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 NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が始まるまで
 源頼朝やその妻北条政子、三代将軍実朝の名前ぐらいは知っていたが
 ほとんどその時代のことや人物の関係など知らなかった。
 ドラマを見続けるうちに
 この時代がとても面白いことを知ることになる。
 ドラマでは北条政子の弟義時が主人公だが
 その一方北条政子もドラマの最初からずっと登場する重要人物である。
 日本三大悪女(政子、日野富子、淀君)ともいわれる政子とは
 どんな女性であったのか、
 鎌倉時代の人物を描いた連作集『炎環』で第52回直木賞を受賞した
 永井路子の『北条政子』を読んでみた。

   

 『北条政子』は1969年に刊行された長編歴史小説で
 1979年の大河ドラマ「草燃える」の原作にもなった作品。
 (この時の政子を岩下志麻さんが演じている)
 御家人たちの内部抗争が激しい時代であるが
 永井さんの文体にそれほど悲壮な重い印象はない。
 むしろ、どちらかといえば現代風だ。
 政治の世界の政子というよりも、
 頼朝の妻として、大姫や頼家、実朝の母として、
 またのちに実朝と殺害することになる孫の公暁の祖母として
 描かれているといっていい。
 もし、政子が悪女とあったとすれば、子供の育て方の間違いかもしれないが、
 それもこの時代特有の乳母との関係の悩ましさともいえる。

 永井はこの作品を公暁による実朝暗殺とその公暁の死までで終えていることで
 承久の乱は描かれていない。
 永井路子にとっての北条政子の長い物語は
 孫の死で完結していたのだろう。

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