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 高木亮さんの『きりえや 偽本シネマ大全』は、二重に楽しめる一冊だ。
 まず、書名に「きりえや」とある通り、高木さんはきりえ画家で、
 表紙の書影でわかるように「切り絵」を楽しむ本なのだ。
 切り絵とは、紙を切り抜いて台紙に張り付けて見せる作画のことで、
 かなり昔から作られている。
 高木さんの場合、思わず笑いをさそうデザインになっていて、
 それだけでも十分楽しめるはずだ。

   

 もちろん、「切り絵」の楽しみを倍増させるのが「偽本」、
 つまりはパロディの方だ。
 この本では映画作品のパロディで、
 単に作品名だけをもじっただけでなく、
 あらすじまで嘘でこしらえてしまう念のいれようなのだ。
 紹介されているタイトルだけでもいくつか抜き出してみよう。
 (本物の映画は何だか考えてみよう!)
 「椿さん十浪」「王様と和田氏」「代打ニック」「猿の学生」
 「2001年普通の旅」「土器をなげる少女」・・・などなど
 全部で82作品という圧巻。
 私のイチ押しは「シャトー市」。(大笑いしました)

 作った高木さんは「波乱含みの制作」だったようだが、
 読者はひたすら笑い転げ、時にはうまいもんだと感心し、
 さらには「切り絵」の巧さにたまげる。
 そんな楽しい読書だって、アリだと思う、よ。

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