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  ショーケンと呼ばれた
  萩原健一さんが亡くなったあと
  女優の桃井かおりさんは
  こんなコメントを残しています。
  「可愛くていけない魅力的な生き物でした。
   同じ時代に生まれ、同じ時間を過ごせた偶然に、感謝。ありがと」
  もしかしたら、
  ショーケンや桃井かおりさんたちと同じ時代を生きた人たちにとって
  彼女のコメントは胸にジンときたのではないでしょうか。
  それくらい
  ショーケンはかっこよかった。
  今日は
  そんなショーケンの評伝ともいえる一冊、
  大下英治さんの
  『ショーケン 天才と狂気』を
  紹介します。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  あいつの笑顔が忘れられない                   

 10代の時につけられたニックネーム「ショーケン」で、2019年3月に68歳で早逝するまで呼ばれ続けた男、萩原健一。
 その人生をかつて三越の社長退陣のきっかけとなった作品など数々のノンフィクション作品を発表してきた大下英治氏が書くというので興味をひかれた。
 何しろショーケンといえば、生まれた時から波乱に満ちていて、家族との関係、10代の頃のやんちゃぶり、GS時代のスター、そして俳優となってからの悪行、奇行、華々しい女性遍歴、さらには薬物使用による逮捕、傷害事件、恐喝未遂、と書く材料に困ることはない。
 しかし、大下氏はそういったプライベートな側面について、ほとんど書いていない。
 もちろん、そうはいっても女性との関係など書かないわけにはいかないが、そのほとんどをショーケンが出演した映画やドラマの制作現場での姿に終始している。

 ショーケンは俳優として稀有な存在であった。まさにタイトルにある「天才」は、他の俳優たちの追随を許さない部分だろう。
 その一方で「狂気」もあった。
 撮影現場に現れるショーケンは畏怖される対象でもあった。暴言、暴力、わがまま、多くの制作スタッフは、彼とともに仕事をすることを嫌がったという。
 しかし、それでもショーケンは多くの作品に出続けた。
 つまり、持っていた「狂気」以上の存在感が彼にはあったということだろう。
 ショーケンという男が演じようとしたものは、そういう評価を超えたところにあったともいえる。
 そういう意味では、ショーケンは時代とともに生きた男だったのだろう。
  
(2021/10/15 投稿)

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