10/23/2021 このタイトルを作った人はスゴイ! - 映画「俺たちに明日はない」の話

井上由一さん編の
『アメリカン・ニューシネマ 70年代傑作ポスター・コレクション』に
そのムーブメントの嚆矢となったのは
1967年公開の「俺たちに明日はない」とありました。
この作品で主演でプロデュースも担当した
ウォーレン・ベイティは
この作品の監督を当初フランスのフランソワ・トリュフォーを
起用するつもりだったとか。
トリュフォーがだめで、その次にあのゴダール監督も候補になったそうです。
つまり、当時のアメリカの映画人には
フランス映画で巻き起こった「ヌーヴェル・ヴァーグ」が
かなり意識されていたようです。
結局、監督はアーサー・ペンになりましたが、
トリュフォー監督が撮ったら
一体どんな作品になったのか、
想像するだけでわくわくします。
今日は、そんな「俺たちに明日はない」話を。

主人公2人の名前です。
その邦題が「俺たちに明日はない」としたセンス、
今でもすごいと思います。
1960年から70年前半あたりまで
原題をそのままカタカナ表記にするのではなく
日本語に置き直すことが当たり前のようにあったのですが。
でも、このタイトル、
アメリカン・ニューシネマの精神を見事に言い切った
名タイトルだと思います。

ボニー役のフェイ・ダナウェイがめちゃくちゃよかった。
今回久しぶりにこの映画を観直したのですが
何度観ても
彼女の魅力にガツンとやられます。
行き場所のない倦怠感、
暴力への高揚感、
そして絶望。
彼女の眼がそれらをすべて表現しています。

これはアメリカでの公開時の有名なキャッチコピー。
対して、日本では
「若い愛にとどめをさした八十七発!
つかのまの幸福も無情に消えた短い恋と生命!」
このコピーにあるように
ラスト、二人を襲う警官からの87発の銃弾。
ストップモーションで二人が撃たれていくラストは
忘れられないラストシーンでした。

今観てもちっとも古臭くない。
まさにアメリカン・ニューシネマの傑作として
映画史に燦然と輝く名作です。

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