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 よく売れているそうだ。
 2022年上半期の文庫部門のベストセラー第1位だとか。
 単行本が出たのが、2018年4月。
 文庫になったのが、2021年8月で、やはり廉価の文庫本になって、
 コスパがあがって、より購買者が増えたといえる。
 タイトルがいい。
 『三千円の使いかた』。
 それで、700円余(この余は税金)の投資(?)だとしても、「元」とれるんだとしたらいうことない。
 世の中あまりうまい話はないが、この物語は「元」はとれるかも。

 原田ひ香さんの『三千円の使いかた』は、6つの話からなる連作短編集。

  

 全体は時間の経過とともに描かれているから、長編のようにも読めるが、
 6つの話は主人公がそれぞれ違うから、どの話から読んでも不都合はない。
 登場するのは、73歳の祖母琴子を筆頭に、嫁の智子、そして二人の孫娘。
 一人はしっかりものの真帆で、結婚して子供もいて、貯金にもがんばっている。
 下の孫娘美穂は、半年前に一人暮らしを始めたばかりの新米社会人。
 年代も取り巻く環境も違う彼女たちが、どんなふうにしてお金とかかわっていくか、
 時にコミカルに、時にホットに、描かれていく。

 個人的に好みの話があるだろうが、私は第5話の「熟年離婚の経済学」が面白かった。
 主役は55歳の嫁智子さん。病気から快復して家に戻ってきて、初めて気づく夫の無関心さ。
 彼女の頭をよぎる「離婚」の二文字。でも、そのあとの生活はどうなる?
 あなたが奥さんなら、夫に読ませるべき。
 もし、あなたが夫なら、そっと奥さんの目が届かないところに置くか。
 この1篇で、「元」はとれた気分になりました。

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