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 昨日8月22日は
 作家向田邦子さんの忌日「木槿(むくげ)忌」でした。
 向田邦子さんが台湾での飛行機事故で亡くなったのは
 1981年(昭和56年)8月22日でしたから
 もう40年以上前になります。
 向田さんの忌日を「木槿忌」と呼ぶのは、
 向田さんと親交のあった山口瞳さんが
 急逝した向田さんを偲んで綴られたエッセイにちなんだもの。

 向田邦子さんは
 脚本家として名を成し、
 その後エッセイスト、そして作家となった。
 直木賞を受賞したのは亡くなる前年、1980年だから
 もし、亡くならなければどんな作品を残しただろうと
 多くの人が悔しがった。
 その向田さんの最初のエッセイ集がこの『父の詫び状』。

    

 初出は「銀座百点」という雑誌で
 1976年から1978年にかけて掲載されたもの。
 単行本になったのが1978年秋。
 掲載終了後まもなくだった。

 そして、文春文庫に入ったのが、
 亡くなった1981年12月で、
 文庫化に際し、向田さんはその解説を
 まだ若い書き手だった沢木耕太郎さんを指名する。
 沢木さんは向田さんの期待に応えるべき、
 文庫解説としては長い文章を綴っていく。
 そして、ようやくその仕事にめどがついた8月22日、
 沢木さんは向田さんの突然の訃報に接することになる。

 文春文庫版の『父の詫び状』は
 向田邦子さんの第一エッセイ集という誉れと
 エッセイとしての読み応えのある愉しみと
 それを最後に見送ることになった
 沢木耕太郎さんの慟哭がつまった、
 本としても貴重すぎる一冊といえる。

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