11/10/2022 元祖アイドル「明日待子」がいた時代(押田 信子) - なんとも可憐な戦時中のアイドル

NHKのドラマはそれ以外にも面白い作品が多く、
特に単発ドラマには目をひく作品が多い。
8月に放送された古川琴音さん主演の「アイドル」もそのひとつで、
戦時中に明日待子というアイドルがいたことを
そのドラマで初めて知りました。

いつものように図書館の所蔵本を調べてみつかったのが
押田信子さんが書いた『元祖アイドル「明日待子」がいた時代』です。
この本も2022年8月に出たばかりで、
表紙には可憐な(まさにアイドル!)本物の明日待子さんの写真が使われ、
中には資料として彼女の写真が多数収められています。
そこには初めてのカルピスガールともいえるCMキャンペーンの写真も
あったりします。

「どんな苦難もはねのける、無敵な名前」と形容しています。
もちろんこれは芸名で、
本名は小野寺とし子、大正9年に生まれ、2019年に99歳で亡くなっています。
彼女が明日待子として活躍したのは、「ムーラン・ルージュ新宿座」という軽演劇の舞台で、
この本では明日待子の生涯とともに
戦争に翻弄されていく演劇界の様も描かれていきます。
なかでも、胸に迫るのは、戦地に赴く若い兵士たちが
「ムーラン・ルージュ」に訪れて、明日待子の姿を最後に見て出征していく姿です。
どんな時代であっても、
アイドルは若い人たちの心のよりどころだったのです。

この時代や背景に興味のある人には充実の一冊です。

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