルにある「天才」は、他の俳優たちの追随を許さない部分だろう。
 その一方で「狂気」もあった。
 撮影現場に現れるショーケンは畏怖される対象でもあった。暴言、暴力、わがまま、多くの制作スタッフは、彼とともに仕事をすることを嫌がったという。
 しかし、それでもショーケンは多くの作品に出続けた。
 つまり、持っていた「狂気」以上の存在感が彼にはあったということだろう。
 ショーケンという男が演じようとしたものは、そういう評価を超えたところにあったともいえる。
 そういう意味では、ショーケンは時代とともに生きた男だったのだろう。
  
(2021/10/15 投稿)

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  今日は
  東海林さだおさんの食のエッセイのアンソロジー
  『大衆食堂に行こう』を
  紹介します。
  大衆食堂といって思い出すのは
  私が学生の頃ですから
  もう40年以上前のことですが
  当時下宿をしていた
  新井薬師の駅前の通りに
  「ライオン食堂」という大衆食堂が
  ありました。
  店構えなど
  東海林さだおさんのエッセイに書かれている内容と
  ほぼ同じ。
  10年ほど前に行ってみましたが
  お店はなくなっていました。
  でも、あのお店、
  どうして「ライオン」って名乗っていたのかな。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  そうだ、大衆食堂、行こう                   

 漫画家東海林さだおさんといえば、食のエッセイの第一人者としても有名だ。
 その代表作である「丸かじり」シリーズ(雑誌掲載時には「あれも食いたいこれも食いたい」というタイトル)だけでなく、こちらも「オール讀物」で長期連載中の「男の分別学」でも食に関する話題が多くある。
 だから、食であればどういう切り口であれ、愉快で楽しいアンソロジーが組めてしまう。
 この文庫は、「大衆食堂」という視点でまとめたもの。
 さすがに「大衆食堂」というだけあって、定食、麺類、カレーライス、かつ丼なんでもありの、満腹メニューになっている。

 東海林さだお学説(?)によれば、大衆食堂の最大の特徴は、「店頭の看板に、大きく、堂々と、悪びれずに「大衆食堂」と大書」していることだという。
 さらには定食だけでなく、メニューが豊富な点もあげていい。
 あるいは、店舗の内装。テーブルはデコラ、ないしはビニールクロス。イスは鉄パイプビニール張り。しかも、色はグリーンか紺。もうこれだけで、頭に浮かぶ、愛すべき「大衆食堂」。
 働く人にも条件がある。
 まず、主人。無愛想。多少の偏屈。服装はTシャツに前掛け。
 できれば、出てくる水はプラスチックのコップでお願いしたい。
 こういう「大衆食堂」だから、笑いあり涙ありボヤキあり感謝ありの世界が生まれる。

 でも、さすがにこういう食堂は今や絶滅種になってしまっている。
 そのうち東海林さだおさんは、食の考古学者になってしまうかも。
  
(2021/10/14 投稿)

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  今日は
  坪内祐三さんの『昭和にサヨウナラ』という
  エッセイを紹介します。
  坪内祐三さんは
  昭和33年生まれで
  2020年に亡くなった時は
  まだ61歳でした。
  昭和は64年までありましたから
  ちょうど真ん中あたりの生まれになります。
  私も昭和30年生まれですから
  戦前戦中期の昭和は知りません。
  いい時代になってからの昭和世代といえます。
  このエッセイは
  たまたま追悼エッセイが多い形で
  なので、こんなタイトルになっています。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  坪内祐三さんが愛した「昭和」                   

 この本が刊行されたのは、2016年春のことで、元号でいえば平成28年になります。
 なので、「昭和」が終わって随分経ちます。
 もともとは「エンタクシー」という雑誌に2011年から2016年にかけて連載されていたものですが、それでも「昭和」からかなり経っています。
 なのに、何故「昭和にサヨウナラ」というタイトルがついたかというと、収められた16篇のエッセイのほとんどが「昭和」に活躍した人の追悼文になったからでしょう。
 雑誌掲載時のタイトルは「あんなことこんなこと」で、テーマを決めないで毎回興味に感じたことを書いていく予定だったそうです。

 どんな人の追悼が書かれているかというと、もちろんその方々は坪内祐三さんとなんらかの接点があったということになりますが、丸谷才一さん、中村勘三郎さん、中川六平さん、赤瀬川原平さん、車谷長吉さん、野坂昭如さんなど、もちろん出版にかかわる人が多いのですが、坪内さんの交友の広さがわかります。
 そして、これらの人々と坪内さんの間にはか「東京人」という雑誌の編集長だった粕谷一希さんや仲がよかった山口昌男さんといった多くの人も介在しています。
 そんな話に触れると、作家で評論家だった坪内祐三さんが、強い個性であるがゆえに人に嫌われながらも、人に愛されてきた姿が見えるようです。

 坪内さんが愛した「昭和」も随分遠くなりました。
 そんな坪内さんも、もういません。(坪内さんは2020年1月に逝去)
  
(2021/10/13 投稿)

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  第164回直木賞を受賞した
  西條奈加さんの
  『心淋し川』を
  作品を読むまでずっと
  「こころさびしがわ」と読むのだとばかり
  思っていました。
  正しくは
  「うらさびしがわ」。
  広辞苑によれば
  この「心」の「うら」には
  「表に見えないものの意」とあります。
  「心淋しい」は
  「なんとなく淋しい」という意味だそうです。
  ただ西條奈加さんのこの作品は
  そういう意味だけでなく
  生きる強さも感じます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  これは女たちの物語でもある                   

 第164回直木賞受賞作。(2020年)
 6つの作品からなる連作短編集で、「際立った力量」(林真理子委員)、「圧倒的な安定感」(桐野夏生委員)など選考委員のほぼ全員高い評価を受けての受賞となった時代小説だ。
 中でも角田光代委員の「悲しみと情けなさとが詰まった生のいとしさを、この作品は静かな筆致で描いている」という評は、短い文章ながらこの作品を言い得ている。

 物語の舞台は江戸・千駄木町の一角にある心(うら)町。
 そこを流れる小さな川が心(うら)川。その両脇に立ち腐れたように固まって四つ五つ建っている長屋の住人たちが物語の主人公である。
 心川から流れ込んだ窪地には、雨水とともに塵芥が淀んでいて、そんなところに住み人たちだから、皆一様にさまざまな過去と今を抱えている。
 そんな街に差配(世話人)としている茂十が、6つの短編の狂言回しのようにしているが、最後の「灰の男」ではその茂十の過去が明かされ、全体が大きな長編小説のようにして締まっている構成になっている。

 6つの作品で選考委員たちの評価が高かったのは「閨仏」だ。
 心町にある長屋に四人の器量の悪い女たちが住んでいる。彼女たちは六兵衛という男の妾でもあるのだが、中で一番年かさの「りき」という女が主人公。
 ある日六兵衛が持ってきた張形で、りきは仏のようなものを彫ってみる。
 そこから四人の女たちの運命が変わっていく。
 この作品を桐野夏生委員は「すっとぼけた話も書けるのだから、作者はなかなか強か」と評している。
 生きることに強かなのは、この物語の登場人物たちだろう。
  
(2021/10/12 投稿)

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 さすがに10月ともなれば
 秋の気配が濃くなってきます。
 見上げれば、空も秋。

  20211008_110251_convert_20211009172703.jpg

    秋空や展覧会のやうに雲      本井 英

 そういえば、57年前に開催された
 東京オリンピックの開会式の空も
 気持ちのいいくらいの秋晴れでした。
 今年開催されたオリンピックの
 どんな光景を
 未来の人たちは思い出すのでしょう。

 10月9日の土曜日
 最後まで残っていた夏野菜の
 白ナスピーマンを伐採しました。
 写真はその畝のビフォーアフターです。

  20211009_101356_convert_20211009171932.jpg  20211009_110756_convert_20211009172007.jpg

 人生初めての白ナス
 この日収穫したものを含めて
 52個を収穫。

  20211009_124218_convert_20211009172306.jpg

 初めての野菜を育てるのは
 やっぱり楽しいもの。

 秋冬野菜の管理は
 虫との闘いです。
 ハクサイからは何匹ものヨトウムシ
 ムシャムシャかじってくれています。
 写真は見つかって丸まったヨトウムシ

  20211009_103847_convert_20211009172034.jpg

 被害にあう前にどんどん大きくなってもらいたい。
 こちらの玉レタス
 きれいに結球し始めました。

  20211009_111635_convert_20211009172102.jpg

 これはキャベツ

  20211009_111641_convert_20211009172143.jpg

 今年栽培しているのは
 タケノコキャベツなので
 先端が細くなります。

 ダイコンも白い首を見せ始めましたが
 まだまだ太ってくれないと。

  20211009_112630_convert_20211009172213.jpg

 この日は
 第二区画の畝に
 ホウレンソウミズナなどの葉物野菜の
 種を蒔きました。

  20211009_120659_convert_20211009172241.jpg

 手前にある防虫ネットがかかった畝がそれで、
 奥にネットからはみ出しそうな
 ハクサイが見えます。

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  今日は
  絵本作家の酒井駒子さんの画集
  『みみをすますように』を
  紹介します。
  これは酒井駒子さんの個展に合わせて
  刊行されたもので
  展覧会によくある図録なんでしょうが
  もうとにかく豪華な一冊になっています。
  作品リストを読むと
  酒井駒子さんの最初の絵本が1998年で
  私が酒井駒子さんの絵を知ったのは
  そのあと、
  2004年に刊行された
  須賀敦子さんの『こうちゃん』の挿絵からだったと
  思います。
  その後、ほとんどの酒井駒子さんの作品を
  読んできました。
  いつも胸に静かにおちていくしずくのような
  存在です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ゆめのあとさき                   

 耳をすますと、聴こえてくるものばかりではない。
 耳をすます時、人は自然と瞼を閉じる。だから、耳をすますと、別の世界も見えてくる。
 そんなことを感じる、これは絵本作家の酒井駒子さんの初めての個展に合わせて刊行された画集だ。

 巻末の「作品リストと本の情報」のはじめにこんな説明がある。
 「本書は、酒井駒子が絵と文を手掛けた絵本、挿絵を手掛けた絵本や書籍計25冊を選び、掲載された絵の原画を収録している。」
 その数およそ300点だから、酒井駒子ファンにとってはたまらない。
 最初に手掛けたのは、1998年の『リコちゃんのおうち』という絵本。
 その次が、おそらく酒井さんの名前を一躍有名にした『よるくま』、それからそれから須賀敦子さんの文に挿絵をつけた『こうちゃん』や2009年のニューヨーク・タイムズ紙の「最も優れた絵本ベスト10」に選ばれた『ゆきがやんだら』、さらに川上弘美さんの新聞 小説『七夜物語』の挿絵と、どこまでも広がる世界。

 この画集には言葉が書かれていない。
 だから、絵本とはまた違った世界を味わえる。
 そこにいるのは読者であるあなたと、酒井駒子さんだけ。
 あるはずの言葉がなくても、きっとあなたはたくさんの言葉を耳にするだろう。その時、あなたはきっとこの画集を「読んで」いるにちがいない。

 この画集を抱いて眠ると、一体どんな夢を見るのだろう。
  
(2021/10/10 投稿)

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 先日の月曜に
 岸田文雄さんが第100代めとなる内閣総理大臣
 選ばれました。
 だからといって100人めの総理大臣かというとそうではなくて
 例えば先の安倍晋三さんなんかは
 90、96、97、98代の総理大臣を務めています。
 初代の総理大臣といえば
 もちろん伊藤博文で、
 この人もまた複数回総理大臣になっています。
 サラリーマンであれば経営トップ、
 つまりは社長になりたいものと思うように、
 政治家であれば
 やはり総理大臣になってみたいと思うのでしょうね。
 そこで
 今日は「なぜ君は総理大臣になれないのか」という映画の話。
 あ、これ河野太郎さんのことではないですよ、念のため。

 2020年に公開された
 「なぜ君は総理大臣になれないのか」は
 香川県出身の衆議院議員小川淳也さんの
 17年にわたる選挙活動や政治活動を追いかけた
 ドキュメンタリー映画です。

  

 ドキュメンタリー映画としては異例の大ヒットとなり
 2021年に発表された第94回キネマ旬報ベストテン
 文化映画部門で第1位となった作品です。
 監督は大島新さん。
 あの大島渚監督の息子さんです。
 こういう商業ベースに乗りにくい作品は
 なかなか観る機会が少ないですが
 私は日本映画専門チャンネルで観ました。

 この映画、とっても面白くって
 もし観るなら
 衆議院選挙が近づいている今こそ
 観るタイミングじゃないかな。
 何しろこの映画の見どころは
 2017年の衆議院選挙、
 小池百合子さんが希望の党を立ち上げ、
 当時の民進党が分裂、
 枝野幸男さんが立憲民主党を起こすなど
 大いに揺れたあの選挙です。
 この映画の主役小川淳也議員は民進党所属、
 分裂後その所属をどうするか揺れますが
 希望の党を選択。
 しかし、希望の党は小池百合子さんの発言で
 逆風となります。
 同じ選挙区にはあのデジタル大臣になった
 平井卓也さんがいて
 小川淳也は小選挙区で惜敗します。

 党の戦略に揺さぶられる一政治家の悲哀だけでなく
 政治家の家族、
 親であったり妻であったり子どもであったり、
 そういった人たちを巻き込んでいく姿は
 胸が熱くなります。

 現在小川淳也さんは立憲民主党所属の衆議院議員として活動していますから
 今回の選挙にも出馬されるのだと思います。
 果たして
 彼が総理大臣になれる日は来るのか。
 その前に政権交代があるのか。
 いや、そもそも政治家とは何だろうか、
 多くのことを考えさせられる映画です。

 今観て、
 損しない映画ってなかなかないですよ。

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  今日紹介する
  大島真寿美さんの
  『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』は
  第161回直木賞受賞作
  同時に高校生直木賞のW受賞となった作品です。
  高校生直木賞というのは
  高校生が直木賞の候補作から自分たちの視点で
  独自で選考するというものです。
  2014年から始まっています。
  それにしても
  高校生の皆さんが
  大島真寿美さんのこの作品を選ぶなんて
  渋すぎ。
  同じ回には窪美澄さんの
  『トリニティ』なんかもあったのですが。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  女たちがいるから世界が生きる                   

 第161回直木賞受賞作。(2019年)
 この長編小説は、江戸時代の大坂・道頓堀を舞台に人形浄瑠璃作家近松半二を描いたもの。国語や日本史の教科書には近松門左衛門の名前はよく出てくるが、近松半二は実際にいた人物ながらほとんど知られていない。
 そのあたりがこの作品をとっつきにくくしている。
 直木賞の選考委員のひとり浅田次郎氏は「いったいどれほどの読者の理解を得られるかと思えば、ためらいが先に立った」と評価が低い一方、宮部みゆき委員は「私は人形浄瑠璃はもとより歌舞伎にも疎い不勉強者なので、最初のうちは敷居が高く、おそるおそるという感じだったのですが」と正直に書き、読み進むうちに楽しくなったと評価している。

 一方でこの作品は浄瑠璃作家が主人公で、創作にかかる苦悩が随所に書かれていて、そのことを評価する委員も多かった。
 「物語を紡ぐ者として同意できる部分が多々あり、楽しめた。」と書いたのは東野圭吾氏。
 また北方謙三氏は「表現者たちの熱気の渦は強く感じた」と評している。

 それ以上にこの作品が断然面白くなるのは、女性の登場シーンだ。
 半二に辛くあたる母親にしろ、半二の兄の元婚約者ながら捨てられてしまう幼馴染のお末にしろ、半二のよき理解者である嫁のお佐久にしろ、彼女たちが登場すると俄然物語が輝いてくる。
 女性作家ゆえの功績ともいえるが、この作品はその点をもっと評価されていい。
  
(2021/10/08 投稿)

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  今日は
  第165回芥川賞の候補作になった
  高瀬隼子(じゅんこ)さんの
  『水たまりで息をする』を
  紹介します。
  書評にも書きましたが
  この作品も私は受賞作よりも読みやすく
  今という時点を考えても
  受賞作であってもよかったと思います。
  候補作がいくつもあれば
  やはり自分好みの作品は出てきます。
  ただどうしても
  受賞作にならないと
  なかなか話題にならないのも事実。
  候補作全部読むのは
  やはり難しいですから。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  コロナ時代である現代文学のひとつ                   

 第165回芥川賞候補作。
 残念ながら、受賞には至らなかったが、受賞作より面白く読めた。(それは同じくくどうれいんさんの『氷柱の声』もそうで、受賞作だけでなく候補作であっても読むことをおすすめする)
 選考委員の選評を読むと、この作品の長さを嫌う委員が何人かいたが、もちろんエピソードで削れるものがあるが、読んでいてあまり長さを感じなかった。
 委員の中で平野啓一郎さんがこの作品を「一人だけ強く推した」という。なので、選評の三分の一はこの作品の評で占められ、受賞しなかった作品ながら評価が高かったことがわかる。
 また奥泉光委員も「単純な物語構成のなかに、主人公の思考や感情の動きがたしかな手触りとともに浮かび上がる好篇」と評していた。

 「夫が風呂に入っていない。」
 これが冒頭の書き出し。物語は突然風呂に入らなくなった夫とそんな夫を受け入れていく妻の物語である。
 「不条理」という言葉をよく使う。道理に合わないというような意味だが、現在のコロナ禍も不条理の世界を生みだしたといっていい。
 そんなコロナとともに生きる私たちは、この物語に書かれた夫婦と同じではないだろうか。
 風呂に入らなくなり、会社も辞めざるをえなくなった夫。彼とともに自分の実家のある田舎に越していく妻。
 それは「不条理」を抱え込んでいく現代人の姿といえる。

 ラストは結構衝撃的だし、いろいろな読み方もできるだろう。
 この作品はコロナを描くことなく、コロナ時代である現代文学のひとつの作品になっている。
  
(2021/10/07 投稿)

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  NHKの大河ドラマ「青天を衝け」を見ていて
  主人公の渋沢栄一の従兄渋沢喜作
  幕末の争乱期、
  彰義隊の設立にかかわったことを知りました。
  この当時は渋沢成一郎と名乗っていました。
  彼はその後隊での対立で彰義隊を出て、
  箱館戦争に参加しています。
  このあたりまではすでに大河ドラマで
  描かれていました。
  その彰義隊のことが知りたくなって
  調べると
  吉村昭さんに『彰義隊』という長編小説があることを
  わかりました。
  ただ、この作品は彰義隊というより
  彰義隊が守ろうとした人物の生涯を
  描いたものです。
  吉村昭さんはこのタイトルに納得していたようですが
  ちょっと違うかな。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  吉村昭の最後の歴史小説                   

 この作品は多くの歴史小説を書いてきた吉村昭が2005年11月に刊行した作品で、2006年に亡くなる彼にとっては最後の歴史小説になった。
 吉村昭という作家を見た場合、純文学的な作品でもそうだが、彼が生まれ育った日暮里あたりの下町を愛し続けていたかがよくわかる。
 それは井の頭公園そばに終の棲家を構えてからも変わらなかったのではないだろうか。
 そんな吉村だったゆえに、彰義隊の旗印に祭り上げられた上野寛永寺の山主であったこの物語の主人公輪王寺宮が逃亡の過程で吉村ゆかりの土地土地をめぐった姿を追体験した時、どのような思いであったろう。
 吉村はこの作品の「あとがき」で「敗れた彰義隊員が私の町にものがれてきたという話などを、断片的に耳にしたりした」ことがあると語っている。
 時代を超えて、逃げていく輪王寺宮たちの姿を見つめている吉村少年の姿を見るようだ。

 輪王寺宮というのは、皇族の一人ながら幼児の時に出家し、幕末の争乱の際に寛永寺の山主であった人物である。
 その立場でなければ、あるいは官軍の将であったかもしれず、人の人生というのはわからないものだ。
 作中にも「時代の大きな流れの前で、人間は無に等しい」という言葉が出てくるが、それでもこの時代であれば岩倉具視のようにしぶとく勝ち抜いた人物もいるだから、なんともいえない。
 輪王寺宮の生涯もまた同じで、最後には国葬になったことを思えば、この人の人生もいかばかりのものだったのだろう。
  
(2021/10/06 投稿)

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  漫画家のさいとう・たかをさんが
  9月24日、84歳で亡くなった。
  さいとう・たかをさんのすごいファンということでもなかったが
  思い出すのは
  2018年の11月に
  川崎市市民ミュージアムで開催されていた
  「連載50周年記念特別展 ゴルゴ13 用件を聞こうか…」展
  見に行ったことです。
  男性ファンが多いことに驚いたし、
  しかもその人たちの熱心なことをいったら。
  そんなファンの姿が今でも印象に残っています。
  この写真は展覧会に展示されていた
  さいとう・たかをさんとゴルゴ13。

  20181110_113909_convert_20181111174930.jpg

  この展覧会から1年後、
  川崎市市民ミュージアムは台風で甚大な被害を受け、
  最近取り壊しが決定したと聞きました。
  さいとう・たかをさんの素晴らしい展覧会を開催してくれた
  ミュージアムがなくなり、
  さいとう・たかをさんもいなくなりました。
  少しさびしい秋です。
  今日は追悼の意味を込めて
  2010年に書いた
  さいとう・たかをさんの『俺の後ろに立つな さいとう・たかを劇画一代』を
  再録します。

  さいとう・たかをさん
  あなたのおかげで劇画の世界がひろがりました。

  ご冥福をお祈りします。

  

sai.wingpen  追悼・さいとう・たかをさん - 再録書評「怖くて立てません」                   

 「劇画」といえば「さいとう・たかを」といえるほど、劇画界におけるさいとう・たかをの位置づけは大きい。その第一人者が「劇画」について書いたとなると、どのような内容なのか興味がわく。
 漫画の神様手塚治虫に吸い寄せられるようにして、漫画家をめざした若者は多い。昭和30年前後のことだ。のちに彼らは伝説となる東京「トキワ荘」に集結する。すなわち、手塚治虫、赤塚不二夫、藤子不二雄、石森(のちの石ノ森)章太郎、などなど。
 その一方で、貸本ブームにのって大阪で活躍している若者たちもいた。辰巳ヨシヒロ、佐藤まさあき、松本正彦、そしてさいとう・たかを。彼らは「手塚漫画」では表現できないもの、それはより映画的なものを目指そうとしていく。やがて、彼らもまた東京へと集結。
 そして、昭和34年、「劇画」が誕生する。

 さいとうたちが目指したものは「漫画」ではなく「映画」だったように思える。
 映画を描きとめようとしてたどりついたのが「劇画」で、それが「漫画」という表現方法に近かったということではないだろうか。つまり、「劇画」は「漫画」から生まれたものではなく、「映画」から生まれたものではないかということになる。
 今ではその「映画」ともまったくちがう独自の文化である「劇画」が生まれてきたともいえる。さいとうは本書のなかで「劇画独自の手法による劇画の特性を生かすための劇画作品」(59頁)という言葉を使っているが、それだけの特性が現代の「劇画」にはあるし、さいとうのような作り手側にもはっきりとした意識がある。
 やはり、日本の誇れる文化といっていい。

 本書では、さいとうの生い立ちと劇画家として独立していく姿をまとめた「原風景」、劇画の特性を語った「劇画」、さいとうの大好きな映画のことを綴った「シネマ」、そして、さいとうならではの「流儀」「持論」といった章にわかれている。できれば、辰巳たちとの大阪貸本時代のエピソードをもっと読みたかったが、いまだ口にはできないものがあるのではないかと推測する。
 さいとうたちが次の「漫画」を激論していた時代。彼らも若かったが、日本という国もまだ若かった。時代はまだ動き始めたばかりだ。
  
(2010/08/07 投稿)

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 昨日は雲ひとつない秋晴れとなりました。

  20211003_091812_convert_20211003155916.jpg

 コロナの緊急事態宣言も解除され
 久しぶりに気分もすっきり。
 まだマスクは外せないでしょうが、
 やっぱりうれしい。

    秋晴の何処かに杖を忘れけり      松本 たかし

 畑は先月初めに植えた
 秋冬野菜にそろそろ追肥をいれる頃。
 こちらは畝いっぱいに育った
 ハクサイ

  20211003_100743_convert_20211003155942.jpg
  
 防虫ネットをしていても
 やはり虫にやられてしまいます。
 葉の裏とかに虫が隠れていないか探すのですか
 なかなか見つかりません。

 こちらは芽キャベツ

  20211003_105618_convert_20211003160238.jpg

 そばに植えたシュンギクも芽が出てきました。

 この畝には
 キャベツ(右)、玉レタス(中央)、茎ブロッコリー(左)。

  20211003_110342_convert_20211003160310.jpg

 それぞれ追肥をして
 また防虫ネットをしっかりします。
 追肥は鶏フンをまいています。

 作業の途中で見つけたのは
 オンブバッタ

  20211003_111828_LI_convert_20211003160400.jpg

 バッタは俳句の世界では「はたはた」とも呼ばれていて
 もちろん秋の季語。

    はたはたの脚美しく止りけり      後藤 比奈夫

 子どもの頃は
 こういう秋の虫もよく見かけたものですが。

 ニンジンも芽が背比べをするくらいになりました。

  20211003_102322_convert_20211003160112.jpg

 このまま大きくなってくれたらいいのですが。

 この時期は冬越し野菜の準備も始めます。
 第二区画の方では
 そのための畝づくりをしました。

  20211003_104815_convert_20211003160155.jpg

 手前がニンジンミニダイコンの畝、
 次のふたつの畝で冬越し野菜と葉物野菜をする予定。
 奥にハクサイの畝が見えています。

 来週には白ナスピーマンもおわりにするつもり。
 季節はしっかり動いています。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日10月3日は何の日か知ってますか?
  そう、アンパンマンの日なんです。
  テレビアニメ「アンパンマン」が1988年の今日始まったのを記念して
  制定されました。
  それもそうなんですが、もっと大事こと忘れてませんか。
  今日10月3日は
  この絵本の翻訳者でもある女優の石田ゆり子さんの
  お誕生日なんです。
  わーい、おめでとうございます!
  女性に年齢を聞くのは失礼ですが
  この絵本にも1969年生まれとありますから
  あとは指で数えてください。
  石田ゆり子さんが翻訳をしたのは
  M.B.ゴフスタインさんの
  『海のむこうで』という絵本。
  大人でも読める
  おしゃれな絵本です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  お誕生日のプレゼントにどうぞ                   

 この絵本の作者M.B.ゴフスタインさんはアメリカの絵本作家です。
 1940年に生まれて、2017年の誕生日に77歳で亡くなっています。
 この作品は1968年のものですから、ゴフスタインさんの初期のものだといえます。
 ゴフスタインの絵本はシンプルでありながら柔らかな線で描かれていて、日本でも多くのファンがいます。
 この作品は女優の石田ゆりこさんが翻訳を担当して話題になっています。

 この絵本は5つのお話でできています。
 海のむこうで木の人形をこしらえているおじいさんのお話。
 ちいさなリスのお散歩のお話。
 ソフィーという女の子がピクニックに行って、お弁当を食べるお話。
 海を流れていく大きなブーケのお話。
 そして、丘の上の風車のお話。
 物語でもないので、起承転結があるわけではありません。
 海を流れていくブーケのお話などは、わずか2ページしかありません。
 それでも、なんだか深い短編集を読んだような気分にさせてくれます。

 これは石田ゆり子さんが「あとがき」にも書いていた話ですが、ゴフスタインさんは子供の頃本というものがあまりにも素晴らしいので、人間が作ったものだとは思わなかったそうです。
 本はきっと神様がくれたもの、でも大きくなって本は人が書いたものだと知って、本を書く人になりたい。そう思ったそうです。
 でも、ゴフスタインさんの絵本を読むと、もしかしたらやっぱり本は神様が作ったものかもと思いたくなります。
 そういえば、石田ゆり子さんの「あとがき」は、「どうか明日も明後日もその先もずっと健やかな毎日でありますように」と、お祈りのように終わっています。
  
(2021/10/03 投稿)

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 今週の映画の話は
 もちろん「007」です。
 さすがに昨日公開された
 「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」は
 まだ観ていないので
 私が「007」にはまるきっかけとなった
 ダニエル・グレイグが最初にジェームズ・ボンドを演じた
 「007/カジノ・ロワイヤル」の話です。

  

 実は先日も「007/カジノ・ロワイヤル」を
 再視聴しました。
 この作品は2006年に公開されていますが、
 なんといっても今までもボンドとイメージが違う
 ダニエル・グレイグの起用が
 大きな話題となりました。
 しかし、今までの「007」シリーズと一線を画すということで
 出だしはまだボンドが「00(ダブルオー)の称号を与えられていないという設定の
 完全リブート作品となっていたのが
 新しいファンを取り組む要因になったことは
 間違いありません。

 「007」となって間もないボンドの息もつかせないアクションの連続。
 そして、テロ組織の主犯であるル・シッフルの大型旅客機爆破計画を
 阻止するボンド。
 この作品の敵役ル・シッフルを演じたのは
 マッツ・ミケルセン
 血の涙を流す彼の魅力もこの作品の見もの。
 しかし、なんといっても
 この作品のボンド・ガール、エヴァ・グリーンがいい。
 彼女はル・シッフルとカジノ勝負を挑むボンドに資金を提供する
 財務省から派遣されたヴェスパー・リンドという役。
 私はこの作品でエヴァ・グリーンを知って
 彼女のデビュー作から最新作の「ダンボ」(2019年)まで
 見まくりました。
 彼女、この「007/カジノ・ロワイヤル」では
 その美しい姿態をあまり見せていませんが
 デビュー作の「ドリーマーズ」(2003年)では
 惜しげもなくその裸体を見せていてびっくりしました。

  

 私としては
 偶然にも殺人に手を染めて
 シャワー室でうずくまってしまうヴェスパーがいいですが。
 ボンドもそういうところに魅かれたのかな。
 彼女こそ
 ボンドが唯一愛した女なんですから。

 事件が解決して
 ホッとしたのもつかの間、
 最後のドンデン返しにもう目が離せません。
 ヴェスパーはどうなるのか?
 ボンドの愛はどうなるのか?

 何度も観たくなる傑作です。
 ちなみにこのあとの「007/慰めの報酬」(2008年)は
 この続編となっています。
 あのヴェスパーの首飾りだけは出てきます。

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