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 先週、大河ドラマと朝ドラについて書きましたが、
 NHKのドラマはそれ以外にも面白い作品が多く、
 特に単発ドラマには目をひく作品が多い。
 8月に放送された古川琴音さん主演の「アイドル」もそのひとつで、
 戦時中に明日待子というアイドルがいたことを
 そのドラマで初めて知りました。

   

 明日待子というアイドルを書いた本があるかと
 いつものように図書館の所蔵本を調べてみつかったのが
 押田信子さんが書いた『元祖アイドル「明日待子」がいた時代』です。
 この本も2022年8月に出たばかりで、
 表紙には可憐な(まさにアイドル!)本物の明日待子さんの写真が使われ、
 中には資料として彼女の写真が多数収められています。
 そこには初めてのカルピスガールともいえるCMキャンペーンの写真も
 あったりします。

 押田さんは明日待子という名前について、
 「どんな苦難もはねのける、無敵な名前」と形容しています。
 もちろんこれは芸名で、
 本名は小野寺とし子、大正9年に生まれ、2019年に99歳で亡くなっています。
 彼女が明日待子として活躍したのは、「ムーラン・ルージュ新宿座」という軽演劇の舞台で、
 この本では明日待子の生涯とともに
 戦争に翻弄されていく演劇界の様も描かれていきます。
 なかでも、胸に迫るのは、戦地に赴く若い兵士たちが
 「ムーラン・ルージュ」に訪れて、明日待子の姿を最後に見て出征していく姿です。
 どんな時代であっても、
 アイドルは若い人たちの心のよりどころだったのです。

 巻末には詳細な年表と主要な参考資料が載っていて、
 この時代や背景に興味のある人には充実の一冊です。

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