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  今日は
  坪内祐三さんの『昭和にサヨウナラ』という
  エッセイを紹介します。
  坪内祐三さんは
  昭和33年生まれで
  2020年に亡くなった時は
  まだ61歳でした。
  昭和は64年までありましたから
  ちょうど真ん中あたりの生まれになります。
  私も昭和30年生まれですから
  戦前戦中期の昭和は知りません。
  いい時代になってからの昭和世代といえます。
  このエッセイは
  たまたま追悼エッセイが多い形で
  なので、こんなタイトルになっています。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  坪内祐三さんが愛した「昭和」                   

 この本が刊行されたのは、2016年春のことで、元号でいえば平成28年になります。
 なので、「昭和」が終わって随分経ちます。
 もともとは「エンタクシー」という雑誌に2011年から2016年にかけて連載されていたものですが、それでも「昭和」からかなり経っています。
 なのに、何故「昭和にサヨウナラ」というタイトルがついたかというと、収められた16篇のエッセイのほとんどが「昭和」に活躍した人の追悼文になったからでしょう。
 雑誌掲載時のタイトルは「あんなことこんなこと」で、テーマを決めないで毎回興味に感じたことを書いていく予定だったそうです。

 どんな人の追悼が書かれているかというと、もちろんその方々は坪内祐三さんとなんらかの接点があったということになりますが、丸谷才一さん、中村勘三郎さん、中川六平さん、赤瀬川原平さん、車谷長吉さん、野坂昭如さんなど、もちろん出版にかかわる人が多いのですが、坪内さんの交友の広さがわかります。
 そして、これらの人々と坪内さんの間にはか「東京人」という雑誌の編集長だった粕谷一希さんや仲がよかった山口昌男さんといった多くの人も介在しています。
 そんな話に触れると、作家で評論家だった坪内祐三さんが、強い個性であるがゆえに人に嫌われながらも、人に愛されてきた姿が見えるようです。

 坪内さんが愛した「昭和」も随分遠くなりました。
 そんな坪内さんも、もういません。(坪内さんは2020年1月に逝去)
  
(2021/10/13 投稿)

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