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 明日、8月6日は77回めの広島原爆の日
 
    子を抱いて川を泳ぐや原爆忌       林 徹

 世界は核戦争の恐怖を孕みながら、この日を迎える。
 一体、人間は何を歴史から学ぶのだろう。
 やりきれない気持ちで、またこの日を迎える。

  

 井上ひさしさんの『父と暮せば』は1994年に発表された戯曲だ。
 井上さんのこまつ座で公演され、その後もたびたび演じられてきた。
 2004年には黒木和雄監督で映画化もされている。
 舞台は昭和23年(1948年)初夏の広島。原爆が投下されて3年になろうとしている。
 主人公は図書館で働く23歳の美津江。
 雷が怖くて家に飛び込んだ彼女を、父の竹造が迎える。
 物語が進むにつれ、竹造がすでに亡くなった存在であることがわかってくる。
 竹造は、美津江の恋のときめきから生まれた存在なのだ。

 美津江は原爆で父だけでなく多くの友人たちを失って、そこに負い目を感じている。
 自分が幸せになるわけにはいかない。
 そんな美津江を父竹造はきつく叱る。
 「あよなむごい別れがまこと何万もあったちゅうことを覚えてもろうために
 生かされとるんじゃ」
 おそらく、これは井上ひさしの生の声だろう。
 竹造はそのあとに「図書館もそよなことを伝えるところ」と言う。
 図書館に収められた本こそ、それを伝えるものだと、井上の声が聞こえてきそうだ。

 戯曲を読みなれない人もいるかもしれない。
 けれど、文庫本でわずか100ページ余りの作品だ。一気に読める。
 こういう作品を先人が残してくれたのだ。
 それを伝えるのも、残された者たちの役目だと思う。

 今日紹介した井上ひさしさんの『父と暮せば』は
 このブログで何度となく取り上げてきました。
 井上ひさしさんが伝えたかったことを
 これからも読み、
 そして語り続けていきたいと思います。

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